小関裕太・岡宮来夢らが立ち上げる“新しいロミジュリ” (original) (raw)
小池修一郎が潤色・演出を手がけるミュージカル「ロミオ&ジュリエット」が、本日5月16日に東京・新国立劇場 中劇場で開幕する。これに先駆け、昨日15日に公開ゲネプロが行われた。
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」は、2001年にフランスで生まれたミュージカル。日本では、小池の演出により2010年に宝塚歌劇団で初演され、2011年には日本オリジナルバージョンが誕生した。2021年以来約3年ぶりの上演となる今回は、ロミオ役を小関裕太と岡宮来夢、ジュリエット役を吉柳咲良と奥田いろは(乃木坂46)が演じる。昨日のゲネプロで披露されたのは、小関&吉柳バージョン。Wキャストとなるベンヴォーリオ役を内海啓貴、マーキューシオ役を伊藤あさひ、ティボルト役を太田基裕、死役を栗山廉が務めた。
物語は、敵対するモンタギュー家とキャピュレット家の抗争シーンで幕開け。モンタギュー家は内海扮するロミオの友人ベンヴォーリオと、伊藤扮するロミオの友人マーキューシオ、一方のキャピュレット家は太田扮するジュリエットのいとこティボルトを中心に、激しいダンスと殺陣を披露し、憎しみ合う両家の埋まらない溝を表現する。
そののち、小関扮するロミオと吉柳扮するジュリエットが登場。劇中におけるモンタギュー家のイメージカラー・青を基調としたロックテイストの衣裳を身につけた小関は、まだ見ぬ恋人への募る思いを熱く歌い上げ、ピンクのドレスをまとった吉柳は、まだ初々しさの残るピュアなジュリエットを、くるくると変わる表情と澄んだ歌声で体現した。そんな、希望に満ちあふれたロミオとジュリエットを物陰から静かに見つめるのは、栗山扮する死。頭からつま先まで全身黒の衣裳に身を包んだ栗山は、長い手足を生かしたあやしくしなやかなダンスで、死の予感を恐れるロミオを翻弄した。
また、中世と現代の要素を合わせ持った演出と舞台美術も、本作の大きな特徴の1つ。スクリーンに投影されたイタリアの街ベローナの風景は、古めかしいレンガ作りの建物と、高層ビルが共に存在しており、そこで暮らす登場人物たちは携帯電話で連絡を取り合っている。さらに、ロミオとジュリエットが出会うきっかけとなった舞踏会のシーンには、色鮮やかなLED照明とミラーボールを用いたきらびやかなダンスホールが出現する。
開幕に際して、メインキャストからコメントが到着。小関は「リハーサル時に演出の小池先生がおっしゃっていた『新しいロミジュリが見れた。とても新鮮でした。』という言葉がとても印象的で嬉しかったです」とエピソードを明かし、岡宮は「歴代の皆様が命を吹き込んできたこの作品を、僕たちの色で自信を持ってお届けします」と意欲を見せる。
吉柳は「長く愛され続け、再演され続けるこの作品を私自身も、最後まで向き合い、愛し抜けたらと思います」と決意を語り、奥田は「毎回新しい発見があり新鮮な日々でした。何度見てもときめくし、悲しいし、虚しいし、美しい。作品自体の力も大きいけれどやっぱり一人一人の努力がゆえにここまで作品の魅力を引き出せてるなと思います」と手応えを述べた。
上演時間は休憩ありの約3時間で、東京公演は6月10日まで。その後、22・23日に愛知・刈谷市総合文化センター、7月3日から15日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演される。なおPIA LIVE STREAMでは、6月9日18:00開演回、10日12:00開演回の様子が配信される。
小関裕太コメント
ロミジュリ2024が開幕いたします!
6度目の上演となる演目ですが、リハーサル時に演出の小池先生がおっしゃっていた「新しいロミジュリが見れた。とても新鮮でした。」という言葉がとても印象的で嬉しかったです。
400年以上愛される戯曲「ロミオ&ジュリエット」の作品が持つパワーと、小池先生の潤色による美しさと儚さを大事にしながら、この新メンバーでしか辿り着けない公演にできたらと意気込んでいます。
名作の今を楽しんでいただけますように。
岡宮来夢コメント
いよいよ2024年版、僕たちが創ってきた「ロミオ&ジュリエット」の幕が上がります。
ずっと憧れていたロミオになります。
僕は今回スケジュールの都合上、なかなか稽古に参加することが叶いませんでした。
ですが参加するたびにカンパニーの皆さんがどんどん素敵になっていっているのを見て、焦る気持ちもありましたが、このカンパニーの一員であることを誇らしく思い、僕も頑張ろうと自分を奮い立たせて準備を進めてきました。
僕がここまで辿り着くことができたのは小池先生はじめ、キャストの皆様、スタッフの皆様、そして何より、小関裕太くんと中村翼くんのおかげです。
心から感謝しております。
歴代の皆様が命を吹き込んできたこの作品を、僕たちの色で自信を持ってお届けします。
是非楽しみにしていてください!
劇場でお待ちしております!
吉柳咲良コメント
毎日積み重ねていく稽古の中での新しい発見や、自分自身の中の心情の変化。沢山のことを経て、やっと、本番を迎えます。
私が見てきた稽古場は、毎日たくさんのトキメキで溢れていて、充実感でいっぱいでした。カンパニーの皆さんの熱量や迫力は想像を遥かに超えるもので、何度もパワーをいただきましたし、涙が止まらない時ばかりでした。
20歳になったとはいえ私はまだまだ悩むことだらけで、ロミオのお二人をはじめ、他のキャストの皆様の支えが本当に大きかったなと感じております。何よりも、私には心強いダブルキャストである奥田いろはさんがいたおかげで、乗り越えられてきた日々でもありました。
そんな素敵なカンパニーで作り上げる2024年版の「ロミオ&ジュリエット」が、どのように皆様に届くのか、今はただ楽しみでなりません。長く愛され続け、再演され続けるこの作品を私自身も、最後まで向き合い、愛し抜けたらと思います。
これから東京、愛知、大阪とたくさんの公演をさせていただけるので、カンパニー一同、全力で、安全に、楽しく最後まで走り抜けられるよう切磋琢磨して頑張っていきますので、温かく見守っていただけたらと思います。
最後までどうか、よろしくお願い致します。
奥田いろはコメント
最初から最後まで何度も通して稽古して、客観的にも沢山作品と向き合ってきましたが、毎回新しい発見があり新鮮な日々でした。何度見てもときめくし、悲しいし、虚しいし、美しい。作品自体の力も大きいけれどやっぱり一人一人の努力がゆえにここまで作品の魅力を引き出せてるなと思います。
初めて舞台に出演させていただくので、お稽古が始まった最初の頃は何も分からず、本当にゼロの状態だった私に、演出の小池先生はじめキャスト・スタッフの皆さんからのアドバイスでようやく私の中のジュリエットを見つけ、掴んできています。
皆さんにお届けするのが楽しみです!
このお稽古期間、カンパニーの皆さんに助けられて励まされてすごく救われてきました。
何があってもそばにいてくれた同じジュリエット役の吉柳咲良さん、そしてロミオのお二人をはじめとするキャストの皆さん、スタッフの皆さんへも感謝の気持ちを込めていいお芝居ができるようまだまだ頑張りたいと思います!
ぜひ劇場にお越しください、お待ちしています!
内海啓貴コメント
今この令和の時代に、この作品を届ける意味はなんなのだろうか?と僕は自分に問い続けながら稽古に励んでいました。
家の外に出れば色んなウイルスが蔓延している空気、自然災害。
生きづらさを感じる世の中でも、それでも負けずにこの作品を素敵なモノにしようと、食らいついている同年代の共演者と稽古をして僕は沢山の勇気をもらいました。
作品は悲劇かもしれませんが、その中に希望の光を感じました。
シェイクスピアの詩や楽曲を信じて、僕ら若者の勢いや熱さ、そして“圧倒的な爆発力”でお客様の明日を照らす作品にしたいと思っています。
新生「ロミオ&ジュリエット」
劇場でお待ちしております。
石川凌雅コメント
日々過ごす中で忘れかけているもの、諦めかけていること、
皆様にとってこの作品がそういったものを取り戻すきっかけになれば幸いです。
僕自身も稽古を通して作品に触れ合い、共演者やスタッフの皆様と関わる事で、
正直な気持ちは隠すのではなく、勇気を出して伝えてみる事の大切さを実感しました。
当たり前だと思っていることが幸せである事。そういった気づきがご観劇くださる皆様に届くと信じて全力で表現していきたいと思います。
伊藤あさひコメント
2ヶ月間の濃密な稽古の日々を経て、初日を迎えられることを本当に嬉しく思います。
そして、ミュージカル初挑戦で「ロミオ&ジュリエット」という歴史ある作品に出演する事ができ、改めて気が引き締まる思いです。
伊藤あさひが演じるマーキューシオが皆様にどのような受け取られ方をするのか、正直緊張しています。
歌もダンスも0からのスタート。数え切れない苦悩と葛藤がありました。
沢山の稽古を重ね、素晴らしいキャストの皆様の背中を追いかけ、スタッフの皆様に支えていただき、今日を迎える事ができました。
歌とダンスと芝居の力を信じ、観に来てくださる方に、楽しかった、観に来て良かったと思っていただけるよう、千穐楽までマーキューシオを全力で生きていきます。
劇場でお待ちしております。
笹森裕貴コメント
初めてのグランドミュージカル出演ということもあり、約2ヶ月間、毎日必死で、夢の中でも稽古をしておりました。たくさん挑戦して、たくさん失敗しました。
その傷も全てマーキューシオを演じる上でのスパイスになったような気がします。
舞台稽古中、幕に大きな「ロミオ&ジュリエット」のロゴが映し出された時、「本当にこの作品に出るんだな」と実感すると共に、ドキドキやワクワクが込み上げてきました。
全身全霊で役を全うします。よろしくお願いいたします。
太田基裕コメント
台本と楽曲、出演者の皆様を感じながら自分の中にあるティボルト像を膨らませてきました。
劇場にお客様が入り、さらにどういう化学反応が起きるのか、どんな刺激と余白、空間が生まれるか、不安と期待で揺れ動いています。
沢山のお客様とステキな出会いになりますように。最後までよろしくお願いします。
水田航生コメント
2024年版「ロミオ&ジュリエット」が開幕します!
以前、本作品に参加させていただいた時とは、景色が全く違う幕開けを迎えます。
キャストや上演する時が変わると、こんなにも違う印象になる作品なんだと実感しております。
愛と憎しみ、表裏一体の感情を常に心に燃やし、ティボルトという男を全身全霊で演じ、
千秋楽のその日までしっかりと公演を積み重ねていきたいと思います。
劇場でお待ちしております!
(c)ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局