「ライカムで待っとく」再演が神奈川でスタート (original) (raw)
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ライカムで待っとく」が昨日5月24日に神奈川・ KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオで開幕した。
本作は、沖縄本土復帰50年となった2022年に、沖縄在住の若手劇作家・兼島拓也が書き下ろし、沖縄にルーツを持つ田中麻衣子の演出で上演された作品。初演時、第30回読売演劇大賞優秀作品賞受賞、第26回鶴屋南北戯曲賞ノミネート、第67回岸田國士戯曲賞最終候補作に選出されるなど注目を集めた。
本作では、アメリカ占領下の沖縄で起こった1964年の米兵殺傷事件を基に書かれた伊佐千尋のノンフィクション「逆転」をもとにした物語が展開。雑誌記者の浅野悠一郎は60年前に起きた米兵殺傷事件について調べることになるが、実はその容疑者が自分の妻の祖父だったことを知り……。
開幕に際し兼島は「まずは無事に幕が開き安堵しています。再演ではありますが、新たなものとして作品が立ち上がっていました。初演時、暗闇の中を皆で手を繋ぎ声をかけ合いながら進んだ道程。そのとき踏みしめた足元をいま一度確認し、そこから一歩踏み出すか、立ち止まってみるか、あるいは後退してみるか。そんな試行錯誤は再演だからと免除や軽減されることなく、むしろまとわりついて足元を重くします。その重みに足を引きずり、その足でこの国の地面を歩く。その地面はもともと海だったかもしれない、その足では立ち入れない地面がある。そんな『こっち側』の世界に観客の皆様を誘って迷子にさせる上演になっています。これからご観劇の方、この巨大な迷路の中で待っときます」とコメント。
田中は「無事初日の幕を開けることができました。初演である2022年公演、そして今回の2024年公演に携わった、全てのスタッフ・キャストの沖縄への関わりみたいなものが込められているのではないかと思います。観ていただくタイミングや場所、時期、時間帯によっても、印象に残る言葉や場面が違うかもしれない作品です。現実が日々更新されていくのと同じなのかもしれません。また明日からチーム全員で、6月2日までのKAAT公演、その後の京都、久留米公演、沖縄での大千秋楽まで、一回一回、大切に上演していきます。劇場でお待ちしています」と観客にメッセージを送った。
出演者には中山祐一朗、前田一世、佐久本宝、蔵下穂波、小川ゲン、神田青、魏涼子、あめくみちこが名を連ねた。上演時間は約2時間、神奈川公演は6月2日まで。その後本公演は7・8日に京都・ロームシアター京都 サウスホール、15日に福岡・久留米シティプラザ 久留米座、22・23日に沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場で行われる。
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ライカムで待っとく」
2024年5月24日(金)~2024年6月2日(日) ※公演終了
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
2024年6月7日(金)~2024年6月8日(土) ※公演終了
京都府 ロームシアター京都 サウスホール
2024年6月15日(土) ※公演終了
福岡県 久留米シティプラザ 久留米座
2024年6月22日(土)~2024年6月23日(日) ※公演終了
沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場
スタッフ
出演
中山祐一朗 / 前田一世 / 佐久本宝 / 蔵下穂波 / 小川ゲン / 神田青 / 魏涼子 / あめくみちこ
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