田舎町のカフェが舞台の劇団普通「水彩画」スタート (original) (raw)
何もない田舎町のカフェを舞台に描く、劇団普通「水彩画」スタート
2024年6月18日 17:20 3
「劇団普通『水彩画』」が、昨日6月17日に東京・すみだパークギャラリーささやで開幕した。
本作は、作・演出を手がける石黒麻衣の故郷・茨城の言葉で“家族の肖像”を描く、劇団普通の新作長編。何もない田舎町に、不釣り合いなほど洗練された内装のカフェがある。そこには、知人の絵画の個展を見るために町を訪れた老夫婦、その娘夫婦、そして地元の年若いカップルの3組の客がいて……。
開幕に際し石黒は「私にとっての原風景は、自室の窓から畑越しに臨む家々や学校の景色で、その印象があまりに強いために、いつまでも自分はそこに居て今見ているものは全て夢なのではないかといつも思っておりました。ですが、その時々の偶然が重なり現在東京で生活しております」「この作品の登場人物たちも、寄る辺の無い空間で、そんな拠り所のない気持ちを持て余しているのかもしれません。どうかこの場でひと時を過ごす登場人物たちの行く末を覗いてみていただけますと幸いです」とコメントした。
出演者には用松亮、安川まり、坂倉なつこ、浅井浩介、伊島空、青柳美希が名を連ねている。上演時間は約1時間40分、公演は6月23日まで行われる。
石黒麻衣コメント
劇団普通は今から約十年前に小さな会場での旗上げ公演から始まり、回を重ねるごとに少しずつ観てくださるお客様が増え、現在まで活動を続けて来ることができました。劇団を始めたばかりの頃には考えられないことです。さらに、私の故郷である茨城に住んでおりました頃には、今の自分を取り巻く状況は到底想像のつくものではありません。私にとっての原風景は、自室の窓から畑越しに臨む家々や学校の景色で、その印象があまりに強いために、いつまでも自分はそこに居て今見ているものは全て夢なのではないかといつも思っておりました。ですが、その時々の偶然が重なり現在東京で生活しております。今思えば過去のとある瞬間、茨城で恐らく一生を過ごすであろう選択をする機会がなかったわけではありませんでした。もしそうなっていたらどうなっていたでしょうか。様々な可能性を考えますが、どの道に進んでも得られるもの、得られないものがやはりあり、どの道に進んでも、本当に得たいものは、手に入れ難く、既に失ってしまったり、得ても不安定なものばかりが手元に残るだけのような気がします。
この作品の登場人物たちも、寄る辺の無い空間で、そんな拠り所のない気持ちを持て余しているのかもしれません。
どうかこの場でひと時を過ごす登場人物たちの行く末を覗いてみていただけますと幸いです。
劇団普通「水彩画」
2024年6月17日(月)〜23日(日) ※公演終了
東京都 すみだパークギャラリーささや
スタッフ
作・演出:石黒麻衣
出演
用松亮 / 安川まり / 坂倉なつこ / 浅井浩介 / 伊島空 / 青柳美希
※U-22、高校生割チケットあり。
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