ロロが演劇×短歌で“飽きちゃった人たち”描く (original) (raw)
「ロロ新作 劇と短歌『飽きてから』」が、8月23日から9月1日まで東京・ユーロライブで上演される。
これまで異ジャンルのアーティストと積極的にコラボレートしてきたロロが、今回は歌人の上坂あゆ美を迎え、“演劇×短歌”の創作に挑戦する。本作では、三浦直之が書いた、郊外のアパートでルームシェアをする3名の男女にまつわるシーンに、上坂が短歌で応答しながら、“趣味とか仕事とか人間関係とか暮らしとかに、飽きちゃった人たちの、あのころとそれから”が描き出される。
出演者にはロロの亀島一徳、望月綾乃、森本華に加え、歌人としても活動するお笑い芸人・鈴木ジェロニモ、そして上坂が名を連ねた。音楽を、元シャムキャッツの夏目知幸によるソロプロジェクト・Summer Eyeが担当する。
三浦は「ぼくがおもいつくままにシーンを書いて、上坂あゆ美さんから短歌を受け取る。往復書簡っていうより、パズルの完成図がわからないまま、ピースを作っていくみたいなかんじ」と説明。上坂は「極端な理想主義(と私は思っています)の三浦さんと、極端な現実主義の私が、一緒に生み出した物語がどこへ行くのか、作り手としても演者としてもロロの一ファンとしても、心から楽しみにしています」と期待を語った。
チケットの一般販売は7月7日10:00にスタート。
三浦直之 コメント
ぼくがおもいつくままにシーンを書いて、上坂あゆ美さんから短歌を受け取る。往復書簡っていうより、パズルの完成図がわからないまま、ピースを作っていくみたいなかんじです。
上坂さんとの打ち合わせでは、登場人物たちの言葉よりも、彼らの沈黙について話している気がします。いまここで何が語られていないか。何が省略されているか。
趣味とか仕事とか人間関係とか暮らしとかに、飽きちゃった人たちの、あのころとそれから。
上坂あゆ美 コメント
小学生の頃からモダンバレエを習っていて、生まれて初めて「表現って楽しい!」と思ったのは、短歌より舞台の経験が先でした。ロロの演劇は「いつ高」シリーズから観客として観ていて、ロロの皆さんと一緒に作品がつくれること、オラわくわくすっぞ!!という他ありません。
近年のロロ作品は、変てこで愛くるしい人がたくさん出てきます。それしか出てこないことも多いです。極端な理想主義(と私は思っています)の三浦さんと、極端な現実主義の私が、一緒に生み出した物語がどこへ行くのか、作り手としても演者としてもロロの一ファンとしても、心から楽しみにしています。頑張るぞ~! 観に来てね!
鈴木ジェロニモ コメント
上坂あゆ美さんがマスターをされている「スナックはまゆう」に行くとロロの三浦さんがいらっしゃって隣に座らせていただいた。
僕はお酒が飲めないので温かい紅茶を注文した。丸いマグカップを両手で持つと自分の手も丸くなって嬉しかった。
「ジェロニモさん」
三浦さんが話しかけてくださった。
「僕ね、今ジェロニモさんのことすごく素敵な人だなーと思ったんです」
ええええ。嬉しいですけど、何でですか。
「だって今こうやって、体をちいさく縮めて飲んでたじゃないですか」
ん?ああ。確かに。僕は臍に両肘を食べさせるように背中を丸めて紅茶を飲んでいた。世界に対して自分の体がでかすぎねえかと申し訳なくなることがある。そのときがそうで、バーカウンターのハイスツールから零れそうになる自分の
肉を内側に収めようと必死だった。
「そんなことしなくてもいいのに……。とても気遣いのできる、やさしい人なんですね」
三浦さんのまなざしによって僕の体がロロになる。夏ごと好きになりそうだ。
Summer Eye コメント
劇と短歌「飽きてから」の主題歌を作って欲しいと言われております。劇も短歌もそもそも歌なのでは??──だから、たぶん主題歌は蛇足です。歌にノセる歌など必要でしょうか。まあ、でも、余計なことをなるべくしたい・言いたいタチだしヤッテミヨゥ!とオファーを受け、先日最初の台本が届いて、読みました。自然と頭の中に音楽や言葉が浮かんでくるようなとってもいい内容でした。気分上がりました。どんな劇に仕上がるのか、自分がどんな曲を書くのか、今はただただ楽しみです。
ロロ新作 劇と短歌「飽きてから」
2024年8月23日(金)〜9月1日(日) ※公演終了
東京都 ユーロライブ
スタッフ
原案:三浦直之 / 上坂あゆ美
脚本・演出:三浦直之
短歌:上坂あゆ美
音楽:Summer Eye
出演
亀島一徳 / 望月綾乃 / 森本華 / 上坂あゆ美 / 鈴木ジェロニモ
※U-25、U-18チケットあり。