【会見レポート】紀伊國屋ホール60周年「熱海連続殺人事件」、荒井敦史「これがスタンダードだ!を提示できれば」 (original) (raw)

紀伊國屋ホール 60周年記念公演『熱海連続殺人事件』」が本日7月5日に東京・紀伊國屋ホールで開幕する。これに先駆け同日昼、舞台あいさつが行われた。

紀伊國屋ホールの60周年を記念して行われる「熱海連続殺人事件」では、いずれもつかこうへいが作劇を手がけた「熱海殺人事件 Standard」と「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」が回替わりで上演される。“Standard”では、演出を中江功が務め、荒井敦史新内眞衣富永勇也高橋龍輝久保田創、河本祐貴が出演。“モンテカルロ・イリュージョン”では、演出を中屋敷法仁が担い、多和田任益嘉島陸鳥越裕貴木崎ゆりあが出演する。舞台あいさつには、先に初日を迎える“Standard”のメインキャスト4人と中江が出席。また司会を久保田が務めた。

中江は「『熱海殺人事件』(以下熱海)を紀伊國屋ホールで演出するのは、一部公演が中止となった2021年の新装紀伊國屋ホールこけら落とし公演以来、2度目です。近年、Wキャストや複数キャストで上演されることが多い熱海を、今回は“替え”なしのメンバーでやるという、とてつもない勝負に立ち合わせていただいている。最高のキャストが集まったと思う」と自信を見せる。

木村伝兵衛部長刑事役を演じる荒井は「熱海への出演は5回目になるので、より洗練させて、自分なりの表現を取り入れながら、伝兵衛に向き合えれば良いなと。僕は熱海が好きで『出たい、出たい』と志願してきた立場です。が、出られるようになった時期にちょうどコロナ禍が始まってしまって。ようやく少し安心して演劇に向き合えるタイミングが訪れた今回、全力でこの作品にぶち当たっていきたい」と言葉に力を込める。

婦人警官・水野朋子役の新内眞衣は「熱海に4回目の挑戦になりますが、何回目であっても緊張します。私はこれまで無事に全公演を完走できているので、今回も完走を目標にしつつ、さらに踏み込んで演じたい」と意気込む。久保田から「ベテラン感が出てきましたよね」と言われた新内は「今回は、稽古開始前から台本を見ずにセリフをスラスラ言えるようになっていたので、楽しんで稽古ができました」と振り返った。

熊田留吉刑事役を務める富永勇也は「熱海には初参加となりますが、まさに”灼熱”の舞台だなと思いながら、稽古期間を過ごしてきました。歴史ある作品の一員になれて光栄です」としみじみ語る。荒井から「『あっぱれ!』と思うほどの汗っかき。滝行後かのようにスーツが濡れている」と明かされた富永は、「稽古場では(汗対策で)ヘアバンドを着けていて、本番では外す予定でした。ただ、髪を短くしたりいろいろ足掻いても汗が収まらず、本番もヘアバンドをつけて出ることになりました(笑)」と裏話を披露した。

犯人・大山金太郎役の高橋龍輝は「僕は3度目の熱海です。これまでは熊田を演じていましたが、今回は念願の大山金太郎になりました。大山はずっと目標にしていた役なので、歴代の人たちに恥じぬよう、自分が一番の大山になれるようがんばります」と気合十分。暑さ対策を問われた高橋は「坊主にすることですかね」と答え、笑いを誘った。

最後に、荒井は「僕らが出演する公演には“Standard”と冠が付いているので、その名に恥じぬよう『これがスタンダードだ!』というものを提示できれば。熱海を観たことがない方がいたらぜひ観に来てください。熱海を何度も観ている方も楽しんでもらえれば。全力でがんばります」と力強く宣言した。

上演時間は“Standard”が約2時間、“モンテカルロ・イリュージョン”が約1時間50分。“Standard”は7月16日まで、“モンテカルロ・イリュージョン”は9日から22日まで上演される。なお、10日はつかの命日公演となり、ゲストが登場する。

紀伊國屋ホール 60周年記念公演「熱海連続殺人事件」

2024年7月5日(金)~2024年7月22日(月) ※公演終了
東京都 紀伊國屋ホール

スタッフ

「熱海殺人事件 Standard」

作:つかこうへい
演出:中江功

「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」

作:つかこうへい
演出:中屋敷法仁

出演

「熱海殺人事件 Standard」

木村伝兵衛部長刑事:荒井敦史
婦人警官水野朋子:新内眞衣
熊田留吉刑事:富永勇也
犯人大山金太郎:高橋龍輝

「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」

木村伝兵衛部長刑事:多和田任益
速水健作刑事:嘉島陸
犯人大山金太郎:鳥越裕貴
婦人警官水野朋子:木﨑ゆりあ

※木崎ゆりあの「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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