石丸幹二らが音楽劇「ライムライト」稽古に奮闘 (original) (raw)
音楽劇「ライムライト」稽古、太田基裕が石丸幹二を絶賛「一生演じてほしい」朝月希和はバレエ披露
2024年7月17日 18:18 10
「音楽劇『ライムライト』」の公開稽古が、本日7月17日に東京都内の稽古場で行われた。
本作はチャールズ・チャップリン監督の映画「ライムライト」を原作とした音楽劇。上演台本を大野裕之、演出を荻田浩一、音楽・編曲を荻野清子が務める本作は、2015年に初演、2019年に再演され、今回は3回目の公演となる。劇中では1914年のロンドンを舞台に、かつて人気者だったが、今は落ちぶれて酒浸りの老芸人カルヴェロ(石丸幹二)と、脚が動かなくなってしまったバレリーナのテリー(朝月希和)を中心とした物語が展開する。
公開稽古では第2幕の冒頭約15分が披露された。テリーはロンドンのエンパイア劇場でバレエダンサーとしてオーディションに挑み、見事合格する。テリーはカルヴェロに愛を告白し、結婚を申し込むが……。
石丸は老芸人としての哀愁を漂わせながら「テリーのテーマ」を切なく歌い上げ、観る者を惹き付ける。朝月は美しいバレエを披露し、指先まで神経の行き届いたポージングや軽やかなジャンプで報道陣を魅了した。またテリーに思いを寄せるピアニスト・ネヴィル役の太田基裕はテリーを真っすぐに見つめ、彼女への恋心を表現した。
稽古後に行われた囲み取材には石丸をはじめ、朝月、太田が出席。初演から約9年経ち、3たび本作に挑む石丸は「映画『ライムライト』にチャップリンさんが込めたメッセージを伝えるのが私たちの役目」「私自身もカルヴェロの年齢に近付き、チャップリンさんが言いたかったことを理解できてきた気がします」と思いを口にし、「初めての方には“チャップリンが残したかった言葉”を受け取ってもらえたら。過去の公演をご覧になった方も、演出の荻田さんがアレンジを加えてくださっているので、楽しみにしていてください」と観客にメッセージを送った。
本作に初参加する朝月は「共演者の皆様が大きく構えていてくださるので、もがきながらも思い切ってお稽古に飛び込んでいます。今日初めて(記者の)皆様の前で踊ってみて、本当にオーディションを受けているかのような高揚感がありました。テリーの『脚が動かせる』という喜びを踊りで表現できるように励みたい」と顔を輝かせ、上演に向け「心を打つメッセージが詰まった作品です。観劇したあと、悲しみや切なさだけでなく温かさや希望など、さまざまな思いが湧き上がってくると思います」と話した。
朝月と同じく初参加の太田が「カルヴェロが幹二さん自身と重なって見える感覚があります。勝手ながら、『一生カルヴェロを演じてほしい』と思うくらい、実在感がある」と言うと、石丸は「“じいさん”って感じ?」と茶々を入れて太田を笑わせる。さらに太田は「良い緊張感がある、温かい稽古場です。余白と余韻を楽しんでお芝居されている方ばかりなので、僕もネヴィルとしてこの作品の世界を生き生きと表現できたら」と意気込んだ。
囲み取材では、朝月と太田の印象を石丸が語る場面も。朝月の宝塚歌劇団時代の作品をタカラヅカ・スカイ・ステージで観ていたという石丸が「『ライムライト』の稽古初日、トウシューズで踊る朝月さんが、本当にバレエがお上手で驚きました。彼女はプリマバレリーナそのもの。本番では素敵な踊りを皆さんに見せてほしい」と朝月の踊りを絶賛すると、朝月ははにかみながら「がんばります!」と答えた。
また2016年にミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」で太田と共演したことを振り返りつつ、石丸は「『スカーレット・ピンパーネル』の太田くんはピンパーネル団の1人だったけど、今回は個としての彼とご一緒できる。太田くんはチャーミングで、ご自身の人柄がネヴィルという役にうまく重なっている印象です」と述べる。また「あれから8年経っても、彼は全然変わらない」としみじみ太田の顔を見る石丸に、太田は「幹二さんも変わっていませんよ!」とレスポンスし、記者を和ませた。
公演は8月3日から18日まで東京・シアタークリエで行われる。