劇場がレース場に!山根綺・今泉りおな・礒部花凜・佐藤日向が語る、舞台「ウマ娘」 - ステージナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

ゲーム・アニメ・マンガファンから競馬ファンまで、さまざまなユーザーから愛されている「ウマ娘 プリティーダービー」の初舞台化が決定した。「ウマ娘 プリティーダービー」は、かつて伝説のレースを走り、偉大な記録を生んだ競走馬の名前と魂を受け継いだ“ウマ娘”を題材にしたクロスメディアコンテンツ。同作をもとにした「舞台『ウマ娘 プリティーダービー』~Sprinters' Story~」では、歌やダンス、レース、“ウイニングライブ”などを交えた華やかなステージが展開される。

「舞台『ウマ娘 プリティーダービー』~Sprinters' Story~」には、ゲームでも声優として参加しているダイタクヘリオス役の山根綺、ヤマニンゼファー役の今泉りおな、ダイイチルビー役の礒部花凜、ケイエスミラクル役の佐藤日向らが出演。公演に向けて“出走”したメインキャストの4人に、稽古の様子や見どころについて話を聞いた。

取材・文 / 興野汐里撮影 / 藤田亜弓

運動量の多い舞台になるぞ…!

──「舞台『ウマ娘 プリティーダービー』~Sprinters' Story~」への出演が決まった際の心境を教えてください。

佐藤日向 「ウマ娘 プリティーダービー」初の舞台化作品に出演させていただけるということで、うれしい気持ちでいっぱいでした。私は普段舞台に立たせていただく機会のほうが多いので、自分がこれまで培ってきた経験を生かせるのではないだろうかとワクワクした気持ちが強かったのですが、児玉(明子)さんが演出を手がけると聞いて、「これはすごく運動量の多い舞台になるぞ……!」とちょっと震えました(笑)。

──佐藤さんは、児玉さんが演出した舞台にも出演されています。同作も、歌あり、ダンスあり、殺陣ありのハードなステージでしたね。

礒部花凜 私も日向ちゃんと同じく声優と舞台俳優の両方をやらせていただいているのですが、どちらのお仕事も大好きなので、「このオーディションに合格したらウマ娘になれる!」と気合いを入れて臨みました。今回は舞台化も決定し、素敵な機会をいただけてうれしかったです。

山根綺 私は、台本を持たずに舞台に立ってキャラクターを演じることが初めてなので、「大丈夫かな?」というソワソワした気持ちと、「どんな方々と一緒にお芝居ができるんだろう?」というワクワクした気持ちでお稽古までの日々を過ごして来ました。あとはレースの部分を舞台上でどうやって表現するのかまったく想像ができなくて……そこもすごく楽しみでした。

ダイタクヘリオス役の山根綺。

ヤマニンゼファー役の今泉りおな。

今泉りおな 出演することが決まったとき、山根さんとご一緒するのはすでにわかっていたんですけれども、ほかにどなたが参加されるのかはまだ知らなくて。その後、キャストが発表されたときに、舞台を観たことがあるお二人(礒部、佐藤)が出演されるのを知って、すごくびっくりしました。

礒部・佐藤 えー! 知らなかった!

今泉 「言っちゃダメかな……?」と思って今まで秘密にしてたんです(笑)。そんな方々に少しでもついていけるように、がんばっていきたいなと思っています。

ダイイチルビー役の礒部花凜。

ケイエスミラクル役の佐藤日向。

なるべくしてそれぞれの役になった4人

──「ウマ娘 プリティーダービー」には個性豊かなキャラクターが多数登場します。ダイタクヘリオスは元気いっぱいのパリピ系、ヤマニンゼファーは自然を愛する穏やかなウマ娘。ダイイチルビーは祖母と母が優秀な成績を残した家系である“華麗なる一族”の令嬢、ケイエスミラクルは周囲の人に恩返しをするために走り続けているウマ娘ですが、ご自身とキャラクターとの共通点は?

佐藤 ……ないかもです。

一同 うそー!?(笑)

佐藤 ミラクルは「みんなが助けてくれたおかげで今生きていられるから恩返しをしたい」という気持ちで走っている。だから、なりふり構わずストイックに練習するし、身を賭してでも、このレースを1番に走り抜けたいという気持ちが常に念頭にあるんです。私は一度頭の中で物事を整理して、理論的に理解してからじゃないと全力を出せないタイプなので、真逆かもしれないですね。お嬢(礒部)はどう?

礒部 わたくし、“アミューズの貴族”という通り名を持っていまして。ルビーと共通しているのは貴族なところですかね(笑)。……絶対に(笑)を付けておいてください!

一同 ははは!

佐藤 ちなみに名付け親は私です。

──礒部さんと佐藤さんはお二人ともアミューズに所属されていますが、普段から仲良しなんですね。

礒部 ルビー役に選ばれたとき、「ピッタリだね!」といろいろな方から言っていただけたのは、日向ちゃんが“アミューズの貴族”という名前を付けてくれたおかげなんです。この名前に誇りを持ってやっていきたいと思います。

礒部花凜

礒部花凜

──素敵なエピソードですね。山根さんと今泉さんは?

山根 ヘリオスは根っからの陽キャなので、陰の部分がないんですよ。山根もどちらかというと根は陽なんですけど。

礒部 めちゃめちゃ陽だよ!

山根 そう!? もしかすると、ヘリオスに引っ張ってもらっているところがあるかもしれない。あとは、浮き沈みが激しいところや、最初に全力を出して終盤バテバテになるところも似てるかな(笑)。

今泉 私はそうだなあ。ゼファーさんは自然に囲まれているのが好きなキャラクターなんだけど、私は人と一緒にいるのがあまり得意ではなくて。

佐藤 確かに! 稽古が終わって3分後くらいにはもう帰路に就いてるから、速いなと思ってました(笑)。

山根 大丈夫!? 今、つらくない!?

今泉 ははは! 全然大丈夫!(笑) 人と過ごすのが苦手というか、1人の時間が大好きなんですよ。

礒部 1人でいるときはどんなことをして過ごしてるの?

今泉 ぼーっとしたり、ゲームしたり、寝たり(笑)。

今泉りおな

今泉りおな

山根 すごい! 私、絶対無理だー! 1人だと何をしたら良いかわからないんだよね。1人でご飯を食べるとき、どこを見たら良いかもわからないくらいだから……。

佐藤 だから私のほうを見ながら(稽古場で)おにぎりを食べてたの!?(笑)

山根 そう(笑)。今、角の席だから寂しくて。

礒部 席、交換する?

山根 うん! 交換して! こう考えると、みんななるべくしてそれぞれの役になったのかもしれませんね(笑)。

トレーニングをがんばってシールを獲得!

──11月に行われた製作発表では、佐藤さんが「すごく汗をかく舞台になるんじゃないか」とおっしゃっていましたが(参照:舞台「ウマ娘」“出走者”が意気込み、佐藤日向は公演に向けてジム入会)、現在どのようにお稽古が進められているのか、稽古場の様子を教えてください。

山根 (挙手して)ハイ! 一言で言うと“ヤバい”です。

一同 ははは!

山根 何がヤバいかというと、想像していた20倍くらい脚を使うんですよ。しかもヘリオスは4人の中でも特に元気なキャラクターなので、最初から最後までウェイウェイ叫びながら舞台上を走り回るから、私の心と身体が最後までもつかどうか心配です(笑)。

山根綺

山根綺

佐藤 体力作りのために、それぞれにトレーニングメニューが課せられていて、ノルマをクリアしたら表にシールを貼っていくことになっているんです。

礒部 ラジオ体操みたいなやつね!(笑)

山根 そうそう! 制作の方が用意してくださったんですよ。

佐藤 皆さん、今日の稽古ではちゃんとクリアしました?

山根 ……途中までしかできなかった(笑)。

佐藤 ははは!(笑) 今、振り入れをしている最中なんですけど、みんなすでにヘロヘロ(笑)。なんとか1月までには体力をつけたいですよね。お嬢(礒部)はどうですか?

佐藤日向

佐藤日向

礒部 私はスロースターターなので、「大変そうだなあ」と思いながらみんなのお稽古を観ています。「大変だ」と思うと本当にいっぱいいっぱいになっちゃうから、楽しみながらお稽古できたら良いなって。

山根 確かに。その通りだね。

今泉 ゼファーさんは3人を見守る役どころなので、トレーニングメニューが用意されていなくて……。

山根・礒部・佐藤 そう! ズルいズルい!(笑)

今泉 3人が大変そうなときにお水を持って行ったり、マッサージしたり、サポートできたら良いなと思っています(笑)。