その辺より後のことは知りまへん (original) (raw)
先日、鳥取の実家の片付けをしに帰った時、大量のレコードを処分するためボルゾイレコードに売った。
クラシックはあまり得意ではない、というのに半ば強引に押し付けたような格好になって、ちょっと気の毒だったので、その代わりと言っては何だが中古CDを買った。
ピーターガブリエルのソロアルバム"Peter Gabriel IV"、通称"Security"だ。
トライバルなビートに不穏なサウンドの"The Rhythm of the Heat"、そして延々と繰り返されるミニマルなフレーズに、どこか祈祷のようなヴォーカルが乗せられる"San Jacinto"。この2曲が秀逸なので、"Shock the Monkey"とか"Kiss of Life"あたりは妙にポップで非常に80年代テイストでちょっと微妙だな(決して悪くはないのだけど)と思うけれども、ピーターガブリエルの初期のソロ作品では一番好きだった。いや、5枚目の"So"も良いけど。
などと言いつつ、レコードもCDも持っていなかった。たぶんレンタルCDをカセットにコピーして聴いていたのだと思う。なお"Peter Gabriel III"、通称"Melt"だけは、レコードを持っている。今なら良い値段で売れそうな気がする。
先ほど「ピーターガブリエルの初期のソロ作品では一番好き」と書いたが、I(Car)やII(Scratch)を本当にちゃんと聴いていたのだろうか?何だか自信が無くなって、Apple Musicでこのあたりを聴いてみたが、ほとんどが聴き覚えの無い曲ばかりだった(ライブ盤に入っている曲は記憶にあった)。おそらく最初の2枚のアルバムは聴いてなかったのだろう。人間というのは、何かというと自分の記憶を捏造してしまうものなのだ。