暴力団が身分を隠してクレジットカード申込や銀行口座開設をすると、不正取得とみなされて詐欺容疑で逮捕される…という話。 (original) (raw)
とある暴力団の組長が身分をかくしてクレジットカードを申込したばかりに、詐欺容疑で逮捕された…というニュースがTBSで報道されていました(特に本名を書く必要性はないので名前を伏せ字に変更)。
静岡市の山口組系暴力団組長が警視庁に出頭し、クレジットカードを不正に取得した疑いで逮捕されました。(中略)
○○容疑者は2012年6月、カード会社、オリックス・クレジットに対して暴力団組員であることを隠し、クレジットカードを不正に取得した疑いが持たれています。
今回はこの件に関する情報について、記事にまとめてみたいと思います。なぜ暴力団員がクレジットカードを作ると逮捕されるのか、気になる方はどうぞ。
暴力団によるカード申し込みについて:
なぜカードを作っただけで逮捕されるのか?
まず、なぜ暴力団に所属する人間が、その身分を隠してクレジットカードを作ることが問題になるのでしょうか?
これは2024年現在、金融庁による「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」という通達によるもの。
これによって暴力団の所属する人間はクレジットカードに限らず、銀行口座や証券口座等を作成できない状況にあるんです(作成してしまったら企業側が罰せられます)。
公共性を有し、経済的に重要な機能を営む金融商品取引業者においては、金融商品取引業者自身や役職員のみならず、顧客等の様々なステークホルダーが被害を受けることを防止するため、反社会的勢力を金融商品取引から排除していくことが求められる。
暴力団が作ること自体が違法:
そのため、暴力団という身分を偽って口座やカードを入手した場合には、不正取得=詐欺にあたり、逮捕されてしまうことに。
実際、今回のニュースに限らず、過去にもたくさんの暴力団員が同様の罪で逮捕されているので、わりかしよくある事件といえば事件です。
逮捕容疑は共謀し、平成17年、組員の利用を禁止しているクレジットカード会社から、身分を隠して○○容疑者名義のカードを契約してだまし取り、同社が暴力団排除条項を設けた21年以降もカードを更新して退会しなかったとしている。
ちなみに上記ニュースによると過去に入手したクレジットカードを使い続け、有効期限を更新した場合でも詐欺は成立するとのこと。
とにもかくにも暴力団組員がクレジットカードを持つのは難しい状況があるのですね。
大阪府警による有名な動画も:
ちなみに。
暴力団関係者がクレジットカードを申込&入手したとして、大阪府警が家宅捜査をした際の動画はかなり有名。
カードを作ろうとしただけでこれだけ問題視されるわけですから、いかにクレジットカード作成が難しいかがおわかりいただけるのではないでしょうか?
多くの暴力団員がカードを持っている?:
そんなクレジットカードが作りにくい暴力団関係者ですが、NEWSポストセブンの記事によると、暴力団員の44%がクレジットカードを保有している…なんて情報も存在(2013年時点での記事なので現在では保有率が下がってる可能性も高い)。
【問2】「クレジットカードは持っていますか?」
【回答】「はい」44% 「いいえ」56% (中略)
「もう10年近く前、会社の役員として正式に取得した。支払いも滞りなくしてる。更新できなかったカードもあるが、●●(伏せ字)は甘い」(60歳、関東)
対面で質問した際は実際のカードも見せてもらった。ゴールドカードには紛れもなく暴力団員の本名が印字されていた。ただし、東京近郊は審査が厳しいという。地方によって温度差がある。
仮にこの情報が正しいとすると、たまたまクレジットカード作成時に暴力団であることがバレてしまった方のみ、実名報道&逮捕されている…と考えるのが正しいのかも。
残りの無事(?)にカード会社の審査を通過できてしまった場合は、まるで何事もなかったかのように今日もクレジットカードを使っているのかもしれませんね(下記は銀行口座開設に関するコメント)。
昔は普通に作れた。そのときの口座をみんな持ってる。
暴力団の身分を隠して口座を開設すると詐欺やが、それも7年経てば時効で、表沙汰になっても詐欺事件にはならん。
以上、暴力団が身分を隠してクレジットカード申込や銀行口座開設をすると、不正取得とみなされて詐欺容疑で逮捕される…という話でした。
金融庁が本気で規制をする気があるのであれば、もう少しカード会社や警察と連携をして、取り締まりを強化してほしいなと思います。
参考リンク:
家族、兄弟、親戚に暴力団関係者がいるとクレジットカードを作れない…なんて思っている方は下記記事も参考に。
基本的にはたとえ父親や母親が反社会的勢力に属する方でも、自分がそうではないならクレジットカード作成は可能ですよ。