『マッハGoGoGo』放送開始40周年記念企画 - メカニックデザインを担当した中村光毅氏に直撃 (original) (raw)

――第一作目の『宇宙エース』ですが、シリーズで放映する前にセールスしなきゃいけないということで、15分程度のパイロットフィルム作られたというお話をうかがってるんですけれども、それにも参加されてますか。

「ええ、何点かは描いてますね。仕事はしてました」

――で、第2作目の『マッハGoGoGo』は、自動車レースものということなんですが、車はお好きでいらしたんですか。

「ええ、子どもの頃から好きだったですね。それで『やってみないか』って言われて、首を突っ込んでいまに至っているわけなんですけどね(笑)」

――するとメカデザインに取り組まれるキッカケは、車好きが高じてということなんですか?

「そうですね」

――ご自身は、自動車の運転はしていたんですか?

「当時は、免許がなかったんです」

――マッハ号のデザインの参考になさったものが、当時あったわけですか?

「参考にしたのは、もうありとあらゆるものを……(笑)。最初にコミックで描かれていたマッハ号があるんですね。当初は雑誌のままやろうってことだったらしいんですが、『それから抜け出そう』っていう発想だったもんですから、『じゃ、アニメーション用に作ろう』ってことでそれをふられたんですけれど、結構悩みましたね。やっぱり形がなかなか出てこないもんですから、当時のレースカー写真の資料をずーっと探して、ポルシェやフェラーリですとか、そういうものを随所混ぜこぜにしながら(笑)。それで一応、ああいう形になったんですね」

漫画原作に登場したレースカー。マッハ号のご先祖さまだ (C)タツノコプロ

――デザインの基本にしたのは、フェラーリだったんですか?

「ええ。基本はフェラーリなんですが、それのちょっと窪んでるラインをヒントに先をちょっと尖がったようにさせて。それでライトをポルシェのライトとは上下ひっくり返して、逆に下側にくっつけて(笑)。そういうところで、みんな『あ、おもしろいんじゃないか』っていうことになり、GOになったんですよね」

マッハ号をデザインするにあたって参考にしたフェラーリとポルシェ

――決まるまで、かなり試行錯誤されたわけですね?

「ええ。当時、社長から『できた?』『できた?』『まだ?』って声が、近くから聞こえてきて(笑)。結構大変な作業でしたね」