『仮面ライダー龍騎』今だから話せる最終回に込めた思い - 須賀貴匡と松田悟志のコンビふたたび (original) (raw)

「大人のための変身ベルト」をコンセプトに開発されたバンダイボーイズ事業部の「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」の第20弾として、2002年から2003年にかけて放送された特撮テレビシリーズ『仮面ライダー龍騎』の変身ベルト「Vバックル」が商品化される。

『仮面ライダー龍騎』は『仮面ライダークウガ』(2000年)、『仮面ライダーアギト』(2001年)に続く、平成仮面ライダーシリーズの第3弾。本作には、鏡の中の世界「ミラーワールド」のモンスターと契約して超人的な力を得た「仮面ライダー」が複数存在し、それぞれが「叶えたい願い」をかけて、最後の1人になるまで戦い合うという、これまでにない意欲的な設定が組み込まれている。

本作の仮面ライダーは、ミラーワールドから現実世界に現れて人間を襲うモンスターを倒す"ヒーロー"としての側面を持つものの、決してライダー同士が心を通わせ、共闘するような存在ではない。複数の仮面ライダーが、それぞれ異なる価値観、異なる正義のもとに潰し合うという部分が本作の大きなテーマで「戦わなければ生き残れない」というキャッチコピーがそれを顕著に示している。

ここでは、音声収録のためにひさびさに再会を果たした仮面ライダー龍騎/城戸真司を演じた須賀貴匡、仮面ライダーナイト/秋山蓮を演じた松田悟志の2人に、『仮面ライダー龍騎』の撮影時の貴重な裏話や、放送からおよそ16年もの歳月が過ぎてなお作品とキャラクターを愛し続けてくれるファンの存在についての感想を訊いた。

――『仮面ライダー龍騎』でお2人が初めてお会いしたときのことは覚えていますか?

**松田:**須賀っちはオーディションで会ったとき、もう衝撃でしたね。

**須賀:**えっ、どうだった?

**松田:**めっちゃきれいな男がおるって(笑)。もう、麗しかったですよ。

――須賀さんが松田さんと初めてお会いしたときの印象はどうでしたか。

**須賀:**オーディション会場でケンカしている印象しかないんです(笑)。この話って、けっこういろんなところで話題になりましたけれど。

**松田:**僕はオーディションで、つかみあいのケンカをしてましたからね(笑)。僕、あのとき、このオーディションは絶対取るぞ!という気持ちで挑んでいたんです。龍騎、ナイト、あとゾルダも用意してあって、希望はどれですか?と聞かれたときも「ナイトをやりたいです」って言ってたんです。

**須賀:**最終のときは弓削っち(由良吾郎役/弓削智久)もいて、4人でやってたよね。

**松田:**第4次オーディションまで進んで、僕はもう絶対に取れる!って確信していたから、フライングで親に電話したんです。「こんど仮面ライダーに出るから、周りの人に言うといて」って。それで最終に臨んだんです。

**須賀:**あのときの場面、覚えてるわ~。10人くらい、東映の偉い人が並んでいるところでね。

**松田:**そこで、セリフを食った、食ってないみたいな言い争いを僕と涼平くんとでやってしまって……。涼平くんが「人のセリフ食うなよ!」って怒って、そのとき僕は前を向いてオーディションを受けていたので、横からドーンとぶつかってきたのがあまりにも急でびっくりしたのと同時に、何すんねん!みたいな状態になって、気づいたら僕を白倉さん(白倉伸一郎プロデューサー)、涼平くんを田﨑さん(田﨑竜太監督)が後ろから押さえてて……。「今日は君たち、帰ってくれ」と言われ、帰り道で親にまた電話して「さっき仮面ライダー出るって言ったけど、あれなくなったから……」って話した(笑)。

**須賀:**まあ、今だから笑って話せるエピソードですよね。

**松田:**翌日、マネージャーさんが東映に謝りに行かれたのですが、そこで「来年1年間のスケジュール空けといてって言われたよ」という言葉が返ってきて、「ええっ!?」って思いました。

**須賀:**そのとき、オーディションに受かったことを知らされたってわけだね。

**松田:**いやあもう、今でこそ涼平くんとも仲がいいですけれど、撮影が始まったころは現場ですごく気まずかったですよ(笑)。ロケバスで2人っきりになったときとかね。涼平くんは大人だから「あのときはゴメン」みたいに優しく接してくれるんですけれど、僕はあのころ、一番トゲトゲしていた時期だったから。

**須賀:**ピリピリ感は出していたかも。でも、役としてはそんな状態で良かったんじゃないかな。

**松田:**僕としては仲直りしたいのに、1年間ずっと蓮と北岡はいがみあう関係だったでしょ(笑)。顔を合わせたら胸倉をつかんでいるとか。しばらく気まずいままでしたね。