ロマサガ2で地獄を見る|ジスロマック (original) (raw)

『ロマンシング サガ2』というゲームを遊びました。
端的に言って、地獄を見ました。

面白いゲームだったのは間違いないけど、振り返ってみるとロクな思い出がない。それがロマサガ2。だからこんなタイトルになった。

これから書くのは、七英雄との血で血を洗う戦いの歴史。
みんなも、いっぱい嫌な気持ちになってください。

vsクジンシー

よいかジェラール。われわれはインペリアルクロスという陣形で戦う。これ知ってる。インペリアルクロスってロマサガ2だったんだ。

しかもこれでインペリアルクロスがちゃんと強いのだから偉い……と言いたいところだけど、同時に「ダッシュをすると陣形が崩れやすい」という仕様を突き付けられる。何も考えずに走って突撃したら、早くもフリーファイトで戦うハメになった。味方すぐ死ぬ。もうサガすぎるんだけど。

一応これまで何作かサガを遊んできたけど、もう開幕からサガが濃厚すぎる。システムも、妙な敵の強さも、こってりしたセリフも……何が「人間、向き不向きがあります。ジェラール様は学問でもやっていればいいんですよ。」だ! 一応皇族やぞ皇族!!

そして突如始まるクジンシーとの戦い。
このバトル、めちゃくちゃ熱いよね。

というか、やっぱりサガはセリフが熱い。「アバロンはこの私が守る」「我が剣、受けてみよ」「ほー、なかなかやるな」「だが、まだ若い」あたり、カッコよすぎるぜ。流し斬りが完全に入ったのに……。

そこからレオン王がクジンシーのところに直接カチコミをかけて、命がけでソウルスティールを見切る。その「ソウルスティール見切り」が、次代皇帝であるジェラールに受け継がれる。このクジンシー周りのお話で「ロマサガ2はこんなことをやります」を、ハッキリと打ち出してくる。

ここに至るまでの流れがあまりにも鮮やかすぎて……もしかしてロマサガ2って名作か? 最序盤で「やること」を全部見せてるんですよね。個人的には「ま、まさかサガフロンティア2はこのゲームを原型として作られていたのかッ!!!!!」状態になってきました。

この後の「皇帝陛下のご出陣!」も良い

ロマンシング、してるかい?

何度思い返しても、最初のクジンシーとの一連の流れがパーフェクトなんですよね。「だが、この技はかわせまい」から放たれるソウルスティール。先代から受け継いだ見切りが発動し、もう勝ち確状態。

ここにミニマムな『ロマンシング サガ2』を圧縮している。もう、ゲームの見せ方が完璧。あと確認のためなのか見切られた後にソウルスティールをもう一発撃ってくるクジンシーがダサくて面白い。

あのジェラールが……王になってるんですよね……

vsゼラチナスマター

このスライムに、なぜか全然勝てない。

インペリアルクロスで突撃する。電撃。なんかふたりくらい死ぬ。とにかくファイアボールやらウィンドカッターやらをぶつけてみるけど、勝手に再生し始めるのでどうにもならない。ロマサガ2、引退か?

もう「なんでスライムがこんなに強いんだ」とか言い始めたらキリがないので攻略を見てみたら……「インペリアルクロスだと逆に不利なのでフリーファイトで戦おう」とか書いてあった。チクショウが!!

ただ、それでも勝てなかった。
結局陣形を変えたところで、「陣形が変わった」だけなのだ。電撃の強さは変わらないし、平然と再生し始めるところも変わらない。なんでスライム相手にこんなに苦戦を強いられている? こいつ含めて八英雄か?

こうなりゃ耐久戦だと言わんばかりに生命の水を連打して、LPもお構いなしに殴り合ってみる。でも、残りわずかなところで勝てない。早くも「俺のロマサガ2……終わっちゃった……」状態だ。しかし諦めたくなかった。

そして何度か挑み続けていたら、突然味方が「強撃」を閃いた。そのまま上手いこと強撃が入り続けて、ゼラチナスマターを撃破。ウオオオオオオオオオオ!!!!! ロマンシング、してるかい?

でも、未だにインペリアルクロスをハメてきた恨みを忘れてない。

vsザ・ドラゴン

このイベント……本来は、「格闘家が仲間になる」イベントだったらしい。一体何を間違えたのか、格闘家が逆ギレして戦いを挑んできた。なんだこの野郎? なにが格闘家のメンツだ? 俺は皇帝だぞ!?!?

あっさりザ・ドラゴン自体は撃破できてしまった。
そしたら、全員で寄ってたかって「格闘の火を消しはしないぞ!」「格闘家を目指すものがすっかりいなくなってしまいました。」とか言ってくる。勝手に挑んできたのはそっちでしょう!?

結果として、その地方から格闘家が消滅した。本来ここで仲間にできるはずの格闘家が、なんと「皇帝の継承時に選ぶ必要がある」という限定的な入手方法になってしまった。皇帝の影響力デカすぎる。そんな格ゲー衰退論みたいなこと起きるんだ。森や木を守りたい……格闘家を根絶したい……。

じゃあ仕方ないかと、継承時に格闘家を選んでみることにした。むしろ、「ちょっとやらかしても皇帝継承でしっかり格闘家は回収できるんだ、よくできたゲームだなぁ……」と、完成度の高さに感心したものだ。

皇帝継承の候補に格闘家がいねェんだけど…………………?

しかも、攻略サイトまで「え、ジェラールの次の皇帝継承までに格闘家仲間にしてますよね?w」みたいな顔をしてくる。お前ら、うっかりザ・ドラゴン倒した俺のこと揶揄<わら>ってんだろ?

それでも諦めたくなかったので、ひたすらリセットを繰り返した。格闘家が出るまで、何度もジェラールが老衰で死ぬ。ゼラチナスマターと合わせたら、既に一般的なRPGのリセット回数を上回っている気がする。

なんとか格闘家は確保できました

vs財政難

何気に、この「国を運営する」という要素にも驚かされた。
ロマサガ2において溜めるものは、「お金」ではなく「軍資金」なのだ。一般的な「お店」はほぼ機能しておらず、実際に国家予算を投入して兵装を開発していく。設備、整備……まさしく、「国を運営するRPG」でもある。

そして、どんどん会社が傾いていく代表取締役の気持ちも味わえる。大剣に80万クラウン? バカ言ってんじゃないよ! そんなのクラウドファンディングでどうにかできないのか!? 世界の存亡を懸けた戦いなんだぞ!?

しかもこの「武器開発」すら、なんだか頭を使わされる。
それぞれの武器に「開発できるタイミング」が決まっていて、それは戦闘回数によって変動する。だから、「大剣の開発は8で割って余りが1になる戦闘回数......つまりあと6回戦えば大剣が開発できる......」みたいな計算をしながら戦わなきゃいけない。お金と相談しながら。本当に会社経営じゃん。

しかし上手いこと開発できると、これはこれで結構楽しい。

だから「ロマサガ2って資金が本当に“国庫”の扱いだから財布の手持ちは割とどうでも良くてマジの資金繰りが大切なの面白いよなぁ……」とは思いつつも、いざ財政難に直面すると「なんなんこのシステム」という憤りが上回ってくる。何度金策のためにゴブリンの巣穴で暴れ回ったことか。

この「すげぇ、本当に国を運営しながら戦うRPGなんだ......」という驚きと、「なんでゲームの中まで武器開発とか資金繰りとかに追われなきゃいけないんですか......?」という理性の苦しみの二軸こそが、ロマサガ2の実態なのかもしれない。割とガチで、会社経営RPGじゃないかと思っています。

vsカンバーランド

どうせみなさん、「お前のことだからカンバーランドも滅亡させるんだろ?」とか思ってるでしょう。なんか、滅びなかったんですよね。

むしろ、後になっていろんな人から「初見の時はカンバーランド滅んだわ……」と言われまくって、「えっ、カンバーランドって滅ぶの?」と思ったくらいです。こんなことになるなら、ちゃんと滅亡パターンも見ておけばよかった。結構後悔してます。なにこのモヤモヤ感。

でも、ホーリーオーダーが即戦力として加入したのは良かった。
何気に、ロマサガ2ってここの「ネーミングセンス」の切れ味が異常ですよね。「インペリアルクロス」とか「ホーリーオーダー」とか……なんかもう「スマートブレイン」並みのスタイリッシュさを感じます。

vs武装商船団

なんだか暴れ回っているらしい武装商船団を諫めることに……って、許すわけがないだろう! なんだあのタコまみれのダンジョンは!? 降伏など許さんッ! 皇帝特権でお前ら全員海の藻屑になれや!!

……なんてことをしたせいで、武装商船団が仲間にならなくなりました。しかも、皇帝継承の時に武装商船団が現れなくなるらしい。結果として、めちゃくちゃ重要な陣形である「ラピッドストリーム」も覚えられなくなったらしい。最悪なバタフライエフェクトである。

流石にこれはありえんだろうと思い、ロードで世界の時間を巻き戻しました。どうして? どうしてロマサガ2は正直に生きるとひどい目に遭うの?

このゲーム……公序良俗に反する選択肢を選んだ方が明らかに展開としては面白くなるのに、公序良俗に反する選択肢を選ぶと回り回ってアバロンが追い詰められていくんですよね。ロマサガ2の構造的欠陥だと思います。

ラピッドストリームを覚えるために自滅継承しまくったのも良い思い出なのかもしれません

vsクィーン

アリだー!!

このイベント……なんかシュールですよね。「アリだー!!」という悲鳴が聞こえてきたので外に出ると、本当にデカいアリが村の中を跋扈している。そのまま巣穴に突撃……って、どういうイベント?

そして、そのまま始まる「クィーン」との戦い。
クィーンがシンプルに気持ち悪い……………

しかも、そのクィーン相手に苦戦を強いられる。
何度やっても勝てない。ロマサガ2はいつもこうだ!!
いわゆる「トラウマ級ボス」がデフォで出てくるゲームなんだ!!

そして音を上げて攻略サイトを見てみると、「ラピッドストリームからの切り落としでスタンさせればどうにかなる」といったことが書かれていた。なるほど、そういえば「切り落とし」は先代皇帝の時に誰かが閃いていた気がする。………………………誰も切り落としを覚えてねェんだけど?

そんなバカな、そんなはずがない。たしかに切り落としは閃いたはずだ。ここで初めて気がついた、「一度閃いた技は継承されると消える」ことに。さらに、ここで「一度閃いた技を再度覚えさせる技道場」がアバロンに存在していることにも気づいた。なんで誰も教えてくれないのよォーー!!!

この場所、マジで気づかなかったです

結果として、巣穴の最深部からアバロンまで徒歩で戻るハメになった。もうこんなゲームやめて学園アイドルマスターに逃げたい。しかも、追い打ちをかけるようにサバンナ~ステップ付近はワープができないから、余計に徒歩で時間がかかる。エーテライト置いてないベスパーベイか?

そして切り落としを引っさげて再度巣穴に突入し、親の仇のようにクィーンを滅多切り。無事に撃破。撃破したのに全然気持ち良くないからすごい。

vs第一キサマはノエルでも何でもないただのザコモンスター

あの熾烈な(笑)クィーン戦を経て、徐々に気がついてきた。

この「ラピッドストリーム」という陣形、あまりにも強すぎる。 たしかに「インペリアルクロス」や、後に獲得する「アマゾンストライク」なども強力な陣形だった。でも、これはもう「絶対に先制する」陣形なのだ。なんか、これだけ「概念武装」みたいな性能をしている。

「絶対に先制できるくらいスピードが上がる」とかじゃない、シンプルに「絶対に先制できる」陣形。強い、強すぎる! 武装商船団を味方に引き入れたのは我が皇帝人生の中でも最大の英断だった!! なんか言った?

ノエル様だぞ。七英雄実力一と言われるノエル様だぞ。
こ こわくないのか。

七英雄一はワグナスだろう?
第一、キサマはノエルでも何でもない、ただのザコモンスターだろうが!

雑魚相手にこんな辛辣な主人公おる?

しかも「・・・まさか こ う て い?」の追い打ちまで控えてる。なんかコイツ結構イジメられててかわいそう。というか皇帝(概念)のキャラクター性が妙に濃い。魔界塔士Sa・Gaの主人公くらい濃い気がする。

この辺はなんかもう……「ひたすら各地方を収めていく」パートって感じでしたね。そもそも武器を強化しようと思ってもクラウンが足りないから、領地を増やして獲得クラウンを上げていくしかない。思ったよりも「ひたすら敵を倒して金策する」ターンが多くて遠い目になってくる。

そして「クロスクレイモア」や「ブリガンディ」の開発が完了したり、貯まったクラウンで「インペリアルガード」を雇用したりした。

この「着実に戦力が揃っていく」感覚は、まさしく国家運営RPGならではという感じがする。他のRPGとは、まさに規模の違う戦い。皇帝が頑張っただけ、国が強くなる。結局一番頑張るのはトップなんですね……(遠い目)

vsロックブーケ

ファーーーーーーーーーwwwwwwwwwww

そもそも、こんなにぬるっと七英雄が出てくるのも不意打ちすぎる。そのまま出合い頭にテンプテーション。全滅。全滅っていうか皇帝が無様に魅了されて全滅判定になった。ロマサガ2、引退か?

しかも、一度負けても全然戦いが終わっていない。
なんかそのままロックブーケに連行され、遺跡のデカいやつと戦わされる。それでロックブーケも「さすがですわ!これで奥へ入れますわ」とメジロマックイーンのような喜び方をするので、ちょっとかわいい気がしてくる。リアルテンプテーション喰らってる?

このままだとヤバいと判断し、リセット。
まず大前提として「霧隠れを覚えていないとどうにもならない」ことが発覚し、またしてもアバロンまで徒歩で帰宅する。ロマサガ2で最も記憶に残る時間は、この「無様にアバロンまで徒歩で帰っている時間」だと思う。

そこから逆襲を仕掛けて、霧隠れで粘って粘ってテンプテーションを見切る。しゃあっ!! 無事ロックブーケを撃破。ロマサガ2、いつもこう。

vsボクオーン

もう二度とロックブーケり(動詞)たくない私は、ボクオーンと戦う前に大学を建設し、しっかり軍師も捕まえた。「地上を動き回る船によく効く薬」というウィットが効きすぎててクラクラしてくる会話を聞き流し、これで準備万端。

……と思ったのに、ステップの隣にある町でなんか詐欺に引っかかって、身ぐるみ全部剥がされた。何もかも取られてしまったぜ。はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?????????????????

「帝国最強の兵、つまり陛下ご自身」ってめちゃくちゃかっこよくない?

そうなんだよ、オレがアバロン最強の兵なんだよ! まさに王の軍勢を展開している時のライダーのごとく、皇帝自身が最前線で突撃していく! これがカッコいい!! まぁ、悪く言うと「ワンマン経営」って感じですが。

そしてボクオーンとのバトル……なのですが、ちょっと隙を見せたら後ろから殴りかかってきたり、本体は全然強くなかったり……なんかガッカリ感がすごかったです。三下っぷりがすごい。クジンシーとロックブーケはまだ強敵感があったのに、ボクオーンは完全に三下。お前は七英雄のザボエラ。

あと七英雄って全然情報を開示してくれないから、こっちも「クジンシーとボクオーンって仲間内でも嫌われてそうだよな……」と妄想することしかできない。クジンシーとボクオーンだけハブられる飲み会とかありそう。

恥知らず!!

vsワグナス

カンバーランドの時に出てきたゲオルグ……輪廻転生して戻ってきた!
いや、おそらく「(偉大な祖先の名を受け継いだ)子孫」と捉えた方が現実的なのかもしれないけど、魂ごと輪廻転生して戻ってきたと信じたい。なぜって? そっちの方がロマンシングだからさ……。

そしてとうとう始まるワグナスとの戦い。
まず海を渡り、チョントウ城へと向かう。いきなり城主が「もう人類の負けだ、俺はワグナス側につく」みたいなことを言い出したので、セキシュウサイと英霊剣豪七番勝負するハメに。もう、セキシュウサイがとにかく熱い男。サガはやっぱり「セリフの熱さ」で見せてくる。

やたらと長い天空城を登って登って…………もう疲れた。
こんなに辛いなら帰してほしい。挑発の意味も込めてワグナスに「もう帰りたい」と言ったら、本当に帰された。なんでェ?

いや、一応正規ルートだと天空城から帰れないことになってるから、緊急脱出装置としての選択肢だと思うんですけど……………なんでェ?

助けてください。

ここに来て、ワグナスに全く勝てない。お察しの通り、私のパーティーはインペリアルガード×2、フリーファイター、ホーリーオーダー、帝国軽装歩兵にアマゾンストライクというスーパーゴリラ編成。だからもう、ワグナスのライトボールが刺さる刺さる。そのままサイコバインドで終了。

ワグナス! 勝てなさすぎていろいろ調べたら「セルフバーニングを使え」とか「大剣なら道中の固定敵で無明剣を閃け」とか出てきてため息が止まらないぞ!! わかっていただろうにのう ワグナス

ワグナス! あとこの「ワグナス!」ってコラだけ知ってたからロマサガ2が元ネタなことをいま知ってじわじわ来ているぞ!
わかっていだろうにのう ワグナス

頑張りました

この「何とか倒せました」という8文字だけで片付いてしまうのが悔しいくらい苦戦したのですが、何とか倒せました。もうロマサガ2クリアでよくない? シンプルに「全員大ボスぐらい強い」という難易度にじわじわと心が削り取られている。ラスボスに辿り着く前に心が折れそうだ。

だってこの「何とか倒せました」の間に、わざわざデータを巻き戻してアバロンまで帰って、セルフバーニングを覚えてきて、天空城の雑魚で無明剣閃くまで頑張ってるんだよ? もう心の耐久戦だよ。

vsダンターグ

なんとなく入手した「魔石の指輪」をハメてみたら……外せなくなった。なんでや!!!!! こんなわかりやすい「呪いの装備」があるか!?

しかも宿屋に泊まったら不気味なBGMが流れ始めて、「魔石の指輪を所持した状態で宿屋に泊まると1人を除いてLPが減る」という事実まで発覚した。最悪。仲間の生命をすすって生きながらえる最悪の皇帝です。

そしてダンターグとの戦いも開幕。このゲームの規模感で「100年早いわー!」って言われると、割と真摯なアドバイスな気がしてきますね。

で、いきなり「ふみつけ」で1人持っていかれる。
そこから「ぶちかまし」や「地裂撃」が飛んできて、全滅。

ロマサガ2、引退か?

と言いつつ、ワグナスほど苦戦はしませんでした。

「ダンターグを育ててしまうと死ぬほど強くなる」ということは風のうわさで知っていたので、できる限りダンターグが強くならないような進め方をしてました。上手く第一形態で抑え込めました。ただ、その割には結構苦戦するあたりにダンターグの怖さが詰まってると思うんですけど。

vsリアルクィーン

オ、オレだーーーーーーーー!!!!!!!!!!

なんとなく気づいてはいましたけど……「最初に名前をつけた主人公が、忘れた頃に最後の皇帝として出てくる」という構造にできた時点で、ゲームとして勝っている感がありますよね。しかも、歴代の皇帝の全てを受け継いだ最強のラストエンペラーとして。

しかも、なんかヘクターまで輪廻転生して戻ってきた。
そういう仕組みなのか分からないけど、あのヘクターが最終皇帝の代で戻ってくるのは流石にロマンシングしすぎてないだろうか?

アリだー!!

最終皇帝なのでラスボスに挑む前に軽くゴブリンの巣穴で暴れてやろうと思ったら……みんないつの間にかアリになっていた。またアリだ! どんだけアリと戦うんだこのゲームは!? しかもタームバトラー鬼強い!! ストーンシャワーは犯罪だ! もうラピッド切り落とし以外どうにもならん!

大臣がアリに変貌するのはまだマシだったけど、アバロンの街中すらアリまみれになっているのは流石に正気度が持っていかれる。大学も、術研究所も、どこに行ってもアリまみれ。逃げ込んだシーフギルドの人間すら「ほ ほぎー」というセリフと共にアリになる。もう七英雄よりアリが怖い。

復活したクィーンいわく、再度大量発生した理由は「あの時、卵を1つ皇帝にひっつけておいたのよ」だそう。な、何してんだテメェーーー!!!!

そして現れる大ボス、リアルクィーン。虫の殻を破って、中から人型の何かが出てきている。怖い。なんかちいかわのヤバい回みたいになってきた。

よくよく調べてると、どうやら「玉座に座ったら勝手に始まる」という理不尽極まりない理由でイベントのトリガーが発動してしまうらしい。そんなの不可避では? しかも、リアルクィーンを倒すとアバロンのみんなが何事もなかったかのようにケロッとしてるのもさらに怖い。白昼夢みたい。

そんな状況が怖くて、私はこの「リアルクィーンを倒したデータ」をリセットしてしまった。なんかデメリットとかありそうだし。一度アリになった国民が暮らしてるって、怖すぎる。この選択が、後になって尾を引く。

vsクジンシー(2回戦)

クジンシーもういいって!!!!!

なんでこいつとだけ2回も戦うの!? そんなんだから七英雄の飲み会でひとりだけハブられるんじゃないの!? ボクオーンだって飲み会には呼ばれてるのに! クジンシー友達少なそ~………。

ということで、まさかのクジンシー2回戦開幕です。
ここで「ワグナスは生きています!」「ダンターグは生きています!」とかだったら、多少は「なん……だと……!?」という絶望感はあったはずなのに、クジンシーだから「もういいって……」が先に来てしまう。もういい。

そして重い腰を上げて会いに行ってみたら、雑魚でちまちまと削ろうとしてくる。本当に失望した。恥知らずにもほどがある。まだ生身で戦おうとしていた分、ボクオーンの方が男気を見せていた気がする。ゼラチナスマターと七英雄末席を交代したらいいんじゃないだろうか。

というか、この「真打との戦いの前に雑魚で削っておく」って、ロマサガ2の「戦闘の度にHP全快状態で始まる」システムと相性悪すぎるよ。クジンシー、お前はゲームシステムを理解しているのか!? それはドラクエやFFで通用する戦い方じゃないのか!? LP削りにしては気が遠くなる!

しかも、相変わらずソウルスティールを撃ってくる。それ1000年以上前に見切ったって。「いやソウルスティール見切ってたのは皇帝だし仲間なら行けるやろw」くらいのノリで撃ってくるのだからガチ失望ものである。見通しが甘すぎる。牙突しか撃たない斎藤一だってもっと芸達者だった。

ま また~~
なんでオレだけが2回も~~

初めてクジンシーと戦った時の盛り上がりを返してほしい。

当初の「流し斬りが完全に入ったのに……」あたりは、まだ強敵としての格があった。そこから再確認ソウルスティールで少しずつ格が落ちてきて、最後には「なんでオレだけが2回も~~」と七英雄のお笑い担当になる始末。本当になんであなただけ2回も倒されるんだろうね。

でも冷静に考えたら、こいつがアバロンにカチこんできたせいで皇帝との因縁が生まれてるんですよね。こいつがアバロンを乗っ取ろうとしなければ、もしかしたら七英雄は世界を支配していたかもしれない。シンプルに「戦犯」なのがすごい。もうクジンシーへの文句が止まらない。

vsスービエ

なんと、ここで初めて武装商船団に反乱を起こされる。
というか、ここに来るまで武装商船団が反乱を起こすイベントがあるということ自体、知らなかった。カンバーランドといい、微妙においしいところを逃している気がして悔しい。2周すりゃいいのかもしれないけど、この凶悪ゲーム相手にそんな気力はもうない。

……そして、薄々お気づきかもしれないけど、この武装商船団イベントに全く気がつかなかったため、スービエのこともイマイチよくわからないまま戦うことになった。てかスービエと一言も会話してねえ! スービエどんな奴なの!? なんかセリフしゃべってよ!!

お互いのことを全く知らないままバトルが始まり、お互いのことを全く知らないまま無明剣とメイルシュトロームをぶつけ合う。なんとかラピッド無明剣で押し切り、スービエは一言も発さぬまま海へと沈んでいった。アレか、キミはもしかして「無口枠」ってやつなのか? クール系かな?

ちなみに、ここで七英雄のことをいろいろ調べていたら、「七英雄の名前の元ネタは山手線」ということを知りました。スービエ(恵比寿)ってそんなことある? な……なぜ……? ロックブーケ(池袋)って何……??

vsノエル

お前の妹最悪だったよ。

そして始まる最後の七英雄ノエルとの戦い……って、ダイジェスト形式にすると全然苦労してないように見えるからなんか癪ですね。ここに来るまでにだって結構頑張ってるんだ! なんかツルツル滑る氷河をもう1回越えたり、嫌な位置に岩がポップしてくるラスダンを踏破したり!!

ただ、ノエルとの戦い自体はラピッド無明剣ですぐに決着がつきました。ラピッド無明剣が悪いよラピッド無明剣が。そして「すまん、ワグナス……誓いは守れそうにない」という辞世の句を聞かされる。ワグナス! その誓い全然知らないぞ!! わかっていただろうにのう ワグナス

七英雄って、この「(膨大なバックボーンがありそうな気がするけど)全然見せてくれない」ところがいいですよね。語られすぎてしまうと、それはそれで若干興ざめな気もしますし。あえて説明されないところがいい。

ロマサガ2、引退。

とうとう始まったラストバトル。まぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~勝てない!!!!!

ここまでの戦いは、ほとんどラピッドストリームの絶対先制からクロスクレイモア+無明剣の超火力で相手を一刀両断にするターボゴリラ戦術でどうにかしてきた。でも、七英雄はどうにもならなかった。

火力を上げれば押し切れるんじゃないかと思ってアマゾンストライク+無明剣に変えてみたけど、そんなの焼け石に水だった。ちょっと火力が増えて、七英雄の胴体からクジンシーがニョキっと生えてくるくらいになった。最後に生えてくるのお前なのかよ。それどころじゃねえよ!!

てか、アマゾン無明剣にしたせいで余計に七英雄が本気を出してくるようになった。なんか背景が変わって、味方を混乱させてくる。そこからのメイルシュトローム。こんなの犯罪である。2時間近く七英雄と格闘してみたけど……全く突破口が見えない。もう終わりだ! これはサルーイン越えだ!

もう、ゴールしていいよね……? タイトルの「ロマサガ2で地獄を見る」、ほとんどここの話です。

テンプテーションはまだ分かる。ロックブーケの得意技だから。流し斬りや体当たりもまだ分かる。流石に攻撃手段のひとつふたつは許そう。でもあの混乱する技はなんだ!? あんなの七英雄の誰かが使っていたのか!? トドメとばかりに撃ってくるメイルシュトロームは重犯罪だ!!

流石に……一度撤退することにした。思い返してみれば我が皇帝人生、幾度となく撤退を繰り返してきた。切り落としを覚えていなくてアリの巣から逃げ出したり、ロックブーケ相手に霧隠れを覚えていなくて撤退したり、無明剣とセルフバーニングのために天空城から撤退したり。

だから今回も、撤退してもう一度戦術を練ればいい。
そうだ、ロマサガ2の本質とは「撤退」なのだ。
まさに「三十六計逃げるに如かず」ってね!!

もう嫌あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

vs七英雄

仕方なく一度撤退して、「クイックタイム」を覚えることにした。
ただ、ここで芋づる式に問題が湧いてくる。

これまでのあらすじを振り返ってみよう。

①七英雄に勝てない

②クイックタイムを使えばいいらしい

③貴様だけは逃がしてくれないらしいのでリセットで戻るしかない

④リアルクィーンのイベントをクリアした時、「何事もなかったかのようにアバロンが元通りになってる」ことが怖かった&デメリットがありそうでそのデータ自体をリセットしてしまった。現データはリアルクィーンと戦っていない

⑤クジンシーを倒した時点で強制的に一度玉座に座ってリアルクィーンイベントのトリガーが発動するらしい

⑥スービエを倒したくらいのデータに巻き戻って術を強くしようとしても、アバロンに戻ったらまたリアルクィーンのイベントが発動してしまう

⑦これ最終皇帝に継承された時のデータまで戻る必要あるんじゃないか?
↑今ココ!

なんだこれ?

どうしたらいいんだ? えっ、これ本当に最終皇帝のデータまで戻るの? なんで、なんであの時リアルクィーンのイベントをリセットしたんだ!? 調べたらデメリットも何もないじゃないか!! 嫌だ……もう嫌だ!!

ここまで来ると、もはや「手術」じゃないか? 別角度でサウスマウンドトップの戦いに並ぶ「詰め将棋」が発生しているのではないか? ダメだ、頭がオーバーロードしそうだ。絡まって解けない靴の紐みたいになった。

『葬送のフリーレン』1巻より

その上で、「味方を強くする」必要もある。
なんか、無限に課題が出てくる。

・もう精神的にタームバトラーと戦いたくない
・クジンシーでリアルクィーンイベントが絶対始まる
・水術を上げるために水龍と戦う必要がある
・「金剛石」もあるといいらしい
・でも水龍と戦ってる間にリアルクィーンが発動する
・フリーファイター男とインペリアルガードを厳選するために「魔石の指輪でLP減らした方が早いかもw」と思い、うっかり最終皇帝に魔石の指輪を装備させてしまい宿に泊まるたび仲間のLPが減っていく

もう悩んでる時のフリーレンみたいな顔になってきた。

ただ、一点だけ「助かった」ところもあった。流石に攻略サイトを見ながらプレイしていたのだけど、ロマサガ2の自由度が高すぎて、「全部の攻略サイトで言っていることが微妙に違う」という事態が起きていた。

結果として、私は「いろんな攻略サイトの書いてあることをザッピングする」という不可思議な遊び方をしていた。その中の「エリクサーだけは覚えろ」という命令を聞いていたので、この土壇場で一縷の望みが見えてきた! あの時砂漠でサンドバイターを狩りまくったのは無駄じゃなかった!!

ウオオオオオオオ、ロマンシング!!
もう「ロマンシングだね」と言って気を紛らわせるしかない。

そして最終皇帝の継承時にまで戻り、水龍を狩りまくって技術点を稼ぎ、クイックタイムを覚えて、クジンシーとスービエとノエルをもう一度倒し! クジンシーとスービエとノエルをもう一度倒し!! いやクジンシーに至ってはこれで三度目か!?

サガで最後に求められるものは、気合いと根性なのだ。
サルーインで詰んだ時にひたすらステータスを上げたミンサガでも、魂の詩を覚えるためにキャリアーアントを狩りまくったサガフロ2でも、最後はいつも気合いと根性だった。人間いつだって、最後に求められるのは気合いと根性よォーーーーーーーッ!!!!!

おいそこ、「最終皇帝まで行ってインペリアルガード×2ホーリーオーダーフリーファイターの男の子すぎる編成が最大の問題でしょ」とか言うな! アマゾネスとか軍師とか合成術とか使い方分かんなかったんだもん!!

これでどうだァァァーーーーーーー!!!!!!!!!!(花海佑芽)

まぁこれでほぼほぼ決着なのですが……クイックタイムを使ってもなお七英雄のHPが太すぎて、こっちのJPがどんどん減っていくから「終わるんだよね?」「終わるんだよね……!?」「終わるんだよね…………!?!?」という不安に駆られるからすごい。間違いなく我が人生最強のラスボスでした。

そして、最後に撃沈していく七英雄を、皇帝が二度見する。
この演出、めちゃくちゃいい。「セリフがないのに心を掴まれる」という見せ方が、サガはとにかく上手い。「数千年の恨みを晴らす!」なんてセリフはなく、ただ消えていく七英雄を皇帝が二度見する。

でも、この「二度見する」描写だけで、数千文字のテキストは感じ取れる。ある種「昔世界を救った英雄が、敵として出てきた」という設定だけで膨大な背景を勝手に感じ取ってしまう七英雄の見せ方に近い気もします。

そして皇帝は、アバロンの人々にも忘れられた歌だけの存在になる。でも、これまで共に戦ってきた仲間や、先代皇帝は忘れていない。酒場の詩から物語が始まり、また酒場で物語を締めくくる。サガ、大人のRPG。

これは幾度となく語られてきたことだと思うので、もはや自分が言うほどのことでもないかもしれませんが……やっぱりロマサガ2は「構造で勝ってるゲーム」なのだと思います。絶対に勝てない、世界を救った英雄が敵として立ちはだかる。それに、数千年かけた継承で立ち向かう。

もう、この「あらすじ」だけで心を掴まれる。
もちろんストーリーもいいゲームだけど、ロマサガ2は「ストーリーがなくても感動できる」ことに驚きました。アバロンの歴史を紡いできた皇帝たちにドラマを見出し、七英雄にバックボーンを感じるのもプレイヤー次第。まさに、「ストーリーを見つける」ゲームだと思いました。

ここめちゃくちゃいい

……………なんだけど、振り返ってみると思ったよりロクな思い出がないのもロマサガ2だと思う。

敵がどいつもこいつも手加減ゼロ過ぎて、いざ脳内で思い出を浮かべてみると……ゼラチナスマターの電撃とか、アリとか、ロックブーケのテンプテーションとか、アリとか、七英雄のメイルシュトロームとか、アリとか……マジでロクな思い出がねぇ!!

しかも、結局のところ最後までラピッド無明剣でどうにかしてしまった。ずっと脳内のロボットが「もっと合成術を使えばいいのに……」「最初からクイックタイムを使えばいいのに……」と囁いてくる。しかもあんなにザ・ドラゴンに必死になったのに格闘家全然使ってないし。

もう、反省しかない。クリアしたのに、「上手くいった」感がゼロ。
それが『ロマンシング サガ2』。この「地獄を見る」こと自体が、面白く感じるゲームとして作られていると思いました。

ロマサガ2、地獄を楽しむRPG。
みんな、地獄で笑おうぜ。