今日のラーメン:古きを訪ねる (original) (raw)

子供の頃、いわゆる「ラーメン店」なるものは周りにおよそ存在しなかった。ラーメンというのは中華料理屋で食べるものであり、あるいは、食堂で食べるものであり、極稀に屋台のラーメンという存在を見かけるものだった。
環七ラーメンブームみたいなものがきっかけでだいぶ専門店も普通の街中にできてきたのが中学生の頃。その頃流行ったラーメンも今残っているものは少ないなあ。
大学生になったころにはもう完全に「ラーメン店」というものの存在はポピュラーになっていて、行動範囲も広がったからそれまで知らなかった、わりと古くから続くラーメン店みたいな存在も知ったけどね。
というわけで再訪多め。


練馬 ます田。なんか限定っぽいやつ。いわゆる魔のテナントだったこの場所に開店してからもう何年も経ったけど、昼夜問わず十分に繁盛している。〆にも使えるというのが大きい気がする。味は安定している。この手のお店、5年もすると結構いかん感じになりがちなんだけど、品質をきっちり保っているのが長く続いている秘訣なんだろう。

大手町 貝と煮干し、時々濃厚。大手町ビルヂングのいいところにあるので気にはなっていたんだけど、今っぽい(悪く言えば資本っぽい)雰囲気を感じて優先順位は高くなかったんだけど、ふらっと。能書き通りの味はしたので満足。

高円寺 ともちんラーメン。ニューの方が美味しかったので改めて確認も兼ねて。うんまあ普通に美味しい。コストを肉に振るってのはラーメン屋の選択としては正しい気がする。

江古田 YOLO。限定のまぜそば。なんというか、この店は続いてほしい感じがあるのでちょいちょい行ってる。まあこれは普通くらいかな。

浜松町 ハちゃんラーメン。夏季限定のやつ。食べ始めてしまったwここも客入りはだいぶ落ち着いてきた(ちゃんと繁盛している)けど、今のところクオリティも落ちることなく頑張ってる。若干これ系も少なくなってきた気がするので長く続いてほしい。

中野 えん寺。もうこれ系はトンガッた新店はめったに出てこなくなったので、老舗を大事にしなければなりません。ここは店内が狭いのが非常に辛いんだけど、それでもこれだけ繁盛しているのだから安心感はある。味も安定しているかな。

高円寺 鶏白湯専門店つけ麺まるや。いわきが本店の店のチェーン展開っぽい店。若干昼には遅い時間だったけど客があんまり入ってない。場所は悪くないんだけど…でもここも結構魔のテナントだよね。味はまあ普通。

練馬 坂内。大学生の頃、深夜のバイトの前に閉店直前の有楽町ガード下の坂内によく行ってた。チャーシュー麺のモリモリ感が好きだったね。現代における坂内も練馬店は一定の繁盛をしていてお昼は満員である。こういうお店は「気持ち的に」お手軽なんだよね。敷居が高くないというか。しかし、時代なのか値段はだいぶ上がっちゃっている。正直、まともに店員さんを揃えて営業しているちゃんとしたチェーン店ってそれなりに値段をあげないとやっていけないからワンオペの本格的な専門店よりかえって高くなったりするよね。ココイチしかり。しかし、いつも食べていた味がちゃんとして(もう何十年ぶりかに食ったけど)とても良かった。

新橋 新ネギラーメン。僕はラーショにはほぼ行ったことがないくらいなのでアレなんだけど、ラーショっぽいよね。と思ったら王道家プロデュースのインスパイア店らしい。道理で麺箱に王道家と書いてあるわけだ。こういうジャンクな味わいのラーメンが意識高い系と最近の流行りを二分しているけど、まあなんというか毎日食ったら死にそうな味ではあるよね。

亀戸 亀戸煮干中華蕎麦 つきひ。亀戸は大学生の頃バイトで通っていて、馴染みがあるんだけど(銀行口座も亀戸支店だ)、ついぞ行く機会もなく(なにせ目的にするものがない)、久々に降り立った街はまあまあ変わってた。まあ昔も暮らしていたわけじゃないからあんまり詳しいわけではなかったけど。
ここはよく濃厚の代名詞として上がるので一度は行かなきゃと思い。亀戸には結構そういう店があって、餃子も喰いたいし、ちょっと遠いけど何度か訪問しようかな。
さて、最初なのでレギュラーメニューを頼む。なんか見た目的にスープ少ないよね…って思ったし、喰い始めて最初だけなんかスープ少ないよねって思ったけど食べ始めて間もなくちょうどいいって思いましたw間違いなく濃厚煮干しの一つの到達点だと思うけど、正直破壊的イノベーションを喰いすぎていてインパクトという点ではそこまでではなかった。普通の人が行くと濃さで殺されます。注意。流石に評判通り美味かったし、建物の中にあるテナントなので並ぶのに暑くなくてよかったわ。

荻窪 井の庄。なんでチャーシュー増したのか忘れたけど見た目が贅沢である。なんかグループ全体だいぶ値上げしちゃった気がするけど、「単なる値上げ」にならない工夫はしてほしいと少し思いました。

浜松町 かじ。商業施設のテナントに入った店なので繁盛はしているけど味はどうかな、というポジションの店だけど最近はこの手の店も一定のクオリティを確保していて特に不満はないですね。一定の品質のものをどこでも食えるというのは非常に贅沢だと思う一方で、ラーメン専門店たるもの、そういうものばかりでよいのかという気持ちもある。

浜松町 忍八。ここも長く営業している。正直場所としてはかなり微妙(隠れ家的な場所といってもよいくらい)だけど、それなりにちゃんとお客さんは入っている。久々につけ麺食べたけど「ああ、こういう時代があったよなあ」と思える味で、こういう味は新しくは生まれてこないので大事にしないといけない(同じことをさっき言ったような)

中野 豚野郎。ここはなかのZEROホールから更に先の島忠から更に先のところにある、とても駅チカとは言えないロケーションにある店で、一度だけしか行ったことがなかった。でもこんな不利な場所でずっと続いているので久々に再訪してみた。うん、旨い。大変よろしい。店主の声が小さくて不安になるが旨いので問題ない。あの場所でコロナを乗り切ってずっとやっているのはスゴイことだと思う。


渋谷 麺屋 大和田。渋谷は無目的にラーメンを喰いに行くには向かない。出かけるついでにちょっと早めの晩飯、というシチュエーションで意外と空いてない店が多いし空いてる店は死ぬほど客がいるし…ただ、南側方面は比較的空いているということでフラフラして入る。ぱっと見に比べてだいぶ食べやすいラーメンだったけど、ちょっと特徴がないかなあ。

練馬 小姑娘。珍しく中華屋ですが、練馬の中華の中では人気が高いお店。きっちりとした味がします。普段食べてOKな感じがとても良いですよね。

市原 ちばから。平和な絵面が急に壊れた。さて、ちばから。千葉の二郎インスパイア店として随分前から名を馳せており、評価の高いお店。ちょうど用事が終わったら開店前に立ち寄れる感じだったので行ってみた。開店前なら駐車場も空いててGood。
さて、この店は有名店ですが、なんでも店主が亡くなってから味が落ちたみたいなことも言われております。元の味がわからないからなんとも言えないけど、開店したらまあお祭り騒ぎ感がある感じで客をさばいていく感じでまあまあ賑やかでよいです。良いんだけど、店内で、カウンターの後ろの壁際に客を待たせている。これは良くない。食べている側に色んな話が聞こえてきてしまう。雑談ならいいけど味の話とかなんたらかんたら食ってる脇でするなよ、という感じ。
で、肝心のお味なんですが、「the二郎インスパイア」である、という評価をしたいと思います。前池田屋のときにも書いたけど、二郎インスパイアは「見た目だけが二郎っぽい」から「二郎より二郎」まで色んなジャンルがあり、それを一言にまとめてしまっているのでなんだかカオスなんですが、池田屋が「二郎を超えすぎて二郎じゃなくなった(褒めてたりけなしてたりします)」とすると、こちらは「二郎を進化させたら二郎じゃなくなった」というインスパイアなんじゃないかな。進化というものを無条件に肯定するわけでもないし、進化前と進化後どちらが優れているかを競うものではないと思いますので、あくまで違う形の食べ物に昇華した、くらいの意味で考えてほしいんですが、まあ単純に言うとこれは二郎ではない。でもその延長線上にあるものとして絶対的な味の評価をした場合、かなり美味かった。これ店主が亡くなる前だったらどういう味だったんだろうね。

ひばりヶ丘 ラーメン二郎。ちばからを食った結果として、久々に味を確認しに行く。二郎と二郎でないものの差はどこにあるのか。哲学的な問を解決するために…(大嘘)。
相変わらずの並びだけど、ここは店主の愛想が良いのでそこはとてもよい。肝心の味だけど、前に思った通りで変わってないんだけど、ちょっと味が強すぎる(これが評価されているんだろうけど、ちょっとな…)。とはいえ、変に突き抜けているわけでもないし、二郎の味といういかんとも表現しがたい何かを逸脱してもいないというバランスではあって、人気が高いのはよくわかる。でもちょっと味濃いよね。

西早稲田 破壊的イノベーション。定期訪問であります。だんだん濃くなっているという噂だがこれ以上濃くなると死んでしまいます…なんかここの濃厚を食べると何もかもがちっぽけなことと思えてしまう。

浜松町 いづる。なんでも味が変わったらしく(店側もそのように掲示)、一般の客にも食べやすくなったらしい。そうすると僕の出番は終わりか、と思ったけどたしかにくせは減ったと思うけどちゃんと濃厚ではあった。ただまあ普通の人に合わせた感が見えるのは確かで、こういうニッチなジャンルでその選択が吉と出るのか凶と出るのか。かつてほどの行列ではなくなっているのは確かだけど、果たしてうまくいくのか、見守っていきたい。

金沢文庫 地球の中華そば。ひょんなことから始めていくことになった金沢文庫駅。ちょっとお昼の店を探していてたどり着いた。まあなんというか、今風のお店である。良くも悪くも見た目通りの味がします。悪くもって言っちゃったけどマイナスポイントがあるわけではないです。予想の範囲内、という程度のニュアンス。
ただ、その範囲内としてのクオリティは非常に高くて、もし近所にあったら通うことになるだろうなあという味でした。

横浜 麺場浜虎。一度くらい行っておこうと思い来訪。結構名を馳せた店なんだけど、そのわりにはインパクト薄めだった。ギリギリ可、という印象(店の中のルールが謎なことも含め)

土浦 良温。ゴルフ帰りに立ち寄る。このあたりではかなり評価の高い店っぽいけど、なんだろう、不思議な味がした。いや、実に普通の旨いラーメンなんだけど、なんかこう一味違う気がしてそこがこのラーメンの魅力になっているように思えたんだけど、ちょっと心当たりがない感じ。いや、普通の味の組み立てなので勘違いかもしれないけど…

桜台 まるよし商店。この店も開店当初は全粒粉が売りのつけ麺屋だったけど、タンメンに転換してからすっかりタンメン屋。でもまだ出してくれるつけ麺も旨いよ。定期的に来てしまう。

江古田 YOLO。江古田に行くとつい行ってしまう。もう家系喰いたくなったらここに来よう。

浜松町? 吉法師。問題作。元は渋谷にあって移転してきたらしいんだけど、この微妙な場所でこの強気の値段でやっていけるのかなあ。見た目はおかしいけど、味はオーソドックスな鶏出汁。1500円で問答無用で卵つくの、個人的にはどうかと思います。間違いなく美味しいけどこの値段でリピートするかというと微妙なライン。

西東京 ラーメンチョップ。今更ながら思い出したけど六角家系統は器がこれなんだよな。というわけでそっち系ということで好みに合っていてとても美味かったけど場所が場所だけに頻繁に来るわけにも行かない。でも美味かった。こうなると洞くつやとかも行っておかなければならんなあ…

高田馬場 鶏白湯麺 蔭山。なんか昼時女子が行列している店、という印象だったけど完全に飯時を外した時間でガラガラだったので入ってみた。うーん、これはなんというか、見た目の賑やかさとは裏腹にベースはしっかりしていて、しかもこの賑やかさにもかからわず値段が安い。大丈夫かこの値段、というくらい。バンバンジーっぽい茹で鶏もたっぷり、麺は流行りの?太くてぷっつりする感じなのでそんなに好みではないけど、とにかくここ最近のラーメン店の値上がり度合いから言うと安すぎるラーメンでたいへんよろしかったです。

江古田 三四郎。久々に入った。思えば煮干しが苦旨いというのを初めて認識したのはこの店だったな。いわゆるセメント系とは一線を画す、出汁感で勝負の濃厚煮干しラーメンだけど、激戦区江古田で勝ち残っているだけあって、バランス…は取れてないか…トータルで満足度は高い。

昔からあるチェーン店に行きたい

坂内に行ってから、他に長くやってるチェーン店ってあったっけ?って思うと案外思い当たらないんだよね。学生時代のころでかろうじて九州じゃんがら(チェーンなのか直営なのかはさておき、支店の多い店として)。あ、天下一品はそのころから結構あったな。中本が流行ったのは結構あとだし、やすべえとかもまだなかった。幸楽苑とか日高屋は別枠(そもそも都内にあったかどうか)。
あと記憶にあるのはげんこつ屋くらいか。本当にラーメン専門店で、チェーン店、というのがそんなに記憶がなくて、かつ今も存続しているものが少ないような気がするんだよね。げんこつ屋は阿佐ヶ谷に復活してたのでいつか行ってみたい。他にも東京周辺で古いラーメン専門のチェーン店に心当たりがある人は是非教えて。