ODA (original) (raw)

NHKの新しいシリーズ「調査報道 新世紀」が大変興味深い内容を連発している。

先週の土曜日に「File5 ミャンマー軍を支える巨大な闇」が放送された。2021年にクーデターをまた起こして軍が強大な力を握っている。5600人を超える市民が犠牲になり、300万人が国外へ難民となって流失している。欧米各国は経済制裁を貸しているが日本はどうか。依然としてかつて日本が供与したODA事業は、工事途中で中断されることなく、それぞれ継続工事され、竣工をしている。ちっとも経済制裁になっていない。なぜか。日本は官民というよりも政府が大企業のお先棒を担ぐ形でかつてのビルマ、今のミャンマーに入れ込んできた。アウン・サン・スー・チーが軟禁されてきた軍政時代、それでも日本の各企業はかつてのラングーン、今のヤンゴンを中心に拠点を構え続け、投資や工事受注のチャンスを伺ってきた。それでも民主化がされないということで経済活動を進められなかった、日本を初めとする各国はとうとう、軍に圧力をかけ続け、とにかくアウン・サン・スー・チーの軟禁を解けと要望してきた。そうしないとこれまで培ってきた仕組みが動かない。そして、彼女を一見解放した体制を見せ、各国の経済参加は堰を切ったようになだれ込んだ。もちろん日本の企業も例外ではない。そこへ軍がクーデターを起こして、完全に権力を掌握した。

この番組でも取り上げられたように、2024年6月、日本のODA案件のひとつバゴー橋建設事業のタンリン橋3が完成した。開通式典にミンアンフライン軍最高司令官が参列。日本企業も参列。そして、受注者の横河ブリッジが発注した現地企業、MECへの支払いは継続された。この機牛は一見民間企業だけれど、その実態は軍が利用できる資金を稼ぐための企業。どこが軍に対する経済規制だというのか、ということになる。つまり日本外務省は大企業のために、ミャンマーの国民が軍の圧政に喘ぐ手助けをしてしまっているということなのだ。
表に見えない間接的とはいえ、日本政府から金れが軍に流れ、それが中国やロシアから導入する武器の購入資金になっているということで、私達はすでにミャンマー市民を苦しめている。