月夜 (original) (raw)

松本竣介《街》と昭和モダン」展に行く

暑い間ずっと気になってはいたのだが、ようやくしのぎやすくなり、開期も残り少なくなったので、意を決して出かける。隣県の碧南市藤井達吉現代美術館は七年ぶりの再訪である。

糖業協会と大川美術館のコレクションによる昭和初期の作品の展示で、140点とかなりの数である。海や山の風景、花や静物、人物と大まかに分けられているが多彩な題材で、私なんぞにも名前を知る著名画家の作品も多い。

中でも「松本竣介」は大川コレクションの中心作品らしく、まとまった数の鑑賞ができる。この人を知ったのはいつ頃かはっきりしないが、以前愛知県美術館であの「立てる像」を観て、これが松本竣介かと思った。今回「立てる像」はないが、彼の自画像はあり、撮影ができる。「フルーツポンチ」とあだ名されたらしい優しい面立ちである。この他、かれの作品は6点撮影可だったが、上手に撮影できなかったので、上げられない。

「自画像」

「街」

松本竣介は36歳での若死、青年期の罹病により聴覚障害者であったということだ。Tの書棚の洲之内徹『気まぐれ美術館』に、詳しい作品紹介があるようなので読んで見ようかと思う。

展覧会では買ってもいいと思うような(もちろんそんな力はないのは百も承知)一点を探すようにしているのだが、今回は松田文雄の「小春日和」。これは大きいので小ぶりのものにするなら萬鐵五郎「風景」と決めた。

碧南市というのは愛知県でも南の外れなのだが、随分の人が来館されていた。たいていは我々のように高齢者だが。

昼時になったので、海を潜る衣浦トンネルをくぐり(通行料260円)半田市へ。いつもの蕎麦の昼食にしようと調べて行ったのだが、あいにくの臨時休業。急遽「半田は寿司」と観光案内にもあった回転寿司屋さんへ。これが正解。回転寿司といっても回っているわけではなく、パネルでの注文がベルトに乗って手元に届くというシステム。知多半島の4つの漁港のせり権を持っているとかで、地物がお勧め。平貝、イワシ、平目、カワハギ、蛸、豆鯛などなど地物ばかりを頼んで、久しぶりに満足。

この後、武豊町の「まちの駅 味の蔵たけとよ」に寄った。半田といい、武豊といい古くから醸造業が盛んだというので、地元の醤油を買って帰ったのだが、どうだろう。

知多半島は連れ合いの故郷だが、丘陵を挟んだ半島の西側生まれなので、東は全く来たことがないという。今は横断できる高速道路ができたが、昔は交通も不便だったらしい。

うらなりの瓜のころがる月夜かな