簡単日記(20240416) (original) (raw)

原田裕規『とるにたらない美術 ラッセン、心霊写真、レンダリング・ポルノ』、おもしろく読んだ。多くの人に受容されているがアート界隈からは嫌悪されているクリスチャン・ラッセンの“マリンアート”を丹念に論じ直す導入が力強い。

「とるにたらない」とされ、本気で批評されてこなかったものたちの死角を覗いていくと何が見えるのか。心霊写真を心霊写真であると評価しているのは誰であったか。VARを導入し判断主体を人間が手放した先に、フットボールは誰の手の中にあるのか。人を殺す戦争でドローンのパイロットが直面する精神状態とその原因は。佐村河内守はなにを生み出し、なにを成し得なかったのか。