同じように見えても瓦にも地域の特色があります。 (original) (raw)
こんばんは。
姫路の瓦工事店、表瓦の表(おもて)です。
昨日の朝は朔矢が4時半に起きてきて、なんとかもう少し寝かせようと頑張ってみたんですが、私が起きる5時半にはしっかり覚醒してしまって寝てくれませんでした。おかげで私も嫁さんも寝不足な1日になってしまいました。今日はちょっとはゆっくり寝てくれたらと願っていたんですが、6時半にはしっかり起きてきました。その分昼寝してくれるから助かる部分はあるんですが、私はめっちゃ眠いです。
高知で逆桟の瓦を見掛けました。
先日の高知旅では高知県といっても目的地が高知市内やったので移動の道中で他の市を通る事はあっても風景はバスの中からしか見る事が出来ませんでした。仕事柄、道中の家の屋根をチェックしてしまったんですが、ところどころで逆桟の瓦が葺いてあるのを見掛けました。
逆桟と言っても業界外の人には何の事か分からないかもしれませんが、通常の和瓦の桟瓦は軒側から見て左に山が来るんです。この山の事を桟と呼んでいて、高知県ではこれが反対の右側に来る瓦が葺かれている家があるんです。
台風で強い風が吹いた時に瓦の重なり部分に風が入り込むのを防ぐためにその家が建っている立地から風の当たる向きを考慮して逆桟が葺かれていたんです。
今は全数釘留めをするので、逆桟の瓦も減ってきているみたいです。
地域によって瓦にも特色があります。
高知県は逆桟が葺かれていましたが、瓦は他にも地域によっていろいろな特色があります。雪が多いところでは棟に積まれているのし瓦の漆喰部分が他の地域よりも深くなっていたり、日常的に風が強い地域では棟ののし瓦に風が通り抜けられるように丸瓦を使った穴が開いていたりもします。
その地域の気候と風土に合わせて先人たちがさまざまな工夫を凝らして長持ちするようにと考えられていたんですよね。
工業化によって標準化されつつあります。
それが現代の瓦は製造工程が工業化されて品質が均一化されるようになってからは工事の現場でも標準化が進められています。全国どこに行っても、誰が施行しても同じように施工されているのが価値になったんですよね。
大量生産大量消費の時代にはそれでコストダウン出来ていたから良かったんですが、これからは人口が減るのが確実で、新築も間違いなく減っていくのでこれまでと同じでは済まなくなると私は考えています。
都会はどこに行っても同じ風景になってしまったけど、田舎はまだまだ独自の風景が残っているのでそれをどこまで残せるかですね。