「リトル・ガール」 (original) (raw)

あらすじ

男性の身体に生まれたサシャは2歳を過ぎた頃から自身の性別の違和感を訴えてきた。しかし、学校では女の子としての登録が認められず、男子からも女子からも疎外され、バレエ教室では男の子の衣装を着せられてしまう。他の子どもと同じように扱えってもらえない社会の中で、サシャは7歳になってもありのままに生きることができずにいた。そんなサシャの個性を支え、周囲に受け入れさせるため、家族が学校や周囲へ働きかけるが・・

感想(ネタバレ含む)

トランスジェンダーのお話です。

トランスジェンダー(Transgender)とは、生まれた時の性別と、自身で認識する性(ジェンダーアイデンティティ)が一致していない人を指します。性自認に着目した性的マイノリティである点が特徴で、当事者が自分たちの生き方にプライドを持ち、名乗るときに好んで使われることが多い言葉です。

・「男性の身体で生まれたが、自身の性別は女性であると認識している人」

・「女性の身体で生まれたが、自身の性別は男性であると認識している人」

わずか2歳で自覚し、4歳には「女の子になりたい」と親に訴えるなんて驚きませんか?(無知がゆえに)…私は少しショックでした。

学校に理解を求めても、親の育て方に問題があるかのように返してくるだけ。

バレエ教室のロシア人講師が、頑なに彼女を女の子として扱おうとしない上、「こんな問題ロシアには存在しない」と言って教室から追い出そうとする始末。7歳の子供に対して、こんな扱いをすることにも驚かされました。ヒドイネ

親も戸惑い、自責し、葛藤の日々。特に母親が自責する姿が見ていて辛かったし、母親を苦しめたくないばかりに、自分の意見を言わずに耐えるサシャの姿は、更に切なくとても胸が苦しかった。

日本だと、親にも言えず一人で悩んでいる方が多いのではないでしょうか。以前、TVで「自殺を考えたことのないゲイはいない」とゲイの方が発言していましたが、この発言も結構ショッキングだったなぁ。

サシャにとっての唯一の救いは、理解ある家族に恵まれていること。親はもちろん、兄も子供なりに理解し優しく見守っています。

カリーヌさん(母)の発言に、彼女の並々ならぬ決意を感じます。

「サシャにとって苦しい道のりになる・・・いろんな試練が待っている。バカにされたり脅されたり・・暴力を振るわれるかも。障害児の親と同じで不安よ。できないことがあったりして他の人のように生きられない。親としては自分ができることをやっていくしかない。できるだけ子供が苦しまないようにね。」

「優しいだけじゃ自分の身は守れない。サシャも私も一生戦い続けることになる。」

まだまだサシャと家族の闘いは続いていきます。これから・・

いろいろと考えさせられる映画でした。理解って難しいですよね。

理解しようとすることは大切だけど、すべてを理解することは不可能で同じ立場を経験しないことには何もわからない。だからこそ、自分は知らないのだということを知ることが大切であり、知らないことを知ったような気になって発信することの怖さを感じていきたいです。

リトル・ガール(字幕版)