絵画等のこと㉖ ポール・マッカートニー写真展 1963-64~Eyes of the Storm~ @東京シティビュー (original) (raw)

■ 絵画等のこと㉖



2024年9月24日まで六本木ヒルズ森タワー52階東京シティビューにて開催中の「ポール・マッカートニー写真展 1963-64~Eyes of the Storm~」を拝見したので、感想を記します。

www.eyesofthestorm.jp

ポール・マッカートニー写真展 1963-64~Eyes of the Storm~

タイトルの通り、ビートルズ初期の大変多忙な間、ポール・マッカートニーが撮影した写真を中心とした展示だが、ポールが写っている写真もたくさんあり、つまり側近スタッフによる写真や当時の報道・テレビ出演映像等の資料も並んでいおり、盛りだくさんで拝見できる。
なお、ご存知と思うがビートルズは、イギリス・リヴァプール出身のジョン・レノンポール・マッカートニージョージ・ハリスンリンゴ・スターによる四人組ロックバンドで、1962年にレコードデビュー、1970年に解散した。1963年にはイギリスでファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」を発売しチャート1位を獲得、翌1964年1月にはアメリカでシングル「抱きしめたい」がチャート1位。2月には初のアメリカ遠征、「エドサリヴァン・ショー」にも出演している。

展示のキャプションでも触れられていたが、ツアー先の名所や出会った人々など、ポールが一観光者として楽しんで撮影している様子が伝わってくるのが、興味深い点の一つ。
ビートルズの追っかけたちが熱狂する様子やそれを制する騎馬隊、故郷にはいなかったというアメリカのピストルで武装した警察官、パリのシャンゼリゼ通りやマイアミの海岸等、人間としてのポールの興味が伝わってくる。
当時、ポールは二十歳代前半の若者である。音楽でどれほど成功していても、異国での様々は物珍しかったであろうと、推察する。話が少し逸れるが、ビートルズを追いかけカメラを構えるファンやメディアを写した写真を見ると、撮る側もまた撮られる対象であることに気付かされ、見る見られるの関係を考えさせられる思いもする。

またジョン、ジョージ、リンゴや周囲の人々のくつろいだ様子を見ることができるのも、ポールによる撮影ならではと紹介されていた。プールサイドでくつろぐ様子や移動中の素顔を見ることができ、楽しい。

ちなみにスマートフォンにアプリをダウンロードして、ポールの肉声による音声ガイドを聞くことができるのだが、ポールはあまり日本語が得意でないのだろう、英語でのおはなし。画面に日本語翻訳のテクストがでてくるのだけれど、作品があって、それなりに丁寧にキャプションが添えられており、また多くの展示は撮影OKのため、それだけで十分に忙しく、さらに英語を聞きながら、翻訳を読むことなど、マルチタスクが苦手な私には到底不可能だったので、断念いたした。

キャプションでは細々と、被写体が誰でというのも示してくれているのだが、それなりの頻度で「見知らぬ女性・男性」という人が出てくる。
日本語の「見知らぬ女性・男性」になんとなく不審者のニュアンスが含まれているせいで、最初目にしたとき怖かったのだが、おそらく関係者であったりファンであったりだけれど、今となってはポールが名前をわからない一般人、ということなのだろう、多分。

森タワーの展望台のど真ん中での展示という場所柄、展示の観覧料金に展望台に登る料金が上乗せされた料金設定であるあたり、森ビルのやり口はいかがなものかと常々思っているが、展示そのものは楽しかった。

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