ぴろりのくせになまいきだ。 (original) (raw)
世の中には小さいキーボードがある
皆さん、普段文字入力にキーボードは使っていますか?
もしお持ちのPCがノートPCなら、おそらくファンクションキー*1の行、数字キーの行、Qキーの行、Aキーの行、Zキーの行、スペースキーがある行の6行で構成されたキーボードが組み込まれていると思います。
つまり、おおよそ70キーほどのキーが存在したキーボードくらいは見慣れていると思います。
ここで、世の中にはそれよりもキーが少ないキーボードがあります。
まず、ファンクションキー行がないキーボードはあります。よく「60%キーボード」などと呼ばれます。
この時点でもずいぶんコンパクトですよね。
Tofu60 Redux(私物)
さらに、数字行までないキーボードもあります。さらにコンパクトでかわいいですよね。
私が最近設計した40%キーボード「Editor50」
市販品の参考:
Keychron Q9 QMKカスタムメカニカルキーボード(US ANSI 配列)keychron.co.jp
archisite.co.jp
この記事では、そうした数字行までないキーボード(以下、「40%キーボード」ともいいます。)の魅力と、それをどうやって使っているのか、という話をしたいと思います。
キーボード沼の住人向けというよりは、ちょっと興味がある方向けに執筆しましたので、ぜひ気軽に読んでいっていただければと思います。
40%キーボードとは?
そもそも、○○%キーボードという定義は、フルサイズ(テンキー付き)のキーボードに対して、キー数がどのくらいの数になっているか、という表記です*2。
人によって微妙に呼び方が異なりますが、この記事では、数字行がないキーボードのことを「40%キーボード」と呼称することにします。
左右分割40%キーボードの「KX-52A」(自設計)
40%キーボードのよいところ
実用的な部分からすれば、ほぼすべてのキーにホームポジション*3から指が届くということです。
これは意外と重要なことで、全く手元を見ずに文字を打ち続けることが可能になります。
ここで、おそらくですが、通常のキーボードで全く手元を見ずに、また、手首を浮かさずに数字キーを打てる人はほとんどいないのではないかと思います。
手首を浮かせてしまうと、ホームポジションからの相対的な位置がずれてしまいます。そうすると、戻ってきた際に打ち間違いが発生しやすいといえます。
これに対して、40%キーボードでは、手首を動かさずに打鍵し続けられるため、相対的な位置が変わらず、慣れれば打鍵のミスが少なくなります。
また、端に配置されるキーが非常に多くなりますので、キーがどこにあるかを認識しやすい人も多いと思います。
さらに、そもそものサイズが小さいため、デスクを広く使うこともできます。
参照:
salicylic-acid3.hatenablog.com
もう一つ、忘れてはいけないポイントはかわいいことです。
自分で設計した40%キーボードたち
40%キーボードの代表例:
Corne V4 Cherryshop.yushakobo.jp
かわいいに囲まれている方も紹介しておきます。
note.com
サイズの小ささからくる独特のかわいさにやられて、40%をずっと使い続けています。あとは小さくてわけのわからんキーボード使ってるのかっこよくないですか
40%キーボードのデメリット
市販されていないこともないですが、いわゆる自作キーボードに手を出さざるを得ないため、やや高価になります*4。
また、通常のキーキャップセットがそのまま使えないことも多いです。印字されている文字と、実際に入力されるキーを一致させるのは通常難しいです*5。
また、最大の難所は数字キー・記号キーの大半がすぐに打てないことだと思われます。
40%キーボードの説明部分で記載した通り、数字キーがそもそもありません。よって、何らかのキーとの同時押しで入力することになるため、その配置を覚える必要があります。
しかし、逆に言えば、好きなように数字キー・記号キーを配置できるというわけです。
慣れてしまえば、すべてのキーをタッチタイピングできてしまいますし、自分の癖に合わせてキーの配置を調整できます。
キーマップとは?
自作キーボードでよく利用されるQMKなどのファームウェアでは、自由にキーの配置をカスタマイズできます。
このキーの配置のことをキーマップと呼びます。
昔のキーボードはそれこそタイプライターに付属していて、物理的にキーと印字される文字が対応していたわけですが、昨今のキーボードはもちろん電子式であり、このキーが押されたのでPC側にこのキー(キーコード)を送信します、という制御を自由にいじっても良いわけです。
通常のキーボードでは、Aキーの横にCapsLockキーがありますが、ここをControlキーにしたっていいし、Shiftキーにしたっていいのです。
他にも、通常Lキーの横には;(セミコロン)キーがあり、さらにその隣には:(コロン)キーがあります*6が、ここが左右の鍵括弧になっていてもよいのです。
また、先ほど数字キーは何らかのキーとの同時押しで入力すると書きましたが、これは「レイヤー」と呼ばれる機能を使います。
どういうことかというと、例えばとあるキーを押している間*7は、入力されるキーが変化します。
名前の通り、他の層を仮想的に被せてしまうような挙動をします。
通常のキーボードでもファンクションキーを押しながらだと音量調整になるキーがあったりしますが、イメージはまさにそれです。特定のキーを押すと通常の文字部分がテンキーに切り替わるノートPCも見たことがありますが[*8](#f-e32d856b "参照:
[https://faq-pc-support.connect.panasonic.com/faq/show/537?category_id=9&site_domain=default:embed:cite] ")、それもまたレイヤーの概念といってよいと思います。
そういわれるとそこまで大層なことじゃない気がしてきませんか?
Fnキーを押しながらだとF1キーがミュート、F2キーが音量↓になる。これもレイヤーといえばレイヤー
仮に物理的に42キーしかないキーボードとしても、レイヤー切り替え用のキーを2つ用意すれば、少なくとも40×3キー分だけ仮想的に入力できるようになります。通常のキーボードが104キーなどであることを考慮すれば、十分すぎる数です。
使用頻度の低いキーは裏のレイヤーに押し込んでしまえば、その分見た目をすっきりさせることができるというわけです。
また、優先度の高いキーを使いやすい場所に置くことも自由自在です。さらには同時押ししたことにする機能もあり、ちょっとしたショートカットを一発で入力することもできます。
他にも、長押しと単押しで入力されるキーを別にすることもできます。例えば、長押しでShift、単押しでSpaceのような具合です。
あと、あまり語られることのない重要なポイントは、このキーマップはPC側に保存されるのではなく、キーボード側に保存されることです。
つまり、異なるPCに接続しても、そのキーボードを接続すれば、いつもの環境で作業ができる、というわけです*9。
物理的なキーが少ない40%キーボードを使いこなすためには、少なくとも数字キーを打てるようにしないといけないため、キーマップをどのように調整するかが非常に重要といえます。
この記事では、私が普段使っている40%キーボードのキーマップについて紹介したいと思います。
なお、私の仕事的には、日本語の入力・編集がメインですが、半角英数字の入力をすることもあれば、全角英数字の入力もそこそこ行う、という感じです。まれにですがプログラミングもします。
この前提をもとに見ていただくと面白いかもしれません。
私の40%キーボードにおけるキーマップの基本形
私が普段使っているキーボードには、拡張キーがついていたりしますが、どのキーボードでもそれ以外のキーマップは共通にしています。それを基本形としてご紹介します。
形状としては、以下の写真のキーボード(KX-52M)を例とします。
最近の職場でのメインキーボード(KX-52M "Tochka52")
レイヤー0(通常)
レイヤー1(数字)
レイヤー2(記号)
レイヤー3(移動操作・設定)
なお、縦に3つ長いキーが並んでいるのはロータリーエンコーダで、時計回りで入力されるキーが左側、反時計回りで入力されるキーが右側、プッシュが真ん中です。
また、基本的に中段が通常単押しで入力されるキー、下段がShiftを押しながらで入力されるキー、上段が長押しで入力されるキーです。例えば、上段がMO1、中段がF10のキーは、長押しでレイヤー1に遷移、単押しでF10、という設定です。
他にも「MS1」のような表記は、マウスのボタン1を表します。
以下、各レイヤーの詳細について説明します。
レイヤー0(通常レイヤー)
レイヤー0(通常)
いわゆる論理配列はいじっておらず、アルファベット部分は通常のQWERTY配列と呼ばれるものをそのままとしています。
おそらく普通ではない点の一つが、Aキーの横がShiftになっており、Zキーの横がCtrlになっている点です。上下は逆でもよいのですが、Shiftを押す機会の方が多く、また、通常のキーボードでいわゆる標準運指*10に矯正した際の小指の動きに対する位置関係が、この方が近かったためです。
また、Pキーの横にハイフンがあり、/(スラッシュ)キーの横に=(イコール)キーがあるのも珍しいと思います。なぜここにあるかというと記号の中ではそれなりによく使うためです。
他にもやや特徴的なのは、Enterキー、Spaceキー、Backspaceキー、Deleteキーの長押しに何も置いていない点です。使用頻度が高いキーであって、かつ、押し間違いが絶対に発生してほしくないためです。
また、レイヤー1切り替え用のキー、レイヤー2切り替え用のキーの単押しに、それぞれF10キー、F9キーを置いています。それなりの頻度で全角の数字・記号、半角の数字・記号を打つためです。加えて、レイヤー3切り替え用のキーの単押しに、F2キーを入れています。ファンクションキーの中ではF10, F9に次いで使用頻度が高いためです。
あとは、左上のキーに単押しでEscキー、長押しでAltキーを置いています。私が使うソフトでは、Alt+Escを押すことがないため、特段困っていません。
ロータリーエンコーダは、左手側が上下のカーソルキー、右手側が左右のカーソルキーとなっています。
文章編集をする際にはカーソルキーを押す頻度が高いと思いますが、これを高速で押下できます。
ロータリーエンコーダがないキーボードを使うことはめったにないですが、そのようなキーボードの場合には、どこかのレイヤーのJIKLにカーソルキーを仕込みます。
レイヤー1(数字レイヤー)
レイヤー1(数字)
次はレイヤー1です。左手側の親指の一番手のひら側のキー(水色のキー)の長押しで遷移するようにしています。
このレイヤーでは数字に関係するもの(通常の数字、ファンクションキー)を集めています。
ここで、より使用頻度の高いキーを右手側に集めています。これは、左手で長押ししながら左手で他のキーを押すのはやや窮屈で速度が出ないためです。
数字キーの配置は、通常の一行横並びの配置ではなく、通常のテンキーの配置でもなく、電話の配置に即しています。0(ゼロ)だけはO(オー)の位置にしています。
この配置になるまでは紆余曲折がありました。経緯はちょっと長いので脚注に書いておきます。*11
ところで、全角入力モード時に半角の数字を打つときは、左手の親指で長押しをして数字を入力した後、離してもう一度短く押す、という動作になります。割と直感的で使いやすいと思っています。
あと、ハイフンの位置には~(チルダ)が出るようにしています。これは数字ともによく使う記号の一つだからです。
また、半角/全角のトグルは、レイヤー切り替えキーの同時押しとなっています。
ロータリーエンコーダは、左手側がPgUpとPgDn、右手側がHomeとEndとなっています。文章作成中、よく使うのは圧倒的にHomeとEndです。左手側の長押しで遷移するレイヤーでは、よく使うキーを右手側に集めるの法則で、このレイヤーにHomeとEndを置くようにしています。
レイヤー2(記号レイヤー)
レイヤー2(記号)
次はレイヤー2です。右手側の親指の一番手のひら側のキー(水色のキー)の長押しで遷移するようにしています。
このレイヤーでは記号系を集めています。
文章の作成をしていて、比較的多く使う記号は括弧類です。これらを左手の押しやすい位置に置いています。
通常、波括弧は、角括弧のShiftで出てきますが、このようにばらしてしまうこともできます。
その他の数字キーのShiftで出てくる記号類は、素直に数字の配置と同様にしています。
あと、記号がなんとなく似てるな、という個人的な感覚から、クォーテーションの位置にグレーブアクセント(‘)を置いています。同様の理由で、スラッシュ(/)の位置にバックスラッシュ(\)を置いています。日本語だと円記号(¥)のアレです*12。
ロータリーエンコーダーは、左手側がマウスのホイールの上下、右手側がマウスのホイールの左右にしています。
スクロールの左右は、通常のマウスではついていないこともありますので、地味に便利です。
上下のスクロールもパッとできると便利な場面が多くあり、それなりに使っています。
レイヤー3(移動操作・設定レイヤー)
レイヤー3(移動操作・設定)
最後にレイヤー3です。右手側の小指列の上のキー(水色のキー)の長押しで遷移するようにしています。余談ですが、私はこのキーを薬指で取ります。
LEDの設定用のキーと、マウス操作系、ウィンドウ等の切り替え系のショートカットを置いています。
マウスカーソルの移動などはほとんど使いませんが、地味にマウスクリック(左クリック(マウスボタン1)/右クリック(マウスボタン2))のキーはちまちま使います。戻る(マウスボタン5)/進む(マウスボタン4)も地味に便利です。
ロータリーエンコーダは、左手側がウィンドウ切り替え、右手側がタブ切り替えにしています。なお、厳密には単にショートカット(alt+tabなど)を割り当てているのではなく、マクロを使った実装[*13](#f-78d2a476 "具体的には、こちらのページの
[https://github.com/qmk/qmk_firmware/blob/master/docs/feature_macros.md:embed:cite]
この実装を参照しています。
[https://github.com/qmk/qmk_firmware/blob/master/docs/feature_macros.md#advanced-example:title]
これのalt+shift+tabバージョン、ctrl+tabバージョン、ctrl+shift+tabバージョンを同様に実装して、ロータリーエンコーダの回転に割り当てています。")になっています。
時間は調整可能ですが、このキーを一度押すとalt+tabが押され、0.8秒間の間はaltが押されたままとなるので、ウィンドウ一覧が出た状態になり、0.8秒間の間に再度そのキーを押すと、altが押された状態が維持されたままtabキーが押され0.8秒のタイマーがリセットされ、0.8秒の間に何も押されないとそのウィンドウにフォーカスが移動する、という挙動になります。
割と最近実装したのですが、直感的に移動できて便利です。
おわりに
2025年3月22日にキーケットが開催されました。もしかすると、そちらで小さいキーボードを買ってしまった方、興味を持った方がいらっしゃるかもしれないと思います*14。
keyket.jp
この記事を読んで、40%キーボードを使うのも意外といけそうかな、と思っていただければ嬉しいです。
ここで、もしかすると、「40%キーボードを使うようになると、普通のキーボードを使えなくなるんじゃ……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
私は仕事でもプライベートでも変なレイアウトの40%キーボードばかり使っていますが、例えばノートPCに付属するキーボードでの文字入力に手間取るかというと、意外とそうでもありません*15。なぜか数字を打つときに一緒にShiftキーを押してしまうことがまれにあるくらいです。
また、私のキーマップの実例を紹介しましたが、自作キーボードをはじめ、ちょっと高いキーボードでは、このように自由にキーの配置と押した際の挙動をカスタマイズできます。
キーマップの調整によってキーボードの使い勝手は大きく向上しますので、ぜひご自身の打鍵の癖・キーボードの使用目的に合ったキーマップを模索してみてください。
40%キーボード、さらに小さい30%キーボードでは、キーマップを考えるのも一つの楽しみだと思っています。
小さいキーボードを使ってみていただければ個人的にもうれしいです。
この記事は、Paren48*16で書きました。
はじめに
「Editor50」に興味をお持ちいただきありがとうございます。
この記事では、詳細な仕様の説明と、簡易的なビルドガイドを掲載します。
左上: マットクリア, 中央上: マットホワイト・スイッチ付き, 左下: マットホワイト, 右下: 組み立て例
組み立て参考写真(keycap: YMDK 127 Ultra-slim Key cap Mac Style)
設計思想等に関しては、下記記事を参照してください。
piroriblog.hatenablog.com
以下では、キーケット2025頒布版の詳細について主に説明します。キーケット2025における頒布価格などについては、以下のウェブカタログもご参照ください。
catalog.keyket.jp
仕様(2025年3月3日現在)
スイッチ付きキット(キーケット頒布版)
- ボトム・ミドル:マットホワイト/トップ・コネクタカバー:マットホワイト
スイッチ付きキットは、使用には別途キーキャップ(十字ステム対応のキーキャップ)が必要です。
スイッチはGhost Low-profile POM Switches*3がインストールされています。
対応スイッチ
なお、いずれのスイッチもキーキャップ交換時にスイッチプレートから抜けやすくなっていますのでご注意ください。
対応キーキャップ
上記スイッチにそれぞれ対応するもの。
ただし、Choc V2の場合はロープロファイル用キーキャップ*6の使用を推奨します。通常のMX互換スイッチ用では、スカート部分がスイッチプレートに衝突する、スイッチと干渉する等の問題が発生する場合があります。
対応ノブ
- 6 mmシャフト、Dカットまたはネジ止め可能なもの
- 最大径26 mmφ
キーケット頒布品では、3DP出力したノブが標準で付属しますが、交換したい場合などは、上記の仕様のノブを検討ください。
免責事項
- 本キーボードの使用により発生したいかなる損害も負いかねます
- 組み立て時等による怪我・やけどは十分ご注意ください。補償はいたしかねます。
- 適合しない規格の商品を誤って購入された場合の補償等はいたしかねます。事前に適合する規格であるかの確認をお願いします。
組み立てに必要なパーツ
以下、組み立てに必要なパーツを掲載します。キーケット頒布品では、以下のパーツ類が組み立て済で頒布されます。
なお、使用時には別途上記規格のスイッチ44個、キーキャップ44個が必要です。
適合するキーキャップの組み合わせは以下の通りです(1uとは通常の大きさのキーの幅を指します)。
- 1u 40個, 1.25u 4個(組み立て写真の例)
- 1u 40個, 1.25u 2個, 1-1.75u 2個
- 1u 44個
ところで、使用時には通信用のUSB Type-Cのコネクタがあるケーブルを用意してください*7。
発注等が必要なパーツ*8
- 基板 1枚
- スイッチプレート(四角の穴が空いたプレート) 1枚
- PCBシート(スイッチプレートと同様の形状の紙) 1枚
- ミドルプレート(複雑な形状の穴が大量に空いたプレート) 1枚
- ボトムプレート(円形の穴がいくつか空いたプレート) 1枚
- コネクタカバー(つぶれた三角形状のプレート) 2枚
- スイッチカバー 3個
- ノブ 2個
- スティック 1個
電子部品
- RP2040-Zero*9 1個
- Kailhロープロファイル用ソケット*10 44個
- 表面実装ダイオード*11 54個
- タクトスイッチ(登録商標)*12 3個
- ロータリーエンコーダ*13 2個
- スティックスイッチ*14 1個
- ピンヘッダ(組み立てに使用)*15
- (任意部品) LED*16 10個
ネジ・スペーサー
- M2 六角スペーサー(長さ3 mm)*17 8個
- M2 低頭精密小ねじ(長さ3.5 mm)*18 8個
- M2 精密機器用 0番1種 +なべ小ねじ(長さ3.5 mm)*19 6個
- M2 ネジ(長さ8 mm, 種類お好み)*20 2個
簡易ビルドガイド
繰り返しになりますが、キーケット頒布版のベアボーンキットははんだ付け済です。
ベアボーンキットでは、スイッチの取り付け・キーキャップの取り付けが必要で、スイッチ付きキットではキーキャップの取り付けが必要です。
以下の手順は、今後はんだ付けが必要なキットを販売する場合、またはデータを公開した際に組み立てが可能となるように用意した部分も含みます。
マイコンボードの動作確認
- マイコンボードをPCに接続します。この際、通信が可能なケーブルを使用します。
- BOOTボタンを押しながら、RESETを短く押します
- 大容量記憶容量デバイスとして認識されたら、所定のuf2ファイルをフォルダ内に格納します
- Vialで認識されることを確認します。具体的には、
Home - Vialより、「Start Vial Web」を押下し、画面の案内に従って操作し、
キーマップが表示されることを確認します
ダイオード・ソケットのはんだ付け
ダイオードのはんだ付け
- はんだごてで盛ったはんだを温めながら、ピンセットでダイオードを移動させ、はんだ付けします
- もう一方のパッドにもはんだ付けします
この作業をすべてのダイオードに対して行います。なお、以下の作業は20個ずつなど、ある程度まとめてやると効率的です。
- はんだを盛る作業
- ダイオードを置く作業
- パッドの片側にはんだ付けする作業
- もう一方のパッドにはんだ付けする作業
ソケットのはんだ付け
- ソケットをはんだ付けするパッド(SWXXと記載)の片方にはんだを少し盛ります
- ソケットを印刷の線の向きに合わせて置きます。このとき、出っ張りが四角の印字部分と合うように置きます(写真参照)。角が落ちている方が左下になります。
- はんだごてで盛ったはんだと、ソケットの金属部分を温めながら、ソケット全体をピンセットなどで押さえつけ、はんだ付けします。浮かないように注意します。
- もう一方のパッドにもはんだ付けします。はんだがパッドとソケットの金属部分の間に流れていくのを確認するまで温めます。
この作業をすべてのソケットに対して行います。なお、以下の作業は20個ずつなど、ある程度まとめてやると効率的です。
- はんだを盛る作業
- ソケットを置く作業
- パッドの片側にはんだ付けする作業
- もう一方のパッドにはんだ付けする作業
マイコンボードのはんだ付け
- 適当なピンヘッダを差しこみます
- 端面スルーホールでパッドにはんだ付けします。対角線の2か所に対して行います。
- ピンヘッダを抜きます
- マイコンボードが浮いていないことを確認した後、すべてのパッドをはんだ付けします
参照(画像は他のキーボードです):
タクトスイッチ(登録商標)のはんだ付け
- 位置を合わせてマスキングテープ等で仮固定します
- 脚をはんだ付けします
ロータリーエンコーダ・スティックスイッチのはんだ付け
- 向きを確認して表面から差し込みます
- 基板から浮かないようにマスキングテープ等で仮固定します
- 裏面からはんだ付けします
なお、ロータリーエンコーダの大きな脚ははんだ付けしてもしなくても構いません。
(任意)LEDのはんだ付け
表面にLEDが取り付けられます。印字の向きに合わせてLEDを置き、はんだ付けしてください。難易度が高いため、あまりお勧めしません。
なお、キーケット頒布品では、LEDをはんだ付けしていませんので、はんだ付けにチャレンジしたい方は自己責任でチャレンジしてみてください。
LEDを点灯させた図(マットホワイト)
なお、マットホワイトでもそれなりに光を透過します。
スイッチの取り付け
- スイッチのピンが曲がっていないことを確認します。曲がっている場合には、ピンセット等で垂直になるように調整します。
- スイッチのピンをソケットの穴にあてがうようにスイッチの位置を調整します
- 位置を調整したら真上から押し込みます
スイッチのピンが折れ曲がることがあります。必ずソケットの穴に合うように位置を調整してください。
なお、Choc V1とChoc V2を混合して用いることも可能です。
動作確認
- VialのMatrix Testerを開きます
- Unlockボタンを押し、表示される位置のスイッチを長押しします
- 押下されたボタンが光るので各スイッチが正常に動作するかの確認をします
- スイッチが動作しない場合には、スイッチのピンが折れていないか、はんだ付けがきちんとなされているか(特にソケット、ダイオード、マイコンボード周り)を確認します
キーキャップの取り付け
- 適合するキーキャップを取り付けます
ノブ・スティックの取り付け
- ノブとスティックを取り付けます
- 緩い場合には、ポリイミドテープ(カプトンテープ)などを貼り付けて軸の太さを調整します
組み立ては以上です。お疲れさまでした!
キーマップの調整
Editor50は、Vialに対応したファームウェアを作成しています。
Vialではプログラミングの知識がなくても直感的にキーマップを調整できます。
40 %キーボードでは、数字行がなく、何かのキーとの同時押しで入力します。
つまり、いわゆる「レイヤー」機能を使って数字・記号等を入力します。ラップトップPCのFnキーの機能に近い概念です。
40 %キーボードを快適に使うには、キーマップの調整が必須といっても過言ではありません。
デフォルトのキーマップは、私が適当に作ったものですので、好みに合わせて調整してください。
詳細な設定方法については、他の記事*21を参照してください。
さらなるカスタマイズ
キーキャップ・キースイッチの変更
キーキャップはソケット方式になっているため、変更が可能です。Choc V1, V2系であれば変更可能ですのでお好みに合わせて調整してみてください。私は個人的に非常にストロークが浅いキースイッチ*22が気になっています。
また、キーキャップはキーボードの見た目・印象を大きく左右するパーツの一つです。多少の制限はありますが、お好みに合わせて組み合わせてみてください。なお、Choc V2系では、通常のMXスイッチ用のキーキャップの使用は推奨しないと記載しましたが、少数ですが特に問題なく使えるもののありますので、自己責任でお試しください。
ネジの変更
コネクタカバーを固定するネジは、表から見た際に目立つネジです。
キーケット頒布版では、金色のネジと透明のネジを同梱しています。キーキャップ等に合わせて変更してみてください。もちろん長さがあっていれば他のネジに変更していただいても構いません。
3DPパーツ・プレートのカスタマイズ
キーケット頒布品の3DPパーツは、DMM.makeさんに発注しており、素材はPA12Wホワイト*23です。
若干青寄りの薄いグレーかなと思いますので、もし色を変更したい方は、他の素材で印刷してください。
塗装していただいてももちろん構いませんが、スイッチカバーの脚部分が太くなると動作に影響があると思われますので注意してください。
また、プレートデータも公開しています。他の色にしたいというご希望があればご自由にどうぞ。
コネクタカバーだけ別の色にする等も面白そうです。
なお、2 mm厚のアクリルをレーザーカットする想定です。厚みにばらつきが生じると組み立てに問題が生じますので、厚み公差が小さい押し出しアクリルを加工することをお勧めします。
データの置き場はこちらです*24。
ライセンスフリーとしていますので、適宜いじってください。再配布等も可能です。遊舎工房さん等で発注可能なアクリルカット用データも置いています。
(2025年6月18日追記)
基板データも含めて公開しました。フットプリント(全て自作)も含めて適宜お使いください。
github.com
PCBシートのカスタマイズ
PCBシート(紙)ですが、もちろんお好みの紙に変更していただいても構いません。
データは公開していますので、別の紙に印刷して重ねてカッターで切るなどして作製していただければと思います。
マットクリアの場合、紙の色が変わるとかなり印象が変わると思います。
ステッカー、マスキングテープなどを貼っていただくのもアクセントになってよいかもしれません。
その他のカスタマイズ
思いつく限りは以下が挙げられますがご自由にどうぞ。どのように使っていただいても構いません。
- ゴム足をより滑りにくいものに変更する*25
- ゴム足または追加アクリルパーツ等で角度を調整する
- ノブを別のものにする
おわりに
現状、基板のデータは公開していない状態ですが、反響次第でどうするかを検討します。
仮に基板のデータを公開した場合においても、そのまま組み立てが可能であるように本記事を作成しました。
ご質問などがあればTwitter(X)でぴろりどん(@piroridon)までどうぞ。
はじめに
ロープロファイルスイッチ専用設計のキーボードを設計しました。
特徴点は後述しますが、文章作成・編集を主眼に置いたキーボードです。
その目的と、スイッチとして動作する部品の数から、「Editor50」という名前を付けました。
Editor50の上面写真
Editor50の斜視図
見てわかるように、過去に設計した「Quokka*1」の配列に似ていますが、部品選定等を一からやり直し、新たなパーツも色々搭載したので実質新作です。
上記の写真のビルドでは、下段部分のスイッチにはHades*2を、それ以外には、Kailh Deep Sea Silent MINIのタクタイル版*3を採用しています。
キーキャップは"YMDK 127 Ultra-slim Key cap Mac Style"というものです*4。
非常に静かで会議室でも問題なく使えそうです。
以下、このキーボードについて解説していきます。
設計のきっかけ
昨年、会議室で使う用のキーボードとして、オーソリニア*5のキーボードを設計していました。
piroriblog.hatenablog.com
これはこれで満足して使っているのですが、MX互換のスイッチを採用している関係上、どうしても背が高く、打ちにくいと感じる場面がありました。
また、上記Quokkaは配列と外形が結構気に入っており、いつかリメイクはしたいなと思っていました。
そこで、Quokkaの配列を少し調整しつつ、ロープロファイルスイッチ対応のモデルを設計することとしました。
もう一つ、これは非常に特殊な要望ではあるのですが、一つのPCで画面を見ながら会議を行うことがあり、手元にマウスがないとカーソルを移動できない、という事態に陥る場合がありました。
よって、そこまでの頻度は発生しないので精度は求めないが、手軽にマウスカーソルを動かせるデバイスが欲しい、という非常に個人的な要望がありました。
よって、直感的に操作できる部品(スティックスイッチ)を搭載することにしました。
なお、今回は頒布することを前提にして、パーツの選定等を行いました。
特徴点
ロープロスイッチ専用
ChocV1、V2ともに対応しています。ChocV2に関しては、固定用のピンがついているものも対応したフットプリントとしています。
もちろんキーキャップにもよりますが、机からキーキャップの天面までが約18 mmとメカニカルキーボードとしては薄めの設計です。
多くの人にとってパームレストは不要であると思います。
独自のエルゴノミック配列
Quokkaの配列設計方法を踏襲しつつ、折れ曲がりの角度を若干緩めに設定しました。
いわゆるAlice配列は、左手側でいえばQとWの間を境にして折れ曲がっていますが、QuokkaとEditor50はWとEの間を境にして折れ曲がっています。
横方向にズレているようにも見えますが、カラムスタッガード配列(列方向のズレ)にキー配置が似ている配列です。指の長さに合わせてキーが配置されているため、無理のない運指で手元を見ずに打鍵できます。
実はカラムスタッガードに近い配列
なお、ロータリーエンコーダの外側のキーは、小指の付け根で押すことができます。
また、キーの傾きから、手を少しハの字にし、肩を開いて手を置くことができる配列といえます*6。
なお、数字行のない40 %に分類される配列です。レイヤーを切り変えることで、文章作成中に手元を見ることなく数字・記号等を入力できます*7。
拡張操作スイッチの搭載
ロータリーエンコーダ
文章作成中・編集中に押すことの多いキーの一つに、方向キーがあります。
特に、推敲しながらの文章作成、変換候補の選択等においては、頻繁に方向キーを押すことになると思います。
ここで、40 %キーボードでは、方向キーをレイヤーの中に入れ、2キー以上の入力で対応する場合が多くあります。
一方、Editor50では、手のひらの下の位置に直径26 mmまでのノブ(ロータリーエンコーダ)を搭載し、この回転を方向キーの入力に割り当てることができ、直感的で素早い操作が可能です*8。
スムーズな文章作成(特に文章編集)を実現する、私にとってはなくてはならない入力インターフェースです。
大きめのノブが取り付けられるロータリーエンコーダ
もちろん、レイヤー毎に異なる機能を割り当てることも可能です*9。
スティックスイッチ
文章編集中に、ちょっとだけマウスを操作したい場面は時々あります。
そのような場面の補助用として、4方向に接点のあるスイッチを中央部分に搭載しています。人差し指でアクセスしやすい位置です。
マウスのカーソル移動に割り当てるも良し、スクロールに割り当てるも良しです。横方向のスクロールももちろんOKです。
ここで、今回採用しているパーツでは、いわゆるアナログスティックとは異なり、「スイッチ」が搭載されていますので、キーマップ上で簡単に割り当てを変更することができます。
拡大・縮小等の割り当てももちろん可能です。ロータリーエンコーダと同様に、レイヤー毎に異なる機能を割り当てることも可能です。
ポインティングデバイスに持ち替えることなく、スムーズな文章作成をサポートします。
3つの補助スイッチ
中央部分に補助スイッチを3つ搭載しています。
押し心地の軽いタクトスイッチ(登録商標)を採用しています。ボタンの形状を工夫し、斜め方向から押しても入力しやすいようにしています。
補助スイッチ拡大図
通常のキーとは形状が異なるため、直感的に異なる機能を持っていることが理解でき、役割を覚えやすい側面もあります。
マウスのクリックに割り当てるも良し、ちょっとしたショートカットに割り当てるも良しです。
キー数の少ない40 %キーボードですが、マクロパッド*10的な使い方も実現可能なカスタマイズ性を秘めています。
細かいこだわり
ここから先は非常にオタク的なこだわりを書いていきます。長いし早口なので読まなくても大丈夫です。
配列の調整
Quokkaの配列では、それぞれのキーが横方向に0.25u*11だけずれていましたが、例えばNとIが遠いと感じられる場合があり、調整の必要があると思っていました。
そこで、Editor50の配列では、このずれを0.2uとしました。
結果的に折れ曲がり角度は約22.62°であり、全体として約10°ほど傾けた方向から手を置くとちょうどよいくらいの配置となっています。
全体の外形の縦方向の長さもやや短くコンパクトになり、バランスも良くなったと思います。
外形デザイン
Quokkaでは、外形に直線を多用しており、やや硬い印象を与えるものでした。
Editor50では、サイド部分に円弧を取り入れ、コネクタカバー部分にも大きな半径のフィレットを入れ、全体的にフィレットの半径を少し大きめにするなど、柔らかさも出るように意識しました。
丸いパーツも多いので、バランスとしてはちょうどよくなったのではないかと思います。
ミチミチの積層構成
上から下までアクリル等の層が隙間なく詰まった積層構成としています。
積層構成
打鍵の柔らかさというよりは、剛性感を重視した設計としています。
なお、いわゆるChocスイッチは、PCBからスイッチプレートまでの距離が2.2 mmとなっています。
通常のアクリルは1 mm単位であり、2 mm厚のアクリルを採用すると若干の隙間が空いてしまいます。ここで、PCBとスイッチプレートの間に紙(厚み約0.2-0.3 mm)を配置するようにしています。
この紙ですが、カッティングプロッター*12という機器を使ってカットしました。もともと、薄めのフォームをカット*13するために購入しましたが、そりゃ紙も簡単に切れるよね、という感じでした。
まあまあの精度で切れるので何かちょっとした物を切るのにはよさそうです。
また、PCBの下にはアクリルのミドルプレートを配置していますが、余分な隙間がない状態としています。
これは、KiCad上でスイッチのフットプリント、ダイオードのフットプリント等において、アクリルカット用のレイヤーを用意してピッタリの線を引いておくことで比較的省力化しながら設計しました。
加えて、マイコンボードをPCBにはんだ付けする構成を採用していますが、うまくコネクタが隠れるように積層構成を工夫しています。
マイコンボード周りの積層構成は以下の通りです。
コネクタ部分の積層構成
実際のコネクタ周り
マイコンがうまく隠れていて個人的にも満足です。
自作ながらも自作っぽくなさを
精密ネジを採用し、キーとキーの間にネジ止め位置が来るように調整しました。ほとんどのネジはキーキャップの陰に隠れて目立たないようにしています。
また、コネクタがむき出しにならないようにコネクタカバーをつける等、ある意味での自作キーボードっぽくなさを目指しました。
なお、どうしてもコネクタカバーのパーツを固定するネジは表に出ますので、ポリカネジまたは金メッキネジを調達し、見た目上のアクセントとできるようにしているつもりです。
アクリル積層の自作らしい構成ではありますが、一定の所有欲も満たされるように(何より自分がカッコいいと思えるように)したつもりです。
ゴム足が取れるのを何とかしたい
キーボードの裏側には、通常、滑り止めとしてゴム足を貼ります。
これを真っ平なところに貼ってしまうと、横方向からの力で意外とはがれてしまいます。特に持ち運びをした際に擦れるなどすると顕著です。
ここで、Editor50では、高さ3 mmのゴム足を採用し、2 mm厚のボトムプレートにゴム足用穴をあけ、ミドルプレートにゴム足を貼るようにしています。
ゴム足の側面部分が露出していないので、横方向からの力でゴム足がはがれにくい設計であるといえます。
また、副次的な効果として、単にボトムプレートにゴム足を貼るよりも背を低くできています。
Editor50の裏面
ちなみに、ネジの頭が非常に薄いものを採用しているため、0.5 mm厚程度の滑り止めゴムを裏に貼っても運用できるはずです。
補助ボタンの設計
補助ボタンは機構と形状に工夫があります。
スペース的に板バネのような構造を採用することは難しいと判断し、下記の写真のように、スイッチカバーをスイッチプレートで挟み込んでしまう設計としました。
基板の穴にスイッチカバーを合わせて……
スイッチプレート(写真はマットクリア版)で挟み込むとこうなる
PCBとの距離を調整することで、多少斜め方向から押してもPCBとスイッチカバーが接触しないように設計しています。
また、斜め方向から力が加わった際に、スイッチの押下方向が可能な限り垂直方向となるよう、凸状の形状としました*14。
ノブの設計
ロープロファイルスイッチを採用するにあたって、通常の高さのノブを取り付けると、手のひらにあたってしまうことがありました。背が低いノブを探してはみましたが、ちょうどよい大きさのものを発見できなかったため、自分でモデリングすることとしました。
丸みを帯びた側面形状に指の引っ掛かりがよい溝を設けているため、フィット感と回しやすさの両立ができたと自負しています。
ノブの3Dモデルのスクリーンショット
おわりに
Editor50は、最初はQuokkaのリメイクのつもりでしたが、結構趣の異なるキーボードに仕上がりました。
約1年半分の設計の経験値を活かした設計にできたと思います。
また、設計方法として、KiCadのフットプリントにアクリルのカットラインを入れ込む等、新たな設計手法にもチャレンジし、設計のプロセス自体も楽しめました。
さて、この「Editor50」ですが、キーケット2025*17で数台頒布予定です。ベアボーンキット*18の形態となる予定です。
catalog.keyket.jp
後日詳細な記事(ビルドガイド・商品仕様のようなもの)は作成します。
その後の販売などは現状未定ですが、反響次第で検討しようと考えています。その後販売しない場合であっても、少なくとも設計データの公開は行います。
(2025年6月18日追記)
基板製造データも含めて公開しました。フットプリントは私が全部書き起こしたものであり、ライセンスフリーとしていますのでご自由にお使いください。
github.com
仕様などの詳細はこちらです。
piroriblog.hatenablog.com
今まで、手のひらの下の位置に大径のノブが取り付けられるキーボードはほとんどなかったと思いますので、この機会にぜひ触っていただければと思います。
ロータリーエンコーダはいいぞ、というのを体感していただければ嬉しいです。
この記事はEditor50で書きました。