馬名でギリシャ神話の神々を覚える (original) (raw)

ギリシャ神話の神々に関連した馬名もやたら多いので、少しずつ追加していこうと思います。

※1 たくさん確認漏れがあります。しばらくは一般名詞、形容詞、動詞を中心に少しずつ足していけたら。

※2 冠名付きの馬は含みません。ラテン語読みのものは除きます。

※3 JRA・地方登録馬を含みますが、70年代以前の登録馬および、海外の登録馬は含みません。そこまでカウントするとキリがないため。

※4 カタカナの当て方が独特な馬もいますが、馬主さんの選択なので大目に見てください。

※5 ★はGⅠ競争の勝利馬、☆はGⅡ、GⅢ競争の勝利馬(いずれも海外、交流競走含む)を指します。

アイオーン(Αἰών,Aeon,2017)・・永遠・永劫を象徴する神(古代ギリシア語で、時代や世紀、人の生涯というような意味が、抽象概念としての神を指す言葉に転化したもの)

アイゲウス(Αἰγεύς,Aigeus,2010)・・伝説的なアテナイ王。英雄テセウスの父。テセウスクレタ島で殺されたと早合点し、絶望のあまり海に身を投げた。以後その海は「エーゲ海」と呼ばれるようになった

アウクソー(Αὐξώ,Auxo,2020)・・美と成長を司る女神カリスの一柱

アグライア(Ἀγλαΐα,Aglaea,2018)・・典雅・優美を司る。女神。アプロディーテーの侍女である三美神カリスの一柱

アタランテ(Ἀταλάντη,Atalante,2004)・・俊足の美しい女狩人。徒競走で自分に勝つことを求婚者に求め多くの若者が落命したが、計略にかかってメラニオン(またはヒッポメネス)との競走に敗れその妻となった

アテナ(Αθηνα,Athena,2019)・・技術・学芸や戦いなどを司る女神。ゼウスの頭から武装した姿で生まれたとされる。パラス(Pallas)とも呼ばれる処女神で、英雄たちの守護者。梟を聖鳥とする。オリンポス十二神の一柱

アフロディーテ(Ἀφροδίτη,Aphrodite,2008)・・愛と美と性及び、生殖と豊穣を司る女神で、オリュンポス十二神の一柱。パリスによる三美神の審判で、最高の美神として選ばれている

アポロン(Ἀπόλλων,Apollon,2016)・・光明、医術、弓術、詩歌、音楽、預言、家畜の神。ゼウスとレトの子で女神アルテミスの双子の兄。聖地はギリシャ中部にあるデルフォイで神託の地として名高い。

アムブロシアー(Αμβροσία,Ambrosia,2020)・・神々の食べ物。古代ギリシア語で「不死」を意味する。

アリアドネ(Ἀριάδνη,Ariadone,2021)・・クレーテー王ミーノースと妃パーシパエーのあいだの娘。テセウスがクレーテー島の迷宮より脱出する手助けをしたことで知られる

アルテミス(Ἄρτεμις,Artemis,2020)・・狩猟・貞潔の女神。オリュンポス十二神の一柱。ゼウスとレトの娘とする説が一般的

アレクト(Ἀληκτώ,Alecto,2009)・・復讐の女神。ティーシポネー(殺戮の復讐者)、メガイラ(嫉妬する者)と三体の復讐の女神たちを構成する

アンテロース(Ἀντέρως,Anteros,2020)・・返愛の神。直訳すると「愛に対するもの」で、相互愛や同士愛の象徴とされた

アンフィトリテ(Ἀμφιτρίτη,Amphitrite,2015)・・海の女神。大地を取り巻く第三のもの、即ち海を意味する

イオ(Ἰώ,Io,2012)・・ゼウスの妻ヘラに仕えた美しい女官。ゼウスに愛されたが、ヘラの怒りを恐れたゼウスに牝牛に変えられ世界中を放浪。最後にエジプトで人間の姿にもどされた

ウラヌス(Οὐρανός,Ouranos,2020)・・天空神。世界の最初の支配者。女神ガイアの夫。神々の祖でゼウスの祖父とされる

エウロス(Εὖρος,Euros,2021)・・東方の風をつかさどる神。暖気と雨を運んでくる神と考えられており、逆さまに水をこぼしている壺の姿がモチーフ

エラトー(Ἐρατώ,Erato,2021)・・恋愛詩を司る女神。竪琴を奏でながら独唱する。

オルトシア(Ορθωσία,Orthosia,2015)・・大地の繁栄を司る女神。エウポリアーとペルーサと共に、季節と秩序を司る女神ホーラを構成するとされる。

オーケアニス(Okeanis,2022)・・海や泉、地下水の女神の総称。ユニットみたいなもので、実際には何十人もの神の総称とされる。

カスタリア(Κασταλία,Castalia,2003)・・ニュムペー(下級女神)の1人。アポローンの求愛を拒んでパルナッソス山の麓にあったデルポイの泉に入水した。

ギガース(Γίγας,Gigas,2021)・・巨人(単数系)。ギガンテスの単数形

ギガンテス(Γίγαντες,Gigantes,2012)・・巨人族(複数形)。オリンポスの神々に戦いを挑んだものの、ヘラクレスを味方につけた神々に敗れ去り、各地の火山の下に埋められたとされる。英語のジャイアンツ(Giants)の語源

キュクヌス(Κύκνος,Cycnus,2021)・・「白鳥」が名前の由来。複数の人物がいるが、その多くが最終的に白鳥に変身する

キュクロープス(Cyclops,Κύκλωψ,2022)・・卓越した鍛冶技術を持つ単眼の巨人

クラトス(Κράτος,Kratos,2019)・・力の神。ゼウスの命令でビアーと協力してプロメーテウスを捕らえて山頂に磔にした

クロノス(Κρόνος,Kronos,2002)・・農耕の神。天空の神ウラノスと大地の女神ガイアの末子。父の王位を奪いゼウスを除く子供たちを吞み込んだが、のちに子供のゼウスに征服され、地底に幽閉された。時間の神クロノス”Chronos”は同じ発音だが別物。

ケラウノス(ΚεραυνόςKeraunos,2019)・・ゼウスが振るう武器。キュクロープスたちによって造られ、ゼウスに贈られた。

コロニス(Κορωνίς,Koronis,2022)・・様々な娘たちの総称。プレギュアースの娘、コローネウスの娘、オーリーオーンの妻、ディオニューソスの信者などが知られる。

セイレーン(Σειρήν,Seiren,2018)・・海の怪物。上半身は女、下半身は鳥の姿をした海の魔物。美しい歌声で船人を惑わして破滅させた。

ゼウス(Δίας,Zeus,2010)・・宇宙や天候を支配し、全知全能の他に並ぶもののない最高神。オリュンポス十二神の一柱。宇宙を焼き尽くすとされる強大な雷を武器として持つ(非常に人気の馬名でこれまでに6回登録されている)

ゼトス(Ζῆθος,Zethos,2012)・・ギリシア神話に登場する英雄。ゼウスの種によりアンチオペから生まれ、生後すぐ捨てられたが、牛飼いによって拾われて成人し、母を迫害していたリュコスとその妻ディルケを殺し、テーベの支配者となった。

ダフィネ(Δάφνη,Daphne,2020)・・精霊女神。金の矢を撃たれ自身に夢中になったアポローンの求愛から逃げるため、最後は自らの身を月桂樹に変えた。

タルタロス(Τάρταρος,Tartaros,2021)・・冥界(死者の国)のもっとも深いところにあるとされる。原初にカオスにつづいて大地ガイアといっしょにその奥底に生じた。大地からはちょうど地上と天との距離だけ離れた下にある。

ディオーネ(Διώνη,Dione,2020)・・天空の女神。ゼウスと交わりアフロディテを生んだとも、タンタロスと結婚してペロプスとニオベの母となったともいわれる。

**☆ディクテオン**(Δικταίο,Diktaean,2018)・・クレタ島ラシティ県のディクティ山脈北斜面海抜1025m付近にある古代ミノア文明の神聖な洞窟。神話上ではゼウスの生まれた場所とされる。

テウメッサ(Τευμησσία,Teumessa,2021)・・牝の狐の怪物。決して捕まらない運命の下、生贄の子供を食らい続けたが、狙った獲物を決して逃がさない猟犬ライラプスを差し向けられ、終わらない追いかけっこの末、ゼウスに石に変えられた(本馬は逃げ馬ではないみたい)

テセウス(Θησεύς,Theseus,2018)・・ギリシャ神話の伝説的英雄。父王アイゲウスの死後、アテナイ王となり、アッティカ地方の町村を統合した。クレタ島の迷宮にひそむ怪物ミノタウロスを討ったことでも有名。

テルキーネス(Τελχῖνες,Telchines,2015)・・ロードス島の先住民である妖精の集団。半獣半人の姿をしている。冶金の術に通じクロノスの鎌を鋳造した。

テルプシコレ(Τερψιχόρη,Terpsichore,2015)・・「合唱」「舞踊」を司る、文芸の女神ムーサを構成する1柱。

テレプシコーラ(Τερψιχόρα,Terpsichora,2022)・・上記イオニア方言のテルプシコレと同じ。こちらはアッティカ方言。

ハイジア(Ὑγίεια,Hygeia,2021)・・健康の維持や衛生を司る女神。英語の「ハイジーン"Hygiene"(清潔、衛生)」の語源とされる。

パンタソス(Φαντασός,Panthathos,2020)・・夢、非現実世界を司る神。古代ローマの詩人オウィディウスの変身物語に登場する。「ファンタジー"Fantasy"(幻想)」という言葉の語源になった。

ハーデス(Ἅιδης,Hades,2010)・・地下の国、死者の国の支配者。冥界の王。クロノスとレアの子。豊饒(ほうじょう)の女神デメテルの娘ペルセフォネを奪って妃とした。

ヒッポカンポス(Ιππόκαμπος,Hippokampos,2017)・・海神ポセイドンが乗る車を引く半馬半魚の海馬の怪物。頭と胴は馬で、魚の尾を持ち、前脚に水掻きがある。タツノオトシゴのこと。

プロクレイア(Πρόκλεια,Prokleia,2022)・・トロイアの王ラーオメドーンの娘。アポローン神の息子キュクノスと結婚し、テネース、ヘーミテアーを生んだ。

プロメテウス(ΠρομηθεύςPrometheus,2019)・・ ティーターンの一柱である男神。ゼウスの反対を押し切り、天界の火を人類に与えて文明や技術など多くの恩恵を与えた。しかし同時にゼウスの予言通り、人間はその火で武器を作り戦争を始めるに至った。

ヘスティア(Εστία,Hestia,1995)・・炉、暖炉、家庭、家族、国家の正しい秩序を司る女神で、オリュンポス十二神の一柱。

ヘラクレス(Ηρακλής,Herakles,1986)・・神話の最大の英雄。幼時から種々の迫害を受けたが、長じてアルゴス王エウリュステウスに仕え、12の難事を成し遂げ、その死後に神々に列聖されたとされる。

ヘリオス(Ἥλιος Helios,2016)・・太陽の神。ティタン族のヒペリオンとテイアの子。4頭立ての黄金の戦車を駆り,東から上って西に沈み,オケアノスの流れを黄金の杯に乗って戻ると考えられた。

ペルセフォネ(Persephone,2012)・・冥府の女王。ゼウスとデメテルの娘。野で花を摘んでいたところを冥府の王ハデスに誘拐され、その妃となった。

ヘルメース(Ἑρμῆς,Hermes,2021)・・青年神。ゼウスとアトラスの娘マイアとの子。神々の使者を務めるほか、富と幸運の神で、商業・発明・盗人・旅行者などの守護神。オリンポスの十二神の一柱。

ポセイドン(Ποσειδῶν,Poseidon,2020)・・海と地震の神。オリュンポス十二神の一柱で、最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る。

メレアグロス(Μελέαγρος,Meleagros,2010)・・勇者。猪退治を行ったときにその功を妬んだ叔父たちを殺したため、母は怒って神託の薪を燃やし、彼の命を断ったという。

**★メーデイア**(Μήδεια,Medeia,2008)・・美しい魔女。コルキス王の娘。イアソンを助けて黄金の羊皮を手に入れさせた。

メードス(Μῆδος,Medus,2021)・・アテーナイの王アイゲウスとコルキスの魔女メーデイアの息子(本馬も上述のメーデイアの初仔)

モイラ(Μοῖρα,Moira,2021)・・運命を司る女神達の総称で、クロートー、ラケシス、アトロポスの姉妹から構成される。

**☆ライラプス**(Λαῖλαψ,Lailaps,2002)・・猟犬。どんな獲物でも決して逃がさないと運命によって定められていたが、決して捕まらない狐テウメッサとの終わらない追いかけっこの末、ゼウスに石に変えられた。

ラオコーン(Λαοκόων,Laocoön,2013)・・トロイアアポロン神殿の祭司。トロイア戦争の末期に、ギリシャの兵士が体内に潜む巨大な木馬を怪しみ、城内に引き入れることに反対したが、女神アテナの怒りに触れ二人の息子もろとも大蛇に絞め殺された。

ラダマンテュス(Rhadamanthus,2021)・・審判神。ゼウスとエウロベの子。クレタ島のミノス王の兄弟。王暗殺の嫌疑のため島を脱出。死後、来世で死人審判の神々に加わった。