Azureを使ったアクセス制御について (original) (raw)

こんにちは、皆さん!今日はAzureを使ったアクセス制御についてお話ししたいと思います。多くの方が、ファイアウォールを使って特定のグローバルIPアドレスを許可する方法で外部ユーザーをAzureリソースにアクセスさせているかもしれませんが、実は他にも安全で便利な方法があるんです。今回は、ファイアウォールに依存せずにゲストを招待する方法を見ていきます。

このブログでは、Azure AD B2B(Business-to-Business)の機能を使って、ゲストユーザーにアクセスを許可する方法を紹介します。この方法を使えば、IPアドレスに制約されることなく、外部ユーザーと安全にコラボレーションすることができます。

Azure AD B2Bは、Azure Active Directory(Azure AD)を使用して、外部の組織や個人をゲストユーザーとしてAzureに招待できる機能です。これにより、他の企業のユーザーやフリーランサーをセキュリティポリシーに従った形でAzureにアクセスさせることができます。ファイアウォールでグローバルIPアドレスを許可することなく、Azureの管理者が外部ユーザーにアクセスを許可するための一連のツールが揃っています。

では、早速設定方法を見ていきましょう。


ゲスト招待手順

1. Azure ADにアクセス

まずは、Azureポータルにログインします。そして、サイドメニューから「Azure Active Directory」をクリックします。ここでAzure ADの設定画面に移動します。

2. ユーザーの招待

次に、「ユーザー」セクションに移動し、「新しいゲストユーザー」を選択します。このページでは、外部のゲストユーザーをAzure ADに招待することができます。

ここで、招待するゲストユーザーのメールアドレスを入力します。例えば、以下のような画面が表示されます。

メールアドレス: john.doe@example.com

また、カスタムメッセージを入力して、ゲストに送信される招待メールに加えることも可能です。これで、ゲストユーザーは招待メールを受け取って、指定されたリソースにアクセスするためのリンクをクリックできます。

3. アクセス権限の割り当て

ゲストユーザーを招待した後は、そのユーザーに対して適切なアクセス権限を割り当てる必要があります。Azureのリソースに対するアクセス権限は、Azure RBAC(Role-Based Access Control)を使って細かく管理できます。

Azureポータルの「リソースグループ」や「ストレージアカウント」など、任意のリソースに移動し、左側のメニューから「アクセス制御 (IAM)」を選択します。そして「役割の割り当て」をクリックし、ゲストユーザーに必要な権限を与えます。

たとえば、ゲストユーザーがデータを読み取るだけの場合は「ストレージ アカウント 読み取り」権限を与えます。以下はサンプルの役割割り当てコードです。

ユーザー: john.doe@example.com 役割: 読み取り専用アクセス リソース: StorageAccount

これで、ゲストユーザーは指定されたリソースにアクセスできます。


Azure ポータルでの実行結果

以下のようにゲストユーザーを招待し、リソースにアクセス権を与えた場合、ゲストはAzureポータルでの操作が可能になります。招待されたゲストがメールを受け取り、そのリンクをクリックすると、Azureポータルにアクセスして指定されたリソースにログインできます。

また、ゲストユーザーは自身の組織で使用しているアカウントを使って、シングルサインオン(SSO)でAzureポータルにログインできるため、アカウント作成の手間もかかりません。


Azure AD B2Bはセキュリティにも配慮されています。招待されたゲストユーザーに対して多要素認証(MFA)を必須にしたり、条件付きアクセスポリシーを設定することで、外部のゲストに対するセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

たとえば、次のようにMFAを必須に設定することが可能です。

この設定により、ゲストユーザーは毎回ログイン時に、通常のパスワードに加えて追加の認証ステップを行う必要があります。これにより、より安全なアクセスが確保されます。


まとめ

今回はAzureでのゲスト招待方法として、ファイアウォールを使わずにAzure AD B2Bの機能を利用する方法を紹介しました。これにより、IPアドレスに制約されることなく、外部ユーザーと安全にコラボレーションが可能です。Azure AD B2Bは簡単に設定できるだけでなく、セキュリティ面でも非常に強力なツールです。

これから外部のパートナーやフリーランサーと共同でプロジェクトを進める際には、この方法をぜひ試してみてください。安全で効率的なゲスト招待が、皆さんの作業をスムーズにしてくれるはずです。

次回もAzureに関する役立つ情報をお届けしますので、どうぞお楽しみに!