筋トレとダイエットと「あすけん」 (original) (raw)

ここ6〜7年ほど、ジムでのトレーニングを継続してきました。トレーニングを始めたきっかけは、中年から初老とよばれる歳にさしかかって顕著になってきた身体の不調です。肩凝りに腰痛、さらには昼間の眠気や膨満感など、男性版更年期障害とでもいうべき不定愁訴が耐えられないほどのレベルになり、QOL(Quality of life:生活の質)の低下をまざまざと実感させられた結果でした。

もともと運動が大の苦手で、子供の頃から学校の体育の授業なども苦痛でしかありませんでした。そんな自分がジムに通うなど想像もしなかったのですが、運動をすることで身体の不調が急速に改善されていくのを実感して、トレーニングに「ハマり」ました。さらには単に体調を整えるために身体を動かすところから、ボディメイク、つまり筋トレにまでのめり込むことになりました。

そうやって一時は週に3回もパーソナルトレーニングに通っていました。還暦までにベンチプレス100kgを挙げる目標を掲げたあたりがいちばん「ハマって」いた頃でしょうか。おかげでずいぶん筋肉がつきましたし、そのぶん体重も増えました。体重と身長の関係から算出されるBMIではやや「肥満」に傾きかけていましたが、筋肉がついたぶん体重が増えているのだと考えて特に気にしてはいませんでした。

トレーナーさんの勧めもあって、ハードに筋トレをしていた頃はかなり意識的に食べるようにしていました。もとより歳を取って食べる量がかなり落ちていたのですが、筋肉をつけるために少々無理をして食べていたら……、悲しいかなこの年齢だと食べたものはそれほど効率的に筋肉に向かわず、多くがお腹に回ってしまうようです。気がついたら「クマさん」のような体型になっちゃってました。


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つまりはボディメイクで体重が増えたというよりも、単に食べ過ぎで太ったというほうが実情に近かったのです。それで現在は、ハードな筋トレで身体を作るというより、適度な運動で健康な状態を維持することを念頭にジムで自主トレをしています。食べる量も普通に戻し、パーソナルトレーニングも「卒業」しました。なんのことはない、ようやく当初の目的に舞い戻ってきたわけです。そのうえで、ここからトレーニングを続けながらも少し痩せようと思いました。

ただ、トレーニングを通して分かったことは「運動だけで痩せるのは難しい」という点です。そもそも運動によるカロリー消費量は想像するよりも少なくて、例えば体重60kgの人が1時間ジョギングして消費するカロリーは440kcal程度。ご飯茶碗に軽く1杯(約150グラム)でも234kcalだそうですから、1時間ジョギングしてもご飯2杯ぶんすら消費できません。1時間のジョギングって考えてみればけっこうな運動量ですが、それでもこの程度です。

痩せようとする(とくに健康的に痩せようとする)際に運動することは有用ではあるけれども、痩せる・痩せないをいちばん大きく決定づけているのは「カロリーの摂取量」と「カロリーの消費量」の収支です。結局のところ、摂取量が消費量を上回れば太り、下回れば痩せる。

もちろん体型の変化は様々な要因がからみますし、身体のどの部分がどのように痩せるのかやその人の体質によっても多少のバリエーションはあるでしょうけど、畢竟、太るのは単純に食べすぎているからです。正直なところ、私は1時間ジョギングするんだったら、そのぶん(ご飯1.5杯くらい?)食べる量を減らすほうがよほどラクだし実行もしやすいと思います。

そうやって過度な筋トレから降り、食べる量も無理をしないようにしてしばらく経つうちに、体重は自然に落ちてきました。もう年齢も年齢ですし、何事も過度な取り組みは分不相応だと心得ています。

ちなみに食べる量のコントロールに役立ったのは「見える化」でした。自分が普段の暮らしでいったいどのくらいのカロリー消費量(基礎代謝量と身体活動レベル)を必要としているのか、それに対してどれくらいのカロリー摂取量があるのかをきちんと数字で示してみるのです*1。そのうえで、もしダイエットしたいのであれば、自分が目指す体重における一日のカロリー消費量を計算して、カロリー摂取量がそれを超えないように注意して食べる。結局はそれだけのことなんですね。

数字にしてみれば「ああ、これ以上食べたらカロリー消費量<カロリー摂取量になる」というのがすぐに分かって、食べ過ぎを防ぐことができます。これにはスマホアプリの「あすけん」がとても役に立ちました。このアプリはすべての機能を使うためには課金が必要ですが、無料プランだけでもじゅうぶんに「見える化」の機能を果たしてくれます。

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