理工系俗語辞典 (original) (raw)

本記事の概要

理学・工学で主に用いられている俗語を網羅しようと試みられた企画です。詳細は以下のツイッターを参照してください。

サチる:値が頭打ちになる
タウい:平均自由行程が短い
ログる:両辺にlogを施す
ネグる:無視する
アグる:タンパク質を凝集する
アセチる:化合物をアセチル化する
キャビる:キャビテーション現象

まだまだ理学・工学の俗語を募集中じゃ。

— 中の人はダンブルドア (@tweet_nakasho) October 19, 2019

スペシャルサンクス

このツイートを元に情報をくださった皆様 & リツイートで拡散してくださった皆様。

こんな俗語もあるよ、という方

おりましたらいつでもコメントください。折を見て、追記させていただきます。

あ行

上がる: 観測機が軌道に乗る
アグる: タンパク質を凝集する
アセチる: 化合物をアセチル化する
アセニト: アセトニトリル
あぶる: 高温のアニーリングを行う
アンパブ: パブリッシュされたないこと
池ポチャする: エバポレーターで溶媒を飛ばしてサンプルを濃縮しているときに、フラスコを水浴の中に落とす
インできてる: ちゃんと物質Aがインターカレートしてる
インテグラる: 積分する、積分される
w/o: without
ウカる: 信号を検出する、観測される
美しい: すごく楽ができる (see also エレガント)
エタ: エタノール
エバポ: (ロータリー)エバポレータ
エバる: evaluate
エピる: エピタキシャル成長で結晶成長を行う
エマる: エマルジョン化する
エレガント: 楽ができる (see also 美しい)
エレファント: 仕方ないけどできないよりはマシ (see also エレガント)
OD見る: 吸光度を測って濃度を推定する
O/N作業中: オーバーナイト作業中の略
オートクレーブする: 加圧滅菌する
怒られる: プログラムのエラーメッセージが出る
おとす: 高次の項を無視する、遠心分離機で沈殿させる、シャットダウン
オボる: コピー&ペーストする
重い: 原子番号が3以上の元素の総称

か行

顔写真: 天体の画像
かじる: ネジが焼き付いて動かなくなる
硬い: コントラストが高いこと
固まった: フリーズ
ガリッてる: Volum(可変抵抗)の接触不良でガリガリ音がする、適当な抵抗値として扱えない状態
キムる: キムワイプを使う
キャドる: CADをする
キャビる: キャビテーション現象
キャプる: スクリーンショットを撮る
キャリブる: 計測機器の較正をする(キャリブレーションする)
切る: カットオフする
ググる: とりあえずGoogleで調べる
クロホ: クロロホルム
食わす: 入力する
ゲシュル: ゲシュタルト崩壊する
ゲリラ戦法: ビッグラボがやってるテーマを避ける
ゲルる・ゲロメリゼーション: ゲル化することもしくはゲル化して失敗すること
殺す: 機能を停止させる
殺せ: ジョブをキルする
ゴミ: コンタミと同義
コンタミ: 画像から天体を検出するときに予期せず混ざってしまったsprious source(宇宙線・衛星の光・ピクセル値異常など)
コンパラ: 同じくらいである

さ行

サイクる: サイクリックボルタメトリーで分析する
サクエチ: 酢酸エチル
サクサク: 軽快に処理が進むこと、または性能が高いシステム
サチる: 値が頭打ちになる
サブミットする: 論文を投稿する
ジクロメ: ジクロロメタン
シャーシャー: "//"のこと、コメント行
重クロ: 重水素化クロロホルム
シリーズ: 1つの作業を一人で処理する(回路の直列から転じて)
すこし待ってスイッチを入れる(切り替える): 反応、電圧変化、回転始動などが落ち着いたのを五感で感じて良いと思ったら操作する
ストール: 落ちた(see also 落ちる)
スメる: 電気泳動のバンドのスメア
セグる: segmentation fault(コンピュータプログラムのエラーの一種)
SEMる: SEMで観察する
選択公る: 選択公理を仮定する
ソニる: 超音波洗浄する
ゾンビ: 親プロセスが死んでいるのに死なない子プロセスのこと

た行

タウい: 平均自由行程が短い
抱きつき: エンジンのこと(?)
出す: 電波を発射する
立上り: パルスの低→高でトリガ
立下り: パルスの高→低でトリガ
叩く: 出力ポートのレベルを変化させて対象のON/OFFを制御する、実行する/呼び出す、微分する
畳む: 畳み込み積分を行う
縦持ち: データをレコードに分けて管理すること
(コン)タミる: 混ざる(see also コンタミ)
チェバる: チェバの定理を使う
チビタンする: 卓上小型遠心機でスピンダウンする
チャタる: チャタリングする
チャネる: チャネリングコントラスト像を撮る
ツブす: 遺伝子をノックアウトする、反応等を失活させる、同値関係で割る
釣る: co-IPやY2Hな度で目的分子と結合する分子を取得する、プルアップする
ディスコンだ: 製品や部品が生産中止で入手不能な様子
ディフを取る: 差分を見る
デカパイ: Pi\PiPi (直積の記号)
デグる: 新バージョンが以前より品質を落とす、バージョンをわざと下げる
デフォ: (Default)初期値、標準的な
デフォゲ: Default gatewayの略
TeXる: (主にLaTeXで)ノートや論文を書く
テムる: TEM写真を撮る、TEMで観察する
飛ばす: "$\rightarrow \infty$"の極限操作をする。溶媒を除去してサンプルを濃縮する
飛ぶ: 計算で(超新星)爆発が再現できる
飛んだ: カットオフブレーカーが落ちる(元はヒューズが溶ける)
トプる: 化学系・主にロータリーエバポレーターで減圧蒸留時に、突沸すること
ドリフる(ドリフトする): 値が時間経過あるいは温度変化によって変動する、ベースラインが安定しない

な行

流す: 電気泳動を行う
ナナエタ: 70%EtOH
ナブる: 微分する
なます: 凸凹なヒストグラムをなめらかな関数で近似する
舐める: コンピュータのように順に読み進める、scanする、ネジの山の潰れた状態
ニッチ戦法: 研究で見過ごされてる隙間を攻める
煮る: オイルバスで加熱する
ヌルヌル: 操作に対して追随性が高いこと、タッチパネルなど主に表示装置に使われる
眠い: コントラストが低いこと
ネグる: 無視する
燃焼試験をする: 焼肉を食す
ノーガード戦術: 理論武装せずに偉い人につっかかる
飲み会: エタノールの生体反応を見ること
ノンスペ: 非特異的

は行

ハイコン: 高コントラスト分解能
パウってる: 某理論家の接触、近接による実験機材の不具合、爆発が発生している状態。転じて理論屋が実験室に入ると実験装置に不具合が生じるという共鳴現象
吐く: 出力させる
バグる: ソフトウェアにバグが入っている、バグを生じる
はねかえる: (主に電波の)反射
パブる: 論文を出す
(沼に) ハマる: なぜか実験がうまくいかない様子
パラ: 1つの作業を複数人で並列に処理する(回路の並列から転じて)
パラる: 並列にする
バランスする: 平衡状態になるまで待つ
ハングる: 固まる
ヒスってる: ヒステリシスがある
ヒットアンドアウェイ戦法: 研究で誰もやっていないテーマで最初に論文を書き離脱する(しばしば離脱できないが)
ビブる: 微分する
紐づける: データやIDなどを関連づける
火を入れる: 装置に電源を投入する
フェロる: ヘキサシアニド鉄(II)酸カリウムを使用すること
吹く: 電波を発射できる装置から電波を出す
ぶち込む: 代入する
ベクレる: 放射化する
ヘタる: 試薬が(経年劣化などで)活性を失う
変分を取る: 変分計算を行う
ポシャる: 実験が失敗する
ポリメる: 重合する

ま行

巻かせていただく: 化合物に敬意を払って環化する
マスクする: 明るい天体のピクセルを削る
回る: スミスチャート上の点が動く/位相がずれる
ミセる: シー・エム・シーに到達すること
メタ: メタノール
メネる: メネラウスの定理を使う
求まる: 求められる
漏れる: (主に電波の)放射

や行

焼く: (OTP, CD-Rなどに)書き込む、オーブンで加熱する
柔らかい: OSが簡単にフリーズする、ソフトが直ぐにバグる
良い問題: 本や授業の尺の都合から学生のための演習問題にしてしまう
様子をみる: なかったことにする
横持ち: データをカラムに分けて管理すること
読む: DNAの塩基配列を明らかにする

ら行

ラウデータ: 生データ
ラプラす: ラプラス変換をする、2階微分をする
リジェクトされる: 論文掲載を却下される
ローコン: 低コントラスト分解能
ローデータ: 各列で取得したデータ
ログる: 両辺にlogを施す
ロスる: 合成途中で化合物を失う、(電波を)損失する
ロピタる: ロピタルの定理を用いる

わ行

笑っちゃった: 電気泳動においてスマイリング(サンプルのラインが弓状になる)が起こってしまうこと

ンコ入った!: イソシアネート(NCO)濃度が規格値・理論値になったこと