Re:11colors (original) (raw)
最近はウォーハンマーストア神保町で買い物をすると「どんな風に塗るんですか?」と聞いてくれるようになった。ゲームはネクロムンダしかやらないことを知っているからで、それ以外のミニチュアを買うときは塗装を楽しんでいることもわかっているからだ。今回は「ミリタリーモデルっぽく塗りたい」と答えて店を後にした。
TANKS GIVINGというイベントが現在開催されている。対象になるミニチュアを買って、塗装して、遊びましょうというもの。金属製のトークンが参加特典で「早いうちに参加しといたほうが、特典の数に限りがあるので良い」と言われたので、その日のうちにどれにするか決めた。お店には無い商品だったので店舗取り寄せ。
何が対象なのかを聞いたら、割と小さいものもあって「TANKS」の幅の広さに驚いたが、私がイメージするものは大きなモデルだったし、こういうイベントに乗らないと作ることもないだろうと思っていた。なので、ヘカトン・ランドフォートレスという大きな乗り物を買うことにした。
これほどの大きいモデルは初めてなんだけど、パーツが大きくて組み立て出すとみるみると形を変えて車体のアウトラインが出てくるのはありがたかった。武装なんかはゲームをする上で選べるようにする必要があるので、細かいというかそれ以外の部分のプラモデルとしてのテンポ感とは異なる感じ。ウォーハンマーはプラスチックモデルなので、プラモデルなんだけども、こういう実際に対戦する上でのキャラメイクのステップにミニチュアっぽさを感じる。説明書に書いてあるマークをなんとなく眺めて数字がデカい武器を装備させた。
「戦車模型単色塗装ガイド」という本を買ったはものの、活用したことがなかったのでそれを開いて、漠然とした「ミリタリーモデルっぽさ」のイメージを膨らませる。「暗いところには明るい汚れを、明るいところには暗い汚れを」みたいな記述があるんだけど、全くその通りで、普段から思ってるものの、こうして他者から言われるとより自覚できるなと思いながら塗装した。
この本はサンドベージュ、グリーン、ジャーマングレーと基本的な戦車の色を単色でカッコ良く仕上げるには? という割と狭い範囲に着目している本なので、全体の概要が掴みやすく、私が塗ったヘカトン・ランドフォートレスのように他分野に持ち込みやすい方法が載っている。
ベージュ系で一通り塗った後にフィルタリキッドのイエローでどんどん彩度を上げていった。かき氷のレモンシロップみたいな、瓶に入っているときは濃度があって、氷にかけると鮮やかな黄色になりそうだなと明暗がしっかりとついた仕上がりを見て思ったからだ。最後に全体のアクセントにするためにパテで作った旗を置いた。
これは本に載っているのを見てかっこいいと思ったから真似をしたかったのと、色の対比で車体の発色や明暗をはっきり見せるため。
ヘカトン・ランドフォートレスを塗装していくにあたって、これに乗るリーグ オブ ヴォータンの中で組織が分かれていることを知ったので、よそのチームから友好の証にもらったというストーリーを設定したのだけど、これが思いの外好評で驚いた。世界観を楽しんで、そこから些細な物語を楽しむ文化がウォーハンマーにあるんだなと気づけたのが実は今回一番楽しかったことだった。
今週の物販
公式通販、サイトカードが出ないんだけども、この値段だと送料無料なので買うならここかなという。
https://www.warhammer.com/en-WW/shop/lov-hekaton-land-fortress-2022
銭湯でライブをやります。という情報はあまりにも魅力的で、予定を合わせるのが難しいと思っていたイベントに参加するには十分な理由だった。その日は目当てのステージを見て会場を後にすればなんとかなるスケジュール。
銭湯とライブハウスとは当然違うのだけど、少し考えてみると銭湯自体が割と贅沢な内装が施された空間で、特に演出に凝らずともステージになる。浴場でパフォーマンス、脱衣所に荷物を置く。普段は利用者がくつろぐであろう椅子は端に置かれ、体重計のそばにテーブルが移動され、そこにミキサーが置かれていて「演者と設備が揃えばどこでもステージになるもんだな」と感心した。
風呂用の椅子に座って前の方で見る人もいれば後ろの方で立っている人もいるし、立ちシャワーの仕切りに寄っかかっている人もいる。銭湯でライブをやると聞いたときは、湯船にステージを組むのかと思ったらそんなことはなくナチュラルに湯が溜まっていて、ライブ会場仕立ての銭湯ではなく、機材を設置した風呂場で人が歌っていた。
かなりギリギリの予定の繰り合わせをしてまで見に行ったのはSommeil Sommeilというグループ。いつも見ている配信の視聴者仲間からオススメされたことがきっかけだった。
彼女らの存在は知っていて、夏頃は「幼なじみになりそう!」を部屋で延々と流しながら横になっていた日もあった。ただ、それ以外は曲を聞いたことがなかったので、参加することに少し不安があったものの、知らないものに突っ込んでいくというのはいつだって楽しいし、日常の「いつもの」は、たくさんの「はじめて」が作っていることを知っている。
「Sommeil Sommeilはわりと大人しい感じだから安心して見られる」と勧められた通りで、確かにアップテンポすぎずシンプルな曲が多かった。見ている人の動きに合わせたり、彼女らの身振り手振りに応えるように身体を動かしたりするのも楽だし、一体感を味わいやすく、気軽に楽しめたのは結構嬉しかった。普段はめちゃくちゃ聞くHIPHOPアーティストのライブで押韻に合わせて体を動かす(曲ではなくボーカルに乗る、とかいうやつ)ことがあるので、そんなこと意識しなくても楽しい、みたいな。
見ている人たちも含めたステージという感じで、踊っている人や、私のように撮影している人もいた。もちろん熱心にながめている人もいて、それぞれが自分の目的をエンジョイしているのが良かった。銭湯という空間がどこか馴染み深い雰囲気というか、ステージのような構えた空間ではなかったのも楽しめた理由の一つだと思う。唯一聴きまくったライブ盤のCDはクラムボンの博多百年蔵で行われたものだと、途中で気づいたし。そういう意味ではライブハウスではない施設でのパフォーマンスはもっと見たい。
参加したイベントはYOIMACHIというサーキットイベント。受付となるメイン会場で入場手続きをしてリストバンドとドリンクチケットをもらうと、あとは好きなステージに各々が向かう形式で、街の中にいくつも会場があるのが日常と非日常を行き来する感じで面白いなと思った。
昼飯を食べに入った中華料理屋では、私と同じリストバンドをした人が何人もいて、イベントの構成が地域振興にもなっているように感じた。あのアイドルが出るから、どこどこへ行こうって向かった現場の先で飯を食って他のアイドルも見て……なんてやるのは楽しそうだ。
Sommeil Sommeilのなかでも淀橋瞑さんが目当てで見に行った。彼女自身の長い腕がくるくるくる回ったり、スッと客席の方へ伸びてレスポンスを引き出そうとする様子はキレイでした。身体操作の見栄えの良さは演劇での土橋銘菓さんとも本質的には変わらない、彼女らしさがあった。
今週の物販
ネクロムンダにはビークルルールというのがあり、それは乗り物を使って遊ぼうぜ!という趣旨のものなのだけども、バランスがリアルすぎて、人間がトラックを破壊するのは結構大変なんだなと気づかされる面白さがある。逆に、乗り物を一撃で爆発四散させる武器が存在したとして、それを人に向けるとどうなるのか……というゲーム設計の妙もある。
ビークルルールを楽しむかどうかはさておき、メインのギャングの乗り物くらいは持っておきたいと思い、一年くらい前に買ったOutrider Quadsを仕上げた。オーロックギャングが操る乗り物である。塗ってみると、普段は徒歩移動がメインの世界観が急に広がった気がしてとても楽しかった。特に2台目は、手持ちのギャングとは異なる色で塗装したので、フリーの運び屋という雰囲気が出た。ネクロムンダに限らず、ゲームズワークショップの製品は自分で世界観を作っていけるん面白さがあるんだろうなと気づいた。
また、キャンペーンで使うギャングのメンバーを入れ替える都合上あらたに三人塗装した。肩から銃を吊り下げたリーダーは渾身の出来。キットバッシュというミニチュアのパーツをいろいろ混ぜて作る手法で完成させました。キットバッシュの第一歩は手首から先の武器を変えること。
モルヴェンヴァール(Morvenn Vahl)はウォーハンマー 40Kのミニチュアの中でも屈指のかっこよさがあると思う。ゴシック調の装飾とマシンが組み合わさる面白さで、いつかは作りたいと考えていたが、このタイミングで作ってよかった。全体を真っ黒に塗り、シルバーでドライブラシ。金属面は薄めた塗料でフィルタリングしていく。重厚感を出せたのがよかった。塗り映えのするミニチュアがウォーハンマー にはいくつかあるし、こういう独特の造形は唯一無二だなぁと思ったり。
マシーネンのPKAは塗ってて楽しく、ウォーハンマー とは真逆の魅力があった。ウォーハンマーはミニチュアのディテールがはっきりしている分、塗装によって面を表現したり、タッチを入れていくことで風合いをコントロールするといった作業をしなくても一定の仕上がりになる。方やマシーネンはというと、それでも良いけどガンガンタッチ入れていこうぜ!という感じ。筆ムラも味の一つ、タッチの違いや面の中での色のばらつきも許容する懐の深さがある。なので、割と好き勝手にガシガシやれる。ウォーハンマー得た色のバランス感や、塗装の引き出しが良い感じに出た。逆に、マシーネンを塗るとウォーハンマーにも影響があるので、いろんなプラモデルを塗ると良いことがある。
ピットロードの家は、これは本当に良いキット。ピシッと角の立った家のミニチュアってあんまりない。これくらいのサイズだと陶器のものとかはあるけど、あっちは角も丸くて柔らかな見た目で、ジオラマに使う木を模したマテリアルとも調和が取れていい感じ。こういう建物のプラモデル、もっとあるといいのにな。家はまだたくさんあるので、板に並べて集落を作りたいです。
今週の物販