卒論に今から使える論文表現例文集(日本語版) (original) (raw)
英語で論文を書かなくてはならない研究者(たまごを含む)のために、英語論文の表現例文集がたくさん出版されている。
というのも、論文には、その構成にも言い回しにも〈定形〉がある。
自分の頭で一からひねり出すよりも、おきまりのパターンを活用した方がはやく良い結果を得られる。
普段、論文を書いていない、というか今まで書いたことがない人は、論文の書き方についてストックがないのだから、例文集から「借文」した方が効率的である。
本当は論文を書くのに先立って、他人の書いた論文をある程度読めば、そうしたパターンは自然に頭に入ってくるものである。
しかし「あるべき論」だけでは地球は回っていかない。誰もが夏休みの宿題を7月中に終わらせる訳ではないのだ。
以下、「借文」できるよう、論文に使われる表現・例文を集めてみた。
あまりボリュームがあっても使いにくいだろうから、数は絞りに絞ってある。
より多くの表現が必要な人は、冒頭に触れたように英語論文の例文集が出ているから、それを参考にすることができる。たとえば、
書く人のために索引なども完備しているから、日本語の論文にも役に立つだろう。
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1.序論
(a)論文の目的
・この論文のテーマは___である。
・この論文の目的は___である。
・この論文で示したいことは___である。
・本論は___するために書かれたものである。
・私が主張したい点は___である。
・ここでの目的は___をさらに探ることである。
(b)扱わない事項を除く
・___の問題については、本論では取り扱わない。
・___を探究するのは、この論文の課題ではない。
・___を論じることは、別に機会に譲らなくてはならない。
・___については議論の枠から外す。
2.先行研究
(a)研究の紹介
・___については多くの研究がなされてきた。
・___を明らかにするために多くの研究がなされてきた。
・___を示すために数多くの試みがなされてきた。
・ここ数年___についての研究が行われてきた。
・___の研究は多くの議論が呼び起こしてきた。
・___の問題が、近年___たちによって注目されている。
・___によって___の研究は重大な進歩をとげた。
・___の考えは、___によってさらに進められた。
・___の問題を取り上げたのは___である。
(b)(この論文のテーマについて)先行研究は不十分
・___についてはわずかな研究しか行われていない。
・___を試みた研究はほとんどない。わずかに___だけが___について論じている。
・___についてはこれまで無視されてきた。
・___に注目する研究はほとんど行われて来なかった。
・___について多くの研究が行われてきたが、___については未だ未解決である。
・___について多くの努力がそそがてきたが、___については明らかになっていない。
(c)先行研究を評価する
・___は、この課題について新たな試みを行った。
・___に発表された最近の論文で___についての新しい分析を提示している。
・___の議論がこの分野に新しい観点を提示した。
・___の研究によって、近年___についての関心が高まっている。
3.本文
A.導入
(a)問題を提示する
・問題は___である。
・このことは___という問題に我々を導く。
・___については明らかではない。
・___の点について明らかにしなければならない。
・___を調べてみる必要がある。
・私たちは___という問題に直面している。
・___については疑問の余地はないが、___についてはかなり疑わしい。
・はっきりさせておくべき点がもう一つある。それは___である。
・___を解決した後、残る問題は___である。
(b)論じる立場の提示
・___という観点から考察する。
・___を考慮した上で___を検討しよう。
・___を___の点から考察したい。
・___を議論するのに___というアプローチをとる。
(c)定義する
・___を___と定義しよう。
・___という言葉を___を示すために用いる。
・___という言葉を___という意味で使おう。
・___は、___という概念を含む。
・___は、___から___にわたる意味を持っている。
B.否定的主張
(a)疑わしい
・___については疑問がある。
・___の主張については疑問の余地がある。
・必ずしも___であるとは言えない。
(b)否定
・___と考えるのは間違いである。
・___は全くの誤謬である。
・___と仮定することはできない。
・___というだけの理由で___とは断定することはできない。
・___は___をまったく説明していない。
・___という中心的な問題に触れていない。
・___は多くの側面を無視している。例えば___……。
(c)反論
・___については、次のような反論が考えられる。
・___に対して反対の立場を取りたい。
・___の結果は、___の主張と反対である。
・___という主張には根拠がない。
・___という主張は、___の点から間違いである。
・___という主張は、___であることを説明していない。
C肯定的主張
(a)推測できる
・___であると言ってもいいだろう。
・___と考えることが可能である。
・___である可能性がある。
・___と仮定すれば___である。
・___は妥当であるように思われる。
・___と断定することはできないが___であることは十分考えられる。
(b)妥当である
・____という主張は妥当である。
・___は____であることを裏付けている。
・___という議論に矛盾はない。
・___はこの議論の正しさを裏付けている。
・___という主張は全く正当である。
・___であることは自明である。
・___であることは十分考えられる。
(c)確実である
・___は明らかである。
・___ということは用意に理解できる。
・___については疑いない。
・___からすぐにわかるように___である。
・確かなのは___ということである。
(d)証拠がある
・___を示すよい証拠がある。
・___は___であることの証拠として役立つ。
・___の直接的な証拠はないが、しかし___がそのことを間接的に示す。
Dその他
(a)例を挙げる
・例えば___である。
・___は一例を提供してくれる。
・簡単な例をあげるならば___。
・___のために例を引こう。
・___からの実例は有益だと思われる。
・多くの例は___に該当する。
・___以上にこれを示すよい例は他にない。
(b)注意を促す
・___に注意すべきである。
・ここで注意すべきことは___である。
・___について注意深く検討すべきである。
・___を見過ごすべきではない。
・___であることは注目に値する。
(c)引用する
・これは___の引用である。
・___から一節を引用する。
・___は次のように言っている。
・この点について、___は次のように論じている。
・___と指摘した後で次のように続けている。
4.結論
(a)要約すると
・手短にいえば___
・以上が___の要点である。
・今までの議論で___であることがわかった。
・___と要約されるだろう。
(b)帰結する
・___ということが言える。
・___であることが明らかになった。
・___と言ってもいいだろう。
・___とみなすことができる。
(c)結論をいう
・___と結論すべきである。
・___という結論に達した。
・___ということが明らかになった。
・結論として言えることは____である。
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