生殖医療専門医試験を受けよう! (original) (raw)

試験に出題されるかわかりませんが、不妊治療の保険診療についてまとめておきましょう。

B001 32 一般不妊治療管理料

一般不妊治療管理料は、入院中の患者以外の不妊症の患者であって、一般不妊治療を 実施しているものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する。

※人工授精を算定するためには施設認定が必須

B001 33 生殖補助医療管理料

生殖補助医療管理料は、入院中の患者以外の不妊症の患者であって、生殖補助医療を実施しているもの(実施するための準備をしている者を含み、当該患者又はそのパートナー(当該患者と共に不妊症と診断された者をいう。以下この区分において同じ。)のうち女性の年齢が当該生殖補助医療の開始日において 43 歳未満である場合に限る。)に対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、月に1回に限り算定する。

日本産科婦人科学会体外受精胚移植に関する登録施設で、実施時にはARTオンライン登録へのデータ入力が必須

人工授精

算定要件は ア精子・精液の量的質的異常、イ射精障害・性交障害、ウ精子・経管粘液不適合、エ機能性不妊 のいずれか

生殖補助医療

算定要件は ア卵管性不妊、イ男性不妊(閉塞性無精子症等)、ウ機能性不妊、エ人工授精等の一般不妊治療が無効であった場合 のいずれか

CQ215 妊孕性温存の希望・必要がある場合の子宮筋腫の取り扱いは? 子宮鏡下や膣式の筋腫摘出術だけで対応できる症例を除く

A1 過多月経、月経困難症、圧迫症状、不妊などの症状を有する場合や、長径が5~6cmを超えた場合は、子宮筋腫の部位、大きさ、個数、成長速度、妊娠・分娩の時期を考慮して核出術の要否を決める(B)。

A2 無症状で長径が5~6cm以内のものは、定期的に経過観察する。ただし、数が多いものは、長径が5~6cmを超えたものと同様に対応する(B)。

A3 無症状で、長径が5~6cm以内のものであっても、他の婦人科手術時に核出術を行うことができる(C)。

A4 前回妊娠・分娩時に子宮筋腫による障害があった場合に核出術を行う(C)。

CQ214 子宮鏡下子宮筋腫摘出術を行うのは?

A 対象とする条件は子宮筋腫が30mm以下かつ子宮内腔への突出度が50%異常を目安とするが、とくに優れた術者はこの限りではない(B)。

CQ213 子宮鏡検査はどのような場合に(疾患)に行うか?

子宮鏡検査は、不正出血、悪性腫瘍の疑い、不妊症の検査、子宮奇形の疑い、などの場合に用いる。具体的には以下の疾患の診断・検査に用いる。

A1 疾患の診断のために行う(C)

子宮内膜ポリープ

子宮粘膜下筋腫

先天性子宮形態異常

子宮腔癒着症(Asherman症候群)

子宮内膜増殖症

子宮体がん

流産あるいは奇胎娩出後の遺残

胎盤遺残、胎盤ポリープ

子宮内遺物(IUD

A2 子宮鏡下手術の術前検査として行う(B)

子宮内膜ポリープ

子宮粘膜下筋腫

中隔子宮

子宮腔癒着症(Asherman症候群)

CQ212 子宮内膜ポリープの診断法および取り扱いは?

A1 一次検査として経膣超音波断層法を行う(A)。

A2 悪性の否定のため内膜検査を行う(B)。

A3 診断にはソノヒステログラフィーや子宮鏡を用いる(B)。

A4 以下の場合には、確定診断と治療のために、子宮鏡下手術、あるいは子宮内膜全面掻把を行う(B)。

1)症状があるもの

2)不妊症で、子宮内膜ポリープが不妊の一要因と考えられるもの

3)無症状であっても悪性の可能性があるもの

A4 Answer 4以外は経過観察をする(B)

CQ101 クラミジア子宮経管炎の診断と治療は?

A1 診断は、核酸増幅法(PCR法、SDA法、TMA法など)を用い、子宮経管擦過検体よりクラミジアを検出する(A)。

A2 核酸増幅法で、淋菌の同時検査を行う(B)。

A3 治療はマクロライド系またはキノロン系の経口抗菌薬により行う(A)。

A4 治療後3週間以上あけて治癒判定を行う(B)。

A5 パートナーに検査・治療を勧める(B)。

第2章 不妊症の定義・原因

不妊症の原因

2)男子不妊症の原因

【問題】

日本産科婦人科学会の定義では、不妊症を(1)としている。その期間は、2015年日産婦理事会にて1年とした。※明らかな不妊原因が存在する場合は、不妊の期間にかかわらず不妊症として差し支えない。

日本では不妊の検査や治療を受けたこのある夫婦は、夫婦全体の(2)%、(3)組に1組である。WHOの調査結果からは女性因子が(4)%、男子陰性が(5)%、男性・女性ともに原因がある割合は(6)%であり、ほぼ半数は男子側にも原因がある。

精液所見について。WHO(2021年)の正常下限基準値は精液量(7)mL、精子濃度(8)万/mL、総精子数(9)万、運動率(10)%、前進運動率(11)%、正常形態率(12)%である。運動率が0~数%の場合を(13)と呼ぶ。精液中の白血球数が(14)以上の場合、(15)と呼ぶ。

男性不妊症の原因のほとんどは(16)である。1998年、2015年の厚生省・厚労省の調査研究では(16)が(17)%を超えている。その半数以上が(18)である。2015年調査では、男性不妊症の原因は、(16)の次に(19)、(20)の順であった。

原発性造精機能障害の中で最も頻度が高いのは(21)症候群で、約(22)人に1人といわれている。内分泌検査では(23)である。身体的特徴は(24)を示す。

また、(21)の他、原発性造精機能障害に(25)がある。この場合、AZF検査で、(26)の場合のみ精子採取が可能である。

二次性造精機能障害として、先天性のものでは(27)遺伝子以上による(28)症候群がある。低ゴナドトロピン性性腺機能障害と表現型は類似するが、(29)という特徴がある。

その他の男性不妊の原因として、(30)がある。主に(31)側に起こる。(31)側におこりやすい原因としては、(32)などが挙げられる。(30)の頻度は一般の男性にも(33)%に認められるが、男性不妊症患者では(34)%に認める。

また、無精子症の原因の中でもOAをきたす原因として(35)の閉塞をきたす(36)症候群などがある。

また、勃起障害の定義は、(37)とされている。

射精障害は、(38)(39)(40)(41)(42)の5つに分類される。

また、造成機能障害をきたすものの例として(43)などがある。AGA治療に用いられる(44)もリビドーの低下、EDなどの副作用が添付文書に記されている。

【解答】

1 生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊といい、妊娠を希望し医学的治療を必要とする場合

2 18.2

3 5.5

4 41

5 24

6 24

7 1.4

8 1600

9 3900

10 42

11 30

12 4

13 精子死滅症

14 1mLあたり100万個

15 膿精液症

16 造精機能障害

17 80

18 特発性(すなわち原因不明)

19 性機能障害

20 性路通過障害

21 Klinefelter

22 1000

23 FSH、LHが高値。テストステロンが正常下限もしくはやや低下

24 類宦官様で高身長、手足、指極長が長く、口髭が薄い、女性化乳房

25 Y染色体微小欠失

26 AZFc

27 KAL1

28 Kallman

29 嗅覚障害

30 精索静脈瘤

31 左

32 右内精静脈が下大静脈に鋭角に流入するのに比して、左腎、内精静脈は左腎静脈に直角に流入する、左内精静脈は右より長いことから左腎静脈圧が高まり、蔓状静脈叢に静脈血のうっ滞をきたすこと、左腎静脈が大動脈と上腸間膜動脈との間に挟まれ圧迫される(クルミ割り現象、ナットクラッカー現象)による、

33 8~23

34 21~39

35 精巣上体管

36 Young

37 通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態

38 無精液症

39 逆行性射精

40 早漏

41 遅漏

42 膣内射精障害

43 潰瘍性大腸炎の治療薬であるサラゾピリン、スルファラジンは精子への直接的障害をきたす。また、抗潰瘍剤のシメチジンも注意する。

44 5ARI(5α還元酵素阻害薬)