産後ノイローゼを経てAKB48現場オタになった (original) (raw)

2024年、ミドサー真っ盛りにしてAKB48の現場に通うようになった。ホールコンサート、個別握手会、AKB48劇場、メインの現場にひと通り行ってみての感想です。

産後に本が読めなくなった

2023年冬に出産した。もともと育児の適性がないことは自覚していたものの、いざ新生活が始まってみると気分の落ち込みはひどいし、細切れ睡眠で常にぼーっとした頭では趣味の読書もできず、もっぱらYoutube国会中継を行き来する日々。そんな時期に出会ったAKB48 61枚目シングル「どうしても君が好きだ」のMVに魅せられて、AKB48の映像コンテンツを観るようになった。華やかなのに侘しい、一人一人の魅力にスポットが当たった佳作だよね。私が児相のお世話にならずに済んだのは冗談でなくこれのおかげ。

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柏木由紀卒業コンサート

2023年秋、独身時代から個人Youtubeチャンネルを観ていた柏木由紀ちゃんの卒業が発表された。その時点で選抜メンバーは覚えたものの、まだまだ知らないメンバーは多いし、楽曲に関してはシングル以外はほぼ知らない状況。正直まだAKB48柏木由紀ちゃんと後輩たちという図式から抜けられておらず、こんなニワカが卒コンに行くのはおこがましいとチケット購入を見送った、はずでしたが……機材席解放の報を聞き、くしくも卒業ラッシュが重なってメンバーを覚える目処がたち、舞台横の天井席に滑り込んだのでした。

初見でも楽しいステージだった。主役は由紀さんだけど、一人一人の衣装もパフォーマンスも素晴らしくずっと隅々まで観ていた。女子校の全校行事で大世帯ダンス部やバトン部の舞台を観ながらワーキャー言ってた学生時代を思い出しつつ。平坦な映像よりも、個人のスタイルだったりダンス含めたパフォーマンスの違いが見えて、ますますグループへの愛着が深まった。

子連れで行った個別握手会

64枚目シングル「恋 詰んじゃった」個別握手会参加券付きCDを2枚買った。正直色々と思うところはあった。同じCDを複数枚買うこと、自分より一回り年下の方に接触(握手)を伴う感情労働をさせること。使い道がある枚数に留める(実用・保管用の2枚)、お礼と応援の気持ちを伝えることを主目的とし握手はしない、この条件で自分を納得させて、いざパシフィコ横浜へ。

握手券は2枚とも16期生・山内瑞葵ちゃんに充てました。もはやいつ単推しになったのか覚えてないけれど、端的に言うとキャリア*1やパフォーマンス含めて彼女のちゃんとしてる感じが肌にあったんだよね。せっかくなら卒業後も長く応援したくて、瑞葵さんにはそれを期待できる気がしたし、もし期待が外れてもその番狂せも含めて受け入れられると思った。

1歳の子を抱っこ紐に入れて会場へ。話すことを考えつつ、縦に揺れながら子をなだめて待機列に並んでいたらあっという間に瑞葵さんの前へ。お顔の小ささと美しさ、衣装では珍しいモノトーンの私服に目がくらむが、何とか産後の辛い時期に励まされたお礼をする。ここで目標は達成。しかし、さすがはプロのアイドル。私が握手を躊躇していると、瑞葵さんが子に片手で握手して、それから自然にもう片方の手で私に握手してくださって。尊い空間だった。少し間が空くと、子の名前を聞いてほめてくれたりと、いたれりつくせり。私も子もニコニコで持ち時間が終わりました。

その夜、瑞葵さんがSNSで小さい子が来たことに触れながらイベントを振り返るポストを投稿。ファンからの「ちびっこと絡むずっきーもよかった」とのリプにホッとする。その反面、私自身は長らく子どもが苦手だったので、彼女に無理させてないか、SNSを通して昼夜関係なくアイドルの姿を見せ続けるハードさが心配になったりも。

休館間近のAKB劇場へ

握手会直後の8月、改修工事のため休館を控えたAKB劇場で「僕の太陽」公演を観ました。もちろん山内瑞葵さん出演回です。女性枠で当選しフロア中央の専用座席から快適に鑑賞。「会いに行けるアイドル」というコンセプトどおり、ステージが近くてファンサービスがぐっとパーソナライズされるし、トークの時間も長くて印象もまた変わる。公演曲で面白かったのは、ストーリー性があるというかメンバーごとに役割を演じるミュージカル調の曲があって、それぞれの表情の変化やアドリブに目を引かれた。瑞葵さんと長友彩海ちゃん16期同士アドリブ絡みも微笑ましく。懐メロっぽくて音源だとピンとこないであろう曲も流れでみると爽やかで、ホールとは違うちょっと内輪感がある場だからこそできる演出がなされているみたい。終演後のお見送り、嬉しさ半分恥ずかしさ半分で退場。

持続可能な関係であり続けるために

華やかなパフォーマンスやパーソナライズされたファンサービスに励まされている一方で、その危うさを感じる時もある。SNSで自分への私信ともとれるポストに舞い上がってしまったり、彼女が「みんなを幸せにするよーー」と大層なことを言っているとき、彼女の生活と仕事の境目が滲み、彼女のパーソナリティにファンが侵食していることに気づく。ほかのファンが発信するラジオやブログ、果てはまとめサイトまで見にいくこともあるが、そこに渦巻く彼女への性的な目線・発言は見ていてしんどい。彼女を守る人や仕組みがあることを願うとともに、私も現場含めて双方向性のある場との付き合い方を考え直さなければならないと思う。

*1:大手のミュージカル劇団で子役として経験を積んでいました。