貸金庫の鍵 (original) (raw)
両親そろってガン告知されたあと、銀行の貸金庫を借りた。
それまでは、
「まだ、いいわ」と先延ばしにしていた母だったが、自分の治療で入院して家をあけることになるとわかると、NOとは言えなかった。
実家のゴミ屋敷はごちゃごちゃで物を探すのは泥棒でも無理!と思うのだが、結構、登記簿とか権利書とかの大事なものは安易にわかりやすいところに詰め込んである。
今までは誰かが家にいることが多かったが、今後、留守も多くなるし、ヘルパーなども入れる予定だったので、大事なものは貸金庫を借りよう!
と銀行に行った。
それまでも何回か貸金庫の空きを私が聞いたときは
「上の方しかないです」とか「空きがないです」という対応だったのに、小銭持ちの母が言ったら、あっさりと手続きをしてくれた。
しかも高すぎず、低すぎない場所の貸金庫を。
手続きは母名義で行い、母と私をカード登録して貸金庫を借りた。
家の仏壇に突っ込んであった、いつのか?わからない変色した登記簿や権利書。
お墓の権利書などの重要書類をここに移した。
それはそれでよかったのだが、このとき、カードと鍵を渡されたのだ。
4年の間にこの金庫を開けたのが、数回で、私もすっかりこのカードの暗証番号を忘れている。。
鍵は母と1個ずつ分けたはずなのだが、母はない。という。
鍵はなくすともちろん、弁償である。
探して!と言ったが前途多難だ。
暗証番号類も私は膨大になり、とても覚えきれないので、全部グーグルキープで管理しているのだがここだけ、抜け漏れている。
母、生存中でも見つからないものが万が一の時に見つけられるわけがない。
あの家で。。
そして、貸金庫の開け方。
復習しておかないとやばい。
そんなにしょっちゅう開けるものでもないが・・
これは困る。
どうしよう。