【皆知らない】自己愛性パーソナリティ障害(ナルシスト)に操られるフライングモンキーとは|Flying Monkey (original) (raw)
【皆知らない】自己愛性パーソナリティ障害(ナルシスト)に操られるフライングモンキーとは|Flying Monkey
心理学ではフライングモンキーというタイプの人たちが存在します。
このフライングモンキーという用語は初耳だという方が多く、まだ日本では認知度の低い言葉なんですが、アメリカでは彼らがどういった行動を取るのかとか、どういう役割を果たすのかなどフライングモンキーについての研究が心理学者によって進んでいます。
ナルシストにフライングモンキーは付き物です。
彼らにとってフライングモンキーは重要人物です。
またフライングモンキーは一人で行動するとは限らず、複数で群れてターゲットを精神的に攻撃することが大半なので、ナルシストを対処するよりもフライングモンキーからの被害にあって悩んでいるという方も多いんじゃないかなと思います。
『ナルシストの取り巻き』はどんなタイプの人たちなのか、今日はフライングモンキーに纏わる話をします。
フライングモンキーとは
フライングモンキーというのは一言で言うと、ナルシストに成り代わって行動するイネーブラーです。
彼らはナルシストの代理人として毒を吐いたり、ナルシストのいじめに加担する存在になります。
イネーブラーというのも心理学の用語なんですが、イネーブラーは『ナルシストの問題行動を手助けする人』を指します。
**イネーブリング(Enablering)**をする人をイネーブラー(Enabler)というんですが、フライングモンキーはナルシストにイネーブリング行為を行います。
フライングモンキーは直訳すると空飛ぶ猿になり、フライングモンキーという言葉については、1939年の映画『オズの魔法使い』に由来しているらしいんですね。
このストーリーの中で、魔女に命令される嫌な役回りをするパシリみたいなキャラクターらしんですが、もっと分かりやすい例を挙げると例えば学園ドラマの3人組で、ボスのいじめっ子がいるとしますよね。
その隣にいつも2人くらい煽ったり、ボスであるいじめっ子の肩を持つ存在っていますよね。
ああいうタイプの人たちを心理学ではフライングモンキーと定義されているんですが、ナルシストは自分自身の優位性を高めるために彼らを利用します。
フライングモンキーの役割としては、ナルシストを支持してサポートする、いじめに加担するなどが挙げられます。
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フライングモンキーの役割
このようにフライングモンキーがナルシストが行う嫌がらせに加わることによって、その被害がもっと複雑化したり悪化することが殆どなんですね。
これは学校のいじめだけではなく、職場や家庭内でもよく起こる構造ですし、子供のいじめも大人のいじめも基本的に論理は同じで、ナルシストがフライングモンキーを増やせば増やすほど、状態はもっとややこしくなったり被害を大きくさせることになります。
人に精神的苦痛を与えることを楽しむナルシストにとって、自分を手助けしてくれるフライングモンキーは絶好のパートナーであり、必要不可欠な存在なんですね。
どんなフライングモンキーにも共通するのが、どれだけナルシストが間違った行動を起こしていても彼らの味方します。
ある意味フライングモンキーもナルシストの自己愛性虐待の被害者でもあると考えられますが、このフライングモンキーも実はナルシストと共依存関係に陥っている可能性が高いとされています。
フライングモンキーになりやすい人
実際のところフライングモンキーになりやすいタイプというのがあります。
どんな人がフライングモンキーになりやすいのか、こちらのブログ記事で詳しく解説しているので、まだご覧になっていない方は是非チェックしてみてください。
■合わせて読みたい■
話を戻しますが、先ほどお話ししたようにフライングモンキーは、ナルシストの言うことを簡単に信用してしまう人たちです。
自分がないということも考えられますが、自分の意見が言えなかったり自分自身を信じて判断する能力が衰えている人がなりやすいと言われています。
また彼らは周りに流されやすいので、明らかに目の前の物が白色だったとしても、ナルシストが黒と言えば黒だし、白といえば白と言いますし、ある意味洗脳されている状態なんですね。
なので、ナルシストの被害について相談しても
・大したことないよ
・考えすぎだよ
・あの人(ナルシスト)がそんなことする訳ないよ
・あの人(ナルシスト)良い人だよ
とナルシストの虐待行為やモラハラ行為が起こっていることを知っているにもかかわらず、無視したり問題を軽視することがあります。
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フライングモンキーが行うスミアキャンペーン
フライングモンキーはスミアキャンペーンを行います。
これは一般的にネガティブキャンペーンと言われていて、『ターゲットを中傷し批判して評判を下げたり、傷つける行為のこと』を指します。
キャンペーンと定義されているので要するに宣伝戦略のようなもので、Smear campaignという用語は1936年から周知されていったそうです。
スミアキャンペーンをされるとどうなるのかというと、スミアキャンペーンの被害を受けたターゲットは、周囲からの信頼を損ないます。
フライングモンキーは嘘や、根拠のない事実ではないことを周りの人たちに広めたりして、ターゲットを間接的に攻撃します。
例えば第三者はフライングモンキーから聞いた情報を、ターゲットに確認することなく、本気で信じ込んでしまう訳なんですね。
心理学では噂を流す行為も受動的攻撃の一種とも言われ、スミアキャンペーンも被害者を精神的に追い詰める精神的虐待に該当します。
スミアキャンペーンをする大きな理由は3つあります。
①ターゲットに罰を与える
②自分たちが主導権を握り、優位に立つ
③ターゲットを悪者に仕立て上げるなど
ターゲットが言ってもいないことや、やってもいないことをでっち上げて、話を捏造しターゲットに濡れ衣を着せます。
責任をなすりつけて、あたかもターゲットに問題があるように責任転嫁をするんですね。
このスミアキャンペーンは、ナルシストの怒りが自分に向かないように、フライングモンキーが自分を守るために取る行動でもあるということが言えます。
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ナルシシズムは伝染する説
スミアキャンペーンは中毒性のあるものとされていて、またナルシシズムは伝染するとも言われています。
悪口で盛り上がるのと同じで、快楽ホルモンとされるドーパミンという物質があります。
ドーパミンは人の悪口を言う時も作用されるんですけれども、誰かを批判したり愚痴を言うとストレス発散できるように中毒性がある訳なんですね。
ナルシストはフライングモンキーを操ると、わざわざ自分の労力を使ってターゲットに嫌がらせをしなくても、フライングモンキーが自分の役割を果たしてくれます。
なのでフライングモンキーは、代理ナルシシズムとも言われています。
また多くの視聴者さんが『フライングモンキーもナルシストっぽいし、ナルシストとやっていることは一緒』だと仰るように、フライングモンキーもナルシシズムを持っています。
実際研究者の中でも、多くのフライングモンキーはカバートナルシストの可能性が高いと仰る方が多いです。
『類は友を呼ぶ』の言葉のように、特権意識や承認欲求が強いナルシストの見栄えをよく見せるために、手助けをする訳なんですね。
ナルシストは周囲を巻き込んだり、トラブルを引き起こすことを好み、味方を増やそうとします。
フライングモンキーをどのように選別するのかと言うと、
フライングモンキーに選ばれやすいタイプ
・思い通りに動かせる人
・自分に同調してくれる人
・どんな状況でも自分についてきてくれる人
・断らない人
・自分の味方をしてくれる人
これらのタイプをフライングモンキーにします。
ただ反対に、自分を少しでも否定したり意見に反対するなら敵に回し、標的にする傾向がありますし、フライングモンキーもこの理屈と同じように、ナルシストを否定する人をターゲットにするといったことが起きます。
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フライングモンキーとターゲットの関係性
フライングモンキーがナルシストのターゲットに対する嫌がらせに加担するケースもあれば、フライングモンキーとターゲットが友人関係や親子関係であったり、同じ職場で働いているなど親しい仲の場合も珍しくありません。
フライングモンキー自体、イネーブラーという存在なので人を助けて自分の価値や喜びを感じる自己肯定感が低いタイプが多く、イネーブラーはナルシストに心理的にコントロールされやすい特徴を持っています。
共感力が高いエンパスである場合は、ターゲットを傷つける意図がなかったとしてもナルシストに操られやすいです。
ナルシストに同調圧力をかけられたことによって、いじめがエスカレートするように必然的に加担させる方向に持っていかれるなんてこともあります。
職場のいじめなんかがそうですけど、上司がある部下のことを_『なんであいつこんな簡単なことも出来ないんだ』_と別の部下に陰口を叩いたとしますよね。
『いや、あの人裏で頑張ってますよ。何でそんなこと言うのですか。あなたは間違っていますよ』
『上司の立場であるあなたがしっかり指導していない証拠なんじゃないですか。あなたの力不足だと思います』
なんて言う部下はまずいないですよね。
他の同僚のことに関することを言われても、部下としては_『そうですね』_としか言えない訳で、仮に上司に逆らったとしても自分の立場の心配をしなければいけないし、自分を気に入ってもらうために上司の愚痴を聞かなければいけない、そんな経験をしたことがある方も多いと思います。
ナルシストはこうやってフライングモンキーになりたくないのに、自動的にフライングモンキーを作って味方を増やしていきます。
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ナルシストがいる家族構成
このフライングモンキーとナルシストとターゲットの関係性は、今お伝えした例のように共通点があって、フライングモンキーは別にターゲットが特別嫌いとか、特に恨みがある訳でもなく、ただ単にナルシストにターゲットを嫌う方向に仕向けらたり、『私もこの人のこと苦手かも』と思い込ませて洗脳しているんですね。
もう一つ分かりやすい例を出すと、片方の親がナルシストの場合子供をフライングモンキーにするケースが非常に多いです。
子供に結婚相手の悪口を吹き込んだり、『父親失格/母親失格』と言いながら自分の価値観を罪のない子供に押し付けることがあります。
夫婦仲が悪い、離婚をしたという事実は夫と妻の間の夫婦の問題ですが、ナルシストはこうやって子供を巻き込んで、自分の味方であるフライングモンキーを増やし毒親化します。
当然家庭内でのフライングモンキーは子供だけに限らず、親戚や近所の人など様々な状況で作られていきます。
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フライングモンキーはスパイにもなる
皆さんに気をつけて欲しいことが、フライングモンキーはスパイになるということです。
ナルシストはターゲットから情報を得るためや、フーバリングを成功をさせるためにフライングモンキーを使うことが多いからなんですね。
フーバリングというのは心理学で『ナルシストが離れていったターゲットを再び自分の元に戻させようとする行為のこと』を意味します。
フライングモンキーを使ったフーバリングはどうやって行われるのか、そのやり口を簡単に説明するとフライングモンキーはターゲットに_『〇〇が寂しがってるよ』『〇〇が心配してたよ』_と話題に出します。
親子や友人関係がこじれている場合は、ナルシストはこういう手を使ってフライングモンキーを使ってまた関係を繋ごうとしてくるんですね。
ターゲットからすると迷惑な話ですが、ナルシストと別れた後や毒親から距離を置いている状況で実際によく起こっていることかと思います。
恐らく、職場だと退職したナルシストの先輩、同僚や後輩から突然連絡が来たりなど、もちろん心配してとか気にかけてくれてなどの理由があるはずですが、ただナルシストがいる職場の場合は、彼らがフライングモンキーを操ってターゲットに間接的に接触しようとしている可能性があるということを頭に入れておくことも大切だと思います。
仮にフライングモンキーが_『絶対誰にも言わない』_と言ったとしても、誰かに秘密を共有する際は、ナルシストに知られたくない情報をフライングモンキーに与えないことが対処法として効果があります。
あの織田信長の名言に『絶対に絶対はない』とあるように、彼らの『絶対』という言葉を安易に信用しないことも大事なのかなと、私は実際にフライングモンキーからの被害にあって実感したんですね。
フライングモンキーが近づいてきたということは、何か企んでいたりスミアキャンペーンのネタを仕入れようとしている、ナルシストとターゲットの関係をもっとこじらせようとしているなど可能性としては十分にありますし、フライングモンキーはナルシストにもターゲットにもいい顔をします。
ある意味どちらの味方にもならないタイプということが言えますし、間に挟まれて気の毒な一面もありますが、要は八歩美人なんですね。
こっちでもいい顔して、あっちでもいい顔するといった多面性のある性格を持つフライングモンキーですが、ターゲットを陥れるためにフライングモンキーになるタイプも少なくないので、こういったパーソナリティの特性を持つ人が存在することを知っておくだけでも、裏切られたり傷ついたりすることを避けられるのかなと思います。
フライングモンキーについてはまだ日本では情報量もかなり少ないですが、これらはナルシストを扱う上で知っておきたい情報だと思うので、今後もどんどん紹介していけたらいいなと考えています。
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この記事を書いた人
中村りん
渡米後、悪性ナルシスト(Malignant Narcissist)によるモラルハラスメント体験をきっかけにアメリカのナルシシズムに関する知識を得て、2021年情報発信するためYouTubeを開始。日本でまだ知られていない自己愛性虐待や、ガスライティングへの認知度と理解を高めるために活動中。同じ境遇の方の自尊心の回復とエンパワーメントに向けて『目に見えない精神的虐待』や『有毒な人(Toxic person)』への対策を解説。
【YouTube】https://youtube.com/channel/UCfEUQrCx31yDdNPiKqkApMg