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マードックとロスチャイルド人脈による煽動プロパガンダ by 広瀬隆 1

マードックとロスチャイルド人脈による煽動プロパガンダ by 広瀬隆

どこの国でも良識は数が少ないが、時の状況に興奮してしまう人たちがすべて悪いわけではない。悪質なのは、社会の一部を形成する支配階層だ。だがもし、その一部に全体が引っ張られているとすれば、この世は何とおそろしい仕組みになっていることか。

ホワイトハウスの副長官や補佐官クラスのポストを握れば、強力な軍隊を動かして、大量殺戴を実施させることができるというメカニズムが、イラク侵攻で証明された。戦争を望む者が、自ら大統領に就任する必要はない。大統領を国民に選ばせ、あとは周囲が自由にコントロールすればよい。

アメリカでは、軍事シンクタンクという箱の中で金を与えられ、育てられた者の中から、新聞とテレビが論者を選別して表舞台に引き出し、「政治力と軍事力には威圧的な抑制効果がある」と語らせる。

メディアの解説者がシンクタンクの意見を受け売りし、引用し、思い通りに暴論を広める。だがそれは、古い一九五〇年代の手法だ。第二次世界大戦で一度死んだその種の神話を戦後に復活させたのは、アイゼンハワー政権で大量報復論を主張した国務長官ダレスと、それを上回る報復論を展開したキッシンジャーである。 (中略)

第二次世界大戦には、勝者がいなかった(引用注:一般人はですが)。多くの人が戦争の虚しさを思い知った。

空襲の恐怖を知らない人間たち、それが戦後生まれの世代のおそろしいところだ。

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親たちが忘れず語り継いだ恐怖を知らない人間が、自分の勝手な想像で戦争必要論を語ってはならない。それは過去の死者を冒漬し、幼い子供たち次の世代に対してあまりに無責任な態度である。

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われわれの時代は、第二次世界大戦どころか、朝鮮戦争もベトナム戦争も実際に知らない人間が多く、危なっかしくて見ていられない。体験のなさからくる無知と過剰な自信が、井の中の蛙である人間の口を開かせる。無知の知という基本をわきまえず、暴論に乗りやすい。力には力だと、軽軽しく語る政治家と評論家が日本にもぞろぞろいる。

暴力を広めるシンクタンクの実態は、次のようなものである。

この複雑なメカニズムは簡単に説明できないが、まず第一に、シンクタンクは一つ一つの組織がそれぞれ独立して存在するのではない、というところに特徴がある。彼らは国際的に連携しながら、世論を誘導する作業に没頭してきた。理知と見識が理論をよく戦わせ、最後の決断を導くなら、戦争や侵略などは起こり得ない。しかし世界情勢を動かし、歴史上の出来事を決定してきたのは、過去百年にわたって感情であった。アフガン攻撃からイラク侵攻までに彼らのとった戦略が"アメリカ人の感情の操作"にあったことは明白である。シンクタンクの論者は、アメリカ人とホワイトハウスに知性を捨て去るよう求め、独善のほかアメリカの道は残されていないと吠え立て、軍隊の操縦に関して見事に成功した。しかし理知ある世界世論から支持を得ることに、惨めにも失敗したのである。

豊かに肥やされた感情は、頭を休みなく働かせ、鋭くとぎすまされた感性の源となる。人の手を引いて思索に連れ込み、胸三寸に潜む名案を刺激するよう、天から与えられた最も強い力が感情である。しかし、その感情が集団的邪推に陥ると、分別を忘れ去って、かくも簡単に軍事力を動かす、という冷たくも歴史的な事実に早くから気づいたのは、一九三〇年代にヨーロッパでファシズムの台頭に危機感を抱いたフランスの作家ロマン・ロランだった。彼は語った、「理性の感情とは、愛である」と。

だが彼の金言をいま掘り出して胸に当てようとする人間は、二十一世紀には稀有である。いま疫病として地球上のメディアに蔓延する手法は、「感情とは、むき出しの憎悪」という野卑なものに変った。これが最も高い視聴率と購読部数が得られるからだ。

イラク攻撃に関して憎悪の感情を煽ったアメリカのメディアの中で、フォックス・テレビと"ニューヨーク・ポスト"は群を抜いていた。イラク攻撃を続ける米英軍を"わが軍"と呼び、"解放軍"と讃えたのが、フォックスだった。"ニューヨーク・ポスト"は反戦平和論を次々と槍玉にあげて攻撃した。

一方では、二〇〇三年一月、フランスとドイツがイラク攻撃に反対の姿勢を変えないことに業を煮やした国防長官ラムズフェルドが、記者会見で「あれは古くさいヨーロッパだ」と感情を挑発すると、

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二月にはイギリス第一位の大衆紙"サン"がフランスのシラク大統領をミミズにたとえて批判する無気味な特報版をパリで発売した。一面はフランスの三色旗からミミズが生まれ、その頭にシラクの大きな顔がついているという比類なき下品なもので・記事はまったく中身のない欧米同盟必要論だった。

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ラムズフェルド発言にドイツとフランス政界が激怒し、"サン"紙にシラクが心底から怒ったことは言うまでもない。

そのころラムズフェルドを筆頭とするホワイトハウス閣僚たちは、メディアがネオコン(新保守主義者)と呼ぶ、ビル・クリストルが発刊する売れない雑誌"ウィークリー・スタンダード"のイラク先制攻撃必要論に読みふけっていた。

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こうして数々の感情が、そちこちで刺激し合ったように見えた。しかしこの一連の出来事は、いずれもオーストラリアのメディア王ルパート・マードックを震源とする、一つの仕組まれた出来事であった。六九年来イギリスで大衆紙"サン"を発刊してきたのはマードックであり、フォックス放送を八六年に買収したのもマードックであり、"ニューヨーク・ボスト"のオーナーもマードックであり、ビル・クリストルの赤字続きの"ウィークリー・スタンダード"に資金を注いで発刊を維持させたのもマードックである。

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八九年に父ブッシュ政権の副大統領クエールの首席補佐官となったクリストルが退任後、九四年に創刊した"ウィークリー・スタンダード"は、発行部数が創刊時の六万部からまったく増えず、赤字続きだったが、パトロンのマードックは意に介さなかった。

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オーストラリアに生まれたマードックは、戦後にイギリスに渡ってオックスフォード大学を出ると、オーストラリアに戻って父から小さな新聞社を受け継いだ。六八年にはロンドンに進出すると、大衆紙"サン"によって急速に頭角を現わし、七六年からアメリカに進出して"ニューヨーク・ポスト"を買収、ニューヨーク一の発行部数に育てた。八一年にはイギリスの老舗"タイムズ"を「乗っ取り」(「」は引用者)、八五年にアメリカ市民権獲得、翌年ハリウッドの二〇世紀フォックスを買収して、フォックス放送でネットワークを設立。

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それまでアメリカ三大放送NBC、ABC、CBSが支配していたテレビ界を四大ネットとしてアメリカのメディア王に成り上がり、彼が所有するニューズ・コーポレーションメディア帝国と呼ばれるようになった。

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クリストルの求める資金などは、彼にとって微々たるものだった。

「キリスト教徒」(「」は引用者)マードックには大きな後ろ楯がいた。彼の母はユダヤ人富豪ルパート・グリーンの娘なので、ユダヤ教の定義に従えばマードックはユダヤ人として生まれ、クリスチャンになったことになる。マードックの筆頭法律顧問が、アメリカ・ユダヤ人会議会長ハワード・スコードロンだったのはそのためである。

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さらにマードックをアメリカ・メディア界で庇護したのが、熱烈なシオニストで、ABC放送生みの親レナード・ゴールデンソン

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さらにマードックの親友がほかならぬイスラエル首相シャロンだった。

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最も重要な資金面の後ろ楯、それはニューヨークで投資銀行と金融経済顧問を兼ねるロスチャイルド社Rothschild Inc.のアーウィン・ステルザーだった。

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ロスチャイルド社は、九月十一日事件の影響を受けて倒産したトランスワールド航空とユナイテッド航空の破産処理を請け負うなど、アメリカ経済界の最重要案件を扱い、一方で日本の破綻銀行・倒産企業を買収する禿鷹金融グループの黒幕となり、アメリカの鉄鋼業界を支配しつつある。

そのロスチャイルド社を率いてきたステルザーが、マードックの経済顧問で、親友だった。

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ロスチャイルド社の親会社は、世界金融界のトップに立つ胴元ロンドン・ロスチャイルド銀行である。

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マーチャント・バンカーの世界では、リーマン・ブラザース・クーン・レーブやフランス・ロスチャイルド銀行がロスチャイルド社と相互に幹部を兼ね、密接な関係を持ってきたので、シティグループの内部にもその人材が浸透している。

ロスチャイルド社のステルザーは保守派のシンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」を支配して副大統領夫人リン・アン・チェニーを幹部に迎えた。

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九八年からは保守派のシンクタンク「ハドソン研究所」を動かし、"暗黒の王子"リチャード・パールを幹部に引き立ててブッシュ政権のペンタゴンにラムズフェルドの右腕として送り込み、

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研究所の名誉理事に副大統領だったクエールを迎えた。

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そして二〇〇二年にイラク先制攻撃必要論がメディア世界で急速に具体化して、中東に米軍が本格的に展開し始めたのは、八月九日からだった。その日、パールがイギリス紙"デイリー・テレグラフ"に「必要とあればブッシュ大統領は単独でイラクヘの軍事行動を起こすだろう」と寄稿し、世界中が反対する中で戦争を挑発したのである。

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翌月にペンタゴンが、「中東を管轄する中央軍から兵士六〇〇人を演習のため中東カタールに派遣する」と発表し、大軍派遣の扉を開いた。同紙はロスチャイルド家の近親者ウィリアム・ペリーが買収支配し、

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ロスチャイルド一族のユダヤ財閥ハンブローたちが重役室を動かしてきた新聞で、現在ホリンジャー・インターナショナルの子会社だが、パールはその系列会社ホリンジャー・ディジタル会長のポストをあてがわれた。ロスチャイルド子飼いのパールが、ブッシュと米軍を動かしたのである。

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一方でロスチャイルド社のステルザーは、自らマードック支配下のイギリスの"サンデー・タイムズ"にコラムを書き、クリストル編集長の"ウィークリー・スタンダード"を実質支配する編集者も兼ねていた。

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つまり世にネオコンと呼ばれる集団は、全員が彼のロスチャイルド人脈だった。

これが本書冒頭に述べた好戦的シオニズムとネオコンを結びつけたネットワークである。

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広瀬隆 アメリカの保守本流 (2003.9.22) 第4章 シンクタンクがばらまく軍事思想 p199-206より

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参考
アメリカ・ビジネス界のユダヤ人の実態 http://hexagon.inri.client.jp/floorA4F_ha/a4fhc200.html

by oninomae | 2008-10-13 00:39 | 9.11詐欺

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