【R1-Z】クーラントの交換方法を解説する【バイク】 (original) (raw)

あらまし

突然ですが、読者兄貴は冷却系メンテ、やってますか?
真夏の韓国ツーリング中、R1-Zくんがオーバーヒートして大変だった。
そういえば購入して5年間、1度もクーラントを替えていない。
心なしか、夏場はオーバーヒート気味になる機会が増えたような気がする。
いい機会なので、DIYの精神でクーラント交換に挑戦しようと思う。

自分でやる。(至言)

クーラント交換中の様子

クーラント交換の準備

クーラント交換の作業を進めやすいように準備を行う。
作業の邪魔になる部品を取り外したり、メンテナンススタンドをかける。

フュエルタンクを外す

下の構造から分かるけど、クーラントはエンジン内部の他、リザーバタンクにも貯蔵される。

ラジエータの構造

出典:ラジエーターの構造 【通販モノタロウ】

当然リザーバタンク内のクーラントについても交換してやる必要があるのだが、最悪なことにR1-Zの場合、フューエルタンクの真下にこのリザーバタンクが配置されている。
つまり、フューエルタンクを外さないとクーラントを注入することができない。
全てをデザインに振ってしまった弊害だ。

まぁ文句言っても仕方がないので、サービスマニュアルに従ってフューエルタンクを外そう。

シートを外すとタンクを固定しているネジが現れる。
タンクはこのネジ1本で車体に固定されている。

タンクを固定しているネジ

続いて燃料のホース類を抜く。
クリップの掴むところをラジオペンチで掴み、下方向へずらし、ホースの拘束を解く。
ホースの端っこをラジオペンチで押すようにして外す。

R1-Zのタンク回りの構造

⑤、⑧.⑨のタンク側の端を引っこ抜く

これでタンクが外れるので、作業の邪魔にならなくて傷つかないどっか適当な場所に置いとく。

これでリザーバタンクにアクセスできるようになった。

R1-Zのリザーバタンク

メンテナンススタントを立てる

R1-Zの...というか多くのバイクの場合、クーラントのドレン口はサイドスタンドと逆側についている。

まぁ何が言いたいかって言うと、サイドスタンドかけたままだとドレンとは逆側にクーラントが偏って、うまく排出できないよってコト。

そこで、メンテナンススタンドをかけて車体を直立させる。

レーシングスタンドを掛けた状態

さすがに駆け方までは書かないので、各自で検索して。
あ、チー牛が記事にするかも。

古いクーラントを排出する

エンジン内部から、古いクーラントを除去する。

リザーバタンク内のクーラントを抜く

まず、リザーバタンク内のクーラントを排出する。
バンドクリップを外し、リザーバタンクとラジエータを繋いでいるホースの、ラジエータ側を引っこ抜く。
この際、外した瞬間ホースからクーラントが流れ出るので、ペットボトルなどで受けよう。

リザーバタンクとラジエータを繋ぐホース

クーラント交換のみの作業であれば、リザーバタンクを外す必要はないが、今回はリザーバタンクを取り外し、内部を洗浄する。
リザーバタンク内部には、クーラントが運んできた汚れが蓄積している場合があるためだ。

リザーバタンクの取り外しのため、サイドカバーを外す。
これを外さないと、リザーバタンクをフレームから摘出することができない。

R1-Zのサイドカバーの外し方

次に、リザーバタンクを止めている2本のネジを外す。

R1-Zのリザーバタンクの外し方

M10だったはず、確か

最後に、サイドカバーがハマっていた隙間からリザーバタンクを引っこ抜く。

エンジン内部のクーラントを抜く

クーラント排出の準備が整ったので、クーラントを抜いてゆく。

まずは適当な受け皿を用意し、ドレン口の下に配置する。
勢いよく出てきたクーラントが容器の底にあたって飛び散るので、なるべく深めの奴がいいかも。

クーラントを受ける容器をセッティングした状態

次に、ドレンボルトを外す。
この段階ではまだクーラントの勢いは弱い。

最後にラジエータキャップを外す。
ラジエータキャップには、走行中などに簡単に開かないよう、ストッパーが付いている。
ストッパーを外したうえで、キャップを反時計回りに回し取り外す。

ラジエータキャップの構造

このときクーラントが勢いよく流れ出るので、周囲に飛び散らないよう、容器の大きさや位置なんかを工夫しよう。

クーラント排出の様子

クーラント排出の様子

今回チー牛が使用した以下のオイルパンは、広さは十分だったが深さが足りず、容器の底にあたった冷却水がそこらじゅうに飛び散った。

ProTOOLs(プロツールス) オイルドレンパン TOOL023

流路内に残った古いクーラントを精製水で洗い流す

ラジエータキャップから精製水を注ぎ、流路内に残った古いクーラントを洗い流す。
ちなみに今回チー牛は水道水を使用した。
大丈夫でしょ、多少はね。

まず、注入した水が抜けないよう、ドレンボルトを組み付ける。
ドレンワッシャは交換しなくてよい。
一応締め付けトルクは1.6kgm(16Nm)となっている。
まぁすぐ外すんで、手締めでいいと思うけど。

クーラントのドレンボルトの位置

次に、ラジエータの注水口から水を満タンまで入れる。

ラジエータへ注水する様子

注水の様子

最後にドレンボルトを外し、排水する。

新しいクーラントを注入する。

クーラントを充填する

新しいクーラントを補充する。

まずは注入したクーラントが抜けてしまわないよう、ドレンボルトを装着する。
この際、念のためドレンワッシャを新品に交換する。

クーラントのドレンワッシャ

シール性能を考慮し、1kt用のアルミワッシャを使用した。

溝が刻まれている面がエンジン側になる。

次に、ラジエータの注水口から新しいクーラントを下記赤線のラインまで入れる。
注水時、クーラントが周りにこぼれないよう、漏斗を使うとよい。

クーラントの上限水位を示した画像

赤線まで入れる

今回チー牛が使ったのは以下のクーラント
水で割る必要がなく、お手軽なのがよい。

キジマ (kijima)バイク バイクパーツ クーラント ケミテック(KEMITEC) PG55HQ ピンク 2.2リッター ZKM-HQ201

最後にラジエータキャップを閉める。

リザーバータンク/フュエルタンクを組み付ける

エア抜きのため試走する必要があるので、一旦リザーバタンクとフュエルタンクを元通り組み付ける。

基本的には↑で紹介した手順の逆をやればいいので解説は省略する。
ホース類を組み付ける際、バンドクリップは付けなくてよい。
また、ボルトはとりあえず締まっていればよい。どうせすぐ外すので。

試走&エア抜き

この状態ではまだ冷却水の流路内にエアーが残っており、十分な量のクーラントが入らない。
そこで試運転を行い冷却水を循環させることで、流路に残ったエアーを掻き出してやる必要がある。

まずは適当に10kmくらい走ってくる。

続いて、ラジエータキャップを外し、クーラントを上限レベルまで追加する。
その後、ラジエータキャップを閉める。

リザーバタンクにクーラントを入れる

最後にリザーバタンク内にクーラントを投入する。

リザーバタンクにアクセスするにはフューエルタンクを外さなければならないので、面倒だが再度フューエルタンクを外す。

次に、リザーバタンクにクーラントを適量入れる。
液面がLowerレベルとUpperレベルの中間になるよう気を付ける。
ついでにリザーバタンクのボルトを締める。

バイクのリザーバタンクにクーラントを入れる様子

リザーバタンクにクーラントを入れる様子

最後にフューエルタンクを組み付ける。