【学会】坂口安吾研究集会・中原中也の会(合同研究会) (original) (raw)

安吾と中也の合同研究集会というメチャ面白そうな研究会が開催されるという情報をメールでもらったものの、ブログで紹介しても会場が遠すぎるのでスルーしていたら、印刷されたチラシまで送ってくれたので紹介しておくことにしたヨ。講演が町田康というのも魅力だネ。会場が中也の生まれ故郷の湯田温泉だから中也の会が主体なンだろうけど、在職中に小林秀雄と中也の関係がテーマになった際に呼んでもらったこともある。お蔭で湯田温泉をタップリ味わうことができた上に、(山口生まれの)香月泰男の画集までゲットできたヨ。

その時の中原中也の会で研究発表した立大博士課程だった吉田恵理さん(現・都留文科大学)が、今回は全体の司会を務めるというのだから時の流れの速さに驚くばかり。

坂口安吾研究会 第43回研究集会/中原中也の会 第29回大会

◇期日:2024年9月7日(土)

◇会場:かめ福オンプレイス(山口市湯田温泉

〒753-0056 山口市湯田温泉4-5-2

https://kamefuku.com/access/

参加費:500円(事前申込不要・先着順)

※オンライン配信あり

(詳細は後日ご案内いたします)

◇テーマ:昭和文学と同人誌──坂口安吾中原中也

昭和初年代、多くの同人誌が創刊された。坂口安吾中原中也もやはり、その時期に同人誌を舞台として文学の世界にあらわれた作家たちである。

安吾アテネ・フランセの友人たちと「言葉」を創刊して「木枯の酒倉から」を発表、後継誌「青い馬」(二〇一九年に三人社より復刻版が刊行)には「風博士」「黒谷村」「FARCEに就て」などを執筆している。「風博士」を激賞した牧野信一が主宰する「文科」は同人誌ではないが、同誌を介して小林秀雄河上徹太郎青山二郎らと出会った。かつてアテネ・フランセに通ったことのある中原中也は河上らと創刊した「白痴群」に精力的に詩を発表、同誌廃刊後は雌伏状態になるが、一九三三年に創刊された「紀元」創刊を機にふたたび文学活動が活?になる。安吾は「紀元」同人ではなかったものの、同誌との関わりは深い。

同人誌での活動やそこで出会った人々が、安吾と中也、ふたりの作家にどのような影響を与えたのか。そのことを、ふたりの接点に必ずしもこだわらず、昭和文学の問題として考えたい。

◎講演:町田康(作家)「抑揚と跳躍」14:10~15:10

「抑揚でジャンプ」

中原中也の事について話すに当たってその予告文をこれから書きますが、それについて今(七月五日)、漠然と考えていることと、開催当日(九月)までの間にまた考えが変わって別の話になるかも知れません。しかし、それは表面上のことで、根底のところではそれらは繋がっているので安心してください。といって皆様方におかれては別にそんなことを不安に思っていないのかも知れません。不安なのはむしろ此方なのでしょうよ。という、しょうよ、というのは私は山頭火の口調を真似ているのですが、そうした場合、関係ない山頭火の話をするな、という方もおらっしゃることでしょう。でもけっこう関係がありまして、山頭火は中原家と付き合いがあった。それを私は中原中也記念館の「山頭火湯田温泉」という企画展の案内頁を見て知りました。中也の弟・呉郎と仲が良かったそうです。私が知っているのはそれだけですので、その話はいたしません。ではなにの話をするのかというと、調子、ということについて話をするのだと思います。前に、「坂口安吾中原中也」というテーマで文章を書いたことがあって、その際、上昇することと下降すること、描くことと唄うこと、について考えたのですが、それから始まって、唄い調子、ということは今は滅せられて余りありませんが、短歌、と言って歌の字が付いていること、それから多くの人が歌詞付きの楽曲を自作してこれを自演していること、など含めて、抑揚による跳躍ということを中也がどれほどやっていたのか。ということをこれから考えて話そうかと思いおります。俺は何も知らないので、知ってることを話すことが出来ず、その都度のライブになってしまいますので、すみませんが予告はこんなことでお許しくだされ。

[共催]山口市、公益財団法人山口市文化振興財団

◎パネルディスカッション「同人誌『紀元』の空間」15:25~17:00

パネリスト:大原祐治・佐藤元

司会:吉田恵