【LGBTQ+】熊本県保険医協会主催「LGBTQの医療や教育を考える研修会」に参加しました! (original) (raw)
どうも。南弘一です。千原台高校の校長をしています。とともに、地元熊本でサッカー解説の仕事もしています。
今日のタイトルは、
【LGBTQ+】熊本県保険医協会主催「LGBTQの医療や教育を考える研修会」に参加しました!
です。
9月28日㈯の午後7時から熊本市のパレアで開催された熊本県保険医協会主催「LGBTQの医療や教育を考える研修会」に参加して来ましたので、今日はこの話題をお話しします。よろしくお付き合いください。
熊本県保険医協会とは、熊本県内の医師、歯科医師の方々を中心とした医療関係者の会です。
ということで今回の研修会には、「~医療や教育の現場で出来ること、当事者の体験を通じて~」というサブタイトルがつけられています。
内容は、
講演(70分) 【講師】保団連理事・静岡県保険医協会副理事長 山田美香氏
特別発言(20分) 【講師】千原台高校校長・LGBT教育アドバイザー 南弘一
となっており、私も「性の多様性(Sexual divercity)の現状と課題」というテーマでお話をさせていただきました。
今回の講演で講師を務められた山田美香氏は、LDBTQ+当事者であり、生まれたときの性別は男性だったのですが、現在は女性として生活されている方です。
資料には以下のような略歴が記されていました。
1961年 静岡市に長男として産まれる。幼少から性別に違和感を抱く。
1989年 神奈川歯科大卒業
1994年 歯科医院開設
1998年 女性名に改名
2004年 戸籍の変更
現在に至る
山田氏の講演は、
「女性に伺います。
ある朝起きたら突然体が男性になっています。髭が生えていて、胸は平らで、男性器もあります。髪も男の髪型で、声も男声、ワードローブには男物の服しかありません。仕方がないので、そこにある服を着て職場に向かうと、誰一人として女扱いしてくれません。男として扱われます。
さて、こういう事態になったらどう感じますか?どう行動しますか?」
「男性に伺います。…」(以下、上記と反対の問いかけ)
という参加者への問いかけから始まりました。
「性同一性障害(現在は呼称が変更されようとしていますが、私が生きてきた中ではこの呼称が使われていたので、今日の話の中ではこの呼称を使いますと説明されました。以下、GIDと表記)は、こういう状態が何年も何十年も続いているのです。『間違った性別』を押し付けられているのです。ですから『本来あるべき性別』を取り戻そうと必死になるのです。それが、職場や学校や家族からは『女装している』『男装している』と非難されるのです。」
というご本人の経験から痛切に感じられている思いが続きます。
その後「日本におけるGIDの歴史」を話される中で、
「私が日本で最初に男性から女性への性別適合手術を受けることになったのです。」
というご自分の体験を語られました。
1969年 安易に性別適合手術を行った産婦人科医師が優生保護法(当時)違反で逮捕された
1970年 同医師に有罪判決確定(東京高裁)
1973年 タレントのカルーセル麻紀さんがモロッコで性別適合手術を受ける
1979年 名古屋高裁が性別変更申し立てを却下(これにより「性別は性染色体に基づくという判例が定着)
という歴史の中で「性別適合手術は違法」という時代が長く続くことになったという歴史は私自身も知らなかった事実でした。
その後、山田氏自身が「日本初の男性からへの性別適合手術」を受けるという体験を経て、様々な運動をされる中で、社会が少しずつ動いてきていたのです。
さらに「GIDの診断と治療」についてお話しされ、
「治療は『精神療法』、『ホルモン療法』、『手術療法』という3段階で行われる。」「『精神療法』と『手術療法』は『保険適用』となっているが、『ホルモン療法』は『保険適用外』であり、一度これを行うと『手術療法』も『適用外』とされるために、現実的には『手術に保険が適用できない』という現実がある。」
という説明をいただきました。
私自身にとっても大きな学びのある研修会でした。ここで学んだことを今後の活動につなげていきます!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日一日が、あなたにとって素敵な一日になりますように。