♪ お盆と子守歌 「竹田の子守歌」「五木の子守歌」 (original) (raw)

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お盆あたりを境にして、それまでの猛暑・酷暑が少しはましになるかと思いきや。
最寄りのアメダス兵庫県・西脇)は13日・14日と二日続けて「39.5度」を記録して全国一とか!

そんな夜はナイター終了後にSoptifyなどで、短時間ですが昔懐かしい好みの曲をサーフィン(笑)
ふと思い出したのは歌詞に「お盆」を含んだ子守り歌のことでした。
一つ目は「竹田の子守歌」で、若い頃は今と違って簡単にネットで検索もできないし、「竹田ってどこの竹田?」ぐらいの認識でしたが、切々としたメロディーと哀愁漂う歌詞は印象的でした。

一、

守りも嫌がる 盆から先にゃ

雪もちらつくし 子も泣くし

二、

盆が来たとて 何うれしかろ

帷子(かたびら)はなし 帯はなし

三、

この子よう泣く 守りをばいじる

守りも一日 やせるやら
四、

早もゆきたや この在所越えて

向こうに見えるは 親の家

1960年代の後半、うたごえ運動の展開を背景として京都の伏見区で採譜・編曲され、初めは合唱曲として歌われた。その後関西フォークの歌手たちのレパートリーとして取り上げられ、「赤い鳥」の歌唱によってその叙情的なメロディーと歌詞とが評判になる。 しかし、歌詞と被差別部落との関係が取り沙汰されるようになると、放送自粛の動きが広まり、「放送で流されることのない歌としてはもっとも有名なヒット曲の一つ」となった。(Wikipedia

いろんな歌い手の演奏の中でも、山本潤子さんの歌い方が最もこの曲にふさわしいと思います。
一番の歌詞に「盆から先にゃ 雪もちらつくし」とありますが、いくら京都の北部とは言え、現実には4~5ヶ月も先のことです((^_^))

昔と違って、テレビ・ラジオなどで放送されなくても、YouTubeをはじめとして興味をもって聴こうと思えばいくらでも聴けるのですが、「放送自粛」は過剰反応のような気もしますね。

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「五木の子守唄」のほうは中学の音楽の教科書にも載っていたように思います。(記憶に自信はありません)
こちらの歌にも一番の歌詞に「お盆」が繰り返し出てきます。

両者に共通して、お盆のあとの「藪入り」で里帰りを待ち望む子守りの気持ちが痛々しい程に伝わってきます。

残念なことは二番の歌詞の「かんじん(勧進)」という言葉は「流浪の被差別民」という意味を持つため、被差別部落を扱った歌として放送を禁止された「竹田の子守唄」と同様の扱いをされているということです。

おどま盆ぎり盆ぎり
盆から先ゃおらんど
盆が早よ来りゃ早よもどる

おどまかんじんかんじん
あん人しとたちゃよか衆し
よか衆ゃよか帯よか着物きもん

おどんがうっ死ちんだちゅて
誰だいが泣にゃあてくりゅきゃ
裏の松山蝉が鳴く

※おどまいやいや
泣く子のもりは
泣くといわれて憎まれる

※ねんねいっぺん言うて
眠らぬやつは
頭叩いて尻ねずみ

※ねんねした子に
米ん飯食わしゅ
きなこおれにして砂糖つけて

※ねんねした子の
かわいさむぞさ
起きて泣く子の面憎さ

※子どんがかわいけりゃ
守りに飯くわしょ
守りがこくれば子もこくる

※つらいもんばい
他人の飯は
煮えちゃおれどものどこさぐ

※おどまバカバカ
バカんもった子じゃっで
よろしゅ頼んもす利口か人

※おどまかんじんかんじん
ぐわんがら打ってさるこ
ちょかで飯ちゃあて堂にとまる

※おどんがこん村に
一年おれば
丸木柱に角がたつ

※丸木柱に
角たつよりは
おどまはよ暇んでればよか

※花が咲いても
ろくな花ささん
手足かかじるイゲの花

※おどんがおればこそ
こん村もめる
おどんが去たあと花が咲く

おどんがうっ死ちんだちゅうて
誰だいが泣にゃてくりゅうか
裏の松山蝉が鳴く

蝉じゃござらん
妹でござる
妹泣くなよ気にかかる

おどんがうっ死んだら
道ばちゃいけろ
通る人ごち花あぎゅう

花はなんの花
つんつん椿
水は天からもらい水

※おどんがとっちゃんな
おん山おらす
おらすともえば行こごたる

※印は筆者が初めて知った歌詞。内容的にあまりに悲痛なために一般には広がらなかったのでしょう。

五木の子守唄(いつきのこもりうた)は、熊本県球磨郡五木村に伝わる子守唄である。子守唄には子守女がみずからの貧しく恵まれない薄幸な境遇(年貢代わりに働かされる)を嘆き、悲しい日々の生活心情を基盤に,この種の子守唄は伝承されてきている。第2次大戦後レコードに吹き込まれてから大流行した…-Wikipedia

こちらは「竹田の子守歌」に比べると、難解な方言が入り、意味がとりにくいですが、知れば知る程に子守りの置かれた境遇の哀れさが感じ取れますね。

もう教材になる可能性はないようですが、今の若い人たちにも知っておいてもらいたい歌だと思うのですが・・・。