陳腐な話には耳を傾けない (original) (raw)
やっぱりこの人はアホやった。最後にこれまでの戦歴を貼るけど、面白くも無い話に「(笑)」とか書いてくる人間なので直接やり取りする価値も無い。勝手に批判する。
「美しいコードを書くのが自分の仕事」と思っているエンジニアは、生成AIによって職を奪われる。もっと「上流のスキル」を重視しないとヤバい。その意味では、生成AIを活用したデジタルサービスの創出や既存業務の改革を企画し、システムを開発するのは、エンジニアを鍛える格好のテーマになるぞ。
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2023年9月11日
たったこれだけなのに、ツッコみどころが多過ぎて困る。1つずついこう。
- 【その1】「美しいコードを書くのが自分の仕事」と思っているエンジニア
- 【その2】生成AIによって職を奪われる
- 【その3】もっと「上流のスキル」を重視しないとヤバい
- 【その4】生成AIを活用したデジタルサービスの創出
- 【その5】既存業務の改革を企画
- 雑なおじさんの過去の戦歴
【その1】「美しいコードを書くのが自分の仕事」と思っているエンジニア
エンジニアとはまた大きく出たな。IT系だけがエンジニアじゃねーよ。他の分野のエンジニアに手をついて詫びろ。
職業プログラマでそんなやついるか?っていうツッコミもあるけど、本当に存在するなら存在するのは別にいいじゃん。
細かい話をすれば、美しいコードにしようと心がけているプログラマは沢山いると思うけど、自分の仕事とまでは思わんでしょ。だって職として「美しいコードを書く仕事」ってつもりで就職したりしてないし、フリーランスも「美しいコードを書く仕事」ってつもりで案件受注したりしないもん。結局長らくIT系雑誌関係をやってて何も分かってない。そこは同じじゃねーよ。ITエンジニアってITの二文字加えることもできない程度の雑さだもんな、仕方ない。
【その2】生成AIによって職を奪われる
このブログではコード系の生成した結果はエントリに書いてないけど、機能確認はしている。ある程度生成はできるけど、100%必要なコードが出てくるわけじゃないよ。できたねーってだけで特に面白くもないので書かないだけ。
今のところ生成できるのは、それほど難しくないもの。それにしたって生成させるためのスクリプトをしっかり書かないと要求仕様に合致しないわけで、そのスクリプトに求められる精緻さを考えればプログラミングした方が早い、今のところ。
生成AIのごく基本的な部分なんだけど、人間が作り上げてきたものを学習し、その結果を元に生成するので、現状で専門家にできないことができるAIなんてほぼ無いのよ。
例えばアプリを作るとして、「なんか良さげな定員割れ大学マッチングシステム作って」って言われて作れる奴はいないのよ。「良さげとは何?」とか各大学に出させる情報とか何をマッチングの条件にするのか、細かく調べたり聞いたりしていかなきゃ分からない。今の生成AIでもそれは同じ。簡単に生成できるのは定型のものだけ。
初心者向けの練習問題になるようなHello Worldだのマージソートだのバブルソートだのは、スクリプト1センテンスで簡単に生成してくれるけど、ユーザーアプリやシステム系のプログラム生成なんて気が遠くなる。しかも直さなきゃ動かないなら最初から書いたほうがいい、現状では。誰が動くように直すの?
【その3】もっと「上流のスキル」を重視しないとヤバい
生成AI、仮にもっと簡単に精緻に生成できるようになったとしよう。詳細設計書読んで生成してくれるレベル。その詳細設計書って誰が書く?上流工程の奴らには全部は書けないよ。
使用するプログラミング言語の言語仕様を意識しなければならない部分もあるし、上流工程ではブラックボックスとして〇〇機能みたいにしていた部分についても、入力、出力の内容に沿って内部処理を考えなきゃいけない。さらには画面設計、帳票設計、DBのスキーマ設計みたいにベタな部分もある。それは上流工程では全部決まっていないの。誰かがやるの。プロジェクトは段階的に詳細化されるというプロジェクトマネジメントのごく基本が分かってない、このおっさん。
河川と同じで、上流であっても下流であってもそこに貴賎は無いの。上流だけの河川は無いの。それは流れないから池や沼や湖だ。
個人が「上流のスキル」を重視するのはいいことだけど、個人が「上流のスキル」を重視しないとヤバいというわけでもない。下流のベタな実装をきっちりやる人も必要。
なんか本もあるみたいよ。本見たらできる新人エンジニアwでもできる程度ならヤバくはないんじゃね?
【その4】生成AIを活用したデジタルサービスの創出
それは帰納的に考えることじゃない。演繹的に考えなければまともなものが出てこない。図は過去にも使ったもの。
デジタルサービスの創出において、「生成AIはこういうことできるからこういうデジタルサービスをやろう」なんて発想では資金力勝負になる。やってみるまでもない、金持ってる奴が勝つ。スピードも広告活動・営業活動などを含めた展開力も。
「生成AIはこういうことできるからこういう事をやろう」っていう利用者レベルなら別にどの企業でもできる。成功・失敗はそれぞれだけど。でもそういうアプローチなら社内利用に留めないと。
デジタルサービスを創出するなら、生成AIに現在できるかできないかは関係なく、何か実現すべき目標を考えないと。で、そこからどのように実現するのかを考える。全部は生成AIでできないけど、人使えばいいとか、何か別の仕組みを使えばいいとか、なんなら生成AI拡張開発しちゃえとか、実現するための方法を考えるようでなければいけない。
そういう意味で、「生成AIを活用したデジタルサービスの創出」って言いだした時点で、「あ、こいつ分かってない」って話になる。ちょっと上にも書いたけど超お金持っているなら話は別。
【その5】既存業務の改革を企画
悪いけどそれは生成AIに向いてない。もちろん、文脈的に既存業務の改革の企画を生成AIにやらせるって話ではないと思うけど。それは向いていないんじゃなくて無理。
既存業務って改革しようと思ったら、まず人(あるいは社内外の組織)の動きを見なきゃ。改革できるポイントはそこ。
生成AIの出番なんて、すでに出ているような話くらいしかない。例えばメールの生成とかのようなドキュメント系。チャットも含む。ドキュメント系なら生成だけじゃなくチェックにもAIが役立つ。
ただその程度を改善を「既存業務の改革」とか言っちゃう恥ずかしい人なら既存業務の改革なんだろうけど、それが改革?改革ってそんな軽い話だっけ?改革は言い過ぎだろ。何かを置き換えるだけならせいぜい改善である。置き換えた結果5割減みたいなすごい数字が出ればまた別だが。
面倒なのでスクショだけど、改革って制度を変えること。改革っていうならビジネスプロセスを変えるような大仕事だよ。この人、知ったふうな言葉並べているだけで陳腐なんだよ。
ついムカついて長くなってしまった。