332.いろは歌に記されたイエスとモーセ、そして恵比須 (original) (raw)
いろは歌とは。どのように成立したのだろうか。またいろは歌のナゾとは。次の流れで紹介していく。
・いろは歌の成立
・いろは歌
・いろは歌のナゾ
・いろは歌に関する記録
・金光明最勝王経
・金光明経の漢訳
・ゑひもせす
・まとめ
■いろは歌の成立
47文字の仮名文字を使って作られた誦文(ずもん)、歌。
誦文(ずもん)とは、じゅもんであり、経文やまじないの文句を唱えること。
なお、仮名文字とは漢字を元につくられた文字。
仮名文字が使われ始めたのは9世紀。
字形が確立したのは11世紀。
単に47字の文字を使っただけではない。
文字の重複がなく、七五調となっている。
ただし「ん」はない。
なお、歌の最後に「京」と入れる場合があるとされている。
■いろは歌
いろはにほへと
ちりぬるを
わかよたれそ
つねならむ
うゐのおくやま
けふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす
■いろは歌のナゾ
最初の行の「い」、そして最後行のはじめの「ゑ」と終わりの「す」を取ると
「いゑす」となり、「イエス」の文字が現れる。
ゑは古くはwe、中世末期にje、近世以降にeとなったとされる。
また、上記のいろは歌を7文字ごとに改行をする。
すると、次のようになる。
いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむうゐのおく
やまけふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす
各行の最後の文字を取る。
すると「とかなくてしす」となり、
・「イエス」
・「とが(罪)がなくて死す」
をあわせて、罪がなくて死んだイエス・キリストをあわらすものではないかとする説ある。
以下ではいろは歌が成立した時代や記録などを探っていく。
■いろは歌に関する記録
作者、成立年代ともに不明だが、10世紀末から11世紀半ばごろに成立したのではないかと考えられている。
いろは歌が記載されている最古の記録は
「金光明最勝王経音義(こんこうみょうさいしょうおうきょうおんぎ)」とされる。
金光明最勝王経音義の成立は1079年、承暦3年。
こちらも著者は不明。
金光明最勝王経音義は「金光明最勝王経」という経典に用いられている漢字の意味や発音を説明したもの。
■金光明最勝王経
金光明経はサンスクリット語にいうスヴァルナ・プラバーサ・スートラ。
成立は4世紀頃とされている。
仏教仏典のひとつで大乗経典に属する。
日本では護国三部経のひとつ。
国家の安泰を願って用いられたもの。
法華経、仁王経、金光明経が護国三部経である。
■金光明経の漢訳
金光明経の漢訳版の成立については
・金光明経(4巻):曇無讖が412年から421年頃にかけて漢訳したもの
・合部金光明経(8巻):宝貴らが597年に編纂したもの
・金光明最勝王経:唐の義浄が自身がインドから招来した経典を新たに漢訳したもの
などがあるとされる。
金光明経は古くは「曇無讖」のものが伝わっていた。
そして義浄のものが伝わった。
さらに聖武天皇(在位:724年~749年)が写経、全国に配布した。
聖武天皇の時代、天然痘の発生などから聖武天皇は仏教に深く帰依。
・741年(天平13年)に国分寺建立の詔
・743年(天平15年)に東大寺盧舎那仏像の造立の詔
を出した。
■ゑひもせす
金光明最勝王経 をあたると、
いろは歌の最後の行、「ゑひもせす」は
・恵〈會/廻〉
・比〈皮/非〉
・毛〈文/裳〉
・勢〈世〉
・須〈寸〉
である。
ゑひすの箇所は「恵比須」となっている。
また、毛勢については「モーセ/モーゼ」が想起される。
モーセは旧約聖書、紀元前17世紀~紀元前13世紀頃の実在の人物。
「ゑ」という文字については上述のとおりで
・古くはwe
・中世末期にje
・近世以降にeとなったとされる。
恵(je)、勢〈世〉、須〈寸〉でジーザスとも読める。
また、いろは歌の末尾に「京」の字を入れたということが1287年(弘安10年)に成立した了尊の「悉曇輪略図抄」に記されているとされる。
秦氏が平安京の造営などに携わったことなども関連しているだろうか。
また公家などはかつての渡来人の豪族の末裔と考えられる。
当時の仏教などのリテラシーの高いインテリジェンス層は、いろは歌による日本語の習得や写経のなかで知的な言葉遊びをしていたのだろうか。
■まとめ
・いろは歌は文字の習得などで使われた歌
・成立は10世紀末から11世紀半ばころと考えられている
・イエス、トガナクテシス
・モーセ
など旧約聖書や新約聖書の人物名が現れる。
イエスの箇所の元の漢字は恵比寿があてられている
なお以上から10世紀末から11世紀半頃のインテリジェンス層からして
恵比須とは
・新約聖書(キリスト教)
ないしは
・旧約聖書(ユダヤ教由来)の民族
に由来する民族であったとして間違いないのではないだろうか。
<参考>
・いろは歌 - Wikipedia
・金光明経 - Wikipedia
・護国三部経 - Wikipedia
・聖武天皇 - Wikipedia