写真とカメラのお話 (original) (raw)
写真大学に入学したい筆者はこのごろポートフォリオ製作だ面接練習だと多忙で、夏休みも明け学校が始まるわ面談と指定校推薦校内選考と文化祭と定期テストが隔週で来るわ、東京芸大の藝祭に行って勉強してくるとかその帰りに横浜の写真屋に立ち寄ってフィルムを現像に出すとか、ようはものすごくワタワタしてるのです。
何って、ブログが遅筆なことの言い訳ですが。
それで、今回も夏休みの帰省で撮ってきた写真をぶん投げてゆくのですが。この日は8月15日の真夏日、多少なりとも涼しい外出をしようということで、弥彦山に登ってまいりました。
まずは御参りですね。これは弥彦神社の参道です。普通は二礼二拍手一礼ですが、ここはどうやら二礼四拍手一礼らしいのです。
ところで、カメラの紐をレンズが体側を向くように肩掛けすると、腰骨にシャッターボタンが当たってこんなのがいつの間にか撮れていたりします。鬱陶しい
この日は全カットRAW撮影、Lightroomで現像しています。歪曲収差補正をかけたいのと、現像の練習も兼ねて。
登ったったってロープウェイです。いくら当方17歳の若者といえど、35℃の猛暑かつときどき直射日光アリの山道を登る気にはなりません。ステイ。
乗り込みました。山麓駅を出発し、道のり約1kmを5分かけてのぼります。
高さはスカイツリーと同じとのことですから、斜辺1kmと縦0.634kmで横の移動距離も求められそうですねってウルセエ有効数字揃えろ
のぼのぼ登ってゆきます
つきました。そこそこ涼しくて助かります。ガイドさんの話によれば気温が下界より5℃ほど低いらしいのですが、それに加え風も吹いていて数字以上に快適度が上がったような感じです。
下界と山と鷹。空気遠近法が効いて青っぽく写るせいで涼しそうですが、そんなわけはない
山頂駅で降りたんですが、べつにあれが山頂なわけではなくてここからは普通に登山です。先ほどは涼しいと感じていたものの、いうて5℃低いだけなので、死が瀕死になっただけの差。
山頂の一枚。クソデカ電波塔がありました。この他にもNHKの基地局とか通信・放送関係の設備がたくさん。うまく色がはまらなかったのでリバーサル風にしてみたつもりですが、なんか違いますね。
山頂付近は曇りと晴れが混在しているような天気で、望遠で一か所だけ切り取るとすこぶる天気の悪い日のように見えます。
リゾート地っぽいのが見えますが何でしょうね。ともかく海がひらけてるのが良いです。
山頂から降り、さらに山頂駅も通り越して反対側へ。写真中央に見える建物が山頂駅からすぐのフードコート、奥に乱立するアンテナ群は山頂に上るまでの道で見た電波インフラどもです。
特に書くべきこともなく、ただの山道。写真右側のデカい丘に登ってきました。もうね、5℃涼しいのがどうしたって言うんでしょう。暑いもんは暑い。無理。
超望遠450mm。タンカーが独り浮かんでいます。
下山。たいして涼しくないどころかきちんと滝のように汗をかき、脂肪も多少燃えたことでしょう、疲れました。正直途中から写真を撮るどころではなく、後半は体力を振り絞って震えながら撮ったものばかりです。気温が高いってほんとにそれだけでいろいろ持ってかれるんです。
今回はこれにて。ゲロ暑は次で終わろうと思いますが、その前に新しく買ったレンズの感想を一本上げることになるでしょう。これを書き終わったのは10月13日、登った8月15日からずいぶん経ってるのですが、その間にDX35mmf1.8を買っちゃいましてですね…まあとにかく、もうしばらく先になりそうです。ほな
今回は文章が主です。写真見せろって方はべつの記事をご鑑賞くださいませ。
DX 35mm f1.8を買いました。二度目。ええ、こんどは新品で買いましたよ。なんのこっちゃって方はここから三つ前の記事を読んでみてください。
は?
いやいや新品ぞ?しかも円形絞りぞ?なんだこの有様は。f2.5でこれなので、解放やf2.2なんかでも結構いびつ。コイツァ困るぜニコンさんよぉ。その日のうちに返品しました。チクショー
ところで。ものすげー後ピンなんですよ、こいつ。この写真は試し撮りがてらに自宅の郵便受けを撮ったものですが、左の柱に這うツタにAFしたはずなのです。どこにもピンが来てないじゃねーか。で、ここで私はこう思ったのです。そういえば、元々あったDX18-70やこの前中古でDX35f1.8を買った時も後ピンだったな...と。DX18-200VRIIやタムロンB016でピンボケしなかったのはもしかして単に暗黒レンズだから被写界深度がデカかっただけなのでは...??と。
使ったことのあるレンズ5本中3本で後ピン、しかも無事な2本が双方暗黒レンズとくれば、もはや本体側のピントズレを疑わないわけにはいきません。もしかして我が愛機D90、ピントズレ個体...ッ?!
とは言ってもやっぱりB016ではまったくピンボケせず極めて正確に合焦するので、こりゃあどうなってんだという気分は拭いきれませんが。
しかししかし、ここで大悲報です。D7000より上の機種には搭載の「ピント微調整」という機能、D90には無い。では公式の調整サポートはどうかとサイトに飛ぶが当然のようにサポート切れ(2008年発売なのでしかたない)、ええいままよとダメ元で問い合わせてみるもやはり無理なもんは無理。どうしようもないじゃねーか。
いやぁ、踏んだり蹴ったり。というか、D90っていいカメラなのに、ニコンから割と冷遇されてるんですよね。EXPEED搭載世代なのにAF-Pレンズ非対応って何すか?ってまあそれはおいといて。
で、ですよ。一眼レフレックスカメラにおける位相差AFは、ファインダー像用のメインミラーとAF用のサブミラーがあって、このサブミラーの角度をほんの少し調整すると、それがそのままAF調整になるらしいのです。まあ理屈はわかりますが、そんなこと出来んのか?と。思っていた。...出来るらしいんですよ。
色んなブログやらを漁るうちに、どうもニコンの一眼レフにはミラー角度調整用の穴があり、そこに六角レンチを突っ込んで回せるらしいというのが見えてきました。その穴の位置というのがなんとミラーボックスの内側、センサーのホンの手前の右手。いやいやいや怖すぎだろ。(下敷きにされているパイモンは気にせんといてもろて)
たかがf1.8程度の被写界深度でピンボケするAFはハッキリ言って使い物にならないですし、かとてD7千系を買えるほどの財力は持ち合わせていません。それにこのD90は2万も行かずに買いましたから最悪諦めがつかん事もないです。よって。修理を決行することにしました。
当然ながらおもっくそ非推奨です。というか多分ユーザーが触れるべきところでは無いはず。大人しくメーカーに問い合わせて修理してもらうのが正規ルートです。まあ今回はそれができなかったので自力修理になったんですがね、ともかくやるにしても自己責任でどうぞ。当記事は一切の責を負いません。
吉幾三。死ぬほど怖いですねハイ。画像にて六角レンチをぶっ刺してるのはAF用サブミラーの角度を調整する穴で、手前の穴はファインダー像用メインミラーのそれです。
先ほど最悪諦めがつかん事もないと言いましたけど、やっぱり愛着がありますからこんなことで壊したくはないのです。そんな気持ちのせいかめちゃくちゃ手が震えます。プルプル。
2mmの六角レンチがよいと聞きそうしていますが、穴がキツくて入りません。そういう意味ではありません。これより細いのは1.5mmしか持っておらずそれはガバガバ。ですからそういう意味ではございませんってば。1.95mmとか無いですかね(無い)... 仕方ないので2mmのを先っぽだけナメる覚悟でねじ込んで回します。ガチで怖い
で。正気の沙汰とは思えぬこの作業を30分ほど続けた末に、なんとかいい感じのピントを得ます。
レンズはDX18-70の70mmをf4.5(解放)で使います(DX35f1.8は返品してしまった)。中央一点のシングルAFで赤枠のところにピントを合わせ、これをテストとします。距離は5mくらい、この日は無風で被写体が揺れる事もありませんでした。
実験をば。赤枠のところを拡大してみましょう。これが調整前ふざけんなって感じですね。
続いて調整後がこちら
まあ良いんじゃないですか?多少ズレてるようにも見えますが、12メガピクセルですから単に荒いだけなのとあまり見分けがつきません。なによりこれ以上あの気狂いみたいな作業をしたくない
さて、ギリ一件落着と言って良い程度の結果を得られました。カメラの自力修理で成功したのは何気にこれが初めてです。
ところで不良のDX35f1.8を返品した金で同じレンズをまた注文ました。こんどは良品が来ると良いんですがね...
今回の調整がf1.8の被写界深度に耐えうる精度かはわからないので、もしかしたらまたやるかもしれません。嫌だ。
しつこいですが、今回の調整は個人でやるのは非推奨です。当記事は一切の責を負いません。やるなよ。フリじゃないですからね。
何だこの珍妙なブツは...夏の自由工作というには雑ですが、カメラ・オブスキュラがどんなものか気になったので作ってみました。
そもそも、カメラ・オブスキュラとは何かご存知でしょうか。小さな穴に光を通すと、レンズがついているわけでもないのに結像し、その風景が写し出されるというものですが、ムズかしいですね。原理については下記のサイトがわかりやすいので引用しておきます。http://www.thothchildren.com/chapter/5b101ffc5eba7604b3c4ba6c
御託はいい、さっさと作るぞ...となればまずダンボールを買ってきます。サイズ間違えました。
次に押しピンか何かで穴を開けます。0.3mmほどの穴にすればよいのですが、最適な穴の直径は次式で表されるそうです。
穴の直径=√(2×焦点距離×見たい光の波長)
波長には600nmを代入しておけば大体どうにかなります。
最初の画像で箱の半分だけ空いていたのはこのように被るためです。遮光のための創意工夫というつもりですが、我ながら滑稽ですね...
箱の中には投影用紙を持って入ります。白ければ何でもかまいません。穴を景色に向け、その光の入ってくる先に紙を持ってくるとあら不思議、上下反転した景色がたしかに映し出されています。焦点距離は紙の位置で調整します。
わかりやすいように上下反転させた写真です。
そしてこれは普通にスマホカメラで撮ったもの。なるほど、同じ景色。
で、成功したはいいのですが、このクソデカ箱置き場所に困ります。どうしよう
暑っっっっっっっっっっつ!!!!!!!!!
ふざけんじゃねえ、なんだこの気候は!何が温帯じゃコラ亜熱帯のまちがいじゃないのかッ!! …失敬、取り乱しました。いえ、しかしね、お盆帰省で避暑地であるはずの新潟に来ているというのに、我が母国・神奈川よりほんの2℃かそこら涼しいだけっていやいや、やっぱりふざけんじゃねえ
父方の祖父母宅にやってまいりまして一枚目のショット
おばあちゃんは家の中を飾り付けるのがお好き
四日間の帰省で撮った枚数はだいたい250枚。今年の夏は異様に暑く、帰省するまで写真を撮りに出かけることがまったく皆無だったので、帰省中は一応これでも頑張って撮ったほうです。
涼しげでしょう、いいえ激烈スーパーホットです
さてこの250枚をどうするか。さすが夏、景色だけは良い夏、撮れ高はじゅうぶんです。選別しても、この記事一枚で収めるには少し多すぎるので、ゲロ暑温暖化パーリィ帰省スナップをシリーズとして数枚書こうと思います。はてさて何ヵ月かかるでしょうね、たぶん年明けくらいまで夏の写真を擦ることになるんじゃないでしょうか。
いざ外出
玄関先
さあ外に出てスナップを暑っっっっっっっ暑っっっっっっっ!!!!!!!!!は、え?こんな暑いことある?死ぬん?
殺人的ってこういうときに言うんだな、なるほど、本当に死んじゃう。これは近所をほんの数十分あるいて帰ろう、玄関を少し出たところでそう決意します。
母艦はニコンD90、レンズにはタムロンのB016をチョイス。チョイスったって、これ以外にまともに撮れるレンズを只今一本たりとも所有しておりませんが。
この日はJPEG撮って出し、ピクチャーコントロール・ビビット。ふだんはスタンダードにしているので気分転換です。
なるほど、ビビット。主に赤系の発色が強化される感じ。D90はCMOSセンサーですが、なんとなくD40系のCCDセンサーに近いような色に見えんこともない。私はCCDの鮮やか色味伝説をあまり信じておらず、単に自動現像処理の思想の差ではないかと疑っているのですがね。
CCDセンサーのあの”味”は、センサー自体のダイナミックレンジの低さのほかに、おそらく画素数の低さとか自動現像処理の未完成さも相まって演出されるものなのだろうと予想します。だってほら、画素数12メガピクセルに現像エンジンは初代EXPEEDというだけでこんなにビチッと写るんですから。
このレンズ、中望遠くらいのところに歪曲収差がほとんどなくなるスウィートスポットがあります
いくら鮮やかでも、より情報量の多いJPEGを描こうとする現像エンジンの画です。D3000という同じくEXPEED搭載のカメラがあり、あれはCCDなのですが、やはりこういう卒ない画を出すらしいようで、いつか使ってみたいものです。
夏の日差しは本当に光の量がすごくて、それに露出を合わせると陰のところは真っ暗になります。でも潰れてはいないんですよ、RAWで撮って持ち上げるとかしたらこの暗部の色情報は余裕で復元できます。こういうところはまさにCMOSセンサーって感じで、現像エンジンの力だけでは描き切れないハードウェアの力を感じます。
紫は再現の難しい色で、EXPEEDだけでなく、ソニーのBIONZの色転びしやすさを筆頭に、各社少し苦戦していたようです。D90は2008年発売でオートホワイトバランスはやはりそんなに高精度ではなく、この紫はホワイトバランス晴天設定でないと安定して出ません。
そろそろ限界
ところで、田舎のこの整ってない感じ、ちょと町のほうに行くと途端に消え失せますよね。個人的にはこの散らかり感大好きですよ。公立小学校を思い出す雰囲気で。
ああビビット設定よ!まさにこんなふうな色を求めていた気がします。でもお空の色が二枚でちぐはぐなのはなぜ?しかしいい色です、この日の収穫はこれがもしかしたら最高かも…帰ろうか
いやいや、もうすこし行きますよ。ていうか、知らないところなので道がわかりません。あとさっきから緑色の写真が連続していますが勘弁してください、むしろ植物が写らないところを探すほうが難しいのです。なんせ田舎。
暑さにやられながら徘徊していると、知っている神社に運よくたどり着きます。やったぜ。これはそこにある石灯篭の中を通る光を撮った画です。
祖父母宅の玄関にある木です。なんとか帰投しました。ほんとにクソ暑い、殺す。
そんなわけでゲロ暑パート1終了といたします。次回はいつごろでしょうか、まあ熱中症という単語を聞かなくなるくらいの季節を目標にして、ちまちま書き進めてみます。ほなさいなら
メルカリで購入しました。先に申し上げますと、我が家に届いて二時間で不燃ゴミとなりました。
開放・f1.8。5.6まで絞り込んで...とかではなく、1.8です。ものすごく緻密な描写といえます。
マトリョシカもどきに接写。これでもかというほど寄れるし、まだ足りないかといわんばかりにボケます。
不燃ゴミ行きとなった理由はいくつかあります。そのひとつは盛大なAF不調。ギアの空回りする音がけたたましく唸り、しかもおもっくそ後ピンになります。だいたい2mほど後ピンっていやいやお前使い物にならんわ...ということで、今回実は全てMFです。
撮るだけで良いみたいな雰囲気の写り。撮影体験としては味気なさがあります。
さて、もうひとつ。後玉のかなり広範囲にカビが生えていたこと。いやいや待てよ、光学系に問題ないと書いてあったし、商品ページの写真にこんなカビ無かったぞ。
それにしても良く写ります。ほんとに。
レンズの特徴を見るための被写体として猫はよろしくない。どう撮っても可愛いですから
極めつけは、商品状態が説明と違うことを理由に返品してやろうと思って購入ページに再びアクセスするも、出品者にフル無視籠城を決め込まれてしまったこと。
これはひどいと思いつつ、しかし購入金額は1万円とちょっと、このテの輩相手に運営を挟んでやいのやいのするのは出費に見合わぬ労力。つまり泣き寝入りです。
いや本当に写りは文句ないんだ。次は新品で買う。
残念賞として分解修理を試みますが、遊星歯車機構がよくわからない壊れ方をしていたり、フォーカス距離を識別する接点の金属ブラシがひしゃげていたり、そもそも後玉のカビはどうしようもなかったり、当然無理です。そんなわけで、不燃ゴミ。
いい画角です。もう少し広いほうが好みですが。
じゃーん!超高倍率ズーム、ここに極まれり!!換算24-450mmなどというフザけた数値、まさに文字通りのオールラウンダー。中古34,800円で購入し、ぶち壊れた純正18-200VRIIの跡を継ぐ一本としました。
レンズのつくりは上々で質感十分、ズームリングの重さはかなりのものだと覚悟していたのも杞憂で滑らかに回ります。鏡筒が最も短くなる広角端にズームロックがついていますが要りません、ぶら下げて歩いても全然伸びてこないのですから。
母艦はいつものD90、作例はすべて本レンズで撮影、露出調整のみで撮って出し。さあ行ってみましょう。
しばらく撮り歩いてみます。新しく触る製品は、そのクセや仕様を使いながら覚えるのが楽しみの一つです。広角端。なんとスッキリした端的な描写でしょうか…24mm相当というのは素晴らしいですね、これだけでも買ってよかったと思います。
こちらは望遠端です。絞り開放ですが、とくに文句を言うべきことはなく、せいぜいボケがちょっと拙いくらいでしょうか。高倍率に求める項目ではないと思いますがね…
暗いレンズですが、その代わり最短撮影距離39cmと結構寄れるので、このくらい背景を溶かすこともできます。ここまで寄ると、さすがにピント面でも甘さが残りますね。
ハイライトの色も残す、良いコントラストです。
ゴージャスな夕暮れを望遠で。
体調のよい日に使うには楽しいレンズだと思います。というのもこれだけのズーム領域があると、肉眼で見えるもののうちほとんど全てを撮れてしまいますから、それはつまり見るもの全てに関してどう撮るか考えなくてはならないという事です。
改めて18-70は良いレンズだったと思い返します。軽さはもとより、望遠すぎない画角が何より良いのです。遠くが撮れないので、人が持てる程度のサイズの何かを主題にするとき、せいぜい5m先まで見ておけば済みます。すると非常に楽で…画面構成の整理もしやすく、正直に言えば18-200よりも16-300よりも、18-70のほうが良い写真を多く撮れています。
70mm以降の使用はなるべく控えるようにしています。70-300はあくまで望遠画角の必要に迫られた時のみ使う領域とし、16-70として使うように、と。行きすぎたオールラウンド性をやはり使いこなせないのです。そこに意識の面で制限をかけ、視界を整理していきます。
しかし水族館やら体育祭やら、本レンズのオールラウンド性が遺憾なく発揮されるべき状況についてはこの限りではなく、撮影者の私も70mmの意識の壁を廃し、全力オーバークロック脳焼き切れ必至で必要な画角を全レンジから探します。ムチャクチャに疲れるし、打率は下がるし、撮った後の選別も大変です。
まあ、それが楽しいんです
TAMRON Model B016 16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO
換算27-300。凄まじい望遠倍率ですね。
18-70のカビがあんまりなのと、遠くの鳥を撮りたいということで、高倍率ズームを中古購入。前オーナーさんが相当大切に使いこんでいたようで、外装はそれはもうクッタクタなのに光学系にはまったくダメージが見当たりません。
光学系はEDレンズ2枚の豪華仕様なのですが、どうもこれは解像度アップというより、高倍率ズームゆえのどうにもできないネムさを素材の暴力でかき消していると見えます。
こちらは本レンズを買ってすぐの写真ですが、よみうり写真大賞にて入選を頂きました。嬉しい。
ついでに猫も。こちらもよみうり写真大賞にて入選を頂きました。
なかなかいい写りじゃないでしょうか?EDレンズだけじゃなく、丁寧な設計によるものでもあるのでしょう。ズーム全域で最短撮影距離50cmを保つので、望遠端ともなれば多少寄れます。
新設計、素材の暴力、それに新世代の手ぶれ補正。発売当時はフィルムからデジタルへほぼ完全移行した頃ですから、本当に新技術詰め込みまくりの仕様です。たった560gでよく実現できたものです。
いやぁしかし、この望遠ったら凄いですね。望み通り、野鳥がほら。なんて鳥かわかりませんが、羽を乾かしてるんでしょうか?
18-200mmのレンジを超音波モーターで移動するんですから仕方ないですが、まあAFの遅いこと遅いこと...亀さんですか?動きもの云々どころではなく、通常使用でそこそこストレスが溜まります。とはいえ、18-70のときのようなピントズレは無く、その点を加味して我慢。(置きピンならなんとか)(ほら、精度は優秀...)
などと思っていたら今度は故障します。2万枚ほど撮った頃からでしょうか? すでに前オーナーが使い込んでいたのもあり、それと本レンズの持病でもあるらしく、AFモーターが「ガガガッ!」とむせて大きくデフォーカスします。
それでも鞭打って、マニュアルフォーカスも併用しながら頑張って。フォーカスエイドのありがたみが感じられます。
しかし長くはもちません。とうとう完全にAFが不調となり、さらにレンズ先端のキャップやフードを付けるところ(名称わからず)が外れてしまう始末。悲しい。公式修理は6万円以上もかかりやってられません、いやいやこいつ中古1.7万で買ったんだぞ? 自分での修理も試みましたが逆効果、悪化します。
このレンズで最後に撮った写真です。寝る前の自室の一角()
完全にダメになってしまいました。イチハチニヒャクよ、サンキューフォーエバー...