ぐうたら星撮り記 (original) (raw)
カシオペア座の散光星雲、あまり面白くない星雲と思っていたが、ある程度大きく撮ると、ヤモリを上から見たような暗黒帯や複数のポック・クロビュール(水素ガス、酸素ガスなどが高濃度に集まった星形成領域)などが良く見えてなかなか楽しい星雲だということが分かった。
鏡筒:Sky-Watcher BKP150+コマコレ(680mm F4.5)
赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド
カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20
NINAで撮影
画像処理ソフト:DSS Siril(StarNet V2連係) Affinity Photo
撮影地:神奈川県藤沢市
撮影:2024年10月12日
L-Ultimateフィルター 300s露光を65枚(gain220)
周辺部を若干トリミング
少し青い部分を出したかったので、Bch画像で作ったマスクをかけて青を強調し赤を少し下げている。
NGC281(露光時間325min)
10月7日から11日にかけて4泊5日で長野県南端の売木村へ行ってきた。焚火を楽しみたかったので、宿泊は「星の森オートキャンプ場」のコテージを利用した。少し前の予報では天気が最悪、雨と曇りの連続で星空は諦めていたが、運良く9日の昼過ぎから回復に向かい、夜は満天の星空を見ることが出来て感激、肉眼ではっきりと天の川を見たのは何年ぶり、いや何十年ぶりだろう。
カメラと三脚しか持っていかなかったので本格的な撮影はできなかったが、短時間(jpg5秒露光を16枚スタック)の固定撮影でもそこそこの天の川を撮ることが出来て感動した。我が家での撮影では、この100倍の露光時間が必要だろう。夏の大三角を入れたかったが、カメラがこれより上に向かずデネブが入らなかったのは残念。
フジフィルムX-T20 18mm F2.8 5s×16=80s(jpg) ISO6400
コテージはこぎれいで2名利用では広さも充分、テントと違って強い雨が降っても安心だ。
9日は未明から昼頃までかなり強い雨が降ったが、午後になって急速に天気が回復してきたので、キャンプ場から10Kmほどの所にある小さなダム湖(岩倉貯水池)へ行ってみた。ほとりではキャンプが可能だ。
10日は午前中から好天に恵まれ茶臼山高原(愛知県)に行ってみた。スキー場の駐車場に車を止め、リフトで上に上がる。上には「萩太郎山展望台」というのがあるので、この小さな山は萩太郎山と言うらしい。茶臼山高原スキー場となっているが、スキーで滑る斜面は萩太郎山の斜面ということかな。
萩太郎山展望台
展望台からの眺め
花畑が整備されている(春は芝桜が売りらしいがこの時期は葉だけだった)
スキー場からの帰路、「野鳥の森」という看板があったので立ち寄ってみたが野鳥の姿は見られなかった。自分は聴こえが悪く、鳥や虫の鳴き声が聞こえないのだが、聴力抜群の家内でもオナガのようなあまりきれいではない鳴き声が1回しただけらしい。時期が悪いのかな。
「野鳥の森」の中
話は変わって
昨日(10/13)紫金山・アトラス彗星の撮影に挑戦、自宅からなので周辺の景色は散々だが、思ったよりも良く撮れて感激だ。カメラはX-T20、55mm、ISO1600、絞り優先(F4)モードでシャッタースピードは1.6sだった。
4枚スタック画像をトリミング
惑星状星雲としては淡いが、大型で美しいので毎年撮影している対象だ。南中高度が35°弱と低いのが難点ではあるが、フィルターの効果で比較的きれいに写ってくれると感じている。9月12日は雲に邪魔されながらも4時間以上の露光ができたので、昨年までの画像と合わせて処理をした。
鏡筒:Sky-Watcher BKP150+コマコレ(680mm F4.5)
赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド
カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20
NINAで撮影
画像処理ソフト:DSS Siril(StarNet V2連係) Affinity Photo
撮影地:神奈川県藤沢市
撮影:昨年までの撮影分
L-eXtremeフィルター で385min、 L-Ultimateフィルター で270min
2024年9月12日
L-Ultimateフィルター 300s露光を56枚(gain220)
総露光時間935min 50%トリミング
画像処理では、SirilのWavelet処理でレイヤー2,3,4を多少強調して解像感を出し、略2倍まで拡大トリミングして星雲の構造が多少なりとも表現できるようにしたつもりだ。周辺の淡い部分を表現するにはまだまだ露光時間が足りないようだ。
NGC7293(総露光時間935min)
毎年撮影しているが、なかなか思うようにはいかない。それでも少しずつ進歩しており、昨年は多少それらしくなってきたのでブログにアップしている。
今年も9月7,8日には星が見えたので、空の状態はあまり良くなかったが追加撮影し、昨年分と合わせて画像処理をした。
鏡筒:Sky-Watcher BKP150+コマコレ(680mm F4.5)
赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド
カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20
NINAで撮影
画像処理ソフト:DSS Siril(StarNet V2連係) Affinity Photo
撮影地:神奈川県藤沢市
撮影:2023年撮影分
CBPフィルター で520min、 LPR-Nフィルター で350min
2024年9月7,8日
CBPフィルター 300s露光を117枚(gain160)
総露光時間1455min 周辺部を若干トリミング
今回は少し華やかな画像に仕上げてみた。周囲は分子雲だらけで、カブリ取りを何度もやり直したがなかなかうまく決まらずあまり自信がない。ちなみに、手法としてはSirilのRBF(radial basis function)法を使用している。
NGC7023(総露光時間1455min)
ネット上の画像にあこがれて挑戦したWR134、昨年はL-eXtremeフィルターで455minの露光で終わっていた。
今年は、その後入手したL-Ultimateフィルターで追加露光した。8/12に撮影後は天候に恵まれず、9月に入ってやっと3日間ほど撮影できたので、今年の撮影は一区切りとして画像処理を行った。
鏡筒:BORG ED77+クローズアップレンズNo4(385mm F5)
赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド
カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20
NINAで撮影
画像処理ソフト:DSS Sirill(StarNet V2連係) Affinity Photo
撮影地:神奈川県藤沢市
撮影:2023年9月1、5日
L-eXtremeフィルター 300s露光を88枚(gain160)
2024年8月12日、9月4、5、6日
L-Ultimateフィルター 300s露光を200枚(gain220)
時間比例で合成 若干トリミング、総露光時間1440min
昨年に比較すると青い淡い部分が出てきたが、WR134から吹き飛ばされたガスの淡い大八車の車輪のような部分がまだほとんど描写できていない。全く写っていない訳ではないので、もう少し頑張る意味があるかなあ。まあ、また来年考えてみよう。
WR134(総露光時間1440min)
かなりの光害地なので、デュアルナローバンドフィルター半値幅7nmと3nmの差は結構大きい。(星無し画像での比較、L-Ultimateの方は星の消し残りあり)
フィルター比較(露光時間はそれぞれ440min)
こぎつね座の散光星雲、中心付近には小さな散開星団NGC6823、右下には教えてもらわなければ分からないぼやけた恒星のように見える反射星雲NGC6820がある。この星雲は左上の暗黒帯が魅力的で、もっと長焦点で撮るべきと思ったが、前日に撮影した機材をそのままにしてあったので、この暑さで鏡筒を交換する気力もなくそのままBORG ED77で撮ってしまった。根性がないなあ。
鏡筒:BORG ED77+クローズアップレンズNo4(385mm F5)
赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド
カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20
NINAで撮影
画像処理ソフト:DSS Siril Affinity Photo
撮影地:神奈川県藤沢市
撮影:2024年8月3日
CBPフィルター 300s露光を61枚(gain160)
2024年8月4日
L-eNhanceフィルター 300s露光を38枚(gain160)
周辺部を若干トリミング
今回、星雲の処理に使用したのはL-eNhanceフィルターで撮影した分だけだ。CBPフィルターで撮影した分を合成しても今ひとつの感じで、むしろL-eNhanceフィルター撮影分のみの方が良いと感じたからだ。CBPフィルター5時間分がもったいないと思ったが、星画像だけに使用している。
Sh2-86(露光時間190mi)
わし座の散光星雲、星雲自体はマイナーの部類かもしれないが、周辺部には小さな星雲や青っぽい星があってなかなか美しい領域と思ったのが撮影の動機だ。昨年、CBPフィルターとL-eNhanceフィルターで撮影していたのだが、結構淡い星雲で思ったような仕上がりにならないので放置していた。今回 8/2 にL-Ultimateフィルターで追加撮影をし、併せて画像処理したところまあまあの出来となった。
鏡筒:BORG ED77+クローズアップレンズNo4(385mm F5)
赤道儀:EQ5 GOTO SS-one AutoGuider Proでオートガイド
カメラ:ASI533MC Pro 0℃ offset 20
NINAで撮影
画像処理ソフト:DSS Siril Affinity Photo
撮影地:神奈川県藤沢市
撮影:2023年7月25日
CBPフィルター 300s露光を60枚(gain100)
2023年7月26日
L-eNhanceフィルター 600s露光を22枚(gain100)
2024年8月2日
L-Ultimateフィルター 300s露光を54枚(gain220)
ほぼ時間比例で合成 周辺部を若干トリミング
西側の小さくて明るい星雲が惑星状星雲Sh2-71、南東側のぼやっとした小さなかたまりが球状星団NGC6749だ。
Sh2-72(総露光時間790min)