「無罪」 (original) (raw)

こんばんは!
スコット・トゥローの「無罪」:「推定無罪」の続編です。「推定無罪」の映画をご覧になった方、あるいは原作をお読みになった方なら、真犯人が誰だったかご記憶だろうと思います。怖かったですよね。それはさておき、前回同僚の女性をレイプした上に殺した容疑で逮捕された現役地方検事補ラスティ・サビッチ。敏腕弁護士サンディ・スターンの活躍もあり、無罪を勝ち取りました。その当時39歳だったサビッチは現在60歳。今回の容疑は妻殺し。彼は妻の遺体を発見したのに丸一日どこにも連絡していませんでした。その間何をしていたのか?さらにはサビッチには若い愛人までいます。怪しい。というわけで、前作でサビッチを起訴したのに敗北を喫した検事モルトは再びサビッチを起訴します。サビッチの弁護士はサンディ・スターン。因縁の法廷闘争劇が始まりました。
前回の事件のときはまだ子供だったサビッチの息子ナットは成人していて、本作では重要な役割を果たします。前作で敏腕ぶりを思う存分発揮したサンディ・スターンは重い病気を患いながら、満身創痍で法廷に立ちます。でも鬼気迫る法廷闘争を繰り広げる。迫力ある戦いを味わえます。
前作をご覧になった方、お読みになった方はぜひ本作を読んでいただきたいと思います。本作の結末は胸に迫るものだと思います。
ところで、歳月を経てDNA鑑定の技術が進歩し、前作では個人を特定できなかった被害者の体内に残された精液が誰のものかが本作で判明します。科学捜査系が好きな私はそれも面白かったなあ。
もう一つ付け加えると、解説の北上次郎さんがサビッチをダメ男と断じていて、サビッチは「ようするに、懲りない爺様なのである」そうです。男性がこの解説を読むとどう思うのかは気になるところではありました。
お休みなさい。2024/11/5