アメリカ関連抜書32 (original) (raw)

スマホを財布代わりに使えてない人間だが、最近現金のみ店も増えてるような感触がある。もろもろ手数料が高く、経営を圧迫しかねないからなのだろう。

金光修『東京ビートポップス』扶桑社、2022

「『ビートポップス』と新宿系ソウルステップ」

12p「『ビートポップス』は、何らから何まで型破りの番組だった。歌謡曲はテレビで、洋楽はラジオでという時代における、テレビでの英米ヒットチャート番組である。街にまだディスコなどない時代に、スタジオ全体を巨大な踊り場空間としたダンス番組でもあった。放送時間も深夜ではなく、土曜の午後二時から(途中から午後三時に移動)という表舞台が用意されていた」

13-4p「掟破りの『ビートポップ』の真骨頂は“新宿の片隅の踊り場だけで盛り上がっていた和製ソウルステップを白日の下に晒したこと”だと思う。ディスコ風のスタジオセットで、モデル系タレントである小山ルミや杉本エマの踊る姿の印象が強いので、ゴーゴーダンス番組だったと解雇されがちだが、そんな軽い番組ではなかった。/そもそもこの番組にはなぜか黒っぽい香りが漂っていた。司会の大橋巨泉は細身のコンポラスーツを着て、アフロヘアのドラマー・石川昭やソウルダンサーの草分け的存在・ニック岡井がレギュラー出演していた。極めつけは藤村俊二による振り付けのコーナーである」

14-5p「『ビートポップス』の放送が始まった1966年頃は、まだ赤坂の本格的ディスコMUGENが出来る前で、私が知っているかぎり東京周辺には二種類のダンススポットしかなかった。ひとつは、ベトナム戦争が激化する中での横田基地周辺の米兵向きダンススポットである。横田基地のある福生にはよくアメリカの匂いがプンプンする刺繍エンブレムやシャツを買いに行ったが、そのついでに裏通りにあるダンススポットに好奇心だけで何度か足を踏み入れたことがある。薄暗い店内で、本物の黒人米兵が踊る迫力にただ圧倒され、自分とは縁のない遠い世界だと思った。/もうひとつが、新宿の踊り場と呼ばれたソウル系のダンススポットである。ここで目の前に繰り広げられる光景には身震いした。自分より少し年上の、玉虫色のスーツを着たお兄さんや、髪をアップにしてニットのアンサンブルで身を包んだお姉さんが横一列に並び、音楽に合わせてみんなが規則通り同じステップを踏む。その誇らしく排他的なカッコよさにクラクラしてしまった。自分も真似をしてみようと、足を出す位置や体のひねり、回転の順番を頭に叩き込んで家でこっそり練習もした」

15p「--モータウンサウンドが好きだし、ジェームズ・ブラウンの動きにも憧れる。でも黒人のようには踊れない。テンプテーションズが「マイガール」を歌う時の、メンバー全員が同じ動きで踏むステップなら真似できそうだ。ソウル風の動きをベースに、自分たち向きのダンスをオリジナルで作ってしまおう――。/新宿で花開いた和製ソウルステップは、こんな経緯で生まれたのではないだろうか。そんな局地的な独自文化をテレビに取り込んだ『ビートポップス』の先端性と創造性に、改めて敬意を表したい」

フジテレビの前の社長~

マシュー・スチュワート『マネジメント神話』明石書店、2024

近年、ゼミ生がコンサル業界に就職したりすることがあり、コンサルティング・ファームって何するところ???と思っていたが、何となくわかった気になれた。ともかく、面白い!

広告会社もどんどんコンサル化しているような気がする。というか、コンサルが広告会社化している側面もあるよう。

制作現場でこつこつ版下原稿つくっていた頃は、モノづくり産業という感じもあったのだが。ともかく仕事が物理的なモノとして結実しない限り、仕事している感がしない人間なので、今でも原稿書いたり、講義したりのコンテンツづくりが、アドミニ仕事よりも、やはり楽しい。

企画書や書類もろもろ書くより、原稿書きたいよなぁ。

コンサル、大学経営にいろいろ絡んでいるようだが、あまり、うまくいってるとは思えないけど…。でも、大学、いよいよ藁をもすがりつつあるもんなぁ。

ユニバーシティ・コン - 内田樹の研究室

「薬学部を作れと大学経営者を煽ったのは外資系のコンサルである。
「これからは薬学部の時代。6年制なので、授業料も5割り増しでゲットできる」とあちこちの大学に「貴学のためだけのもうけ話」を売り込んで歩いた。
そして、実に多くの大学がそれにひっかかった。」

なるほど。これは2007年の話。今ならデジタル・グリーンとなりそうだが、それはコンサルティングファームではなく、政府コン。

そう言えば、逢坂みえこの初期に、会社勤めしていた頃の経験をもとにした佳作があったが、あれはたしか流通系コンサルが舞台だった。あれなんかは業務内容、わかりやすかったけどなぁ。店頭の売り上げの増減で、提案の良否がすぐに見える世界。

大学コンサルはなぁ…。施策の結果が出る頃には、「フィーは貰った、さぁ次、次(のクライアント)!」とかありそうだし。でも最近だと、入学者数ですぐにその是非が可視化されるかも。