(3/16誕生日の)ベルナルド・ベルトルッチ監督作品では『殺し』がいい (original) (raw)

映画監督ベルナルド・ベルトルッチ(1941-2018)は今日3月16日が誕生日。
「私は自分の映画のあらゆる解釈を受け入れる。キャメラの前には、唯一の現実があるのだ」
傑作『暗殺の森』『1900年』
『ラスト・エンペラー』
シェルタリング・スカイ』他https://t.co/O3CFj4yvGT
『暗殺のオペラ』('70)から pic.twitter.com/E4FOYQgd4E

— nave (@nave4000) 2024年3月16日

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『殺し(La Commare Secca=干からび枯れたおばさん)』は、ベルナルド・ベルトリッチ監督作品だが、原案はパオロ・パゾリーニである。もともとベルトリッチはパゾリーニ監督のもとで助監督をしていた。この映画は好きな作品で、昔たしか文京区千石の三百人劇場で観た記憶がある。イタリア文学者の米川良夫氏は、上映パンフレットで両監督を比較して論じている。

ともあれ、パゾリーニがみずから監督・撮影していたならば、死を正面に据えてまともに描くものになっていたはず(パゾリーニの証言)の原案から、ベルトリッチは死をまさに「時の流れ、物が朽ち果てる有様」として、あるいはまた「カットのつなぎ、印刷のスペースのような空虚な時間」(インタビュー)として描き出している。つまり、ベルトリッチによれば、彼はパゾリーニのように死を悲劇(とりわけギリシャ悲劇におけるような)としてではなく、「日常の中断、物事の表面をかすめる軽い出来事として」示そうとしたのだった。(p.7)