FF14は『人付き合いが苦手な人向けのMMO』だった (original) (raw)

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意外、意外でした。

FF14と言えば、「大縄跳びでミスったやつが放課後の学級会で吊し上げにあう」「パーティーを集めるのに誰かに声をかけなければならず胃に穴が開く」みたいなイメージで、人間と仲良くなるのが苦手という森のゴリラである自分にとって畏怖の象徴みたいなところがあったんですよね。ファミ通に書いてた攻略情報とか読むと、動作が細かく書かれてて怖すぎるんよー。

昔やってたUOでも声をかけてもらってギルドに入ったことはあるけれど、どういう距離感で色んな人と付き合っていいのかわからないし、どういう顔でギルドハウスに顔を出していいのかもわからず瞬間で幽霊社員になるなど、MMOに対しては、狼に育てられた野生児が都会に馴染めなかったような思い出しかない…。

ところがですよ!

こんな人間でも、FF14を半年前から始めたところ、今週ついに『紅蓮のリベレーター』までクリアできました。

FF14ってのは『基本パッケージ』+『拡張シナリオ1:蒼天のイシュガルド』『拡張シナリオ2:紅蓮のリベレーター』『拡張シナリオ3:漆黒のヴィランズ』という構成になっていて、そのうち拡張シナリオ2までクリアできた状態です。全体の3/4クリアということですね。感慨深い。

まぁしかし、それは森で狼に育てられた少年が都会に馴染めた話なのかというとそうでもなくて、結果から言うとFF14というのは「人付き合いしなくていいMMO」だったので何とかなった感じ。自分自身「ゲームで人付き合いしないといけないの面倒そうだなー」と思ってたところがあったので、これは同じように思ってる人向けに書いてます。

FF14では、基本的なメインシナリオを1人で進めていくことになります。協力プレイが必要となるのは、シナリオの要所要所で出てくる「○○(ダンジョン名)を攻略しろ!」みたいなところだけ。

そういう意味では「一人用ゲームをみんなで遊んでいる感覚」が近いかも知れない。全員に精緻な動きが要求されるいわゆる『大縄跳び』は廃人向けのエンドコンテンツに行かないと発生しないです。

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ダンジョンを攻略する場合も、町中で「○○に行く人いますか~?」という声を掛ける必要もなし。

FF14はコンテンツファインダーといって、ダンジョンに行く権利を開放したら、そのダンジョンを選択してしばらく待っていれば同じダンジョンに行きたい人(あるいはランダム選択した人)を自動でマッチングして探索スタートという流れであり、対人的には実にノーストレス設定。

ダンジョンに入っても、最初に「よろしくお願いしますー」、ボスを倒したら「おつかれさまでしたー」以外のコミュニケーションは存在しないです。少なくとも自分はこれ以外の発言をしたことないですし、それでも『紅蓮のリベレーター』までクリアするのに一切困ることはありませんでした。序盤はキーボードすら接続していなかったので、定型文貼り付けてるだけでしたし、もはや機械。

いや、そこまでコミュニケーションを機械化すると、ダンジョン内で一緒に攻略してる他の人もNPCとあんまり変わらなくなるんですよね。他のプレイヤーってのは動きの個性的なNPCみたいなもんですよ。

わ! ネットゲームのようでネットゲームでない!

FF14は、この辺の「知らない人とのコミュニケーションが嫌」という心理をめちゃくちゃケアしてるMMOという印象がありますね、FF14。過去のMMOがコケてきた理由をかなり研究したんじゃないでしょうか。

今一番人間嫌いに優しいMMOですよ。従来のMMOの継続ユーザーはどこかのギルドに居着いて付き合いで続けている人というのがポピュラーでしょうし、FF14もまぁそういうのもあるでしょうが、どこかのFC(FF14で言うところのギルド)に所属していなくとも、一つのアクションRPGとして続けうるに足る。つまりユーザーの裾野が広い。そりゃあスクエニの決算がウハウハという話にもなるわけです。

時間にも優しい。コンテンツファインダーは町中でも申請できるので、わざわざダンジョン行く必要もないですし、町中で申請してダンジョン攻略し終わったらログアウトすればいい。そのあたりの流れはモンハンに似てるかもですね。

FF14ネトゲにしてはユーザーの年齢層が高いらしいのですが、時間がない人や面倒くさがりの行動動態を意識してるところは感じます。一般的にマーケティングをやる際は、想定顧客の典型的な姿である「ペルソナ」を設定してサービスを作り上げていきますが、FF14のペルソナは時間のない社会人男女あたりを前提に作り上げられてても驚きはない感じ。

ちなみに初めて行くダンジョンであれば、念のため挨拶に「初見です」とつけておけば周りの人がやたら優しくしてくれるのでオススメ。

いや、この話、似たような例があって、格ゲーやSTG界隈がそうなんですよね。

格ゲーやSTGって「怖そうな人が素人のプレイを笑ってる」みたいなイメージを持たれていることがありますが、実際は全く違って、彼らは新規参入者を見ると「新参だ!お茶とオシボリをお渡ししろ!」と肩を揉みながら困っていることがないか聞いてくれます。

FF14も似たようなところがあって、こちらから何も言わなくとも、ダンジョンクリアしたときに「初クリアおめでとうございます~」と祝ってくれる人がやたらと多い。世の中いい人多いよねホント。もっとも私はゴリラなので定型文を返しているだけなのですが…。

というわけで、本日は「一人で遊べるエオルゼア」のご紹介です。一人焼肉とか一人カラオケみたいなもんですね。一人で積極的にお出かけしていけ。

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まず景色と音楽!

わりと偏見だったなと思うところしきりで、FF14ってわりとリリース自体は昔のゲームだったのでグラフィック面ではちょっと劣るところかなと想像してたのですけど、むしろ景色のきれいなゲーム10選とかに挙げると名前が出てきそうなタイプの景色ゲー。このギャップに最初驚いた。

MMOって構築された世界を複数の人間で共有するものなので、世界自体に魅力があるかが重要なファクター。要するに音楽聴きながら世界ぶらついてるだけで楽しいかどうかってことですよ。これが苦痛だとMMOにありがちな移動辛すぎて死ぬ病にかかって吐血するわけですが、FF14は景色もいいし、和ゲーっぽいメイン旋律のキレイなBGMがあるのが良いですね。拙者、BGMがオケ調でメイン旋律が弱いと記憶に残らない侍と申す者…。

クガネの街中の音楽も和風で旋律の強い曲で印象に残るし、紅蓮のボス曲の『鬨の声』を初めて聞いたときの興奮とかもう一度味わいたい。

ボス戦で曲がサビまで流れてきて一番盛り上がるところで、あれだけ聞かされてインパクトに残ってる街のBGMのメインメロディーのアレンジだと気づいたら震えません? こういうのズルいよ~、コロッといっちゃうよ~。

他にも『Dragonsong』は、黒い背景に適当な外人の名前をスタッフロールっぽく下から上に流すだけで泣けるレベルのキングオブエンディング音楽。中盤以降はダンジョンごとにBGM違うし、そういうアピールしてるの見たことないけど、やたら音楽に力入れてるゲームだと思います。

そして演奏ですよ。

昔、マビノギでも音楽演奏にハマっててプレイ時間の半分くらいキーボード触ってたけど、音楽演奏のあるMMOは最高。一気に遊び方の世界が拡張される。そうだよ、MMOの運営は遊び方の幅を作ってくれればいいんだよ。あとはユーザーが勝手に色々やりだすよ。

演奏に興味がある人は、まず弓術士のレベルを上げてみよう。レベル30まで上げると吟遊詩人にジョブチェンジできるので演奏が可能になります。

演奏はパッドでもできるし、文字キーボードでもできて、「ドをキーボードのZに割り当てる」とかを設定していく感じです。

ただ、文字キーボードって横の幅に限りがあるので、高いドが低いドの真上にあるとかになったりして、演奏に超絶技巧を要求しがちですね。あと、和音が出せないのでアルペジオとかで工夫して表現することなります。アルペジオとかマジでムリィ…としか言いようがないのに、ジャラーンって鳴らしてる演奏者の人マヂ尊敬…。

上記の演奏は、演奏スキル解放して初日に練習したものなので、メインメロディーくらいならわりと簡単に演奏できるようになると思います。たまに街中で演奏してるとギャラリーつくけど、そんなときに限って間違えてメチャメチャ恥ずかしい思いするんだよな。

で、この演奏を極めてる人たちがいて、演奏会とか開催してたりするんですよね。

PCでプレイしてるならMIDIキーボードも繋げるからおそらくそれで演奏してると思うんですけど(たまにパッドや文字キーボードでやれる超人もいるらしい)、やはり生で人の演奏を聴くと感動します。生演奏ってその場で作り出してる感があるから、それだけでとても良く聞こえるのだけど、それはゲームの中でも同じ。いや、普通に遊ぶならアクションRPGというゲームの中だからこそ、さらに独特の空気感がある。

既にFF14やってる人でもライブを聴きに行ったことがない人いれば、ぜひ聴きに行ってほしいですね。

有名なところではPOPという演奏チームがあるし、イミプリというガールズバンドもあります。

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釣りもできます。しかし、これまで良いところばかり言ってきましたがこれは常人にはかなり継続の厳しいコンテンツ。

ゲーム内に実装される釣りのミニゲームの例に漏れず、FF14の釣りも魚がかかったら(時にはスキルを使って)ボタンを押して、ただそれを繰り返していくだけであり虚無性が高い。しかし、考えてみれば釣りの本質とはそんなものかもしれない。

太公望だって返しのない釣り針を使って考え事をしてましたし、釣りの本質は釣ることそのものではなく、魚に向かい合う自分の有り様のことよ!

虚無。釣りはそれでいいんだよ。釣り針を垂らしている間に自分とはなにか、世界とは何かでも考えておけ。

ちなみに「オーシャン・フィッシング」という24人で自動マッチングのパーティー組んで、船で沖釣りに出るコンテンツが先般実装されまして、面白いかなと思って出港直後に「マグロ!ご期待ください!」と言ってみましたが、特に反応がなくとてもつらい思いをしました。

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そして、FF14を語るならば、避けては通れぬ麻雀!

りくぜんさん自身麻雀が好きすぎるマンなので麻雀のことを悪く書きたくないんですが、やっぱり麻雀って本質的にイラつくところはあるわけです。

裏ドラは相手ばかり乗るし、クソみたいな単騎待ちをよりによって赤5ソーでツモられたりするし、どれだけ多面張でリーチしても相手のカンチャン待ちには勝てないわけです。大体麻雀って4人で打つわけなんで、普通に考えれば2回に1回はマイナスで終わるんですよ。どれだけ聖人君子でも麻雀やっててイライラしなかった人はいないですよ。うまくいかないのが麻雀なのだから。

麻雀からもたらされるものは、怒りです。

明らかにすべて正しい選択肢を選んでいるのに雑魚に負ける。5回連続4位とか1/4の5乗の確率でしか起きないはずなのに平気で起きる。こっちは1つもメンツができてないのにリーチが入る。

マジでイライラするわ……一体この怒りをどこにぶつければ……

暴力装置を備えた麻雀」というのは従来存在しなかった画期的なソリューションですよ。そうか、麻雀ゲームに足りなかったのは暴力だったんだ…。近代麻雀のキャラなら平気で暴力ふるえるけど、我々はそうもいかないもんな。

イラついたら遠慮せずに殴ってスッキリしろ!

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ちなみに私はFF14を始めてレベル15でゴールドソーサーに入ってから1ヶ月帰ってこなかったので、ジョナサスレポートでプレイレポ出力したらこんなことになります。このあとR2000に達して、無事『Mahjong Master』の称号を取れたのがこのゲームで成し遂げた唯一の実績です。

以上、一人で遊べるエオルゼア観光案内でした。

メインストーリーを進めてもいいし、音楽聴きながら世界ぶらついてもいいし、演奏してもいいし、ライブを聴きに行ってもいいし、釣りで自分と対話してもいいし、雀荘から戻ってこなくてもいい。最近、落語やってる人も見たし、外人と遊んで英語の勉強してる人も見た。もしかしたら漫才やってる人だっているのかもしれない。

MMOなのに一人で何でも楽しめるように作られてると思いますよ、FF14

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むしろ何でも一人でできすぎて一人も友達が作れないレベル。