食堂のおばちゃんの人生相談「糖尿病だけど、好きなものを食べたい」 (original) (raw)

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

【お悩み/匿名希望(65)長野県・自営業】

糖尿病と闘っています。親類に100歳過ぎまで生きた人がいますが、長寿の秘訣は「ストレスを溜めない」だったそうです。 私も好きなものを食べたいと思っています。この考え方、間違っていませんよね。

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【山口先生のお答え】

うちの母は87歳で、糖尿病です。インシュリンを1日20単位注射しています。でもシュークリームとケーキ、あんみつ、そのほか甘いものが大好きなんですよ。

私も、20年前ならストイックに節制して長生きしてもらいたかったけど、今更「ママはシュークリーム食べたかった」なんて言い残して死なれたら寝覚めが悪いので、まあ、1日2個くらいを目安に食べさせています。

そして自分のことを考えると、酒をやめろと言われたら生きていてもしょうがないと思うし。

ぶっちゃけ、好きなもの食べて早死にするなら、私は満足です。もう56歳だし、子供もいないし、いつ死んでもかまいません。

大体、美味しいものって健康に悪いんですよ。高級牛肉とかマグロの大トロとか高級ケーキとかって、カロリー高いでしょ。

玄米や野菜や海草や山菜は健康にいいんだろうけど、あんなものばっかり食べて長生きしたいですか? 不味いもの食べて百まで生きるなんて、拷問ですよ。

そんなわけで、お答えは「賛成!」です。お互い、好きなもの食べて好きなお酒呑みましょうよ。後は野となれブタとなれで!

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中