日本芸能史における「お尻」の60年史 (original) (raw)

日本芸能史における「お尻」の60年史

写真:エンリコ/アフロ

日本芸能史においてお尻が注目され始めたのは、1956年の映画『女真珠王の復讐』で前田通子が邦画史上初のお尻ヌードを披露したときからといわれている。

1991年には、樋口可南子が日本初のヘアヌード写真集『water fruit 不測の事態』を発表。表紙の美尻が新聞広告に掲載されると日本中が沸騰した。

その翌年には当時39歳の島田陽子が写真集『KirRoyal』で熟尻を見せ、さらに1990年代には飯島愛がTバックで無防備な美尻を披露。

そうして「丸出しのお尻がそこにある風景」が日常になったのである。そして今、21世紀のアイドルたちの写真集に「美尻ショット」は不可ケツ。マストアイテムになったのだ。

アイドル評論家の北川昌弘氏はアイドルたちの美尻事情をこう分析する。

「おっぱいでアピールできないアイドルが、お尻を強調して成功した例は多いんです。ウイークポイントを逆手にとって最大限プラスに生かすのがこの世界ですから」

したたかな世界だが、アイドル界で売れるお尻の条件はあるのだろうか。

「デカくて迫力がある尻、プリッとした尻、小さめのかわいい尻などいろいろありますが、結局のところプロモーション次第です(笑)。

こんなことがありました。美尻で売りたい某アイドルですが吹き出物だらけ。そこでそれをきれいにする美容メーカーとタイアップして『ほら、こんな美尻になりました』とPR。これぞ真のアイドルです(笑)」

2011年から『美尻カレンダー』を販売している「ハイサワー」の博水社広報部に「カレンダーに登場する美尻の条件」を聞いた。

「男性のみならず、女性にもきれいと共感していただける、元気でヘルシー、はじけるお尻です。毎年テーマは 『小悪魔系』『まるいお尻』と変えています」

昨今はエクササイズやヨガなどの流行で美しさのレベルはアップしているという。書店にも「尻トレ本」が並び、「女性が憧れる美尻になる」ことは必須とか。

カレンダーに掲載された個々の美尻にファンはいるのだろうか。

「どれかひとつの美尻に人気が偏ることはなく、『僕はこのお尻』『私はこのお尻』とお気に入りは千差万別です(苦笑)」と広報部。好みは人それぞれなのだ。
(週刊FLASH 2017年10月10日号)