永遠の七日コラボカフェ@上海に行ったの記 (original) (raw)

まあタイトル通りなのだが、とわななのコラボカフェに行くために遠路はるばる上海まで行ってきた。土日月の3日だけなのだが、海外の分書くことが多いので独立記事にしておく。なんだかんだ中国はコロナ以後ビザ無し渡航が制限されている過渡期でこの状況もいつ終わるかと言うところなので、その辺を踏まえた旅行情報とかも載せるつもりだ。あと普通に蘇州にも行って観光しているので、とわなな関係部分はそんなに多くない。と言うことで早速本題へ。

○3/2

土日月だけなどと言いながら金曜から始まっているが、金曜夜の飛行機で向かったためである。22時半くらい発のジェットスター。時間的に良いのと1番安かったので。15000円くらい。成田第3ターミナルはガラガラだった。カウンターでビザの確認をされるが、トランジットビザ免除措置を使う旨を説明し次便のeチケットを見せて問題なく突破。あっさり終わったので時間はだいぶ余った。

ネット麻雀などで時間を潰し、搭乗。5分前にも春秋の上海行きがあるので空いてるのではと思ったが、それなりには混んでいた。幸いなことに窓側非常口座席だったので、フライトはかなり楽であった。寝て起きると高度はだいぶ下がっており、下に漁船であろうぽつぽつと灯りが見えた。それからほどなくして陸地が見えた。謎のドバイみたいな円形の街区が見えるが、街灯だけやたら明るくて車も少なく怪しさがある。時間もあるのだろうが、全体的に日本と比べて街は暗い。

日付は変わって現地時刻で1時過ぎ、無事上海浦東空港に着陸。ビザ免除措置用のカードが無かったので通常の入国カードに書いたが、案の定イミグレで怒られた。自分が書こうとしたテーブルに置いてなかっただけらしい。改めて書き直して、今度は問題なく通過。この時次便の航空券と、宿の予約も確認された。その後情報入力の手続きがあるのだが、何をしていたのか知らないが20分くらいかかった。ちなみに、自分以外にビザ免除措置で通った日本人は3組くらいいた様子。

浦東から中心街までは夜中もバスが出ているが、中心部まで出るだけ出ても困るので、地下鉄の始発までその辺で過ごす。とりあえずキャッシングで現金でも獲得しようとATMを探して回ったのだが、どちらのターミナルにも可能なやつはなかった。浦発銀行だったかそんな感じの名前のATMはいくつかあるのだが、そいつらは日本のクレカには対応していない。結局、うろうろするだけで時間の無駄であった。その過程で第1ターミナルと第2ターミナルの間に暖房がよく効いていると判明したので、そこで寝ることにした。暖かいだけあって周囲は多くの客が床に転がっているのでそれとわかる。自分も石の裏に集まる虫の如くそれらの客の一部になった。

○3/2

6時に始発の地下鉄が出るので5時半過ぎに起床。改札はまだ開いていなかったが、列形成されていたのでそこに加わった。その後すぐに改札は開いた。キャッシュレスで乗れるか不安であったが、支付宝の上海交通カードであっさり突破できた。これで今回の旅行は勝ったも同然だ。地下鉄に乗るときの治安が大阪どころではない酷さだったのに辟易としつつ、上海の市街地へ。

この日の宿は蘇州だったのだが、蘇州への行き方として主に4種類ある。速い順(たぶん)に新幹線、在来線、高速バス、地下鉄で、うち新幹線と在来線で値段は違うものの線路の区別はないので実質3種類か。最初は地下鉄で行くつもりだったのだが、地下鉄を簡単に突破できて若干自信がついたこともあり、折角だから新幹線に乗ることにした。新幹線はネットで予約できるのだが、今回は宿と同じ携程旅行を使うことにした。ダイナミックプライシング(多分)なので便によって値段が異なるのだが、適当にそこそこ早くかつ安いやつにした。と、予約の時アカウント登録しておかないと追加で10元かかるらしい。この登録には大陸の電話番号によるSMS認証が必要で、ここはesenderの出番かと思いきや送る方は有料らしい。今思えばそちらの方が安いからやっておけば良かったのだが、その時は面倒だったのでスルーしてしまった。というわけで31元+10元で予約。乗車時間は1時間にも満たないが、乗車券込みで1000円しないのはお安い。

地下鉄は途中1回乗り換えを挟んで上海火車駅で降りる。新幹線の時間まで1時間ほどか。中国の鉄道は日本の飛行機みたいな感じなので多少早く行かないといけないのだが、それにしても時間があるので少し散歩する。意外と駅から遠ざかる方は道がよくわからないのだが、うろうろしていると中国銀行のATMを発見。正直キャッシュレスで全て乗り切れるとは思っていたものの、お守り程度に100元だけキャッシングしておいた。その後駅に戻る途中に蘭州麺の店を見つけたので、朝飯に入った。なんか鶏肉の麺を頼む。12.5元ででかい肉も入っていてお安い。会計も微信で楽勝だ。

麺の量が多く結構苦戦したので少し急いで駅に戻る。まず、駅に入るときに改札でマイナンバーカード的なのをかざすの必要があるのだが、外国人は当然持っていないので有人改札へ。ここでパスポートを見せると、おそらく予約が存在するかどうか何らかのシステムで確認されて、その後通過できる。駅の中は結構大きくて、食べる場所もたくさんあった。駅前にあまり食べるところがないのはそういう理由もあったわけだ。売店で飲み物だけ買っておいた。その後搭乗口にまた改札があるのでそこで待ち、時間になるとまた例によって有人改札でパスポートを見せて通過。まあシステム的には飛行機と同じということか。

ホームに降りるともう電車が来ていたので、指定された席に乗り込む。蘇州まで40分だ。窓側席だったので景色を見る気でいたが、普通に寝た。特に寝過ごすことなく起きる。蘇州站だ。

とりあえず外に出た。駅前に人が全然いない(おそらくみんな正面からは出ないため)のに駅舎がこれまたとんでもなくでかい。目の前には運河のようなものがあり、その向かいには城壁が見える。これぞ思い描いていた中国だ。

中国に来たからには東方古街(とわななのエリアの一つ)的なのが見たいので、まずは山塘に行くことにした。山塘は蘇州市街地にある古鎮で、古鎮というのは要するに昔からの町並みのことである。実は蘇州站から地下鉄2号線で一駅なのだが、ここは歩く。歩いてみた最初に感じたこととしては、自動車もバイクもほとんど電動ということだ。特にバイクはほぼEbikeで、音も静かなので接近に気付きにくい。一方で運転手のマナーは大変悪いので、アホみたいにクラクションを鳴らしまくる。ある意味安全ではあるのだが…。まあ東南アジアとそんなに変わらないか。

少し歩いたところに公園があったのだが、そこで鳥を飼っている老人たち5人ほどが集まっていた。中国の公園は鳥がいるという認識はあったが、まさにその光景だ。飼われている鳥はそれぞれ違うが、鳴き声が非常に美しく、うるせえ町並みと対照的だ。そして鳥籠の真ん中がすぼんだ形がまさに白夜之笼(日本語版未実装の箱庭の鍵ルートのエンディングの一つ)の絵と同じだったので、これには結構感銘を受けた。日本のペットショップでよく見る鳥籠といえばもっと無機質な四角いやつばかりで、反対にこちらはいかにも中国のデザインである。そういえば、ヌルの二つ名も笼之鳥であった。質感がある。

などと言っている間に山塘に着いた。水路沿いに家が立ち並ぶ風景は、思い描いていた中国の古い街そのものという感じだ。やはり中国は水のある風景が似合う。観光地化しているので、メインの通りには店が並んで朝9時でも人がいっぱいいて賑わっているが、ちょっと外れると静かになる。さらにうろうろ歩いてみると完全に生活の場になって、そのへんに洗濯物を干していたり、市場には鳥や魚などがたくさん並び活気があった。ただし、このような細い場所でもバイクたちが我が物顔でクラクションを鳴らしてくるのには辟易したが…。最終的には山塘の街区を抜けて、そのへんの住宅地になった。いかにも社会主義国家の集合住宅という感じである。

しばし歩き、次は留園という庭園へ。蘇州は名園の多い街である。拙政園が最も有名かと思うが、ここも負けず劣らずで共に世界文化遺産の構成要素である。入場料は45元、券売機が使えないのでカウンターに行ってパスポートを見せて買う形となる。
客は多いものの、ここの庭園や建築は見事で、まさに雲庭棋院(東方古街の建物、雲梓の家)のイメージそのものだ。まあ写真を見るのが一番良いだろう(あまりうまく撮れていないが…)。中国らしく庭には奇石がたくさん置いてある。

これでとわなな的観点でこの日のうちに見たいものは見れたので、あとは流れでいろいろやる。まずはすぐ近くにある西園寺という寺へ。と言っても横にあったのでとりあえず行ってみた感じだが。あまり真面目に回っていないが、でかい本殿的なところにでかい仏像があったのと、五百羅漢的なのがある建物に寄った。さらっと書いているが割と迫力はある。正面から出たところ入場料を払う場所があったので、横から入るのがおすすめである。

続いて地下鉄で獅子山へ。ここに来た目的はイズミヤである。そう、あのイズミヤ。といっても関西の人以外には伝わらないか。割と最近まで関西以外にもあったが…。関西以外から撤退したにもかかわらず、なんと蘇州にはまだある。蘇州は日系企業の進出が盛んなので、必然小売業も日本の馴染みのあるところが進出していたりする。

ここのイズミヤは確か7階建てで、最上階のレストランフロアにはサイゼリヤなんかも入っていた。食品フロアには日本でも見ないレベルで納豆の品ぞろえが充実しているなど、まさに日本人駐在員のための店という印象だった。

獅子山の方を見やると、階段が上の方に続いているようであった。結構簡単に登れそうだったので、行ってみることにする。と、入口のところにゲートがあり、予約が必要なようであった。wechatのミニプログラムで受付ができるようで、その通りにやってみたがゲートが通れない。こちらの問題だったと思うのだが、警備の人に文句を言ったら通してくれた。

階段を上ること10分程度で山頂へ。四方開けた眺めだ。西の方は途方もないマンション群の果てに内陸の山々が見え、東は眼下に建設中のスタジアムとおぼしき建物の奥に中心市街の高層ビルが並ぶ。この辺りはちょうど郊外の緑地公園的な場所のようである。やはり新しい土地では国見をするのが良い。

下山して、眼下に見えていた蘇州博物館西館へ行く。ここは入場無料なのだが、パスポートを見せるだけではだめで、その前にカウンターで処理が必要であった。ここは西館で当然本館の方が大きな施設だと思うのだが、結構人でにぎわっていた。いろいろ展示はあったが、一番人が集まっていたのは夫差の使っていたらしい剣であった。やはり土地柄呉に関わる人物関係が少し多い。全体的にきれいではあるのだが、見せ方はあまりうまくないというか、ちょっと回遊しづらい造りになっているなという印象。

時間はもう3時だが、そういえば昼飯を食べていなかったことに気付く。そのへんのこれまた巨大なショッピングセンターに入り、焼き小籠包を食した。日本ではあまり見ない料理だが、鉄板で焼くのでファストフード的でなかなか良いと思う。その後地下鉄で移動し宿へ。近くの駅から向かう道が工事中で、事実上歩道のないほこりっぽい道を通る羽目になったため不快であった。一方宿は4500円くらいのチェーンと思われる如家酒店というビジホにしたのだが、ここは快適そのものであった。

荷物を置いて、再び散歩へ。とりあえず宿の近くの獅子林という庭がまだギリギリ間に合いそうだったので、見に行った。ここもやはり立派な庭園ではあるのだが、先ほどの留園に感動を持っていかれた後だったので、正直それほどの感慨はなかった。まあ回る順番の問題であろう。

その次は地下鉄で盤門という伍子胥が作った城門(確か)とその一帯の塔やらを見に行ったのだが、地図アプリと違ってもう閉園していたので中には入れなかった。ただし外からは見れるので、そのまま一周した。この辺で日没だったが、なかなかきれいであった。

その後地下鉄で宿のあたりに戻り、平江路と呼ばれるエリアへ。ここも蘇州の観光の中心ともいえる場所で、城門の周辺一帯の町並みが保存、観光向けにリノベーションされているようなところだ。適当に歩いていると謎の爆音が聞こえてきたので、そちらに向かう。音は相門(城門)からであった。人だかりができており、どうも門を巨大なモニタに見立ててプロジェクションマッピングをやっているようであった。東京駅でやってたような感じか。期間限定イベントで、この日が最終日の前日だったようだ。運が良い。しばらく鑑賞するが、なかなか派手な演出で非常に良かった。伝統的な演目と現代的な演目が入り混じる、いかにも中国的なプログラムであった。音はめちゃくちゃうるさい。

その後は平江路を散歩。まあおおむね山塘のような感じではあるが、全体的な雰囲気は違う。建築様式自体違うと思うので、おそらく時代が違うのであろう。いい加減疲れたのでほどほどで撤収。宿の近くまで戻り、近くにあった食堂で謎のエビとカニが入った麺を食す。一番高いメニュー(と言っても1000円くらい)だったが、味はそんなに大したことがなかった。臭み消しのための生姜を入れ過ぎ。まあ時間が遅く空いている店自体少なかったので仕方ないか。その後そのへんの果物屋でみかんを買って宿に帰って寝た。そういえばスーパーでちまきアイス(?)を絶対地雷だと思いながら買って食べたが、案の定意味不明な味であった。

〇3/3

この日はメインの日、15時~16時半の枠でとわななコラボカフェの予約を取っていた。というわけで上海に戻る必要がある。

6時前には起床して、朝の平江路を散歩。夜は結構遅くまで人がいたのだが、これくらい早朝になると観光客はほとんどいない。天気も良く、全体的にしっとりした雰囲気だ。昨日あれだけうるさかった相門も、体操している人がいるくらいで穏やかな時間が流れていた。あとは学園エリアということで蘇州大学に行ってみたが、入れなかったので撤退した。

そのへんの店でアガラサーっぽい黒糖味の蒸しパンを買って宿に戻り、果物と一緒に宿で食べてから出発。まずは歩いて北寺に行った。孫権が母のために建てたという由緒があるらしい。ここもそうだが、中国の寺は黄色が多い。五行思想の影響だろうか。ここもそうだが寺はあまり金をとってこないので良い。

上海まで戻るのに、行きとは別の交通手段ということで、地下鉄を使うことにした。上海と蘇州の地下鉄が昨年に接続したおかげで、屋内の乗り換えだけで移動できるようになっている。当然時間はかかるものの、予約もいらないし30分前に駅に着く必要もない。まあ悪くない選択肢だ。

途中、東方之門という駅で寄り道。実は先ほどのプロジェクションマッピングの写真にも写っていたのだが、市街地の東の方にやたら目立つビルがあり、東方之門とはそれのことである。駅を出ると目の前にそびえたっているのだが、これはでかい。300mくらいあるそうだ。特徴的なのはその外観で、ツインタワーが上層で繋がった構造(梅田スカイビルのような)になっている。

↑ここにも社会主義中心的価値観

しかしこの見た目であり、現地ではズボンビルなどと揶揄されることもあるようだ。まあいい得て妙というか、実際100人いれば90人はそう思うような見た目である。この辺りは副都心的な感じで再開発しているのだと思うが、この横の土地も高層ビルを建設中だった。

中に入れそうだったので入ってみたが、どうすれば上層に行けるのか全く分からない。中はおそらくオフィスとマンションなのだが、乗ったエレベーターは4回くらいまでしか上がれなかった。こんな高層建築なのに上層階にレストランフロアとか作らないのだろうか。というか、テナント自体あまり入っていない感じがする。この規模の建物がガラガラになること自体考えられないのだが、日本とは文化が違うらしい。

ちなみに、下に見える巨大な施設も商業施設であり、全部合わせると多分イオンモール幕張新都心よりでかい。この建物に入っているゲーセンには太鼓の達人アジアパシフィック版が置かれていた。

さらに少し進み、今度は钟南街という終点の駅へ。ここの駅すぐのところにはイオンモール(永旺梦乐と書く)がある。イズミヤにも行ったので、当然イオンにも行くのが筋であろう。ちなみに、中国のイオンモールは蘇州に3店舗、それ以外の地域にもそれなりに展開している。これで行ったことのあるイオンの南端と西端が同じ店(豊崎)ではなくなった。少しは現地感のあったイズミヤと違い、イオンモールは本当に中国でもイオンモールで、外観以外はよく見ないと違いが分からないほどであった。トップバリュも現地のものがあり、雪見だいふくのパチモンのドリアン味を買うなどした(味は悪くないが口の中がしばらく臭い)。モーリーファンタジーもあったのだが、ここは日本と違ってゲーセンというよりも幼児向けコーナーであった。

今度こそやることがなくなったので、上海に向かう。途中、ネット麻雀をしていたらいつまでたっても終わらずに乗換駅の花橋に到着してしまい、アプリ起動しっぱなしでセキュリティチェックを越えた記憶がある(乗り換え時に駅の園に出る必要はないのだが、改札とセキュリティチェックだけは通る必要がある)。ちなみに、上海側の電車を待っている間に西1で大逆転勝利を果たしたというのがこの顛末である。

乗車時間は蘇州側と上海側それぞれ1時間程度で上海の中心地、人民広場へ。地下鉄自体は結構快適なのだが、座席がプラスチックなので尻が痛いというのが欠点だ。日頃からJR東の座席の固さに文句を言っている身としては、ここは文句を言わざるを得ない。まあ、メンテの楽さという点では間違いなくメリットがあるのだが…(JREの車両はそのメリットもないと思うが)。ちなみに乗客は結構いて、値段が安いゆえに地下鉄で相互に行き来する人が結構な割合でいるのだろう。

↑これは蘇州の地下鉄。上海は撮り損ねたが、似たようなもんだ

さて、人民広場に到着したのは14時半少し前。時間がまだあるので、宿に先に向かう。今回はここのすぐ近くのユースホステル的なところを取っていた。大隠国際青年旅舎というところだったが、国際というだけあって西洋人の非常に多い宿であった。中はごく普通のドミトリー形式のホステルで、2000円くらいだったので場所を考えればかなり良いと思う。

荷物は邪魔になりそうなので、全て置いて手ぶらで行く。ロッカーには前の客の忘れ物が入っていたが、面倒なので見なかったことにした(掃除が雑)。コラボカフェは南京東路歩行街の百联ZXというビルの中にある。南京東路歩行街は上海の写真で外灘と並んで最もよく登場するので、見たことがあると思う人も多いだろう。で、該当のビルもその中にあるのだが、これがまたすごいビルで、7階+地下1階建てくらいの中のほぼすべてのテナントがオタクショップである。多分日本にもここまでの集積はないと思う。そしてめちゃくちゃ混雑している。

目当ての店は萌果醤珈琲店という5階の建物だ。エスカレーターで向かう。と…

うおおすごい。本当にある。永遠的七日之都コラボカフェ。真っ白なドレスに身を包んだアントネーワの等身大パネルがお迎えしてくれた。正直、これだけのために上海に行く価値がある。

さて、店の人に予約画面を見せてカフェ店内へ。座席ごとにキャラクターがあしらってあるのだが、自分が案内された席は彼安汀だった。旧日本版にはいなかった人物(放置版にもいなかったが)で、ちょうど自分が大陸版に移住してからしばらくして実装されたキャラだ。持ってはいなかったと思う。ちなみに、トップクラスで女性人気の高いキャラである。なんかだいぶ申し訳ない。なお、このコラボカフェの特性上なのかどうかは知らないが、店内は8割女性客であった。

そういえば、中国のバレンタインについて、今回のコラボカフェの関連知識として書いておくべきだろう。こういうイベントをやっているので当然中国にもバレンタインデーの文化はあるのだが、日本のそれとは位置づけが少し異なる。中国では情人節という字を当て、恋人の日というのも同じなのだが、中国では日本と逆で男性から女性にプレゼントを渡す日である。また、義理という文化は存在しないので、日本よりよっぽど硬派なイベントと言える。これを踏まえたうえで先ほどの写真に戻ると、キャラの服装が聖そうなのもまあわかるだろう。まあ、結構「重い」コラボイベントなのだ。ちなみに彼安汀含め数人が花束を持っているが、花は最もポピュラーな贈り物らしい。

話を戻そう。メニューはQRコードを読み込んで注文するようになっていた。まあここはけちけちする場面ではないので、キャラが被らないように意識しつつ、主食に焼鳥丼的なやつ(鐘遥)、ドリンクのローズティー(ネーワ)、デザートのベリータルト(イスカリオ)と3品注文した。メインの鶏肉がちょっと微妙だったが、あとはおいしかった。昨日からなぜか麵ばかりだったので、どうしても米のメニューが食べたかったのだ。ちなみに、3品で3500円くらい。まあそんなもんか。

↑花は食えるのか分からないのだが食った。おいしくはなかった。

店内を見渡すと壁にスチルが飾ってあったり聞き覚えのある音楽が流れていたり、まあおおよそ想像しうる一般的なコラボカフェという印象だ。あとは落書きコーナーがあったのだが、自分のいた時間に書いている人は誰もいなかった。

↑結構見覚えのあるイベント絵もある。大陸版意外と長いことやってたんだな…

↑天下第一が多過ぎる。

制限時間ギリギリまで居座ってから会計。ここで予約の30元はバウチャーになっていてどうのこうのと言われたのだが、よく意味が通じなかった。額面通りに受け取ってグッズのコーナーでしばらくうろうろしていたら店員が来て、そうじゃなくて会計の方に行けと言われたのでよくわからないままに行く。と、そこの店員のいうことがまたよくわからなくてしばらく翻訳アプリを通して意味が通じなくてすったもんだあったのだが、実は店員が日本語を話せることが判明したので解決した。コントかよ。要はバウチャーで買える商品はカウンターのやつだけらしい。というわけで缶バッジと何らかのチケット風のやつを買った(ちょっとだけ足が出た)。

家に帰ってから開けたところ、チケットの方は東方古街のスチルで缶バッジはネーワをツモっていた。運命力。ちなみに下の写真真ん中は各メニューを注文するとランダムでもらえるコースターだ。

↑戦利品。7人中手に入らなかったのはフィニックとヴィエン

さて、店を出ていろいろ回ってみる。この店の別の一角ではブルーアーカイブのコラボカフェもやっていた。かなりこぢんまりしていて、とわななよりよっぽど狭かったのは意外である。知っているキャラがいなかったのでかなりマイナーなコラボなのだろうか。また、隣の店は羅小平戦記のコラボカフェで、こちらは繁盛していた。

とりあえずこのビルの全オタクショップを巡る。目的は中国の流行コンテンツ調査ととわなな、リブドル(一時期日本でも展開していた中国のVtuberのプロジェクト、終了済)のグッズが売っていないかの確認。結論から言うと、どちらも売っていなかった。これだけ大量に店があればどこかにひとつくらい売っていてもおかしくないと期待していたのだが…。これだけ店はあるのだが、品ぞろえにそこまで大きな違いはなく、一部のコンテンツがほとんどの棚を占めていたというのが実際のところだ。具体的には原神や崩壊スターレイルなど。あとは腐女子向けコンテンツが結構あるなと思った。あまりこの分野は流行に詳しくないのでよくわからない。恋与制作人とかはまだあったが…。

↑やっていないのでよく知らないが温泉を違法採掘する集団がいると聞くのでたぶんそれだろう

諦めきれないので、もう少しオタクショップ巡りをすることに。実はIPSTARという店にリブドルのグッズがあるという噂を耳にしていたので、そこに向かうことにした。場所が少し離れているので、ここはレンタサイクルを使うことに。上海は日本の日でないほどシェアサイクルで溢れかえっており(蘇州もあるが上海ははるかに多い)、少し歩くとそのへんの路上に駐車されているのを見つけることができる。色によって会社が違うようで、各社のアプリで借りることができる。今回はハローバイクという青色のやつを使うことにした。やり方は簡単で、wechatのミニプログラムから登録したら、あとは自転車のQRをスキャンするだけだ。中国の交通ルールはよく分かっていないが、とりあえず右側通行だ。あとは流れでどうにかなる。割と自転車レーンも整備されているので乗りやすい方だとは思う。

↑今回の愛機。真ん中のQRコートをスキャンする

上海市内を爆走すること30分、目的の商業施設に到着した。地下鉄ばかり乗っていて飽きてきたところだったので、これは楽しい。料金も2元と激安…だったのだが、勝手に初回クーポンとかで1.99元ディスカウントされた結果支払いが0.01元になり、そのせいでクレカ決済の最低額を下回って決済ができなくなってしまった。解決する方法もわからないので、そのまま支払わずに放置した。今はクーポンが切れて2元に戻ったのでもう払えるのだが、たぶん支払うまでもう乗れなくなる以外のデメリットがないのでまだ踏み倒している。

さて、はるばる自転車でここまで来たのだが、目的のIPSTARにはリブドルグッズは売っていなかった。もう少しほかの店舗も回る気はあったのだが、自転車が出禁になったのとスマホの充電が一桁になってこのままでは路頭に迷うので、おとなしく地下鉄で帰ることにした。

宿でモバイルバッテリーを回収して再出発。もう日が暮れていて、南京東路歩行街もアジア的カオスを演出していた。相変わらず人が多くて移動するだけでも大変だ。百联の別の商業施設も外から見てオタクショップだらけっぽかったのでここも一通り見てみたが、やはり空振り。日本でサ終したエラゲの広告とかがあってちょっと嬉しかった。

↑ようやく普通の上海観光っぽい写真

このあとは地下鉄を乗り回して時間が尽きるまで商業施設巡りをした。アピタカルフール、その他地場のショッピングセンターなど。アピタは客層こそ日本人向けという感じがしたが、内装は中国ナイズされていた印象だ。またカルフールは近年業績の急激悪化で店舗閉鎖が相次いでいると聞いていたのだが、訪問した店も核店舗のはずのカルフールはもぬけの殻だった。この辺りは調べれば情報が出てくるので興味があれば調べられると良い。

最後に上海のもう一つの一大観光地、外灘に行くことにした。上海タワー(東方明珠塔)のあるエリアだ。時間はもう9時を回っていたので何を見るというほどではないが、のんびりと高層ビル群を眺めながら散歩。上ばかり見ていると首が痛い。長江まで出ると、対岸の議事堂っぽい建物などがきれいだ。

長江を渡る橋はなく、渡船も営業を終了しているので、対岸へは地下鉄で戻ることになる。今度は対岸から外灘を見ようと行ってみたが、時間が10時を回ったので明珠塔はライトアップを終了してしまった。少し残念だ。こちらの方がやはり人は多く、この時間でも多数の人が川沿いでのんびりしていた。

↑左の方に明珠塔がある

中途半端な時間にコラボカフェで食べたので実は夕食がまだだった。実はこの時間でも開いている場所の目星をつけていたので、そこに向かう。それが哥哥の深夜食堂という店。実は昼間に商業施設を歩いていた時に、「深夜食堂」の4文字を見てこれは…と思っていたのだ。深夜食堂と言えば旧日本版とわななに存在した、20時の行動を終えた後で3人の体力を30(確か)回復させることができる場所である。どうも調べてみると日本のドラマ深夜食堂が中国で多少流行ったらしく、その影響ということらしい。

まあそんなことはどうでもよくて、チェーン店でかつ遅くまで開いていることが分かっていたので心配はしていていなかったのだ。ということで、一番近そうな店に入る(結構遠かった)。営業時間以外真面目に見ていなかったので入ってから分かったが、居酒屋であった。旧日本版では深夜食堂でラーメンを食べる描写があったのでそれが良かったのだが、残念ながらなかったので他の物を探す。メニューを見たらうな丼が48元で(日本と比べると)安かったので、それにした。あとは居酒屋だし単品で頼むのもな…と思いなんとなく牛タン串も追加。うなぎはまあ普通だったが、添えられていた卵焼きがおいしかった。インチキ日本料理店ということはなく、割と丁寧な店だったように思う。

いい加減疲れた。もうバスもないし地下鉄も使えるような場所ではなかったので、どうにか頑張って歩いて宿に戻り就寝。

〇3/4

最終日だ。この日は14時台の飛行機でソウルに一度飛び、トランジット4時間ののち日本に帰国する。

朝はとりあえず公園で麻雀をやっている人でも探しに行こうかと中山公園に行ってみたが、残念ながら誰もやっていなかった。凧を上げている人や体操をしている人はたくさんいたが…。その後上海図書館へ。まあ当然開いてはいないのだが、とわなな質感スポット(旧市街地の大図書館)ということで、とりあえず外観だけ見ておく。

↑朝は南京東路も静かだ

↑言うほど旧市街地ではないか…

宿に戻り荷物を拾ってチェックアウト。この宿はデポジット(当然wechatとかで払える)が必要なタイプの店だったので、それも返してもらう。

昼まで時間があるので適当に時間を潰そうということで、豫園に行くことにした。上海の観光地として上位に上がるところだ。そういえばまだバスに乗っていなかったので、バスで行くことにした。バスの系統は高徳地図の経路案内で確認し、それに乗るだけだ。乗ると目の前にQRのリーダー的なのがあるので、alipayに入っている上海の交通カードをかざすだけ。車掌っぽい人(海外はバスに車掌がいることがわりとある)に確認したが、降りるときは不要だった。車内は結構きれいで人の多い地下鉄よりも快適だ。降りるバス停も電光掲示板があるのでわかりやすい。

で、豫園に着いたのだがまだ開園前だった。というわけで、ここはスルー。少なくとも留園に勝ることはないと思うため。ただ、本当はとわななの東方古街のマップに一番近い風景はここではあったと思うが…。さっさと離脱してしまったが、もう少しどこか侵入できるところを探しても良かったかもしれない。

やることがなくなったので、先に進む。バスを制覇したので次は船も乗ってやろうということで、復興東路の船着き場へ。交通カードはバスと地下鉄に分かれてそれぞれ使えるようになっているのだが、船はどうやるのか分からない。改札で最初タッチしようとしたら通らず、係員に聞いてみるとどうも別の改札機でないとだめだったようで、そっちでタッチすると通ることができた(バスのQRで通れたが、地下鉄でも行ける気がする)。

桟橋が何か所かあって行先も違うようだが、とりあえず最初に出そうなやつに乗る。どうせ近距離なので、どこに着いてもまあ致命傷にはならないと判断した。自分が乗船してすぐに出発。外灘の高層ビル群を眺めながら進んでいく。周りを見ると荷物を大量に積んで喫水ぎりぎりの古そうな船がそこかしこを往来していて良い風景だ。

船はすぐ対岸の楊家路に到着した。自分が乗ったのは楊復線だったらしい。ということで、一番近くの商場路の駅を目指す。途中、ちょっとした店が並んだエリアがあったので見に行ってみると、袁記雲吞があったのでブランチというか早めの昼食ということで入ることにした。袁記雲吞は割と中国でも大きなチェーン店である。この時は知る由もなかったのだが、実はこの日は袁記と大阪王将が業務提携をした日で、後日そのことを知って面白い偶然もあるなと思ったものである。注文は海鮮の雲吞にしたが、出汁も雲吞も非常においしかった。大阪王将との提携は大阪王将の中国展開に関してだそうだが、袁記も早く日本に進出してほしい。

店を出ると対面にちょうどカルフールがあったので買い物していった。てっきり大型店だけと思っていたのだが、フランチャイズでこういう小型商店にも浸透していたのか。確かに、小型店も出さないと中国でこれだけ浸透するのは難しいか。苦戦しているカルフール本体とまだ契約しているのかどうかは分からないが…。まあこういう小型店は本体の苦境など知らぬ風で生き抜いていくことだろう。ちなみに、バニラアイスを買ったのだがなんとなく嘘くさい味がした。

↑注文はスマホから、これだけ大量に入っているが450円程度だ

店を出るとにわか雨が降り始めていた。日本の感覚で言えば、この季節にしては結構な雨だ。傘をさす。幸いすぐに上がったが、これが今回の旅行中唯一の雨だった。

この後は商場路の駅から若干途中商業施設で寄り道しつつ、浦東空港へ。今回は上海航空(運航は東方航空)だ。混雑していたら嫌なのでちょっと早く着いたが、平日の真昼間ということもあってかカウンターは無人で手続きは一瞬だった。これなら豫園の開園を待つべきだったか…。しばらく空港で時間を潰して搭乗。機材は確かB737だったと思う(写真的にも)。あまり混んでいなくて快適だったが、飯はあまりおいしくなかった。

中国の時間で16時、韓国は時差がないので現地時間だと17時過ぎに仁川国際空港に到着した。地味に韓国は初めてだ。コンコースだったので少し時間はかかったものの、入国審査は楽勝。

次の便は22時台なので、6時間ほど間がある。といっても少し厄介なのが、韓国は中国ほどキャッシュレスで過ごせないということだ。市街地に出るのに鉄道に乗るための交通カードの利用とかに両替を含む手続きが必要な様子で、6時間のためだけに両替していろいろやるのも面倒だ。というか、もう消化試合なのだ。かつては無料のマグレブが動いていたので割と無銭でもいろいろできたのだが…。というわけで、徒歩で空港周辺を散策することに。

さて、どこに需要があるのかはともかく仁川国際空港から徒歩で脱出する場合について解説しておく。ポイントは中央を突っ切るということだ。駅の中央をまっすぐ突っ切って、1階の出口(ちょっと分かりにくい)から出ればそのままマグレブの線路の下に出るので、あとはまっすぐ進めば脱出することができる。自分は出るときにここを外したせいで厄介なことになった。

まっすぐ歩いていくと横にパラダイスホテルがある。たまに日本でもカジノのCMをやっていたので知っている人も多いと思われる。巨大なホテルなので適当に入って散策した。カジノには入らなかったが、謎に巨大なスペースにちょっとだけ美術品が置いてあったりレインボーロードみたいな建物があったりと、意味不明だがそれなりに楽しめた。

↑ハングルは読めないがおそらくマグレブに関する労働争議的なやつだろう

外に出てもう少し歩く。この辺りは空港近辺のホテルが集まるエリアなので面白くはないが、コンビニやレストランなど一通りのものはそろっている。無人コンビニがあったので入ってみたが、適当に飲み物を買ってクレカで会計することができた(謎の飲み物を買ったが驚くほどまずかった)。

これで自信が出たので、googlemapのレビューを確認してキャッシュレスで払えることを確認した上で近くのレストランに入った。焼肉屋だったが肉はそれなりの値段だったのでビビンバを注文。唐辛子マークがなかったので安心していたが、だいぶ辛かった。韓国の辛さを信用してはいけないことを学ぶ。しかし1000円くらいで異常量の副菜も出てきたので全体的には満足である。店を出るともう真っ暗だったので、再度無人コンビニでアイス(これはまあおいしかった)を買ってから空港に戻った。

空港に戻るとチェックインが始まろうかというところで列形成されていたので、そこに加わる。最後の行程はpeachなので、そこかしこから日本語が聞こえてきた。ちょっと腹が立つ。手続きをした後は空港で残りの時間をだらだら過ごし、やがて時間が来ていつものA320に搭乗。運良くこちらも非常口席だった。日付は変わって5日の0時過ぎに羽田に到着し、当然終電はないのでいつもの場所で寝た。この3日で85kmくらい歩いてへろへろになっていたのでそれなりにしっかり寝れた記憶がある。

始発のモノレールで帰宅し、7時からテレワークした。ろくでもない3月の日常に戻る。

というわけで実質2泊の旅程であったが、本当に2泊しかしていないのかと思う程度には充実した旅行であった。とわななコラボカフェという名目だったが、ほんとうはただ中国本土に行く理由が欲しかっただけとも言えるかもしれない。そういう意味ではこの動機を与えてくれたとわななには感謝しかない。もう4年も前のサービス終了という先に繋がらなさそうな出来事から始まってこんなことになるのだから面白い。ちょうど放置版もサ終したところで寂しい限りではあるのだが、中華ソシャゲが日本市場を席巻している今、その先駆けの一つとしてとわななを遊べたことを幸福に思う。とわななもネットイースもちょっと苦しそうな昨今であるが、頑張ってもらいたいところである。

〇総括、雑感

せっかくなので、お役立ち情報の総括やその他書ききれなかったことの補足もしておこう。ちなみに、今回の旅行で使った金額は飛行機が3区間で4万5000円、宿代が65000円、その他が8000円くらいで合計6万円といったところだ。飛行機を早く取るとかすればもっと安くできただろうが、それにしても安く収まった。

・準備について

まず、wechatとalipayの導入は必須と言って良い。使えるところではどうせ両方使えるのだが、今回の自分の場合だと片方は交通カードがうまく入らなかったりしたので両方ある方が望ましい。逆にこいつさえうまく使えれば勝ったも同然と言えるほど、中国のキャッシュレス化は進んでいる。あとはスマホが壊れないように祈るだけだ。ちなみに、それぞれ利用履歴が確認できるのでいくら使ったかもすぐにわかる。今回入場料や食費などを書けたのはそのおかげだ。

また、記載した通り現在はビザなし渡航はできない状態なので、ビザを確保するか自分のようにトランジットになるような旅程を組む必要がある。これはまあ好きにすれば良いだろう。あとは宿を予約する必要がある。入国の際に確認されるのだが、宿の情報を打ち込んでいたのでこれは必須だろう。で、宿を取るのには中国のサイトから探す方が金銭的にも情報量的にも良いのだが、一つ気を付けなければいけない点がある。それは全ての宿が外国人を受け入れてはいないという点で、これは外国人が泊まる場合報告したりするシステムがあるということでその絡みによるものらしい。自分は宿の予約をwechat内の程携旅行から行ったが、検索の際に「外宾活用」というフィルターをかけて検索してやると良い。このとき、どうも本当に該当していれば大丈夫かというと当てにならないこともあるという話も聞くので、英語とか外国語のレビューがあるかダブルチェックしておくと安心だろう。

コラボカフェの予約はタオバオから行った。この時現地の電話番号が必要だったので、出発直前にeSenderをアクティベートしてから予約した。それ以外の場面でも電話番号があったほうが良いことがよくあるので、eSenderも利用しておくのが良いだろう。もちろん電話番号付き現地SIMとかでも良いだろうが、金盾が適用されるのが悩みどころではある(香港SIMなら適用されないとも聞く)。

あとは地図アプリも必須だ。Googlemapはほぼ役に立たない。高徳地図と百度地図が有名で自分は高徳地図を使ったが、典型的な中国アプリという感じがした。まあ慣れれば普通に使える。ただし、高徳地図もフルに活用するには登録が必要で、これは面倒だったか中国の身分証番号が必要だったかでしなかった。

以上まとめれば、スマホさえうまく使えれば中国は普通に旅行できるということだ。

・交通について

交通に関しては結構本文に詳細に書いたつもりだ。よって補足することはあまりないが、基本的に上海と蘇州の交通網に関しては非常に充実していたという印象だ。

まず地下鉄について。地下鉄は遅くとも10分、だいたいは5分に1本くらいの頻度で来るので、これが移動の基本になるだろう。これだけ高頻度で来るのだが、さすがに人口が多いだけあって結構混んでいるなという印象である。セキュリティチェックがあるが、非常に雑だ(普通に寝ていたりする)。かばんを空港にあるようなX線のやつに通すだけでよい。身に着けている手荷物は出さなくて良い。飲み物はたまに咎められて比重チェック的なのに通されるが、基本的にはスルーされる。キャッシュレスで利用するにはwechatなりalipayなりに交通カードを入れる必要があるので、それだけは行く前にやっておいたほうが良い。自分の場合、上海はalipayのmetro大都会が入ったのでそれを利用、蘇州はwechatに蘇州地鉄乗車码(地下鉄)と蘇州公交乗車码(バス、未使用)が入った。認証の関係で入ったり入らなかったりする。が、今改めてやってみると上海の地下鉄のやつがwechatでアクティベートできたのでやり方が悪かっただけという説もある。まあ一応片方で試して無理だったらもう片方も試すくらいで良いと思う。

バスは一度しか使っていないが空いていた。地下鉄がかなり高密度なのであまり出番がないのだが、うまく使えば便利と思われる。少なくとも上海の場合、バス停には行先も書いてあるしそれなりに使いやすい形になっている。高徳地図でも百度地図でも良いが、地図アプリに案内が出るのでそれを活用する形になるだろう。道路は割と混んでいるが、バスは専用レーンもあったりするのでそこまで遅くは感じなかった。

あとはこれまた一度しか使っていない鉄道(新幹線)。都市間利用になるので今回は出番がほぼなかった。が、これまた格安だ。こちらは予約がネットや各種アプリからできるので、それを使えばよい。本文に書いた通り、30分前くらいには駅に入っておく必要があるのでそれだけ要注意だ。

まあ鉄道バス船いずれにせよ、料金も格安(端から端まで乗っても150円とか)なので積極的に使っていくと良い。あとはシェアサイクルを使ってみたが、これも非常に便利だ。日本ではそれほど数が多くないのでちょっと使いにくいところもあるのだが、上海では本当に溢れかえるほどあるので選択肢として上がってくる。蘇州もそこまで気にしていなかったが、今思うとたくさんあった記憶がある。

・食

まず、全体的に安い。かつ、残す文化だからだと思うが量も多い。まあ自分はそんなことは完全に無視して全部食べたが。店はどこにでもあるかというとそんなことはなくて、あるところにたくさん固まっているという感じだ。おそらく、住区と分離しているからだろう。味の方は今回食べた範囲のものは基本的に日本人の口に合うようなものだったと思う。まあ中華料理は世界一美味いので当然ではある。

ちょっと面白かったのが果物。本文にあまり書かなかったがりんごやみかんなどそれなりに食べている。で、中国の果物の特徴は見た目の良さだ。特に柑橘はつやつやで、日本に置いてあっても手が出ると思うほど見た目は良い。のだが、見た目の割に肝心の味はそこまでで、みかんもりんごも味が薄めで特にみかんは割と水っぽい。りんごだとヨーロッパで食べたものよりも薄いなと思った。体裁重視のお国柄ということか。りんごに関しては後ほど別記事でいつものような形でレビューする。

あとはアイスも結構色々食べたのだが、割といまいちだった。と言っても、これはチョイスが悪かった可能性も結構高いのだが…。ちまきアイスは論外として、全体的にバニラ系の味がちょっと違和感があるなと思った。氷菓は食べなかったので評価できない。

飲み物は食べ物に比べると高いなという印象だ。味に関してはまあ普通。ちなみに、初日のホテルはペットボトルの水が2本も置いてあった。あと特筆すべきは時々給水設備があることで、上海だとたまに水が補給できた。この設備はお湯も出るようになっているのが中国らしい。

・町並みについて

これについては思っていた通りという印象。日本と違い、人の住む区域は商業施設のある街区とは基本的に分かれている。街区には社会主義国家らしい画一的な見た目のマンションが林立していて、明らかに供給過多なように見える。一方で商業施設に目を向けるとこれまた供給過多なのだが、特徴的なのは駅直結の商業施設が非常に多いということだ。多くの地下鉄駅には直結の商業施設がくっついていて、当然駅直結以外のところもたくさんあるので、本当に多い。しかも一つ一つがそのへんのイオンモールくらいのサイズがあり、明らかに需要に見合っていない。作るために作っているというか、計画経済的な思想を感じる。当然ながらゴーストモールも多いのだが、今回はカルフールくらいであまり多く巡れなかったのが残念ではある。東方の門のような象徴的施設ですら廃墟のような雰囲気が感じられたのは衝撃的であった。

古い街並みにも目を向けておくと、こちらもまた思っていた通りだ。一通り眺めた感じだと、中国の伝統建築らしさの根源には尖った先端とそり返りのある曲線があるように感じた。あとはこれに赤っぽい飾りがあればだいたい中国っぽいのではなかろうか。古い街はだいたい水運とセットなので、水辺の風景が好きな自分にとっては楽しいところだ。

・治安など

今回動いた範囲では、概してここにはいかないほうが良いと思うような雰囲気の場所はなかった。一方で当局から監視されているような感じがあったかというと、ことさらにそんな感じもない。確かにセキュリティチェックなど結構あるのだが、運用自体は結構適当な雰囲気である。外国人が当局に拘束されたという話がないわけでもないので、あまり不穏な動きはしないほうが良いのだろうが。人は基本的にはフレンドリーな感じだったので、旅行自体はしやすいのではという印象だ。ただ、東南アジアと同じレベルでバイクがクラクションを鳴らしてくるのとやたら痰を吐く人が多いのにはちょっと辟易したが…。

ということで、こんなもんにしておこうと思う。今回行った上海と蘇州だけでも全然回り切れていないのだが、中国は広すぎるのでもっと回ってみないとお話にならないなとは思うところだ。この国だけで一生かかっても足りないくらいのコンテンツ量があるので、もう少し積極的に訪れたい。そのためにも、せめてビザなし渡航くらいは復活させてもらいたいのだが…。