Daisy Bellの憂鬱 (original) (raw)

photo by Romain HUNEAU(https://unsplash.com/ja/@honni)

2024年高専ロボコン四国地区大会のネット観戦メモです。

公式からの大会実施結果はこちら(四国地区大会)

高専ロボコンとは?

全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のこと。

official-robocon.com

高専ロボコンでは毎年違った競技課題が与えられ、全国の高専チームが競い合います。

2024年の競技課題は?

『ロボたちの帰還』

今年の競技のミッションは、「着地」、そして「回収と帰還」です。
前半は「着地」。ロボット1がロボット2を飛ばして、エリアCに着地させると得点です。
一番高い得点の着地スポットは、エリアAからの距離が5mにもなります。
後半は「回収と帰還」。ボールを回収してロボット1に届け、さらにボックスを持って、エリアBを越え「帰還」します。ロボット2が自力で戻るのもよし、ロボット1と連携&協力するのもよし。
まさにアイデアの見せどころとなります。競技時間は2分30秒です。

ルールブック(7月9日修正版)P.2より引用

本記事は、Youtubeでの全国大会LIVE配信及びアーカイブ視聴により作成しています。

www.youtube.com

2024年の競技課題

『ロボたちの帰還』

開催概要

日時:2024年9月29日(日)
場所:香川高等専門学校高松キャンパス第一体育館
担当校:香川高等専門学校(高松キャンパス)

審査員:
川崎医療福祉大学 臨床工学科 教授 逸見知弘氏
産業技術総合研究所四国センター 所長 大西芳秋氏
NHK高松放送局 局長 おかもとゆきえ氏
解説:岡山理科大学工学部機械システム工学科 教授 衣笠 哲也氏

競技ルール

公式配信動画の 47:15頃 から実際のフィールドを使ってのルール説明があります。

詳細については以下の資料をご確認ください。

最新ルールブック・FAQ

最新ルールブック(2024.07.09)

フィールド図面

FAQ Ver.4(2024.08.09)

以下に文字ベースでも基本的なルールを記述します。

フィールド 競技フィールドは長方形でA,B,Cの3つのエリアに分かれており、以下のようになっています。
A:スタートゾーン含む。
B:ロボットの接地不可、上空への侵入は可。(AとCに挟まれたこのエリアBを如何に飛び越えるかが今回のポイントの1つ)
C:オブジェクトゾーン、円形の着地スポット含む。

ロボット 各チームはロボットを2種類(ロボット1、ロボット2)用意します。
各ロボットの役割は、
ロボット1:エリアAを自由に移動できる。ロボット1はエリアAから、ロボット1自身の動力によってロボット2をエリアCに飛ばす。
ロボット2:ロボット1から射出後、エリアCに着地する。ロボット2はエリアCに着地後、オブジェクトゾーンにあるオブジェクト(ボール、ボックス)を回収し、エリアBに接地することなくエリアAのロボット1にボールを届ける、もしくはロボット2自身とともにエリアAにボックスを持ち帰る。なおロボット2はエリアCで複数台活動可能だが、ロボット1が一度の射出で飛ばせるロボット2は1台のみ。

ミッション
以下の3つのミッションの達成を目指します。
着地:ロボット2がエリアBを飛び越えエリアCの着地スポットに着地する。
ボールの回収:ロボット2がエリアC内にあるボールを回収し、エリアAにいるロボット1に届ける。
ボックスを保持したロボット2の帰還:ロボット2がエリアC内にあるボックスを回収し、保持したままエリアAに帰還する。

得点
着地:エリアCにロボット2が着地した場所に応じて得点を獲得できる。ただし得点となるのは最初の着地のみ。(ロボット2を複数台飛ばしても、着地得点は最初の1台分のみ)着地スポットは円形となっており、円の中央から100点、40点、10点、着地スポット以外は1点となる。複数の得点圏に跨がって接地した場合は、得点の少ない方が採用される。

ボール:競技終了時にロボット1が持っている、またはチームがフィールド内に保管している*1ボールが得点となる。ロボット2から1への受け渡しの際、ボールがエリアBに接地すると得点は無効となる。1個につき10点。全部で7個。

ボックス:ボックスを保持した状態のロボット2がエリアA(上空含む)に完全に入った時点で得点となる。エリアCからAへの移動の際、ロボットおよびボックスがエリアBに接地した場合は得点は無効となる。1個につき60点。全部で3個。

勝敗 以下の順に勝敗を決定する
1)より早くすべてのミッションを完了、すなわち着地得点100点、ボール10点×7個、ボックス60点×3個の合計350点満点を達成したチームを勝利とする*2
2)競技終了時に得点の高いチームを勝利とする
3)両チームの得点が同点の場合は以下の順で勝敗を決定する。
a)より多くのボックスをエリアAに持ち帰ったチーム
b)より高い得点の着地スポットに着地したチーム
c)上記で決定できない場合は審査員判定とする

その他
ロボットがエリアBまたはフィールド外に接地した場合、相手フィールドの上空に侵入した場合、相手チームの競技進行を妨げた場合などは強制リトライとなる。

以上のルールをベースに、青ゾーンと赤ゾーンに分かれて対戦形式で試合を行います。競技時間は2分30秒です。

四国地区大会 出場校

※入場順、かっこ内は試合中の略称

高専・各キャンパスからA,Bの2チームが出場、合計12チームで争います。
全国大会出場枠は3つです。(優勝1、推薦2)

試合結果

予選ラウンド

第1試合

Aグループ 高知A VS 新居浜B試合動画
ロボットについて:
高知A リーダーは全国経験を活かしてチームを率いてきた。操縦を担うのは1年生。
新居浜B 5日前に急遽ロボットの方向性を変更。テストランで部品が壊れるアクシデントも。修正に修正を重ね、より良いロボットを生み出そうと試行錯誤の中挑む。
結果:10-0 高知Aの勝利
高知A:着地10点

Bグループ 弓削商船B VS 香川高松A 試合動画
ロボットについて:
弓削商船B エリアAにいるロボット「やけくそ大将」には顔が。レース中のロボットの気持ちがロボットに映し出される。
香川高松A 先輩から受け継いだ強力なバネでロボットをダイナミックに発射。大量にボールとボックスを回収する滑らかさを追求した動きも必見。
結果:0-260 香川高松Aの勝利
香川高松A:着地10点、ボール70点、ボックス180点

Cグループ 新居浜A VS 香川詫間B 試合動画
ロボットについて:
新居浜A 難易度の高い今大会のルールでも投げやりにならずに頑張ろうという思いでつけたロボット名が「なげやりくん」。ほかにも「はこぶくん」「玉投げくん」「つかみくん」など、それぞれの機構に名前がついている。様々なロボットを飛ばしてテンポ良くエリアCに届ける。
香川詫間B メンバーのイニシャルを取って「KKO」、「カカオ」。直前までこだわり抜いたロボットが形になったのはおよそ1週間前。優勝に向けて飛び出すロボットたちは無事に帰還できるか?
結果:10-40 香川詫間Bの勝利
新居浜A:着地10点
香川詫間B:着地40点

Dグループ 阿南A VS 香川高松B 試合動画
ロボットについて:
阿南A 月面探査機「SLIM」にかけて名付けたチーム名。ロボットにそれぞれ惑星の名前をつけるなど、コンセプトにこだわり抜いた。一番の見どころは空気の力を使った発射。火星を意味する「マーズ」と名付けたロボットがまるで流れ星のように飛び出す。
香川高松B とにかく発射の精度が高い。テストでは10回中8回100点を記録。エリアAからCに飛び出すロボットにはスポンジがついていて、衝撃への耐久性もばっちり。翼をつけた赤い飛行機が100点めがけて飛び出す。
結果:40-100 香川高松Bの勝利
阿南A:着地40点
香川高松B:着地100点

第2試合

Aグループ 新居浜B VS 香川詫間A 試合動画
ロボットについて:
香川詫間A まず発射されるのは大型のロボット。エリアCからエリアAに橋を架けるロボット。ダイナミックに宙を舞って大量得点の着地を狙う。さらに注目はボールやボックスの回収速度。
結果:0-1 香川詫間Aの勝利
香川詫間A:着地1点

Bグループ 香川高松A VS 阿南B 試合動画
ロボットについて:
阿南B 去年に引き続きコンセプトは昆虫の蜂。エリアCに飛ばされたロボットが蜂のように素早くボールを投げる動きに注目。ロボットはタイヤにも工夫があり、六角形の蜂の巣型を採用するなどこだわり抜いた。
結果:290-10 香川高松Aの勝利
香川高松A:着地40点、ボール70点、ボックス180点
阿南B:着地10点

Cグループ 香川詫間B VS 高知B 試合動画ロボットについて: 高知B 「魚群」というチーム名のとおり魚をイメージした形のロボット。高知名物カツオが宙を舞う。カツオは最大5つのボールやボックスを回収することが可能。カツオを発射するのはエビフライという名の大型ロボット。カツオが帰還するのを手助けする橋をかけるのはカニパン
結果:40-0 香川詫間Bの勝利
香川詫間B:着地40点

Dグループ 香川高松B VS 弓削商船A 試合動画
ロボットについて:
弓削商船A 2年生中心のチーム。特徴はパンタグラフから着想を得た橋。長さが2m近くあるが、蛇腹を活かしコンパクトに収納することが可能に。大会1週間前までロボットが未完成と苦戦をした。
結果:100-0 香川高松Bの勝利
香川高松B:着地100点

第3試合

Aグループ 香川詫間A VS 高知A 試合動画
結果:1-0 香川詫間Aの勝利
香川詫間A:着地1点

Bグループ 阿南B VS 弓削商船B 試合動画
結果:10-0 阿南Bの勝利
阿南A:着地10点

Cグループ 高知B VS 新居浜A 試合動画
結果:0-40 新居浜Aの勝利
新居浜A:着地40点

Dグループ 弓削商船A VS 阿南A 試合動画
結果:0-40 阿南Aの勝利
阿南A:着地40点

決勝トーナメント

準決勝

香川高松A VS 香川詫間A 試合動画
結果:290−10 香川高松Aの勝利
香川高松A:着地40点、ボール70点、ボックス180点
香川詫間A:着地10点

香川詫間B VS 香川高松B 試合動画
結果:1−100 香川高松Bの勝利
香川詫間B:着地1点
香川高松B:着地100点

エキシビション

新居浜B/高知B/弓削商船A エキシビション動画

決勝

香川高松A VS 香川高松B 試合動画
結果:40−100 香川高松Bの勝利
香川高松A:着地40点
香川高松B:着地100点

終結果・各賞

優勝 香川高等専門学校高松キャンパス Bチーム

準優勝 香川高等専門学校高松キャンパス Aチーム

イデア香川高等専門学校詫間キャンパス Aチーム

技術賞 香川高等専門学校詫間キャンパス Bチーム

デザイン賞 阿南工業高等専門学校 Aチーム

特別賞
阿南工業高等専門学校 Bチーム
香川高等専門学校高松キャンパス Aチーム
高知工業高等専門学校 Bチーム
新居浜工業高等専門学校 Bチーム
弓削商船高等専門学校 Aチーム
弓削商船高等専門学校 Bチーム
新居浜工業高等専門学校 Aチーム
高知工業高等専門学校 Aチーム

全国大会出場校

[優勝]**香川高等専門学校高松キャンパス Bチーム「橋をかける少女」**

[推薦]**香川高等専門学校詫間キャンパス Bチーム「KKO」**

[推薦]**阿南工業高等専門学校 Aチーム「★SLIAC★」**

四国地区大会 感想

いやぁ〜、決勝戦の同校同キャンパス対決!最後まで目の離せない劇的な展開でしたね!
ここまで安定して高得点をたたき出してきた香川高松Aチームだったので、決勝では今年度初のVゴールの可能性も…?と思っていましたが、やはり勝負の世界は最後まで分かりませんね。
特に今年度はロボットを飛ばすというルールの特性上、ロボットへのダメージは勝ち進めば進むほど相当なものになるのでしょう…。ロボットの重量、耐久性、戦略など…今年度の課題は本当に色々な要因が絡んでくるのだなと改めて感じました。

そんな中見事優勝した、香川高松Bチームのみなさん!おめでとうございます!!
ご本人たちは「まさかAチームに勝てるとは…」とびっくりなさっていたみたいですが、予選から決勝までずーーっとビタ止め着地の完璧な100点!その性能と安定性は優勝も納得のロボットです。
全国大会ではエリアCからAに橋をかけての帰還も期待してます!

そして全国大会推薦枠1つめは、香川詫間Bチーム。
大会1週間前にやっと形になったというこだわりのロボットたち。初戦ではあとちょっとでボックスを持っての帰還というところでしたね!
発射ロボット、橋架けロボット、円柱形ロボット(大)(小)、全国大会ではそれぞれのロボットのコンビネーションが見事にハマりますように。

推薦枠2つめは、阿南高専Aチーム。
前日にロボットが全く動かないというかなり大きなトラブルに見舞われたそうですが、本番では見事復活して2試合とも着地を成功させました!
全国大会ではでっかいロボット、マーキュリーを飛ばして橋をかけるところが見たいです!

四国地区大会も、どの試合も見どころのある面白い展開でした。
出場チームのみなさん、お疲れ様でした!
全国大会出場チームのみなさん、国技館でのご活躍を楽しみにしています!

photo by Romain HUNEAU(https://unsplash.com/ja/@honni)

2024年高専ロボコン関東甲信越地区大会のネット観戦メモです。

公式の大会実施結果はこちら(関東甲信越地区大会)

高専ロボコンとは?

全国高等専門学校連合会とNHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」のことです。

official-robocon.com

高専ロボコンでは毎年違った競技課題が与えられ、全国の高専チームが競い合います。

2024年の競技課題は?

『ロボたちの帰還』

今年の競技のミッションは、「着地」、そして「回収と帰還」です。
前半は「着地」。ロボット1がロボット2を飛ばして、エリアCに着地させると得点です。
一番高い得点の着地スポットは、エリアAからの距離が5mにもなります。
後半は「回収と帰還」。ボールを回収してロボット1に届け、さらにボックスを持って、エリアBを越え「帰還」します。ロボット2が自力で戻るのもよし、ロボット1と連携&協力するのもよし。
まさにアイデアの見せどころとなります。競技時間は2分30秒です。

ルールブック(7月9日修正版)P.2より引用

本記事は、Youtubeでの全国大会LIVE配信及びアーカイブ視聴により作成しています。

www.youtube.com

2024年の競技課題

『ロボたちの帰還』

開催概要

日時:2024年9月22日(日)
場所:千葉ポートアリーナ
担当校:木更津工業高等専門学校

審査員:
千葉大学大学院工学研究院 教授 並木明夫氏
千葉市科学館 プロジェクトアドバイザー 大山光晴氏
NHK千葉放送局 副局長 はらとしき氏

実況:NHK長野放送局 米澤太郎氏
解説:京都大学大学院工学研究科 講師 川節 拓実氏

競技ルール

公式配信動画の 51:00頃 から実際のフィールドを使ってのルール説明があります。

詳細については以下の資料をご確認ください。

最新ルールブック・FAQ

最新ルールブック(2024.07.09)

フィールド図面

FAQ Ver.4(2024.08.09)

以下に文字ベースでも基本的なルールを記述します。

フィールド 競技フィールドは長方形でA,B,Cの3つのエリアに分かれており、以下のようになっています。
A:スタートゾーン含む。
B:ロボットの接地不可、上空への侵入は可。(AとCに挟まれたこのエリアBを如何に飛び越えるかが今回のポイントの1つ)
C:オブジェクトゾーン、円形の着地スポット含む。

ロボット 各チームはロボットを2種類(ロボット1、ロボット2)用意します。
各ロボットの役割は、
ロボット1:エリアAを自由に移動できる。ロボット1はエリアAから、ロボット1自身の動力によってロボット2をエリアCに飛ばす。
ロボット2:ロボット1から射出後、エリアCに着地する。ロボット2はエリアCに着地後、オブジェクトゾーンにあるオブジェクト(ボール、ボックス)を回収し、エリアBに接地することなくエリアAのロボット1にボールを届ける、もしくはロボット2自身とともにエリアAにボックスを持ち帰る。なおロボット2はエリアCで複数台活動可能だが、ロボット1が一度の射出で飛ばせるロボット2は1台のみ。

ミッション
以下の3つのミッションの達成を目指します。
着地:ロボット2がエリアBを飛び越えエリアCの着地スポットに着地する。
ボールの回収:ロボット2がエリアC内にあるボールを回収し、エリアAにいるロボット1に届ける。
ボックスを保持したロボット2の帰還:ロボット2がエリアC内にあるボックスを回収し、保持したままエリアAに帰還する。

得点
着地:エリアCにロボット2が着地した場所に応じて得点を獲得できる。ただし得点となるのは最初の着地のみ。(ロボット2を複数台飛ばしても、着地得点は最初の1台分のみ)着地スポットは円形となっており、円の中央から100点、40点、10点、着地スポット以外は1点となる。複数の得点圏に跨がって接地した場合は、得点の少ない方が採用される。

ボール:競技終了時にロボット1が持っている、またはチームがフィールド内に保管している*1ボールが得点となる。ロボット2から1への受け渡しの際、ボールがエリアBに接地すると得点は無効となる。1個につき10点。全部で7個。

ボックス:ボックスを保持した状態のロボット2がエリアA(上空含む)に完全に入った時点で得点となる。エリアCからAへの移動の際、ロボットおよびボックスがエリアBに接地した場合は得点は無効となる。1個につき60点。全部で3個。

勝敗 以下の順に勝敗を決定する
1)より早くすべてのミッションを完了、すなわち着地得点100点、ボール10点×7個、ボックス60点×3個の合計350点満点を達成したチームを勝利とする*2
2)競技終了時に得点の高いチームを勝利とする
3)両チームの得点が同点の場合は以下の順で勝敗を決定する。
a)より多くのボックスをエリアAに持ち帰ったチーム
b)より高い得点の着地スポットに着地したチーム
c)上記で決定できない場合は審査員判定とする

その他
ロボットがエリアBまたはフィールド外に接地した場合、相手フィールドの上空に侵入した場合、相手チームの競技進行を妨げた場合などは強制リトライとなる。

以上のルールをベースに、青ゾーンと赤ゾーンに分かれて対戦形式で試合を行います。競技時間は2分30秒です。

関東甲信越地区大会 出場校

※入場順、括弧内は試合中の略称

高専・各キャンパスからA,Bの2チームが出場、合計20チームで争います。
全国大会出場枠は4つです。(優勝1、推薦3)

試合結果

予選ラウンド

第1試合

Aグループ 長野A VS 産技荒川B 試合動画
ロボットについて:
長野A エリアCで発動するロボットはすべてまるい球体。球体はどの面から落ちても衝撃を吸収しやすく動きがかわいいから採用。材質は主にザルを使っていて軽いので着地で衝撃を与えられてもなかなか壊れない。
産技荒川B 最大の見どころはエリアBの上にかける橋のロボット。重さはおよそ5キロで庭師の脚立のよう。
結果:1-1 (審査員判定 1-2) 産技荒川Bの勝利
長野A:着地1点
産技荒川B:着地1点

Bグループ 産技品川A VS 東京B 試合動画
ロボットについて
産技品川A 2019年以来の全国大会出場を目指す。こだわりの関節によってコンパクトにたたまれた橋が、箱回収ロボットから切り離されてパタパタと展開する様子に注目してほしい。
東京B 開発が難航、その中で導き出したのは着地にこだわる作戦。とても小さな軽いロボットを100点のスポットにめがけて着地させる。
結果:0-40 東京Bの勝利
東京B:着地40点

Cグループ 木更津A VS 小山B 試合動画
ロボットについて:
木更津A ペンギンの装飾のロボット。ロボット2が飛びオブジェクトを持って戻ってくる様子を、ペンギンが飛んで餌を持って戻ってくる様子に見立てた。高速で走る箱回収ロボットがジャンプ台で勢いよく帰還する動きはまさにペンギンそのもの。2016年以来の全国大会出場を目指す。
小山B 去年地区大会で優勝した3選手がそのまま今年も出場。
結果:10-120 小山Bの勝利
木更津A:着地10点
小山B:着地40点、ボール20点、ボックス60点

Dグループ 群馬B VS 小山A 試合動画
ロボットについて
群馬B 帰還方法は走り幅跳び方式。箱を受けとったロボットが走り幅跳びのように勢いよく戻ってくる。
小山A 羽ばたくモモンガをイメージしたロボット。オブジェクトを回収するロボットとジャンプ台のロボットを使って大ジャンプを繰り広げる。勢いよく展開するジャンプ台にも注目。
結果:0-110 小山Aの勝利
小山:着地40点、ボール10点、ボックス60点

Eグループ サレジオA VS 茨城B試合動画
ロボットについて
サレジオA 5キロ近い重さの橋をパワフルに飛ばすところが最大のアピールポイント。
茨城B サーカスのテント(ロボット1)から猿のロボットが3匹放たれる。この3体のロボットがボックスを回収、火の輪くぐりのようにジャンプして帰還する。成功の鍵を握るジャンプ台ロボットの製作は特に苦労した。
結果:0-40 茨城Bの勝利
茨城B:着地40点

第2試合

Aグループ 茨城A VS 長岡A 試合動画
ロボットについて
茨城A コンセプトは銀河鉄道。エリアAを地球、エリアBを宇宙に見立てている。見どころはエリアCからAまで橋で繋ぐロボット。橋には配線工事などで使うケーブルキャッチャーを採用している。軽くて強い素材はないか探していたところ、エアコンを取り付けに来た業者の人がケーブルキャッチャーを使っていたのを見て使うことになった。橋の展開に注目してほしい。
長岡A 城から謙信が飛び出てボックスを回収する作戦。ボックスを戦略的に取って大量得点を目指す。
結果:100-40 茨城Aの勝利
茨城A:着地100点
長岡A:着地40点

Bグループ 群馬A VS 木更津B 試合動画
ロボットについて:
群馬A 注目はロボット1。引っぱったバネが戻る力を使ってサッカーのスローインのようにロボット2を投げる。エリアBに橋をかけて帰還する作戦で、その橋がおよそ6kgと重いためこの投げ方を採用した。
木更津B SLモチーフをモチーフにしている。エリアBの上に橋をかけてロボットが帰還する作戦。橋の材料には、魚釣りに使う伸縮するタモの柄を使っている。後ろから空気をいれて伸ばして橋にする。
結果:0-0(審査員判定 3-0) 群馬Aの勝利

Cグループ 長野B VS 産技荒川A 試合動画
ロボットについて:
長野B エリアCで活動するロボットは走り幅跳び型。引っぱった輪ゴムが元に戻る力で床を蹴ってジャンプし、帰還を目指す。動力の輪ゴムは20本にまとめた1セットを16セット使っている。
産技荒川A コンセプトは織姫と喧嘩した彦星が織姫によって投げられてしまい、織姫に謝るために貢ぎ物を持って帰る…というストーリー。
結果:1-70 産技荒川Aの勝利
長野B:着地1点
産技荒川A:着地40点、ボール30点

Dグループ サレジオB VS 東京A 試合動画
ロボットについて:
サレジオB コンセプトはいい意味で単純なロボットを使うこと。複雑な仕組みを使うと着地の衝撃で壊れてしまうことを懸念してシンプルに考えた。ボックスを回収するロボットは虫取り網のような仕組みを180°動かすことで着地したときの体勢に影響されないように工夫している。
東京A 最大の特徴は最初に飛ばすボックスを回収するロボット。着地するときには重心のバランスを工夫して起き上がりこぼしのように着地点に留まることができる。
結果:1-10 東京Aの勝利
サレジオB:着地1点
東京A:着地10点

Eグループ 長岡B VS 産技品川B 試合動画
ロボットについて:
長岡B 複数を合体させたロボットを発射し、着地後に分離させる。ボールの受け渡しはロボットで橋を架ける。
産技品川B エリアCで動くロボットはこの地区唯一のゴンドラ型。ボールを回収したらロボット1に向けて磁石のついたワイヤーを発射、ボールを回収した仕組みを切り離して、今度はワイヤーと繋げてゴンドラのようにロボット1にボールを渡す。
結果:10-0 長岡Bの勝利
長岡B:着地10点

第3試合

Aグループ 長野A VS 長岡A 試合動画結果:10-10(審査員判定1−2) 長岡Aの勝利
長野A:着地10点
長岡A:着地10点

Bグループ 産技品川A VS 木更津B 試合動画
結果:10-0 産技品川Aの勝利
産技品川A:着地10点

Cグループ 木更津A VS 長野B 試合動画
結果:70-1 木更津Aの勝利
木更津A:着地10点、ボックス60点
長野B:着地1点

Dグループ 群馬B VS サレジオB 試合動画結果:0-0(審査員判定3−0) 群馬Aの勝利

Eグループ サレジオA VS 産技品川B 試合動画
結果:0-0(審査員判定3−0)**サレジオA**の勝利

第4試合

Aグループ 産技荒川B VS 茨城A 試合動画
結果:10-100 茨城Aの勝利
産技荒川B:着地10点
茨城A:着地100点

Bグループ 東京B VS 群馬A 試合動画
結果:40-0 東京Bの勝利
東京B:着地40点

Cグループ 小山B VS 産技荒川A 試合動画
結果:60-110 産技荒川Aの勝利
小山B:着地40点、ボール20点
産技荒川A:着地100点、ボール10点

Dグループ 小山A VS 東京A 試合動画
結果:40-40(審査員判定3−0) 小山Aの勝利
小山A:着地40点
東京B:着地40点

Eグループ 茨城B VS 長岡B 試合動画
結果:100-10 茨城Bの勝利
茨城B:着地100点
長岡B:着地10点

決勝トーナメント

準々決勝

茨城B VS 東京B 試合動画
結果:40-10 茨城Bの勝利
茨城B:着地40点
東京B:着地10点

準決勝

小山A VS 産技荒川A 試合動画結果:20-10 小山Aの勝利
小山A:着地10点、ボール10点
産技荒川A:着地10点

茨城A VS 茨城B 試合動画
結果:0-40 茨城Bの勝利
茨城B:着地40点

エキシビション

長野A/ 木更津A/ 小山B/ 群馬A エキシビション動画

決勝

茨城B VS 小山A 試合動画
結果:10-50 小山Aの勝利
茨城B:着地10点
小山A:着地40点、10点

終結果・各賞

優勝 小山工業高等専門学校 Aチーム

準優勝 茨城工業高等専門学校 Bチーム

イデア都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパス Aチーム

技術賞 小山工業高等専門学校 Bチーム

デザイン賞 長野工業高等専門学校 Aチーム

特別賞

長野工業高等専門学校 Bチーム 木更津工業高等専門学校 Aチーム サレジオ工業高等専門学校 Bチーム 都立産業技術高等専門学校荒川キャンパス Bチーム 群馬工業高等専門学校 Aチーム 東京工業高等専門学校 Aチーム 長野工業高等専門学校 Aチーム 長岡工業高等専門学校 Bチーム

全国大会出場校

[優勝]小山工業高等専門学校 Aチーム

[推薦]**木更津工業高等専門学校 Aチーム**

[推薦]都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパス Aチーム

[推薦]茨城工業高等専門学校 Aチーム

関東甲信越地区大会 感想

高専ロボコン史上最難関とも言われる(ここ数年毎年言われてる気もするけど。笑)今回の競技課題、正直始まる前は「ロボット飛ばしてさらに着地先で動くとか、ぶっ壊れるロボット続出じゃないの…?」と思っていましたが、そこはさすがの高専ロボコン生のみなさん。
素材やロボットの形態、重心バランスなど様々な観点から工夫を凝らし、初っぱなの地区大会であるにも関わらず見応えのある試合ばかりで面白かったです!

優勝した小山高専Aチームの皆さん、おめでとうございます。
モモンガのロボットはかわいらしいだけでなく、予選グループ初戦から3つのミッションをすべてクリアした実力派!
全国大会でもモモンガたちのさらなる躍動を楽しみにしています。

推薦1校目は木更津高専Aチーム。
ペンギンがエリアCからぶっとんで行く様は爽快感がありました。
冬を越えられてよかったね!笑

推薦2校目は産技荒川Aチーム。
織姫に吹っ飛ばされた彦星が織姫に貢ぎ物を届ける…というコンセプトも素敵です。
そしてばんばんボールを織姫に投げる彦星、仕事ができる!笑
全国大会ではぜひありったけの貢ぎ物、もといオブジェクトを織姫のもとに届けてあげてください。

推薦3校目は茨城高専Aチーム。
運営委員長のコメントにもありましたが、予選ラウンドでは2試合ともど真ん中100点への見事なビタ止め着地でした!(1試合めは相手チームにカメラが向いてて何にも映ってなかったけども…)
全国大会ではエリアCからAへの架け橋も楽しみにしてます!

それにしても、エリアAからのジャンプ、そしてCからAへの帰還方法もチームによって色々でしたね〜!
ロボットの帰還は橋を架ける方式が多いかな?と個人的には思っていましたが、スロープを使ってのジャンプやゴンドラ方式というアイデアもあったりして、見ていて「ほぉ〜!」の声が止まりませんでした。

出場チームのみなさん、お疲れさまでした!
そして全国大会出場チームのみなさん、全国大会でのご活躍を楽しみにしています!

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photo by Fé Ngô(https://unsplash.com/ja/@fengo)

前の記事をアップしてからわりとすぐに、破水して第一子を出産しました!

予定日全然先だったから油断していた。
そして無痛分娩希望でしたが、結局緊急帝王切開で生みました…。

なんかもう色々あって、陣痛の痛みも、硬膜外麻酔で痛みが和らぐ経験も、急遽手術室に運ばれて帝王切開で赤子を取り出されるのも、ひととおりやったぜ!

生むまでに70時間かかったぜ!白目剥いたぜ!

でも私も子も、病院の定める通常の入院日数で元気に退院しました。
むしろ大部屋で同室だった人(彼女は私と同じ日に自然分娩で出産)の方が入院長引いていた…。
まぁ入院生活が精神的に辛すぎて、一刻も早く退院したいがために術後気合いで起き上がって早めに歩行訓練始めたのが功を奏したのかもしれん。

なお精神的に辛かったのは、お医者さんや助産師さんが冷たいとか感じが悪かったとかではありません。
主にホルモンバランスのせいです。

まぁ緊急帝王切開で夜遅くに病室に担ぎ込まれたためなのか、病室とか新生児室の使い方の説明をほとんどされていないことに入院生活も半分以上過ぎた頃になってやっと気付いたりしたけどさ…。

私の数日後に入院した隣のベッドの人に説明してるのがたまたま聞こえて
「そ、そうだったのか…知らなかった…」
「だからあのとき授乳してたら微妙な顔されたのか…*1
みたいなことが複数発覚し、「な、何だよ、『わからないことは質問してくださいね★』って言われても、そもそもの前提条件や基本ルールを教えてくれなきゃ質問も出ないよ…」とぶつくさする事もあった。

が、まぁスタッフの方々は死ぬほど忙しそうだったし、出産直後で頭がろくに働いていない妊婦の相手など慣れてるだろうし、なにより皆さんとても丁寧で親切だったので何でもいいです。*2

というわけで、妊娠中日記がものすごく中途半端なところでぶった切られているのですが、2024年の高専ロボコンも始めるので並行して続きを書くかしたいと思います。

妊娠・出産日記と高専ロボコンが同時に語られるカオス。

前回記事はこちら↓

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photo by Giulia Bertelli(https://unsplash.com/ja/@giulia_bertelli)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

妊娠中は様々なマイナートラブルに苦しんだり、自分の身に実際に降りかかってみて初めて知る身体の変化が多々ある。

私の場合、妊娠中一番最初に「そんなの聞いてない!」とびっくりしたのは副乳だった。

副乳とは

人間の乳房は左右に一つづつあるのがふつうです。
生まれつき乳房の数が多いのを多乳房症といい、過剰な乳房を副乳といいます。
副乳は哺乳動物の乳房のある位置に相当するところ、すなわち、わきの下から正常乳頭を通り太ももの内側に至る弓なりの線上にみられることがほとんどです

下記ページより引用:

jsprs.or.jp

通常の乳首の下あたりにもうひとつ(あるいは複数)小さめの乳首がある人もいる、というのは、私の双子の甥っ子が二人ともそうなので知っていた。

手術で切除もできるみたいだが、二人ともそのままにしているので*1「まぁそういうこともあるよなー」と私自身は特に気にすることもなかった。

しかし妊娠が確定してから数週間後のある日、お風呂で全身を洗っている折、自分の脇の下に今まで感じたことのないしこり?のようなものと、それがかすかに熱を帯びていることに気付いた。しかも両脇である。

「え、なんかちょっと痛い気もするし、なにこれ…」

しこりとか僅かにせよ熱を帯びているとか若干の痛みがあるとか、安定期に入る前だしつわりもまだあるし、なにより未知すぎてとにかく恐怖を感じた。

とりあえず風呂から上がり、「妊娠 脇の下 しこり」でGoogle検索する。

正直インターネットの妊娠・出産情報は(妊娠中日記を書いておいてアレだが)医学的根拠に乏しいものや徒に不安を煽るだけのものもあるので、身体の異変については主治医や通院先のお医者さんに確認することは必須だと思うのだけど、とにかく「これはよくあることなのか、それとも稀な事案なのか?」というのを確認したく検索してみた。

するとまぁ、「副乳である可能性が高い」といった感じ。

副乳? 私が知ってるやつとだいぶ違うぞ??

上記の引用元URLなどを確認すると、副乳とは乳首の数が多いといったわかりやすいものから、今回の私のように脇の下のしこりっぽい膨らみなど、要するに脇の下から太ももの内側までの間で「大昔哺乳類として乳首があったっぽい場所」に出現する(現代では)過剰な乳房・乳首といったものであった。

脇の下なんかにある場合はただの脂肪と思わがちのようで、生理のときに少し腫れたり、今回の私のように妊娠・出産でホルモンの分泌量が大きく変化し初めてその存在に気付くケースも多いらしい。

ちなみに女性の場合、出現率はおよそ5%程度とのこと。*2

なんか私って、アスパラ食べたあとの尿の匂いの変化に気づけるとか、「日常生活に大きな支障はないが、あっても別に役に立たない、そこそこマイナーだがめっちゃレアというわけでもない」という身体的特徴を結構持っているのだな…。

(ちなみにアスパラの話しはこちら→ 2023年秋、心拍を確認する(妊娠初期 その1) - Daisy Bellの憂鬱

まぁとにかく、そこまで「Emergency!Emergency!」というわけではなさそうで安心した。

後日の健診時、改めてお医者さんにも確認してもらったが

「これは多分副乳だね〜。ずっと痛いとか腫れがひどいとかだと別の病気がある可能性もあるけど、保冷剤とかで冷やして痛みや腫れが落ち着く程度なら心配するほどではないよ〜。様子見で大丈夫」

とのことで、一安心。

しかし地球を我が物顔で牛耳ってるつもりになっている人類も、妊娠でおっぱいが増えるとか、所詮「脳がでっかくなってちょっとほかの哺乳類より進化したっぽくなってる」だけでやはり動物なのだな…。
そして我ながら、おっぱいが増えただけでこんなに動揺してしまうだなんて…。

それにしても、妊娠といったらつわりとか貧血とか、平たく言えばメジャーな異変や不調についてはよく語られるけど、自分が経験してないから知らないだけであって「え、そんなことがあるんですか…」というマイナートラブルが山のようにあるのだろう。

改めて、それぞれ色々抱えながら妊婦さんみんな頑張ってるよ! 偉いよ!

不安なことは都度お医者さんや看護師さん、助産師さんとかに確認して、一個一個乗り越えていこうね!(誰だよ)

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photo by Zohre Nemati(https://unsplash.com/ja/@zohre_nemati)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

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世の中には、つわりで全く動けなくなる人もいる。
特定の食材のみならず水さえも飲み込むのが辛くなったり、世間にごくごく一般的に漂う香り(ご飯の炊きあがった匂いとか)でも吐き気をもよおしたり、ロクに食事が取れないまま数週間、場合によっては数カ月を過ごす人もいる。

それに比べれば私のつわりはわりと軽かった。
どちらかと言えば食べてないと気持ち悪くなる食べづわりで、一見普通に食事をするので他人から見ても「つわり軽そうでよかったねー」という感じだった。

しかし重い人に比べたらマシという話しで、本人としては辛いもんは辛いのだ。

空腹がちらっとでもやってくるとすぐ「おええェェェ…」と気持ち悪くなるので、常に何かを食べていないと落ち着かない。
しかし食べ過ぎたら食べ過ぎたで、元来胃腸が丈夫でない私はすぐに消化不良を起こす。
そうなるとまた別の「おええェェェ…」状態となる。

さらに「おええェェェ」となってトイレに駆け込んでみたところで、別に吐くわけでもない。
何か出るわけでもないのに、ずっとなんとなく「おええェェェ」となってるのだ。

もちろん吐く方が胃酸で歯や食道がやられたりするし、体力も消耗するし、何より自身や胎児への栄養状態は大丈夫なのかと不安になるだろう。
それに比べたら「食べられるし吐かないならいいじゃん」というご意見はごもっともだし、私だってそう思う。

でも繰り返す。辛いもんは辛いのだ。そしてその辛さは個人で抱え込むよりほかない。

さらにつわりでは、特定の食べ物しか受け付けなくなったり、妊娠前は平気だったのに急に特定の食べ物が食べられなくなったという話しをよく聞く。

私の場合、一切受け付けなくなったのは人工甘味料であった。

妊娠前から人工甘味料の甘さは好きではなく、オ○ンジーナが「糖質25%カット、より軽やかな飲み心地を実現しました」とか言ってオラ○ジーナエアリーにリニューアルついでに人工甘味料(アセスルファムK)を使い始めたときは「人工甘味料の甘さまっず、ふざけんな」(個人の感想です)とキレたものよ。好きな人すいません。*1

とはいえ人工甘味料絶対にNGというほどではなく、調理方法によっては気にならなかったりなんなら気付かなかったり、仮に入ってることに気付いても「あー、この甘さ人工甘味料か、まぁいっか」と適度に受け入れられるシーンも多かった。

それくらいの緩い「人工甘味料あんま好きじゃない」派だったのに、つわりが始まった途端に過激な「これ人工甘味料入ってんじゃんまっずもう買わない」派に鞍替えしたのだ。

そんなのつわりが落ち着くまで人工甘味料を避ければいいじゃんという話しなのだが、繰り返すが私は「食べづわり」だった。
吐き気をコントロールするために常に食べ続けていると、体重が急激に増加する。
じゃあカロリー低くてさっぱり食べられるもの、ゼリー系飲料とか飲もう…と思うと、大抵そのようなカロリーオフ商品には人工甘味料が含まれている。

辛い…今思い出しても辛い…。

結局どうやって乗り切ったのかあんまり覚えていないが、納豆をそのまま食べたり炭酸水を飲んで気を紛らわしていた気がする。
あと港常のあんずボーを凍らせて1日1本食べていた。あんずボーがなければストレスで発狂していた可能性さえある。*2
ありがとう港常のあんずボー…。

港常 自然あんずボー5本入×20個

「つわりがあるのは赤ちゃんがお腹の中でちゃんと育っている証拠★」

「ママになるために身体も変化してるんだよ★」

「ママだけでなく赤ちゃんも頑張ってるんだよ★」

「赤ちゃんの魂がママの魂と調和する過程で起こるものだよ★」(スピリチュアル寄り)

などなど、つわりの辛さを肯定するための謎の上からアドバイスが世の中には存在するが、そんなもん

うっせぇ黙っとけ!!
今私を救ってくれるのはあんずボーだけだ!!

である。なんでこんだけ西洋医学は進歩した風を装っているのに、こんなにつわりで苦しむ妊婦が多いのだ。
まぁ今でも一応つわりが重い人向けに処方してもらえる薬もあるし、2023年末のケンブリッジ大学による研究発表によってやっと具体的な原因が特定されつつあるようではあるが…。

妊婦のつわりの原因を特定、重症化予防の可能性も 英ケンブリッジ大研究 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

とにかくつわりが辛くて、上記のようなふわっとしたアドバイスには心の中で悪態をつきまくっていた。
しかし悪態をつきまくっているせいか、攻撃性が上がり頭が妙に冴え、仕事は異様に捗った。

そういう意味では、やはり振り返ってみるとつわり、総合的には軽い方だったと言えるのだろうな…。

でもこうやって自分の体験をほかの人の体験と照らし合わせてみると、つわりが重いとか軽いとか、そもそもそういう評価軸で語るものでもないのでは?という気もしてくる。

あまりにも個々の体験が千差万別すぎる。

でも食べられない起き上がれない吐き気が止まらないタイプのつわりだった人が、朝昼晩きっちり食べ合間にあんずボー食いながら仕事はガシガシやってた私のような人間から「つわりの辛さって人それぞれですよね、私も辛かったです」とか言われたら場合によっては腹立つだろうな…という気もする。*3

やはりここは、自分の体験は自分事として大切にしつつ、タイプは違えど同じ現象を味わった者として、先人やこれから体験する人に可能な限りの思いやりやいたわりを持って接していきたいね…ということで、私のつわり体験記の総括といたします(なんじゃそりゃ)。

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photo by Jess Bailey(https://unsplash.com/ja/@jessbaileydesigns)

※この記事は妊娠・出産に対しあまり意識が高くない筆者が自然妊娠した際の体験記です。人によってはその脳天気さ、意識の低さが不快・不愉快に感じることもあるかと思うので、デリケートな状況にある方はここで引き返してくださいませ。

お金の話しにビックリしつつも「まぁそんなもんか…」と納得したところで、出産までの大まかな流れを教えてもらう。

そして看護師さんから「現時点でご希望かはともかく、ソラリスさんの年齢だと一般的にどうしても色んなリスクが上がってくるから、少しでも選択肢にあるのならちょっと丁寧に説明したいのだけど…」と告げられ、とある検査の説明を受ける。

出生前検査である。

出産費用については夫婦共々若干無頓着であったが、出生前検査については妊娠する前から夫婦で話題にしていたし、妊娠検査薬で陽性が出たあとも少し話し合っていた。

夫婦の意見としては、「夫婦二人とも40歳超えている分障害児が生まれるリスクは上がるだろうし、年齢的にも明らかに障害があるとわかっている子を育てるのも身体的・経済的に厳しいのでは」「病院で詳細を聞いて、検査することも検討していこう」といった感じだった。

「ちなみに今の時点で検査を受けたいとか、絶対に受けたくないといったご希望はある?」

「あ、年齢が年齢なので、検査を受けることも考えてはいて…」

「そうなんですね。じゃあ、説明させていただきますね」

看護師さん曰く、一口に出生前検査といっても色々な種類があり、

などがある。それぞれメリット・デメリットがあり、(説明を受けた中で私が記憶している範囲だと)

クアトロテスト → 母体血清マーカー検査の一つ。比較的安価に受けられるが、年齢が検査結果に反映されるため、胎児に問題がなくても(40歳を超えていると特に)染色体異常の可能性が高めに出る。

NIPT → 妊娠中の母体の血液から染色体異常を調べる。安全性は高く精度も高いが、費用も高い。実施施設にもよるが15万〜20万くらい。

羊水検査 → 羊水を直接採取して検査する。お腹に直接針を刺して羊水を採取するため、稀ではあるが検査による流死産の可能性がある。夫婦いずれかでも染色体異常の保因者、高齢出産、クアトロテストやNITPなどで胎児の染色体異常の可能性を指摘された場合などに行われる確定診断検査。

といった感じ。

「うちでできるのはクアトロテストだけなんだけど、さっきも言ったとおりほかの検査と比べると年齢が検査結果に反映されがちな検査なんですよね…。実際は赤ちゃんに特に問題がなくても、年齢要因が強く出て陽性になったら、本来必要なかった不安やストレスを抱えることになるかな…と。こちらとしては、ソラリスさんの場合は検査をご希望なら最初から精度が高いNIPTを検討した方がいいんじゃないかなぁと思います。でももちろんクアトロテストが無意味なわけではないので、そこは考え方や費用も含めて判断してもらえれば」

なおクアトロテストとNIPTの価格差、10万円以上…。まぁこの際値段はともかく。

「念のため」とか、「身体・経済的なことを考えて」とか、実際に現実に直面するまではそれっぽい理屈となんとなくの感情で「まぁ受けるのもありだよなぁ」と思っていた。
けれどもいざ対峙せざるを得ない状況に立たされると、状況と感情の折り合いをつけるのもなかなか難しい。

つまりは「障害があるとわかったらどうするのか」という一歩踏み込んだ議論を本気でしなければならない。

・「明らかに障害があるなら今回は諦めよう」(=人工妊娠中絶する)

を選ぶのか、

・「障害があっても産んで育てていく」

を選ぶのか。

でも障害があっても産むのなら、そもそも検査自体やらなくていいんだよなぁ…(事前にわかっていることで準備できることはたくさんあるけれど)。

そして出生前検査は、(母体保護法によって22週以降はいかなる理由があっても人工妊娠中絶を行うことができないこともあり)受けるならだいたい15週前後までに、検査結果が出るまでの時間や確定診断検査に進む可能性も考えると遅くとも18週頃までに受けるように指示される。

NITPは10週頃から受けられるとはいえ、ある程度妊娠の可能性を意識しているカップルであれば妊娠2ヶ月頃にはおそらく病院へ行くだろうし、妊娠が成立していればそのタイミングで胎嚢と心拍を確認するだろう。
そこから数週間経ってからの出生前検査となる。そしてもちろんその間もお腹の中のヒトはどんどん育っていく。

最初見た時はただの袋とドクドク動く細胞の塊でしかなかったものが、出生前検査を受ける頃には「頭と体と、なんか手っぽいものは見える」状態にまではなっているのだ。

これは私の個人的感覚及び感想だが、胎嚢と心臓くらいならまだ「細胞だー」という感じだが、頭と体と手まで見えてくると、一気に「超初期のヒト」という感覚になる。

超初期とはいえヒトっぽい形になりつつあるヒトを、検査結果によって中絶するという判断を私は下せるのだろうか…。

とはいえ、出生前検査の結果で人工妊娠中絶を選択した先人たちを批判するつもりは一切ない。
色々な事情があるし、検査結果を判断材料としてそのまま受け入れた人、悩みに悩んだ末に中絶した人、判断材料としてあっさり受け入れたことにしないと心の均衡が保てなかった人、100人いれば100通りの事象だ。

そして検査で障害があるとわかっても産んだ人達も、その後どうなったか、どう思ったのか、それは他人が闇雲に妄想したり首を突っ込んだりする問題ではないと個人的には思う。

「この世の中に障害を持って生まれてくること自体本人も家族も苦しい、だから回避すべき」という意見も、「どんな子どもでも自分の子ども、受け入れてやっていく」という意見もどちらも理解できるが、どちらの方が優れているか、優しいかは私にはわからないし、他人の選択を神格化するつもりもない。

本来の話題とのズレが大きくなってきそうなのでこれ以上細かくは言及しないこととするが、まぁとにかく、なかなか苦しく、考えても考えても判断に迷う問題である。*1

というわけで、看護師さんの話しを聞き若干考え込んでしまったのだが、看護師さんから
「もう少し赤ちゃんが大きくなったら、超音波検査でもダウン症の可能性は指摘できるんですよ。だいたい11週くらいのエコーで赤ちゃんの首の後ろにむくみが確認できると、染色体異常の可能性ありとして妊婦さん報告するの。とはいえむくみがあっても染色体異常によるものじゃないケースも多いんです。出生前検査を受けるか受けないか自体に迷っているなら、そのタイミングを待って判断するのもいいかもしれないですね」

と言われ、「ほーほー、じゃあそうします」とあっさり答える。要するに、問題の塩漬けである。
胎嚢と心拍確認から出生前検査の検討まで、もう頭の回転と情緒がついていかなかったのよこの日は…。(もちろん看護師さんは「おうちに帰ってからゆっくり休んでから、渡した資料とか見てじっくり考えてね!まだ時間はだいぶあるから!」と優しく諭してくれました)

そしてその後、最終的にどうしたかというと、11週頃のエコーで「むくみはなさそうだねー」と言われたので結局出生前検査自体受けなかった。

出生前検査をしても事前にわかる障害は限られているし、出生前検査で陰性となっても検査ではわからない障害が出てくる可能性はゼロではない。
それこそこの先数カ月で私がすっころんだりしてお腹の打ち所が悪かったら…とか、もう不安材料をあげればキリがなく、だったらもう「とりあえず、そのまま産んでみよう」という結論に到った。

この問題に関しては「案ずるよりも産むが易し」とは言い切れないが、とりあえず、何かあってから考えることとしたのだった。

*1:まぁそもそも40歳超えて妊娠するというハイリスクを犯すこと自体自己中で考えなしだという方もいるだろう…