【連想散文】タコピーの原罪/お坊さんに聞け (original) (raw)

(この記事は「タコピーの原罪」のネタバレを含みます)

朝日新聞ポッドキャストの「お坊さんに聞け」が最近お気に入り。

その中に漫画大好きの禅僧さんが出ているシリーズがある。
2022年5月のシリーズでは出てきた漫画四作品中三作品が大好きなやつで(かげじつ、異世界おじさん、私の息子が異世界転生したぽい。前二つはアニメのみ視聴。)四作品目「最果てのパラディン」はアニメ一話で切っていたがポッドキャストであらすじ聞いて、なぜこんな面白そうなのを切っていたのかと見返して今楽しく見ている。(アニメの一話は大事なのでもっと頑張って惹き付けてほしい。良い作品なのに永遠に見逃すところだった。)

そして2023年11月の「タコピーの原罪」についての回。
https://www.asahi.com/special/podcasts/item/?itemid=14531c4c-a412-42ee-b24f-b05f00603d5f&page=1&iref=pc_special_podcasts&pgid=obosannikike

タコピー未読だったので読んでから聞いた。

まず漫画を読んで思ったのは、みんな暗い暗い言うけどこれくらいの暗さ結構あるだろと。浅野いにおおやすみプンプン」とか。
でも普通に傑作だし普通に良かった。
で、自分に一番似てるのは直樹くんかなと思った。でも直樹くんは完璧超人だと思っていた人が努力の人だったら安心するのか、うらやましい。最初から努力の人でそれを含めての完璧超人に相対していた人はどうすりゃいいんじゃ、などと気楽に思ったりした。
あと、人間の感性がわからないタコピーに共感した。

でも読んでからしばらくして、この主人公の女の子たちのような立場の子達が現実に存在するだろうという当たり前のことに気付いてしまい、苦しくなった。というのは偽善的な物言いだ。実際には、思い当たる人がいて不安になった。

ここまで普通にタコピー読んだ感想。
ポッドキャストでは、タコピーのやったことはただ寄り添うことだと言っている。
いくつか思い当たる節があった。

小学校のとき、友達がいじめられっこなことがありがちだった。私はマイペースでフリーダムすぎる感性な子だったので特に離れようとも思わず、また立ち向かおうとか助けたいとか露ほども思わなかった。あれは偶然正解だったのか?

高校生になったときには何をこじらせたのか、大好きな友達が上記とはまた別の苦しみの中にいるとき何も(それこそそばにべったりくっついて多分不景気な顔でいることしか)できない自分がどうしても許せなかった。ちょっと残念な行動に走ってしまうくらいに。タコピーよりもっと無意味に空回ってた。

あと、家族の話。母は厳しい人だったのだが、父と祖母は優しかった。私の癒しや逃げ場だった。でも彼らは私が母に苦しめられているとき、直接母の前に立ちはだかってはくれなかった。それを少し残念に思ったこともあった。でも父と祖母は寄り添っていてくれたんだ。有り難いことだった。