GUITARHYTHM Ⅶ号 (original) (raw)
11/19(日) 大阪・オリックス劇場
HOTEI the LIVE 2023 “GUITARHYTHM Ⅶ TOUR”
2018年12月以来、5年ぶり2度目の布袋寅泰さんのライブに行ってきました。
実は好きなんですよ布袋さん。
初めて一人で行ったライブも布袋さんで、また行きたいと思ってました。
とはいえ声優オタクに色んなものを注ぎ込み始めてからというもの、曲こそ聴けどライブには手を出さないまま。
今年ツアーで大阪に来ると知った8月のある日思ったんですね。
「布袋寅泰って、いつまで居るんだろう」と。
あの人も61歳、昭和平成令和と時代を駆け抜けてきた人なわけで、言い方は悪いけどいつくたばってもおかしくない、その時が来てもおかしくないと。
「今年ライブやりました。じゃあ来年もライブあります。また大阪来ます。」が当たり前な気がしなくなって、そう思えば思うほど「また行きたいって、今しかないのでは?」ってなって、とりあえず衝動で先行に応募しました。
落ちました。
落ちたもんはしょうがないし、ここまでつらつら書きながらも実は諦めはスッパリ付いたのでその後は特に何も無かったのですが…
LINEに一件のメッセージ。
そこには19日公演の当日券販売の案内。
同時に思い出されるその週のシフト。19日は休み。
行ける。
東京に行くわけでもない、同じ府内の遠くない会場。必要なのはほぼチケット代だけ。
腹が決まったので、当日券をぴあで申し込み。
(余談:最初は会場で争奪戦だと思い込んでました。ふつーにプレイガイドで取れた)
そんなこんなで開演6時間半前、急遽宇宙一のロックンロールを浴びに行くのでした。
— みなみ🧢 (@MiNaMi_runner) 2023年11月19日
で、な。
くっっっっっっっっっっっっっそ楽しかった。
宇宙一のロックンロール・ショウは、正しく宇宙一。
ライブでありながらショウなんですよ、布袋寅泰のライブは。
まず今回、ライブタイトルにも入っている「GUITARHYTHM Ⅶ」。
これが最新アルバムで、これを引っ提げての全国ツアーなのです。
なんで勿論披露されます。
ど頭からHighway Star、ヤバすぎ。
まさに夜の高速道路を駆け抜ける車がごとき疾走感、一気に布袋寅泰のステージに引きずり込まれます。
これを皮切りにどんどんアルバム曲の披露。
Midnight Sun、Isolationと、ちょっと怖さもある重い音が響きます。
今回のGUITARHYTHMのテーマ?というか、AIを一つ曲の中に置いていて、布袋さんもMCで「2023年はAI元年なんて言われてたり。未来って思ったよりおどろおどろしい感じもするね」みたいな話をされていました。
言われてみれば、未来ってもう少し明るいものだと思ってた時期もあったなあって。
実際近付けば近付くほどよくわかんない方に転がってて、まあ確かに良いものとは思えないかもしれない。
そもそも自分は今が一番楽しくて、次に過去とか思い出が来て、最後に未来、みたいな、そんな思考の持ち主だと自負しているので今更ではあったかも。
話を戻して。
更にアルバムからDominoの披露。照明の影がドミノが倒れる様を表現していたり、ステージのモニターに映る無限ドミノだったり、演出凝ってたなあってこの辺りから目が行き始めました。
あの宇宙船の小窓みたいなモニターめっちゃ良かった。
そして静かなギターソロの始まり。
Andromedaとわかったその時、曲は始まっているにも関わらず会場からは拍手。
それだけ期待感というか、恐らく今GUITARHYTHMで特に注目の一曲なのは薄々感じてました。自分も期待してたので。(の割には聴き込み浅すぎてギターソロでピンと来なかったんですけども……)
2023年、その名を轟かせるアイナ・ジ・エンドをゲストボーカルに招いた一曲、AIと人間の存在をカッコいいメロディーに載せて走り抜けます。
アンドロイド・アンドロメダの「心」をしっかり魅せるアイナ・ジ・エンドと、人間・博士としてAIに向き合う布袋さん、両ボーカルの対比がとても素晴らしい一曲です。
曲を一つ挟んで、次。
アルバム続くかな~って思ってたら、聴いたことのある刻まれたギターイントロ。
え!?嘘202X!?5年ぶりに!?
違いました()
その曲はGive It To The Universe。
前作GUITARHYTHM Ⅵに収録された、MAN WITH A MISSIONとのコラボ楽曲です。
めーちゃくちゃ好き。これがライブで聴けると思わなかった。
Ⅶが何度も言うようにちょっとダークな一面を持ってたので、ここから本格的に声も出して熱が上がっていったのを肌で感じましたわ。
めっちゃ格好いいから聴いて欲しい。イントロから良いよ。
そして立て続けにまた聴いたことのあるイントロ。
ああああああああああ今度こそ202Xだ!!!!!5年ぶりの!!!!!
5年前、自分が行った時はちょうど202Xをリリース、それを提げてのツアーでした。
まさか5年越しに同じ会場であの曲を聴けるとは……マジで嬉しかった。
北斗の拳の周年企画で作成された曲なので、世界観はまんま北斗。
MVではケンシロウとラオウが演奏してるので地味にそれも見て欲しい。
ラオウの力で叩かれるドラム凄い。
ここからGUITAR LOVES YOU→SLOW MOTION→METROPOLISと3曲。
ごめん、正直知らん曲だった()
これらはGUITARHYTHM Ⅱ収録の曲。スローテンポでギターの音だけを楽しむインストから始まる中盤の一呼吸でした。
そしてまた聴いたことあるイントロ。
知ってるのに~名前が思い出せない~~武道館の~~~
そうだ!さよならアンディ・ウォーホルだ!!
(ここまで1番Aメロ)
布袋寅泰のライブ音源CD「Climax Emotions ~Live at 武道館」で聴いたことのある曲。
音源でしか知らない曲を実際に生で聴けてかなり嬉しかったです。そうだよこの気持ちだよ。
これもモニターの映像が結構頭に残ってます。歌詞に出てくる四字の単語がリズミカルに出てくる所、妙に印象深い。
もう何度目かわからない、聴いたことあるイントロ。てかドラムのフレーズ。
UPSIDE-DOWN!?!?!?!?!?
もうほんと、知ってる曲が次々お出しされるこっちの気持ち、わかるだろ?オイ。
声。声が出る。
Oh yeah! Everything is upside-down.
そしてDIVING WITH MY CAR。
これねえ、知らんかった。でもカッコよかった。
歌い出しからマイクを後にしてステージの一番前まで。歌は客に任せていくスタイル。
ライブで観客に歌わせるっていうのはもうよくある話。
このやり方、正直かなり好き。
歌い終わり、アウトロから…
また知ってるフレーズ。
もうさ、声出たよね。
声出たし、足上がった。
身体は勝手にステップを刻みだす。
布袋寅泰の楽曲の中で五本指に入るぐらいライブで聴きたい曲がコレ。
爽やかで、疾走感に溢れていて、輝いてる。曲が輝いてる。
全編英語歌詞だから訳すともしかしたらまた印象変わりそうだけど、とりあえず本当にカッコいいの。
これもね~サビ最後の「of our GLORIOUS DAYS」で会場が揃って。
もうほんとシビれが凄かった。
曲終わるじゃん?
もう拍手喝采でさ、暗転してさ。
次にな?
愉快なピアノの音が流れる。まるでサーカスのような。
頭抱えた。思わず後ろとか横向いた。
「MERRY-GO-ROUND」。
先述した五本指が一つ。
多分ここが一番のピークだった。
身体止まらなかった。一曲ずっとステップ踏んでたし、なんならあのクソ狭い場所でその場で回ったし(ホント両隣の方ごめんなさいでした。)、コケかけて怪我するかと思った。
3回ぐらいトライして1回しかちゃんと回れなかったわ…
なんで前の席のおっちゃんこの曲の時居なかったんやろなあ。勿体無い…
自分やっぱあれだね、多動だね。とにかく身体揺らしてリズムを感じてるし、別現場だと振りコピっちゃう時もあるし、回り出すし。流石にバラードとか静かな曲では落ち着くけど。
野外とか行ったらどうなっちゃうんでしょうね。クソデカいのにごめんね。
マジでサーカスな愉快な曲。これも客全員で歌えのスタイル。
A、Bメロのギターが一音でリズムを刻むっていう結構すごいと思った曲で、TAB譜見てもめっちゃ面白いと思う。
話は少し変わるんですが、何度も登場するGUITARHYTHMという名前。
読みは「ギタリズム」。布袋寅泰にとって、ギターはメロディーを奏でる楽器でありながらリズム楽器でもあるという考えの元、ギターとリズムを組み合わせた造語なのです。
そんなあの人の作る楽曲はギターの音色で身体がリズムを感じて動く、本当に楽しい曲が多いです。MERRY-GO-ROUNDもその内の一つ。
話を戻して、ライブのMERRY-GO-ROUNDといえば。
最後の
「メリー ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ……」から始まる布袋寅泰のやりたい放題のアドリブ。
あったりなかったりするんですけど、今回は……
ありました。
布袋さんに続いて、「GO」の部分を色んな音程めちゃくちゃに混ぜてコール&レスポンス。
最後には客全員を置いてけぼりにして、自由にギターを鳴らしていく布袋さんなのでした。
あれも凄くて、自分が出したい音、口から発する音をいとも簡単にギターで弾くんですよ。まるで自分の身体の一部のように、脳から直接信号を送るかのようにギターを鳴らす。
だからこそあのアドリブが成り立つというか、無限の楽しみが広がっているんですよ。次聴くときはまた違う終わり方が待っているんだと思います。
最初に
ライブでありながらショウなんですよ、布袋寅泰のライブは。
って書いたんですけど、もう本当に。
ギタリストとしてやっぱギターを弾いているときのパフォーマンスは勿論すごい。
オーラもあるし、色んな体勢で弾く姿には魅力たっぷりなんですけど、そうじゃない「弾いてない」ときも、あの大きな身体、長い手足をしならせて魅せてくるところとか。
ギターの音、曲の良さだけじゃない、視覚的に見ても楽しい「布袋寅泰のショウ」。
そう、宇宙一のロックンロール・ショウです。
そんな最後の最後まで楽しいMERRY-GO-ROUNDでした。
ここまでMCの話とかあんましなかったんですけど。
今年出したGUITARHYTHM Ⅶ。
元々GUITARHYTHMっていうのはBOØWY解散後にソロで出発した布袋さんのファーストアルバムで、特にナンバリングに意味があるわけではないのですが。
その最初のGUITARHYTHMからなんと35年になると。
ソロデビューから35年の時を経て、また新しいGUITARHYTHMが出せるという喜びだったり、GUITARHYTHMというアルバムに込められた常に先進で挑戦の気持ちを振り返ったりと、布袋さんの音楽観を言葉で聞きました。
あの人ぐらいになると、とにかく前を見続けるだけでなく自分の足跡を振り返ることもまた一つの価値というか。同じだけ大事なんだなって思います。
そしてMERRY-GO-ROUNDの後のMCでは、近年偉大な先輩が、共に音を奏でた仲間がどんどん空の向こうへ旅立ってしまったという話へ。
喪失、悲しみはあれど、音楽があれば音楽を通じて繋がる事は出来る、と本当に布袋さんらしい言葉を残されていました。
そしてまたコロナ禍という苦しい時代を乗り越えた、一つ落ち着きを取り戻して、また会場に集まって声を出して盛り上がることができる、そんな今の話をして。
Horizonという曲へ。
GUITARHYTHM Ⅶ収録のインスト曲です。
地平線を意味するこの曲。どこかこう心を落ち着けるような、ギターの一音一音が温かい曲です。
終盤の盛り上がりを見せるところでは、後ろのモニターに眩しい太陽のような光が映し出されて、先の話と合わせて夜明けを感じさせる…そんな一曲でした。
最後の一曲。GUITARHYTHM ⅦよりEternal Symphony。
イントロのギターフレーズ、照明、モニター。大空、青空を想起させる壮大な始まりが沁みます。
夢追い人へのエール。やっぱり夢を歌わせたらこの人の右に出る人は居ないんじゃないかって、そう思います。
個人的に「PROMISE」という曲も思い出すんですが、これもまた名曲なので是非聴いてほしい。
アンコール。
Mystic 7からスタート。
これもⅦからの一曲。バラード調のメロディーに散りばめられた「7」の付く歌詞が何とも遊び心というか。
そして曲が終わり、聴こえてくる次の曲。
聴き覚えしかない刻まれたギターフレーズ!!!
バンビーナだあああああああああああああああああ!!!!!!
ここで再熱狂。やっぱアンコールはこうでなくっちゃ。
もーとにかく楽しい。声を揃えて叫ぶ「Let's Go!!」のコール、間奏のギターソロ。
そしてここでも大掛かりなライブ特有の発展。
アウトロに繋がるところから、サポートメンバー1人1人の所を回ってソロパートwith布袋寅泰を6人分。
いやめっちゃカッコよかった。今回メンバーにサックスの方もいらっしゃったんですが、全体通してサックスめっちゃ良かった。
そして発展しすぎて元の姿を失ったバンビーナをしっかりと締めて、余韻に浸る間もなく次の曲は…
\ダダダン/シャワーを浴びて~
NO. NEW YORK!?!??!?!?!?
ここでグループ時代の曲、BOØWYの曲がヒット。今ライブでは唯一でした。
楽しかった楽しかった。歌い出しからまた客で歌ってたもんね。
というのも、布袋さんはBOØWYの曲をやるときは自分のパートをメインで歌いがち。
主旋律の方は大体客が歌ってる。もちろん布袋さんも歌うけどね。
ギターソロの腕を大きくグルグルさせるパフォーマンスも生で見れて感激だぁ…
MCでサポートメンバーの紹介。キーボードの方が阪神ファンらしくて、土曜日に阪神日本一やったねって話をしたらしい。ちなみに会場はオリックス劇場。
そして正真正銘最後の曲。
GUITARHYTHM Ⅶ最後の一曲、Break The Chain。
時に男は王のように胸を張り、女は王妃のように気高く。
鎖を断ち切り自由に。
挑戦を掲げるGUITARHYTHMにふさわしい歌詞と疾走感あるメロディーがライブの最後の最後まで盛り上がりを生んでいました。
全曲が終わり、万雷の拍手と布袋コール。
自分も思わず声を張り上げちゃいました。
最後の挨拶で「あとどれぐらいできるかわからない、ずっとできるとは言えない」とは言いましたが、「皆が居るから俺はステージに戻ってこなくちゃいけない」と。
また元気で会える日を約束しました。
集まったクルーとの写真撮影を終えて、GUITARHYTHM Ⅶ号という宇宙船の旅はまだまだ続くのでした。
最後、去り際に布袋さんがヒトコト。
「俺も頑張るから、お前らも頑張れよ」
すげえなあ。