日本の主要なマラソン・駅伝大会一覧~Load to Olympic~【コラムその22】 (original) (raw)

世界屈指のマラソン大国、日本。

オリンピックのメダルにはなかなか届いていませんが、サブ10ランナー(フルマラソンで2時間10分を切ること)の数では未だケニア、エチオピアに次ぐ3番目の多さを誇ります。

今回はそんな日本の主要なマラソン・駅伝大会を一覧にしてみたいと思います。

(ここで言う主要な、とは基本的に関東の地上波で放送される、という意味で定義したいと思います)

1.男女混合マラソン

2月 香川丸亀国際ハーフマラソン

地上波ではありませんが、BSフジで放送されている香川丸亀国際ハーフマラソン

起伏が少なく好記録が出やすいことから、箱根駅伝で走った学生の有力ランナーもこぞって出場します。

そのため地味な大会ながら実力派の選手がそろい、特に箱根駅伝のファンにはたまらない大会です。

大会記録:男子 第75回(2023年) アレクサンダー・ムティソ 59分17秒

女子 第75回(2023年) パウリン・カムル 1時間7分22秒

全日本実業団山口ハーフマラソン

ハーフマラソンで唯一関東の地上波で放送されている全日本実業団山口ハーフマラソン(録画ですが…)。

実業団陸上競技連盟に登録している選手しか走ることができないため、スタートラインに立てるのはエリート中のエリート選手のみという大変ストイックな大会です。

大会記録:男子 第43回(2015年) チャールズ・ディランゴ 1時間0分18秒

女子 第36回(2008年) 赤羽有紀子 1時間8分11秒

大阪マラソン

2011年に始まり、今や東京マラソンに次ぐ規模を誇る大阪マラソン

大阪城、通天閣、御堂筋といった大阪の名所を回ることができ、中継を見るだけで観光気分を味わえます。

更に2022年からはびわ湖毎日マラソンと統合したことで、エリートランナーも集うようになりました。

そのおかげで第10回大会の正式名称は、「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会 兼 ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ 兼 オレゴン2022世界陸上競技選手権大会マラソン日本代表選手選考競技会 兼 杭州2022アジア競技大会マラソン日本代表選手選考競技会 兼 マラソングランドチャンピオンシップチャレンジ」

となりました。寿限無かな?

大会記録:男子 第11回(2023年) ハイレマリアム・キロス 2時間6分1秒

女子 第11回(2023年) ヘレントラ・ベケレ 2時間22分16秒

3月 東京マラソン

今や世界屈指の大会規模にまで成長した東京マラソン

ボストンマラソン、ロンドンマラソン、ベルリンマラソン、シカゴマラソン、ニューヨークシティマラソンに並ぶ世界6大マラソンの一つです。

今やその人気ぶりは日本ではずば抜けていて、10倍以上の抽選を勝ち抜いた3万人を超える市民ランナーが集います。

それに伴い世界からも屈指のランナーが集うようになり、大会記録も第1回に比べると7分以上縮まっています。

大会記録:男子 第15回(2022年) エリウド・キプチョゲ 2時間2分40秒

女子 第15回(2022年) ブリジット・コスゲイ 2時間16分2秒

オリンピック開催前 マラソングランドチャンピオンシップ

オリンピック代表選考会として始まったマラソングランドチャンピオンシップ

これまではいくつかの大会の中から優秀な成績を収めた選手を代表に選出するという方式をとっていましたが、マラソンは大会によってコースや気候の条件がまちまちなため優劣をつけるのが極めて難しいという問題がありました。

そこで、指定の大会で決められた条件(タイムや順位)をクリアした選手だけを集め、一発のレースで代表を決めよう、というのがマラソングランドチャンピオンシップです。

このレースで上位2名に入った選手が自動的に代表決定という、極めて単純明快なシステムに変更されました。

これまで東京オリンピック、パリオリンピックに向けて2回行われていますが、男女ともに2回それぞれバラバラのメンバーが代表になるという、極めて熾烈なレースになっています。

2.男子マラソン・女子マラソン

男子

12月 福岡国際マラソン

1947年から行われている伝統の大会、福岡国際マラソン

過去には世界記録が2度もこの大会から生まれるなどかつては「非公式の世界選手権」とも呼ばれ、世界陸連から陸上世界遺産にも認定されています。

今ではマラソンおじさんとして有名な瀬古俊彦さんもこの大会で4度優勝しています。

一度2021年に大会が終了してしまったのですが、新体制により2022年から第二期として新たにスタートを切りました。

大会記録:第63回(2009年) ツェガエ・ケベデ 2時間5分18秒

防府読売マラソン

近畿以西の日本テレビ系列で中継している防府読売マラソン

毎年最後に行われるマラソン大会であり、「若手の登竜門」として定着しています。

その中でも川内優輝は4回も優勝しており、未だ若手の壁として立ちはだかる存在となっています。

大会記録:第33回(2002年) ハイル・ヌグセ 2時間8分16秒

2月 別府大分毎日マラソン

1952年から始まる伝統の大会、別府大分毎日マラソン

1963年には寺沢徹選手が世界記録をたたき出したこともありますが、海沿いのコース設定のため風が強く基本的には記録が出しにくいレースとされています。

その一方で風光明媚な景色は大変見ごたえがあり、中継を見ているだけで大分に行きたくなる大会でもあります。

大会記録:第71回(2023年) イブラヒム・ハッサン 2時間6分43秒

↓大分に実際に行ってみた。

sportskansen.hatenablog.jp

女子

1月 大阪国際女子マラソン

1982年から行われる伝統の女子マラソン大会が大阪国際女子マラソン

オリンピックで女子マラソンが初めて行われたのが1984年なので、それよりということになります。

個人的にはTHE ALFEEが毎年違う大会テーマソングを提供していて、レースの途中で突然流されるのが印象的な大会でした。

ただし2018年に終了してしまいました。良くも悪くも名物だったんですがね…。

大会記録:第41回(2022年) 松田瑞生 2時間20分52秒

3月 名古屋ウィメンズマラソン

1980年から2010年まで行われた名古屋国際女子マラソンが発展的に解消して生まれたのが、名古屋ウィメンズマラソンです。

マラソンフェスティバル ナゴヤ・愛知のメインイベントとして行われるこの大会は参加者が1万人を超え、世界最大の女子マラソン大会となっています。

大会記録:第11回(2022年) ルース・チェプンゲティッチ 2時間17分18秒

3.駅伝大会

駅伝大会については数が多いため、名称の列挙とさせていただきます。

10月 出雲駅伝

箱根駅伝予選会

プリンセス駅伝

全日本大学女子駅伝

11月 全日本大学駅伝

東日本実業団駅伝

東日本女子駅伝

クイーンズ駅伝

12月 全国高校駅伝(男子・女子

富士山女子駅伝

1月 ニューイヤー駅伝

箱根駅伝

都道府県対抗男子駅伝・女子駅伝

マラソンよりよっぽど駅伝の方が多いですね…。

日本の長距離は駅伝から成り立っているのです。

4.まとめ

以上、日本で行われる主要なマラソン・駅伝大会を紹介しました。

海外の事情は分かりませんが、世界的に見てもこれだけ多くの大会が充実している国はなかなかないのではないでしょうか。

その中でも日本の専売特許でもある駅伝の充実ぶりは世界ナンバーワンでしょう。

この駅伝文化が日本の長距離ランナーの裾野を広げ、マラソンの発展に寄与していることは間違いありません。

にわか長距離ファンの一人としては、秋から春にかけて毎週のように大会が見られるのは非常にありがたいものです。

今後も野球のオフシーズンの楽しみとして見続けていきたいと思います。

他のコラムはこちらからどうぞ↓

sportskansen.hatenablog.jp